ロクでなし魔術士と赤い目を持つ義弟   作:ポポポンのポン

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11話

「じゃあ『変身』の競技出たい人はいませんか〜」

 

フィーベルさんが皆に聞くが誰も手を上げない。それがもう30分ほど続いている。

 

「困ったなぁ、もう来週になるのに…」

 

魔術競技祭

学年で年に数回行われるクラス対抗イベント。まぁ運動会のようなもの。だが、この学院ではいかにそのクラスの講師が優れているか競うような大会になってしまっている。毎回クラスの成績上位者しか出場せず、成績が下位の者は参加しない。いや、クラスの講師に参加させてもらえない。

 

だの競技も優れた点を見せるため難易度が高いのも多い。だから練習をしないといけないのだが、うちのクラスはまだ出場選手が決まっていなかった。

 

「せっかくだからみんな出てみようよ」

『………』

 

というか誰も出ようとしない。あのルミアの声ですら顔を渋るほどだ。

 

(まぁ俺も出ようとは思わないけどな。めんどいし…)

 

競技祭には数多くの来賓があり、自分をアピールする絶好の機会だ。だが今年は違う。女王陛下がご来賓なさるのだ。なので女王殿下の前で無様な真似は晒したくない。だからみんな出場を渋っている。他のクラスは担任の講師がアピールするために出場選手を勝手に決めるとこもあるようだが、うちのクラスの担任はグレン兄だし…そんなことはめんどいからしないだろう…

 

しかしフィーベルさんは全員を出場させたいらしく、必死に説得している。しかしそれはきついだろう。まぁ、俺が勝手に競技を決めて良いなら勝てなくはないがな

 

「ねぇ、カインなんとかならない?」

 

ちょっ!フィーベルさん!ここで俺にふります⁉︎

 

「い、いや〜きついだろう。全員出るのは………」

もちろん俺は競技なんてでたくないのでごまかす。

 

「じー・・・・・」

「………」

「じ〜〜・・・・・・・」

「………あ、あの?ル、ルミアさんは な、なんでこっちを見てくるんですかねぇ?」

「ねぇカインくんは何か考えがあるんじゃないかな?」

「 ………」

「あるんだね?」

 

る、ルミアさん怖いっす!そんな冷たい目で見ないでください…

 

「まぁ、あることはあるんだが…それはグレン兄の仕事だろ」

 

俺がそう言った途端

 

バン!

と、扉が開いた

 

「ここは俺にまかせろ!このグレン・レーダス大先生様にな!」

 

『ややこしいのが来た……』

 

クラスの全員がそう思った

 

「遊びは無しだ!勝ちに行くぞ!」

 

そう言ってグレン兄は不敵に笑った

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「はぁ、グレン兄のやつやってくれたな…」

 

俺は今 中庭の広場にある木の上にいる。しかしここは意外と心地よい。日差しがいい感じで入って来て、風も心地よい。寝るには絶好のスポットかもしれない。俺はそうして木に背中を預ける。下では皆が競技祭に向けて練習をしていた。

 

グレン兄のおかげでクラスの皆が出場できるようになり、さらにハ、ハ…ハードゲイ先生?との決闘騒ぎでクラスのボルテージは今MAXの状態だ。俺はグレン兄に、決闘戦の出場を命じられたが正直誰が来ても勝てる気がするのでここでグータラしている。

 

「あ、いた!もう カインくん サボっちゃダメだよ」

 

俺は呼ばれて下を見ると顔をプクーっと膨らて、私怒ってます!とアピールしているルミアがいた。俺はルミアを見て木から飛び降りた

 

「どうしたの?」

「どうしたのじゃないよ、カインくんも練習しないと」

「いや、別に誰が来ても負けないし…」

「そうゆう問題じゃないの!」

 

そう言ってルミアは俺の手を引っ張って皆のところに連れて行く。そこには指導しているグレン兄とカインとロッドがいた。

 

「おお、カインちょうどいいところに来た。俺だけじゃまわんねぇ。お前も指導に回ってくれ」

「えーーーー」

 

俺はグレン兄のお願いに渋る。だってめんどくさいんだもの…ていうかグレン兄なんか痩せた?飯食ってんのかな?・・・あ、だから真面目に競技祭の指導に当たってんのか!特別手当目的だな…

