終末なにしてますか?死にたくないですか?助けてもらっていいですか?   作:朝が嫌いな人間

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ちょっとした矛盾は目をつむってほしいです・・・。


灰色と黒と約束

「君がルツ・イア・アグニールだな。」

 

扉を開けて中に入るとそこに居たのは軍服を着た黒い毛をした兎徴族だ

 

「あなたは?」

 

「これは失敬、申し遅れた私は、イグナ・キオルキ一位武官だ。」

 

軍の人は苦手だ。こう・・・堅苦しいのだ。そして、偉そうだ・・・。

「それで何の御用なのでしょう。」ナイグラートが聞く。

 

「単刀直入に言わせてもらう・・・ルツ・イア・アグニールに出撃命令が出ている。」

 

「ッ……・・・」

 

ナイグラートが息をのむ。普段は、無線による連絡なのに一位武官が来るほどのことらしい。

「順を追って説明する。3日前、獣らしきものが発見された。それの調査をしてもらう…もちろん我々も同行する。メンバーは少数精鋭だ。急で悪いが、これは決定事項だ。」

 

「予知できなかったのですか?」

 

「・・・そうだ、今回の獣に関する情報はあまりに少ない。故に、調査に行くのだ。」

 

調査というが要するに偵察用の捨て駒だろう。事前情報もなしに獣に挑むのは自殺行為だ。そんなことに戦力を使いたくないから少数精鋭の編成なのろう。だが、幾ら精鋭でも幾ら俺の聖剣が生き残るのに効果を発揮するものだとしても、生存確率はかなり低いだろう。結局戦えるのは、俺だけなんだから。

 

「…何故、自分が抜擢されたのでしょうか?」

 

理由は察しが付くが一応聞いておく。

 

「君の持つ聖剣アグニールの力は生き残ることにおいては最も適した能力だともいえるものだ。今回の調査で最小限の犠牲で済ますために君が抜擢された。ただ、未確認のけものが居るという報告がある。かなり危険だと理解しておいてもらいたい。」

 

一位武官は淡々と語っていく。

 

「門を開く、なんてこともあるんですか?」

 

「・・・時と場合による。その場で開けるなんてことにするつもりはないが」

 

「話は以上だ。明日に出発だ。」

 

「な……そんなに急に!」

 

ナイグラートが驚く。

 

「ああ、これは決定事項だ。」

 

そう言い残して彼は帰えって行った。彼の固くに握られた拳が印象に残った。

 

★★★★

 

妖精兵には、獣と戦う義務がある。それは、分かっているつもりだし、死ぬかもしれないことも分かっている。妖精に『死』は恐怖の対象になりえない。でも、死ぬのが嫌じゃないかと聞かれれば、嫌に決まっている。妖精にだって、痛覚はあるし感情もある戦いに行きたくて行ってるわけじゃない。死ねばもうここには戻ってこれないんだ。・・・

 

でも、そんなことを言うわけにはいかない。先輩たちだって、覚悟を決めてみんなのためになると信じて死んでいったんだ。自分だけそんなこと言ったら、覚悟を決めた姉さんにも申し訳ない。

部屋に戻ると、レンがいた。

 

「何でいるの?」

 

「何の話だったの?」

 

ガン無視された。ていうか質問を質問で返すなし・・・

適当にごまかそうと思ったけどレンの言葉で出来なくなった。

 

「ルツは嫌なことがあるとすぐに布団に入って寝るから。ここに来たってことは嫌なことがあったんだと思う。あと首飾りもいじってるし・・・。」

 

心臓がドキリと跳ねた。レンには隠し事はできないな。

 

「未確認の獣の調査に行くことになった………。今回は、結構危険な任務だ」

 

声を抑えてそう言った。

 

「そう…………」

 

そう短く返事をした後抱き着いてきた。一瞬のことで反応できなかった。

 

「ここで位は無理しなくていいんだよ?」

 

今まで抑えていたものがこぼれてしまいそうだった。本当は行きたくないと叫びたかった。

何で俺なんだ!!!!と叫びたかったが仮に俺が行かなくても妖精倉庫の誰かが行くことになる。ネフレンや他のみんなが行く羽目になる。それはダメだ。

自分はやっぱり、ここでの生活を気に入ってるんだなっと思った。しばらくの間、抱き合っていたら落ち着いてきた。

 

「……………落ち着いた、もう大丈夫。」

 

そう言ってネフレンから距離をとる。そういえば、最初の出撃の時も同じようなことがあった。

 

★★★★

 

その時は別に、死ぬ確率の高い任務ではなかった。でも、尊敬していた先輩が門を開けたすぐ後で、だいぶ、動揺していたんだと思う。俺は、クトリ姉さんみたいに、自分も立派な妖精兵になるんだ、なーんて風には考えられなかった。今もそうだ、浮遊大陸群のために、戦うなんてピンとこないのだ。

当時は、怖くて不安で仕方なかった。出撃前夜に、レンに呼び出されたのだ。

 

「今のルツは見ていられない」

 

そう言われて、抱きしめられた。しばらくして、離れると首から先輩からもらった首飾りがないことに気づいた。レンのほうを向くと、レンの手の中に首飾りがあった。

 

「ルツが戻るまであづかっておく」

 

そう言われて意図に気づいた。返してほしければ、帰って来いというのだ。

返せという気にもなれず、「分かった」と返してしまった。その時には、なんだか戦いに行く意味が分かったような気がした。

 

ああ・・そうだ・・・決めたじゃないか・・・俺は、ここに帰ってきてただいまを言うんだ。

覚悟が決まった。

 

「必ず生きて戻ってくるから。」

 

昔よりも自信をもって言えたと思う。

 

 

 

 

 




3000字とか書いてる人凄すぎじゃないですかね。
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