これは紫と理久兎が話す数分前に遡る……
晴明「え~と△△△ー○○○は……」
今現在晴明は昼間に理久兎に蕎麦を奢って貰ったため食べた分のお金を理久兎に返しに来ていた。
晴明「う~ん……この辺りの筈なんだけどな……
妖怪の反応もなしか……」
晴明は理久兎の家の探しながら今日のよるの巡回もしている。彼女は陰陽師だ都に妖怪の類いを見つければ即滅するのも彼女達陰陽師の仕事でもある。
晴明「呼ばれた後からずっと見回りばかりそれ
でいて酒等も飲めない飯も食う暇もない
あげくにはお金をすられ………今日は本当
についてないな……」
晴明は本当に朝飯と昼飯しか食べておらずちょうど晩飯の時間帯だいつもこの時間帯にはもう飯と酒を楽しんでいる。だが不運が重なり食事すらも取れていないのだ。
晴明「しかも家が何処かも分からないこれも
あれも何もかんも全部が理久兎のせい
だ!!この野郎!!」
理不尽な怒声をあげて晴明は暗い夜道を見渡す。すると、
晴明「あれ?これって……」
晴明はある家の看板を見つけた。そこに書かれていたのは、
晴 「八弦理桜……ここだ!」
どうやらなんとか見つけれたようだ。
晴 「でも見張りがいない……どうしよう入って
も大丈夫かな?」
そう思いながら扉に手を触れると、
ギィーーーー!
扉が開いた。どうやら鍵はかかっていないようだ。
晴 「鍵は空いてる……中にいるかな?」
そう考えた晴明は中に入っていった。
晴明「灯籠が綺麗だな……」
そう思いながら灯篭の光に照らされながら庭の方に歩くと3人の人影が見えた。
晴 (こう言うときはこう言わなきゃ……)
そう晴明は頭で考えると……
晴明「すいませんここは理桜さんの家ですか?」
晴明はそう言ったのであった。視点は変わり理久兎達へと変わる。
亜狛「お客とはあの少女ですか……」
耶狛「あれ!あの子!」
理 「おや!君はあの時の……」
目の前に現れたのは昼時に知り合った少女だった。
晴明「理桜さん……良かったぁ」
理 「どうしたの?」
晴明「あっ!え~と昼食代を払いに来ました」
理 「そうなのか!?別に良かったのに……」
晴明「いえ!借りた分はきっちり払います!」
そう言うと晴明は理久兎に400円を支払った。とてもしっかりしている。
晴明「これで貸し借りチャラです!」
理 「君……律儀だね……」
彼女の律儀さには驚いていた。わざわざこの夜道を歩いて払いに来てくれたのだから。
晴明「とりあえずお金は返したのでこれで!」
そう言い晴明は立ち去ろうとする。だがこのまま返すのも失礼と思い、
理 「あっ!そうだ君さ良かったら晩飯を食べて
いかない?」
晴明「え!!」
晴明には突然の提案だったので思わず声をあげてしまう。
理 「いや~飯を作ったのはいいけど少し作り
過ぎてね良ければの話なんだけど?」
晴明「う~んでも私は仕事しなきゃ行けないん
ですよね……」
理 「ならせめて酒の1杯ぐらい良いでしょ?
今日は少し冷えるからね♪」
晴明 ゴクリ!
それを聞いた晴明は喉をならす。お酒という言葉の誘惑に負けたのか
晴 「しょ…しょうがないですね!少し付き合い
ましょう!」
言い方はあれだがどうやら内心物凄く嬉しいようだが誘惑には勝てなかったようだ。
理 「亜狛、耶狛お前らもそろそろ食べなさい♪」
亜狛「あっそういえば晩飯まだでしたね……」
耶狛「今思うとお腹減ったな……」
2人は蹴鞠?をしていたせいで晩飯のことをすっかり忘れていたようだ。
理 「あっちに作っておいたから取りに行って
おいで♪」
亜狛「了解です!」
耶狛「わぁ~~い♪」
2人はご飯を取りに行った。すると自分の言った発言に晴明は、
晴明「作ったって………やけに庶民的というか貴族
に似合わないというか……」
それは仕方がない。昔から料理を作っているのだから。
理 「よく言われたよほれ♪おちょこ♪」
晴明「ありがとうございます♪ゴクゴク!」
お酒を貰った晴明は美味しそうにお酒をぐびぐびと飲んでいく。良い飲みっぷりだ。
晴明「ぷはぁ~美味しい~♪」
そんな晴明を面白いと理久兎は思っていると、
亜狛「マスターご飯を持ってきましたよ」
耶狛「あなたの分もあるよ♪」
亜狛と耶狛が晴明の分も持ってきた。
晴明「えっ!いえ…そんな料理まで!」
理 「気にしないで食べていきなさい♪それに
さっきから食べたいって表情してるよ?」
晴 「え!!」Σ(;`∀´)!
どうやら本心を当てられたようで驚いてしまったようだ。
理 「とりあえず食ってけ……」
晴 「すみませんお言葉に甘えます……」
晴明の晩飯はここで食べることが決定した。亜狛と邪狛そして晴明と晩飯を食べることになった。
理 「いただきます」
3人「いただきます!」
そして理久兎を除いた3人はそれを合図にいっせいに食べ始める。
晴 「美味しい!久しぶりに美味しい料理!
ごくごくプハー!!お酒に合いますね!」
理 「ゆっくり食べなさいじゃないと骨が
喉に刺さるよ?」
亜狛「ふぅ~運動した後のご飯は美味しい
ですね♪」
耶狛「秋刀魚が美味しいよお兄ちゃん♪」
そんな感じで晩飯を食べ終わると、
晴明「ごちそうさまでした!」
亜狛「ごちそうさまですマスター」
耶狛「ごちそうさまなの!」
理 「お粗末様……ところで君は仕事しなくて
いいの?」
晴明「あっ!しまった!」
本来の仕事を思い出した晴明は立ち上がり直ぐに門の所に向かおうとするが一瞬だが立ち止まり晴明は後ろを振り返り自分達を見ると、
晴 「えっと理桜さん今日は何度もありがとう
ございました!では急ぐのでこれにて!」
そう言って晴明は急いで外に出ていった。
理 「あの子…大丈夫かな?」
亜狛「まるで嵐のように去っていきましたね」
耶狛「早いね♪」
理久兎達3人は晴明という嵐が帰っていくのをただ見続けていた。そして理久兎達の屋敷を抜けた晴明は、
晴 (まいった………お金を返すつもりがご飯まで
ご馳走になってしまったでも理桜さん本当に
良い人だな……おっと帰って準備しなきゃ……
また犠牲者が出る前に早く理久兎滅っさなけ
れば……)
そう心にひめながら暗い夜道をただひたすらに走るのだった。