季節は冬。寒さが特に身に染みる朝。
理 「う~~んよく寝た……寒!」
現在理久兎のいる場所自宅のキッチンで布団なしで寝ていた。それ以前に布団無しはキツイ。
理 「そういえば彼奴等は起きたかな……」
そう思い理久兎は家の中を見てみると、
亜狛「グゥーZZグゥーZZ」
耶狛「スゥーZZスゥーZZ」
理 「まったく飲むだけ飲んですぐ寝やがって
しかもまだ起きね~し……」
あの後美須々達と酒を全部飲んでその後、亜狛と耶狛を担いで久々の我が拠点に帰還した。だがぶっちゃけ2人ならいいんだ。そう2人ならだ。亜狛は左で隣に耶狛が寝ている。そしてその隣には、
紫 「むにゃzzむにゃzz」
紫も俺の家で寝泊まりしているのだ。前から一緒に寝てたりしていた。だが気づかないうちに心身共に大きくなったのがよく分かる。何故分かるのか。担いだのが3人だからだ。酔いつぶれた亜狛と耶狛そして紫を担いで家に帰ってそのまま布団敷いて3人を寝かせ自分の分の布団が無かったためキッチンで寝る結果になったのだ。言うのは失礼かもしれないが家が狭いのが悪い。
理 「はぁ飯でも作るか……」
考えるのを止めて朝飯を作ることにしたのだった。そして調理を初めて約30分程が経過する。
紫 「ふわ~~」\( ̄0 ̄)/
紫は眠りから覚める。そして耳を澄ませると、
タン♪タン♪タン♪タン♪タン♪
と、まな板に包丁がリズミカルに当たる音が響き渡る。
紫 「この音は……なつかしい音ね♪」
そう理久兎が包丁を使っている音だ。約50年。妖怪には短い感覚だが紫にとっては長い時間だった。紫もこの音を聞くのは本当に久々なのだ。そして理久兎が帰ってきたことは夢ではないと実感できる音だ。すると理久兎が此方を振り向くと、
理 「起きたか紫……そこの2人も起こして
くれ……」
紫 「分かりましたわ♪え~と亜狛と耶狛?」
紫が呼び掛け揺すりながら2人を起こす。すると、
ガバ!
と、突然2人が起き出す。これには紫も
紫 「へっ!?」
驚いてしまう。そして起き出した亜狛と耶狛は、
亜狛「盗みダメ絶対!」
耶狛「その飯は私のだよ!」
意味不明な事を言い出した。これには紫も困ってしまう。
紫 「何なのこの2人……!?」
理 「何時ものことだよ……」
と、料理を作り終えた理久兎もとい自分がそう言う。紫は驚きすぎて目が見開いていた。
理 「おはよう2人共目はさめた?」
亜狛「あれ?夢か……」
耶狛「あっおはようマスター♪」
2人はどんな夢を見ていたのかはご想像にお任せする事にする。とりあえず起きたのなら食事を運ぶ手伝いをして欲しいと思い、
理 「とりあえず朝飯出来たからさっさと
運んでくれよ?」
亜狛「あっ!運びますマスター」
耶狛「私も運ぶお兄ちゃん!」
そう言って2人は料理を運ぶためにキッチンに行った。
紫 「あの2人凄いわね色々と……」
理 「ん?何処が?」
紫 「いや……こっちの話よ……」
理 「そうなのか?よく分からんが……」
何処が凄いのかと思っていると亜狛と耶狛が料理を運んでくる。
亜狛「持ってきましたよマスター!」
耶狛「早く食べようよ!」
紫 「見たことのない料理ね……」
因みにに朝食のメニューはライ麦のパンと海外の農園から買った野菜を使ったあっさりとした味わいのスープそして肉の加工の仕方を習ったのでそれを利用してハムを作り卵と焼いたベーコンエッグだ。
理 「海外で料理の研究したからね♪」
紫 「まさか修行て……料理修行!?」
理 「いや違うって!これまで趣味で料理作ってて
海外の料理食べて少し研究したんだよ自分を
見つめ直す修行もしっかりしたからね!?」
紫 「そうですかそれを聞いてほっとしました」
