「夏休みの間は少しくらい羽を伸ばしてもいいけどハメをはずしすぎないように。それじゃ、2学期にまた会おう!」
校長にしてはとても珍しい短い話で集会は終わった。学校が終わると皆が早速夏休みの計画を立てていた。最も、これから隣の女子学園の生徒をナンパしようと言うのが多かったが。しかし、他の生徒が早く帰ってる間にも生徒会は仕事がある。書類整理などがほとんどだが。
「そういえば、夏休みの毎年恒例の女子学園の交流合宿なんだけどみんなどうするんだ?」
「あ、俺部活の合宿なんで欠席でお願いします」
「俺もです」
「僕も家族と旅行が…」
「ふむ…そういえば俺も大学のオーキャンがあったな…」
「え、俺だけですか?いや待ってくださいよ、先輩方生徒会なんだと思ってるんですか」
「仕方ないだろ。夏休みってのは大会のためにしっかりと準備する期間なんだから。深月もわからなくはないだろ?」
「まぁ少しは」
「ちなみに向こうも色々用事があって参加する人数は少ないらしい」
「女子学園は結構ガチな進学校だから仕方ないよね」
「そうなんですか?」
「うん、毎年20人以上は国立大合格者を出してるらしいから」
「俺達でさえ13人くらいしか国立に受からないからな」
「それで、向こうは何人くらいになるんですか?」
「んー、詳しいことは言ってなかったけど三年、二年は全員不参加で一年のほうも集まりはあまり良くないらしいからなー」
「深月は参加するのか?」
「一応」
「じゃあ、参加者は桃山だけでいいか?」
「「「はーい」」」
結局合宿参加者は俺だけで話は進み、今日の活動を終えた。下校する頃には真っ赤な夕焼けが姿を現していた。
(まいったなぁ…結局いつもの時間か…)
「みーくん?」
「ん?」
呼ばれて振り向くと、制服姿のつぐみが立っていた。
「やっぱりみーくんだ。今帰り?」
「そうだよ、つぐも?」
「うん、さっきまで生徒会の仕事してたんだ」
「じゃあ、俺とおんなじか。お互い大変だな」
「ふふっ、そうだね」
(やっぱりあの事は聞いた方がいいのかな…)
「どうしたの?」
「あのさ、つぐは交流合宿参加するの?」
「…うん、するよ。でも、先輩達みんな用事が被っちゃって1年だけの参加になったんだけど1年のみんなも用事があるみたいで……私だけになっちゃったんだよね」
「こっちも似たようなもんだよ。でも、そっちはみんな学力高いから仕方ないんじゃないか?………あれ?てことはさ……二人きりか?」
「えっ!?」
「でも、そういうことになるか。うちの会長曰く台風とかが来ない限り中止はないって言ってたから」
「そ、そうなんだ…」
「にしてもつぐと二人で泊まりか~。なんか小学生の頃を思い出すな~」
「う、うんそうだね…」
「つぐ?何か顔が赤いけどどうかした?」
「ううん、何でもないよ!」
「そ、そうか…」
「じ、じゃあ私ここだからまたね!」
「ああ、じゃあな」
さて、今日から本格的に夏休みが始まるわけだが、…何しよう。とりあえず課題をパパっと終わすか。
~1時間後~
「ぬわああああん、疲れたもおおおおおん!」
これが自称進学校の課題か…。何とか大まかなものはほとんど終わったけど、最後の難敵は評論文の作成だった。
「これは後でいいや。疲れたから風呂入って少しピアノ弾いてから寝よ。飯は抜きでいいや」
風呂から出てからパンツ一丁でピアノ椅子に座り、軽く鍵盤を叩いた。
「よし、こんな感じかな」
一呼吸置いてから曲を演奏し始めた。曲はフランツ・リストのハンガリー狂詩曲で恐らく最も有名な第2番。曲の途中途中でテンポが速くなったり、ゆっくりになったりするのが特徴的な曲で個人的にはかなり好きな曲だ。何せ某アニメを見て、弾きたいと思ったくらいだからだ。
「ふぅ~。やっぱり後半はキツいな~」
演奏を終え、手首をストレッチしながら呟く。時刻は既に11時を過ぎていていつもならとっくに就寝してる時間だ。
「そろそろ寝るか」
夏休みだからといって夜更かしばかりしてると生活リズムが狂っちゃうからね。仕方ないね。
これもうわかんねえな