 

「と、いうことで、ルミア頼んだぞ」

「はーい、先生!」

「お、おい!」

 

なんか勝手に決められてる⁉︎

 

「ほら、カインくん行くよ!」

 

ルミアはそうして俺を引っ張る

 

「あ、ちょっ!あーもうわかったよ!グレン兄!その代わりに優勝できたら昼飯1週間おごりだからな!」

「な、お前の飯代 どれだけかかると思ってんだよ!」

「知るか!」

 

そうして俺はルミアに引っ張られて行く…後ろから何か聞こえるが気にはしない…

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「で、ルミアどこに行くの?」

「ウェンディのとこだよ。なんかグレン先生に聞きたいことがあったみたいなの」

 

そうして俺とルミアは教室に入った。そこには辞書と睨めっこしているナーブレスさんがいた。すごい…眉間にシワやってるよ…

 

「おーい、ウェンディ!」

「あぁ、ルミアにカインさん どうしましたの?」

「カインくんがグレン先生に指導役お願いされて、私は逃げないようにその監視してるの」

「あぁそうゆうことでしたか。私はてっきり放課後デ「ちょっと!ウェンディ何言ってるの⁉︎」」

 

ルミアは慌ててナーブレスさんの口を塞いでいた。どうしたんだろう?顔が真っ赤だ

 

「ん?ルミアどうしたの?顔が赤いけど…保健室いく?」

「「はぁ…」」

 

俺はルミアの心配をしたのに2人にため息をつかれた、、、なぜ?

 

「で、ナーブレスさんはどこがわからないの?」

「ウェンディで構いませんわ。同じクラスメイトですし」

「じゃあウェンディさんはどこを聞きたいの?」

 

確かウェンディさんは『暗号早解』だったか?

 

「実は竜王語に難航しておりまして…解いては見たのですが、文法がバラバラになってしまうんです…」

 

そう言ってウェンディさんは俺に問題用紙を見せて来た

 

「あぁ、竜王語なら1回ルーン語に翻訳してから訳したほうがいいよ。竜王語は文法がごちゃごちゃだから理解が難しいけどルーン語なら文法をはっきりさせることができるんだ」

「そんなこと聞いたことありませんわ!」

 

バン!と机を叩いて立ち上がるウェンディさん

 

「まぁまぁ、1回騙されたと思ってやってみなって」

「わかりましたわ」

 

そう言って問題を解き始めるウェンディさん。というか普通に竜王語からルーン語に直すのも難しいのにそれを簡単にやってるウェンディさんって頭いいんだなぁ…呪文噛むのはもったいないけど…

 

「 『最も切れる剣は箱の下に保管しない。それは英雄も同じ』ですか?」

「正解、よく解けたね」

「ま、まぁ当然ですわ」

 

うわ〜ウェンディさんちょろーい

 

「カインくん そんなこと知ってるね?」

「昔、俺も解けなくていろいろ試してたんだよ。そしたらできたんだ。まぁ偶然だね」

「それでもすごいですわ」

「そーかな?」

「えぇ、見直しましたわ。あ、他にも聞きたいことが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、疲れた…」

「ふふっ、お疲れ様」

 

俺はウェンディさんに教えた後、リンにギイブル、テレサに指導していた。

 

「でもカインくん すごかったよ。知らないことばかりだった」

「そうでもないさ。ルミアでもすぐあれくらいできるようになるよ」

「そうかな?」

「そうさ」

 

俺とルミアが歩いていると

 

「あ、いた!」

 

そう言って、ある男子が走ってくる。あれは…カッシュかな?彼も俺と同じ決闘戦に出る

 

「どったの?」

「いや、グレン先生に質問に行ったらお前に聞けっていうからよ」

 

はぁ、またグレン兄か…こっちに回しすぎじゃね?