この流れで料理修行してきた何て言おうものなら流石の紫にも呆れられてしまう。実際は本当に料理修行ではなく自分の見つめ直す修行。それはしっかりしてきている。あくまで料理はサブだ。
理 「まったく…さて飯食うか……♪」
紫 「えぇ♪」
亜狛「いただきましょう」
耶狛「早く食べよ~!」
4人はテーブルを囲むと、
4人「いただきます!」
と、言い4人は朝飯を食べ始めた。そうして数分もすると、
3人「ごちそうさまでした!」
理 「お粗末様♪」
3人はすぐに食べ終わった。自分はまだスープが残っているためちびちびと飲む。
紫 「御師匠様また料理の腕があがりましたね」
理 「ハハ♪嬉しいことを言うね♪そういえば
紫……」
紫 「どうかしましたか?」
理 「俺がいない間に何かあったか?」
気になり聞いてみると、
紫 「そうね……」
と、言うと紫の説明が始まった。紫から聞いたことは今の大和の国は貴族と呼びれる人達が都そして人間達の生活いわゆる行政(政治)を管理していること。そして妖怪を滅する機関がより強化された事。次にその機関に物凄い才能をもつ若手の人間が居ることを知った。
理 「成る程ね……俺がいない間にすごい事に
なっているね」
スープを飲み干しテーブルに置く。
亜狛「人間って気難しい種族だな……」
耶狛「本当だね……」
理 「まぁ全員がそうじゃないからな……」
人間はそういった気難しい連中ばかりではない事を知っている。そのため付け足した。
紫 「それにその機関が時々私達の百鬼夜行に
戦いを吹っ掛けにきたりして迷惑にも程
があるのよね……」
亜狛「それでその襲ってきた人間達は?」
紫 「ボコボコにしてスキマでどっかに捨てて
いるわ………最悪の場合は殺すけどね」
耶狛「それでも挑んでくるとか無謀だね……」
確かに無謀過ぎる。勇者と愚か者は同じことだ。だが自分の命を考える者こそ勇者だ。それを考えないで挑む者は愚か者だ。だが紫の話を聞いていると興味が湧いた。
理 「ほう……興味がでたその都に潜入するか♪」
紫 「正気ですか!?」
理 「うんそれで貴族だっけ?あれになって少し
人間を観察するよ♪」
紫 「御師匠様!その都では御師匠様は指名手配
犯みたいなものですよ!」
そう現在の都いや今は平安京とでも言っておくが平安京では理久兎の存在は《超危険要注意妖怪》として名前がしれわたっている。最悪正体がばれれば即刻滅せられる。だがそれは承知の上で更に滅せれるものなら来いと思った。
理 「でも顔は見られてないよ?」
紫 「でも妖力が………」
理 「これで問題ないよ?」
理久兎は霊力に切り替える。紫は頭を押さえて、
紫 「はぁ~何を言っても無駄みたいですね」
理 「よく分かってるじゃん♪後安心しなよ俺ら
と紫達との距離はそんなに遠くじゃないし
それに都で拠点を構えたら結界を張って妖
力がバレないようにすればいいだけの話だ
しね♪」
紫 「でも人間にバレたら?」
理 「状況にもよるけどまぁ最悪口封じはするよ?
ただ
ヘブンつまりはさようなら人間道という意味だ。
紫 「それ死んでるわよ!その前に失敗前提?!」
理 「まぁバレなきゃいいだけの話だしねあくま
で最悪の場合だよ♪」
紫 「分かりましたわでも皆にまたしっかり説明
して頂戴ね御師匠様……」
理 「ハハ♪分かったよ♪」
亜 「大丈夫ですよ紫さん無茶なことはできる
だけさせませんから多分歯止めが効かないけど」
紫 「お願いしますね……」
耶狛「そうと決まれば荷造りしてくるね!」
理 「早いな……」
紫 「早いわね……」
亜狛「楽しみなんだろうな……」
そんなこんなで都に潜入することになったのだった。