歌と欲望のシンフォギア   作:葉っぱの妖怪

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前回までの三つの出来事

一つ、リディアン音楽女学院に通う立花響はある日ノイズの集団に遭遇し迷子の少女を連れ逃げ出す。

二つ、追い詰められた響の胸に歌が浮かび上がり、歌った響は力を手にするもその力に戸惑い、再び追い詰められたところを風鳴翼に助けられる

三つ、ノイズを殲滅していく翼だったが銀色の輝くノイズに苦戦し、響も別個体に不意をつかれたその時、謎の男が窮地を救った


タトバと迷いと銀色のノイズ

〈タ・ト・バ!タトバタトバ!!〉

 

 いつも聞いてて思う変な歌と共に変身した俺は軽くジャンプしつつ手首を慣らし試作型セルバスター(仮)で吹っ飛ばしたノイズへファイティングポーズを決める。

 セルノイズと呼称しているその銀色のノイズは通常型のノイズよりもシンフォギアの利きがそんなに良くない。まったく利かないわけじゃないけども、シンフォギアではすこし時間がかかる。唯一の救いといえば一度の出現する数が1体か2体程度ということと動きがそんなに良くないということ。

 普通のノイズみたいに体をみょーんと伸ばして高速で突撃ってのが出来なくて、どこか人間くさい動きをするヤミ―のようだ。

 

「オーズ・・・」

 

 二課から伝えられたのか翼ちゃんがいつものようにこっちを向いて睨みつける。それも今回は失われた・・・って言うのとは違うけどもガングニールが見つかったことでその顔も数割増しで怖くなってる。

 まあ、敵対していない以上あっちはノイズに集中するだろうしこっちは響たちを守ることに集中しよう。

とセルノイズが動いた。腕と思われる機関を俺に向けながら走ってくる。

 

「どらっしゃあ!!」

 

 それを俺は正面から殴り飛ばす。よろめいたところにジャンピングニー、トラクロ―を展開し斬る、斬る、斬る。

 トドメにバッタの力で高く飛び上がり勢い付けてトラクローで粉砕する。セルノイズは何もできずに爆発四散!

 後ろで響がほぇーっと呆けるような声を出すのを聞きながら、ふぅーっと息を吐きながらふと翼ちゃんの様子を見る。下から切り上げて何とか腕を斬り飛ばしたいまいち剣にキレがない。無駄に大振りで斬ったり、いつもなら食らわないような攻撃を受けてる。

 

「・・・・さすがに見てらんねぇな」

 

 俺はバッタメダルを黄色のチーターと入れ替え再びスキャンする。

 

〈タカ!トラ!チーター!〉

 

「姿が・・・変わった・・・?」

 

 足がバッタの力を有したものからチーターへと変化したと同時にその力を使い翼ちゃんに攻撃しようとするセルノイズに高速で肉薄し殴り飛ばす。

 

「剣が迷い過ぎだ。さすがに助太刀するぞ」

 

「くっ・・・感謝はしよう」

 

 一瞬、睨みつけたがすぐに一応の感謝を述べセルノイズに向き合う。その手に持った剣の刃が巨大化し青いエネルギーが集まる。それに合わせて再度オースキャナーでメダルをスキャン、その力を一時的に開放する

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 赤、黄、黄の順番でエネルギーリングが展開されノイズを目標にとらえる。翼ちゃんが剣にたまったエネルギーを斬撃として飛ばすと同時にチーターの力で高速でリングをくぐり肉薄、トラクローにエネルギーを集中させる。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「セッイ、ヤァアアアアアアア!!!!」

 

【蒼の一閃】

 

 蒼の一閃の着弾に合わせてトラクローをノイズへたたき込み粉砕させる。俺、翼ちゃんはお互い肩で息しながら技を放った状態から立ち上がり、見つめる。先に変身を解除したのは翼ちゃん。今回はあなたなんかに構っていられませんとでも言いたいかのように響を見つめる。それを見て俺はバイクへと歩きながら変身を解除、元の黒いライダースーツとヘルメットの如何にも不審者っぽい状態へと戻る。いまだに呆ける響たちを通りバイクに跨る。

 ハッと俺に振り返った響は何か言いたそうにしているが二課のNINJAこと緒川さんに出会うと再びドキッ!忍者との地獄鬼ごっこ~正体ポロリを添えて~が始まりそうになるのでそのまま走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま夜遅かったために直帰した俺は鴻上会長にテレビ電話で報告した。いつもなら里中さんが俺の代わりに会長に報告してくれるんだが今日は既に帰宅済み。ってことで俺が自ら伝えることになった。

 

「なるほどガングニールは無事覚醒したか・・・」

 

 報告を終えると会長はグラスにそそがれたワインをぐいっと口に飲み込んだ。グラスから口を話すと手ぶらになって立ち上がり、俺に背を向けて会長室の窓から外を眺める。

 

「ご苦労だった。今日は休んでくれ」

「ありがとうございます。それでは」

「映司君」

 

 テレビ電話を切ろうとしていた俺を会長が止めた。そのまま俺を画面越しに見つめていると「いや、なんでもない」と言って視線を外した。

失礼しますと声をかけて回線を切る。会長の目ってなんでも見透かしてくるようでちょっと苦手なんだが・・・。

 

「はぁ~・・・・」

 

 いや、たぶんだけど全部お見通しなんだろう。その上であえて触れないでくれているんだろう。俺が悩みの末欲望が小さくなってることに。

 

 翼ちゃんの事言えないな・・・

 

 そういって俺はベットに潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「やっべ、食い残しのケーキ忘れてた」

 

 戦いに行く前に残していたケーキをうっかり忘れていたことを思い出したのは次の日の朝だった




鴻上会長のキャラがわからなくなる。これはやってみなきゃわからないと思うけど今回遅れた理由のおよそ8割が鴻上会長。

あとちょくちょく1話2話を弄ってます。

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