 

「で?何が聞きたいの?」

「いや、俺 決闘戦の出場になったけどはっきり言ってギイブルの方が強いじゃんか…どう戦えばいいのかな?って思ってさ…」

「うーん…そうだなぁ、とりあえず新しい呪文は覚えなくていいよ。はっきり言って今から物にするのは厳しいから。それなら今使える魔術を伸ばした方がいい。あとは上手いこと相手の隙を作るとかかな?」

「隙を作る?どうやって?」

「なんでもいいよ。例えばグレン兄の最初の授業でやったように改変呪文で相手の動きを封じて、その間に大技を放つ的な感じで」

「いや、改変呪文なんてそんな高度なこと…」

「あぁ、そんなに難しく考えなくていいよ…なんならショック・ボルトを4節にして右に曲がるだけでも隙が生じる可能性が高い。それならできるだろ?」

「まぁ、それなら…」

 

しかしカッシュは未だにしっくりと来ていないようだ…

 

「仕方ない…じゃあ俺の奥義を見せてやるよ」

「お、奥義⁉︎」

「あぁ、絶対どんな奴でも一瞬動きを封じられる最強の魔術だ。グレン兄も倒れた技だぜ」

 

そう言って俺はカッシュと距離を取る。

 

「じゃあ本当の試合のような感じでやってみようか」

「あぁ、わかった」

 

そうして俺とカッシュは向き合う。2人の雰囲気に周りで練習していた二組の奴らも手を止めて俺たちの試合を見ている。緊迫した雰囲気の中俺はカッシュに向かって走り出す

 

「行くぞ カッシュ!『変化』」

 

そう言うと ボンッ! と音を立てて俺が煙に包まれる

 

「『セルフイルージョン』の一節詠唱⁉︎くそっ!いったいどんな・・・」

俺の変身を見てカッシュが言葉を失う

 

そこには 金髪をツインテールにし、素晴らしい体型をした絶世の美女がいた。しかも格好は裸。しかし周りにはそれを隠すように煙が配置されており、見えそうで見えない。これが逆に色っぽい。

 

「お色気の術」

「ぐはっ」

 

カッシュはそのまま 倒れこむ。鼻から赤い血が出ているのは気にしないでおいてやろう。周りの男子も前かがみになっているやつや、鼻を抑えているやつがいるが俺は気にしない。女子は冷たい目で見ているがまっったく気にしない

 

「ふふっ、どうだ。昔グレン兄に勝つために必死に開発した魔術だ。苦労したぜ。この顔、抜群のプロポーション、そしてどの角度から見ても絶対見えないこの煙の配置」

「あぁ、すげぇ…こんなの最強の技じゃねーか…」

「あぁ、そうだろう。はっははは《ガシッ!》は・・・?」

 

俺は突然肩を掴まれたので振り返ると其処には、後ろに般若のオーラが見えるルミアがいた。

 

「ねぇ、カインくん。あっちでお話ししようか…」

「え、い、いや…その…俺もう帰りたいな〜なんて…」

「ふふっ、だ〜め」

 

こ、怖いっす!ルミアさん。なんで顔は笑顔なのにそんなに冷たい声が出せるんですか⁉︎

 

そうして俺は襟を掴まれ引きずられて行く…

 

「ぎゃあああー ルミアさん助けて!ゆ、許してー」

「ふふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はこの日二度とルミアを怒らせないようにしようと決めた…

 

 




競技祭の種目決め

「決闘戦は…カイン、白猫、それから…カッシュ。錬金術はギイブル。暗号早解はウェンディ一択。それから…」

「ちょっと待ってください。なぜ僕が決闘戦から漏れてるんですか!」

「ん?たしかにお前は優秀だけどお前まだ戦闘用の錬金術はそんなに獲得してないだろ。まだ学生だしよ….それならお前の得意な錬金術の競技にそのまま出すだけだ。お前はまだカインよりも呪文の数も知識も少ないが、はっきり言って正確さはお前の方が上だ。是非それを発揮してくれ」

「それなら…」

そう言って渋々 ギイブルは錬金術の競技に出ることになりました。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昔話

カインvsグレン

「で、今日は俺に勝つって?それ何回目だ?カイン」

「うるせー、今回は絶対 負けねぇーから」

「ふっ、じゃあ来い!」

「行くぞ!『変化』」

「なに?『セルフイルージョン』?なにを考えて・・・」

「お色気の術」

「ぶっ…」

「隙ありーー!」


そう言って俺は隙だらけになったグレン兄の顔面を殴り飛ばした。その後グレン兄は2日目を覚まさず俺はセラ姉さんとセリカ母さんにこっぴどく怒られた…
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