サボってました。
前作と平行しながら進めます。
というか、早く公開できるようにしないと。
お父さんの制服を借りて閉店まで店の手伝いをした後、リゼを見送った。
仕事が終わって緩んだココアの陽気な鼻唄を聴きながら階段を登り、ダイニングへ。
ココア「それじゃあチノちゃん!一緒にご飯作ろう!」
チノ「私一人でできますし、いつもそうしてるじゃないですか...。」
ココア「そんなー!」
困った様子でココアをあしらって、チノは調理器具を用意し始める。
一人で料理できる程に成長した彼女を見ると、嬉しくもあり寂しくもある。
チノ「お兄さんの前だからって張り切ってるんじゃないですか?」
ココア「うっ...そ、そんなことは...。」
チノ「...図星みたいですね。」
カナタ「あはは...。」
ココア「カナタ君に笑われたー!」
息の合った二人の掛け合いに、思わず笑いがこぼれる。
カナタ「いや、ココアを笑ったんじゃないよ。二人のやりとりが面白くて。」
顔に手を当て、落ち込むココアにフォローを入れる。
チノと違って、忙しない子だ。
ココア「私達息ピッタリだって、チノちゃん!姉妹漫才で世界も狙えるよ!」
チノ「料理中に抱きつかないで下さい...。あと姉妹でもないし漫才でもないです!世界も狙いません!」
ココア「えー!チノちゃんのいけずー!」
拒否反応を示されてもなお、ココアはチノに抱きついたまま、頬擦りをする。
本当にチノのことが好きなんだろうけど、料理の邪魔になってないか...。
俺は先にシャワーを浴びさせてもらった。
夏の汗でベタついた体もさっぱり。
今日の夕食はカレーみたいだ。
チノお手製のカレー、楽しみだな。
ココア「カナタ君、ご飯できてるよ!食べよう!」
扉を開けると、ココアが元気に迎えてくれた。
鍋を覗く。
どうやら夏野菜のカレーらしい。
器にご飯を盛り、ルーをかけてテーブルへ。
ココア「いただきまーす!」
カナタ「いただきます。」
期待して口に運んだ一口は、懐かしい味がした。
小さい時に食べた時のような、甘めの味。
安心感のある味だ。
カナタ「あんまり辛くないね。」
チノ「こ、これがウチの伝統の味なんです...。」
顔を赤くして、ぎこちなく答えるチノ。
まだ辛いものは苦手なのかな?
チノ「お兄さんに昔の事を思い出して欲しくて...。決して辛いのが苦手な訳では...。」
カナタ「...ふふ...。」
咀嚼する口を止め、スプーンを置く。
カチャン、と音がした後、一気に静かになった気がした。
カナタ「ありがとう、チノ。」
それは、滑らかに、自然に出た言葉だった。
微笑んだ俺の顔を見て、さらにチノは赤面した。
ココア「凄い!チノちゃんが一方的に!」
そしてココアは感動している。
ココア「これが本物のお兄ちゃん力...。し、師匠と呼ばせて下さい!」
カナタ「ええ...。」
それからチノはずっと俯いたまま、ココアからはどうすれば姉になれるのかみたいな事を聞かれ続けた。
もの凄く食べづらくて、カレーの味も良く分からなかった。
夕食を食べ終え、しばらく自室で過ごしていると、コンコンとドアをノックする音がした。
カナタ「どうぞ。」
ココア「カナタ君、一緒に寝よう!」
カナタ「はい!?」
え!?
何言ってるの!?
カナタ「今なんて言った?」
ココア「え?一緒に寝ようって。」
聞き間違いじゃなかった。
添い寝したいらしい。
ココア「チノちゃんも一緒に寝たいって!」
チノ「うぅ...。」
さっきは見えなかったがチノも来てたようだ。
恥ずかしそうにウサギの縫い包みで顔を隠している。
ココア「という訳でお邪魔しまーす!」
カナタ「え!?良いって言ってないよ!?」
許可を得ることなくズカズカと部屋に入るココアにチノが続く。
二人とも躊躇う事なく俺のベッドに横たわる。
ココア「さあ早くカナタ君も!」
カナタ「はぁ...。分かったよ...。」
奥からココア、チノ、俺という配置で寝ることになった。
初日から大変だ...。
どんなストーリーだったかはうろ覚えですが、ちゃんと形になれば良いなと思います。