終末なにしてますか?死にたくないですか?助けてもらっていいですか? 作:朝が嫌いな人間
次の日、チビッ子達に気が付かれないようにそーと出ていこうとすると、
玄関に、ナイグラート・クトリ姉さん・アイセア・レンがいた。
どうやらナイグラートが教えたらしい。あんまり見送りとかされたら決意が揺らぎそうなのだが…。
「いやー黙って出ていくなんて水臭いっすよー」
「見送り位するわよ」
「必ず生きて帰ってくるのよ」
ナイグラートに抱き着かれる。
「大丈夫…必ず生きて帰るよ」
レンがこちらを見ている。
「それでも心配ならこれ・・・預けておく」
そう言って、自分の首飾りをつけてあげる。かつて、先輩から誕生日にもらったものだ。
「それじゃあいってらっしゃい」
「行ってきます」今度は目を見て言えた。
★★★★
「昨日ぶりですね、イグナ一位武官」
「面倒だから、調査中はイグナでいいよ」態度が軟化していた。やっぱり、妖精倉庫での態度は、無理をしていたんだ。
本当に、軍人らしくないな・・・
乗組員を紹介しよう。
狼徴族のヤクハ、蛙族のグハム、鬼族のコノハそしてイグナ一位武官これが主要メンバーだ。
より正確に言うなら妖精兵を知っている者たちだ。
「これより調査に向かう!」
「了解」
★★★★
さて、俺は何をしているかというと指令室で聖剣を持って立っている。精神統一している。
先輩の真似事だ。だが、一応理由がある。
俺の聖剣アグニールは未来を見ることができるのだ………といってもそんなに便利ではなく、精々3秒から8秒位しか見ることは出来ない。ただそれだけ見えれば、緊急回避ができるのだ。しかし結構、集中力が必要で戦闘中は3秒位が限度だ。だから、少しでも集中しておくのだ。
「着いたぞ34番島だ。総員、配置につけ!」
「俺はどうしたら?」
「君には徒歩で問題の場所に侵入してもらう。」
34番島は、ほとんどゴーストタウンと化していた。
「住人はどこに行ったんです?」
そう聞くと、イグナ一位武官は苦虫を噛み潰したような顔をしながら「住人は、ほとんど死んだ」
そう言った。恐らく、本人としては思うところがあるのだろう。
「君は嫌じゃないのか?・・・死ぬかもしれないんだぞ」
さっきよりも、苦虫をかみつぶしたような顔で言った。
「俺たち、『妖精兵』使い捨ての兵器なので。」
そう言うとイグナは顔をしかめる。きっと彼は良識派の人間なのだろう、俺のようなまだ子供の命を使って生き残ることに納得できていないのだ。だが、そんな人間ほど軍人には向かない。・・・俺たちに、やさしさを向ける人が、石灰岩の肌|〈〈ライムスキン〉〉一位武官以外にいるとは・・・。本当に、軍人に向かない人だ。でも、ダメだ、ここで立ち止まったら死んでいった………いや、消費されていった先輩たちの命が無駄になってしまいかねないんだ。それに・・・
「俺は、死ぬ気なんてありませんよ・・・約束したんで」
そう言うと、イグナは驚いたように目を見開く。
「フッ・・・覚悟がないのは自分のほうだったか・・・」
「それにしても、一人称が『自分』ではなく、『俺』に戻ってるぞ。」
言われて気づく。
「まだまだ、子供だな」
にやにやしながら言われる。つい反射で、「おっさんのにやにや顔なんて、需要ないですよ」
と言ってしまった。すると、イグナは突然笑い出した。
「背伸びしてなければ、小生意気なただの子供だな・・・・・大丈夫だその約束は果たされる、我々は全員で生きて帰るのだ」
最初は頼りがいのなさそうな印象を受けたのに、そう言い切ったイグナの背中を見て、少し頼もしく思ってしまったのは内緒だ。
★★★★★
ここらへんで獣が発見されたらしい。あたりを見回してみるが何もいないい。しかし、何かが暴れた後は残っている。
「いませんね・・・」「そうだな」
ヤクハとグアハが話しているのを聞きながら、探索を続ける。【突然地面から触手が出てきてヤクハとグアハを貫いた】………ハッ・・・今のはアグニールが見せた未来だ。
魔力を熾し、ヤクハとグアハを突き飛ばしその場から離れると、今いた場所に触手が出てきていた・・・危なかった。
「イグナ!!!!」そう叫ぶ。イグナも理解したようで、「全員配置につけ!!!」
と叫んでいる。イグナの迅速の指示で、兵たちが引いていく。俺の、役割はこの獣の全体像を引っ張り出して、できるだけ長く戦闘し情報を集めること。
「戦闘開始だ!」
未来予知の場面は【】で表現しています。