そして迎えた(二人だけの)合宿当日。天気は朝から予報通りの大荒れだった。風は強く、雨も昨日より激しくなっていて全国各地で色々な警報が出ていた。
「あの、会長…。こんな天気ですけどやっぱり行かなきゃダメですかね?」
『俺も流石にこの天気はどうかと思ったが、向こうとこっちの理事長が中止を許さなくてな…。すまないが決行で頼む』
「…はい、わかりました…」
こんな大荒れでも決行ってどんな無茶振りだよ…。理事長の頭どうかしてんだろ…。
会長との電話を切ると、今度はつぐから電話がかかってきた。
『みーくん、どうだった?』
「駄目だ。行ってこいだって」
『やっぱり、そっちもなんだ…』
「どうかしてるよな、俺達に何かあったらどうするつもりなんだろな…」
『こうなったらもう行くしかないよね…』
「そうだな…。つぐは準備は大丈夫?」
『うん、一応出来てるよ』
「じゃあ、今からそっちに行くからそしたら駅に向かおう」
『あ、そのことなんだけどねお父さんが危ないから駅まで乗せていってくれるって』
「マジか、助かるわ。つぐパパに感謝だな」
『じゃあ、私家の裏で待ってるね』
「わかった、すぐに行く」
「じゃあ、二人とも気を付けてな」
「ありがとうございました!」
「うん、行ってくるね」
つぐパパの送迎のおかげで俺たちは濡れる事なく家の最寄り駅に着き、そこから電車で泊まる旅館の最寄り駅まで向かった。
「流石に1時間も座ってるとキツいな…」
「私もなんか疲れてきた…」
二人でぶつくさ言いながらホームを出て、旅館行きのバスに乗った。そしてバスに揺られること20分目的地の旅館へと着いた。旅館の外観は歴史を感じさせるものがあり、ところどころ古いが決してボロいというわけではない。旅館の玄関に入ると年増の女将が出迎えてくれた。
「桃山様と羽沢様でいらっしゃいますね?」
「はい、そうですけど…」
「お待ちしておりました。さ、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます…」
「どうも…」
女将に案内された部屋は二人部屋で畳と座敷が見事にマッチした和風の部屋だった。だが、そこで俺はある疑問を女将にぶつける。
「あの…部屋ってここだけですか?」
「はい、そうですよ」
「一人ずつというのは…」
「申し訳ありません。只今部屋が全て予約で埋まっていまして…」
「あ…そうですか…」
ということはつまり、俺は明日の朝までつぐみと二人きりでこの部屋で過ごさなければいけないことになった。
「では、夕食になりましたらお声を掛けさせて頂きますのてごゆっくりお過ごしくださいませ」
そう言って女将は部屋から出ていった。
「…ん………くん………みーくん!」
「おわぁ!?な、なに?」
「どうしたの?さっきからなんかボーッとしてるけど」
「いや、なんでもないよ。それより、課題すすめちゃおうか、今のうちにやっといた方が後半楽になってくるし」
「そうだね、やっちゃおうか」
バッグから課題と筆記用具を出し、早速取りかかった。だが、俺は知らなかった。この後あんなことがあり、こんなことになるなんて……
次の回で主人公とつぐみが…