終末なにしてますか?死にたくないですか?助けてもらっていいですか? 作:朝が嫌いな人間
「儂はスウォン・カンデル・・・人々からは〈大賢者〉と呼ばれており、護翼軍の相談役を担っている。」
思わぬビックネームに驚きを隠せない。
「こっちの骸骨は気にせんでいい」
すごい無茶なことを言われた気がする・・・。
「ルツ・イア・アグニールです」
「ところでルツ、貴様が適合した聖剣アグニールの調子はどうだ?」
「どうとは?」
「アグニールは、今まで1人の例外を除き誰も適合しなかった遺跡兵装だ・・・そしてそれにはある特性がある。それは、遺跡兵装自体に意思があるということだ。」
通常であればあり得ない話だ。しかし、事実なのだろう。
なんとなく、呼ばれた理由が見えてきた。
「前任者はどうなったのですか?」
「聖剣に自我を乗っ取られて死んだ。」
恐らく殺されたのだろう。
「思い当たる節はあるか」
「いえ、特にはありません」
なんとなくしゃべったらいけない気がした。
「そうか・・・・」
「その聖剣は、使用者の強い願望に反応し、心をむしばむ」
「情報がなくてな・・・何かあれば報告に来い。」
つまり、モルモットといったところか。
「決して、モルモットではない。ただ、精神を乗っ取られ暴走した場合には、殺す必要があるのでな。」
随分と怖いことを言ってくれる。
「分かりました。気を付けます。」
「ああ気を付けろ・・・その聖剣は、悪魔の契約を持ち掛けてくるらしいからな」
「それとここでのことは、誰にも言うな。」
話は終わりらしい。このまま、帰っていいのだろうか・・・。
「もう帰っていいですか?っていうか返してもらえるんですか?」
「ああ、68番島まで送って行こう。」
「そろそろ、薬も切れるころだ。」
何の話だ・・・。そう尋ねようとしたら、体中に、激痛が走った。その代り、体が動く。
「骨がいくつか、折れているらしいからな麻酔のようなものを、打ったと聞いている」
マジか・・・。そういえば、左腕が動かない。
「ここで、応急処置だけしてやる。帰るのはその後だ。」
「お願いします」
処置は10分ぐらいで終わった。すると、さっきのバロニ一位武官が戻ってきた。
「帰りは、彼に頼む。・・・では、あとは任せたぞ」
「はい」
そう言って、彼は歩き出す。痛む体を引きずりながら、着いていく。
ああ、やっと帰れる。獣と戦ってから、余り時間が経っていないはずなのに、ひどく昔のことに思える。
だが、約束を守れそうだ。そんなことを考えていると、バロニ一位武官が話しかけてくる。
「大賢者様に、用があるときは、私に連絡しろ。」
「了解しました」
「ああ、それと目隠しさせてもらうぞ。この島の位置を知られるわけには、行かないのでな」
「・・・了解しました」
最後まで、楽にはさせてくれないようである。
★★★★
「やはり、あの聖剣の中にはいるな。」
骸骨こと黒燭公が、そう言う。
「やはりか・・・お前と会わせたのは正解だったな。」
「しかし、あの妖精も厄介なのに好かれたな」
「前任者のようにならなければいいのだがな」
スウォンが遠い目をする。
「近々、もう一度呼び出す」
「魔力の扱いについて面倒を見てやれ」
「マジかよ・・・まあ、いいぜ暇だしよ」
「悪いな、何分、儂も忙しくて」
「ハン、よく言うぜ」
★★★★
68番島が見えてきた…ようやく帰ってきたのだ。
降りる準備をしていると、バロニ一位武官が来る。そして
「君が、行方不明なことは、妖精倉庫に伝えたが、無事に保護されたことはまだ伝えてない。」
・・・・とんでもない爆弾発言をされた気がする
「も、もう一度行ってもらっても?」
ニヤリと笑い、「君が、無事に保護されたことはまだ伝えてないといったんだ。」
この野郎確信犯だな。いい性格している。・・・嫌な予感がする。
確実に何か言われるだろう。
船が、島に着いたようだ。今は、夜の12時位だ。もう、チビたちは寝ている時間だ。
「ではな・・・後は何とかしろ」
そんな無責任なことを言い、バロニは、帰って行った。