ロクでなし魔術士と赤い目を持つ義弟   作:ポポポンのポン

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4話

「えーと、今日の時間も自習にしまーす」

 

グレン兄の授業は相変わらず自習だった。他のグレン兄のことなどほっておいて自習をしている。あぁ、相変わらず意識高いなぁ。でもこんな勉強してるようじゃあ…まぁいいか

 

しかし今日は違った

 

「いい加減にしてください!」

 

そう、説教女神ことシスティーナ・フィーベルである。まぁあいつは魔術を異常に神聖視しているからなぁ。グレン兄の態度がゆるせないんだろうなぁ

 

「いい加減にやっているだろう」

 

そう言ってフィーベルさんをするりとかわすグレン兄。いや、たしかにそうだけど…

 

「これ以上この態度を続けるなら、お父様に報告してあなたをやめされることも私にはできるのですよ!」

 

そう意見するフィーベルさん。でも今のグレン兄にそんなこと言うと…

 

「是非お願いします!お父様によろしくお伝えください!いや〜これでようやくやめられるぜ〜」

 

ほらな…まぁ今のグレン兄ならそんな反応するだろうなぁ

 

そして… パシッ!

 

グレン兄の顔にフィーベルさんの手袋が投げられた。

 

「あなたにこれが受けられますか?」

 

「お前まじか?」

 

グレン兄の顔が急にマジになる

 

「ダメ!システィ謝って」

 

ルミアが止めるがフィーベルさんは止まらない。そしてグレン兄もこの決闘を承諾した。そしてクラスのみんなが決闘を見に行く。俺?俺は行かないよ。だって勝負見えてるし

 

「カイン君は行かないの?」

 

ティンジェル さんがそう聞いてくる

 

「大丈夫だよ〜絶対フィーベルさんが勝つから」

 

「何でそんなことが言い切れるの?」

 

「だってグレン兄やる気ないもん」

 

それにわざわざ生徒相手に「愚者の世界」も使わないだろうしなぁ

 

「だからティンジェル さんも安心して見てていいよ。俺は寝るから」

 

それを聞いてティンジェル さんは教室を出ていった。

 

後で聞いた話だと決闘の内容はショックボルトのみでの対決でフィーベルさんが圧勝したらしい。そしてグレン兄は決闘の約束を無視したらしい… やっぱり…

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

カン カン カン

 

 

何の音かって?これはグレン兄が黒板に教科書を打ち付けている音だ。いや、教科書はもう自分のものかもしれないが、それだと黒板傷つかないか?

 

 

そして、今日も自習とグレン兄がいい、他の生徒も呆れて自習を始めた。

 

しかし今日はそんなグレン兄に質問しにいった子がいた

 

「ダメよ、リン。そんな魔術の崇高さをまるでわかってない奴に聞いても。さぁ私が教えてあげる。私と一緒に魔術の真理を解き明かしましょう」

 

グレン兄はいつもなら無視していただろう。だが今日は違った

 

「崇高なものって何だよ」

 

どうやらフィーベルさんの言葉がグレン兄の琴線に触れたらしい

 

「聞くが崇高なものって何だよ」

 

その問いに対してフィーベルさんは、さも当然と言わんばかりに魔術は世界の真理を追求するものだの人がより高次元の存在に近づくためのものだのグレンに説明する。だがそんなものはグレン兄には通じないだろう

 

「それが何の役に立つんだ?例えば医術は人の命を救うよな?農耕技術、馬術、建築術。術とつくようなものは基本的に人の役に立つものばかりだ。だが魔術は人のなんのためになるんだ?教えてくれよ」

 

グレン兄の反論にフィーベルさんは言い返せない。言葉が詰まっている。まぁそうだろうな。今までそれが正しいと信じてやってきたんだから。

 

「はは、悪りぃ悪りぃ。魔術はちゃんと人の役に立ってるよ」

 

おい!グレン兄まじか!

 

「人殺しにな!人が剣で10人殺す間に魔術では100人殺せる!これほど人殺しに優れた術はねぇぜ」

 

「違う…魔術はそんなじゃ…」

 

「お前らもこんながだらないことに時間を割いているくらいならもっと」

 

パシッ

 

フィーベルさんがグレン兄の頬を叩いた

 

「大っ嫌い!」

 

そう言って泣きながら教室から走って出て言いてしまった

 

「カイン…今の俺どうだ?」

 

「まぁ事情はわかるけど、大人気ないな。すごくだせぇよ」

 

「そうか…今日はやる気でねぇから自習にするわ」

 

そう言ってグレン兄は教室を出ていった

 

「ねぇ、カイン君も一緒にシスティを探しに行こ?」

 

ティンジェルさんが俺を誘ってくる。だが…俺は…

 

「すまん、ティンジェルさん。俺にそんな資格はねぇよ」

 

「どうゆうこと?」

 

「俺もグレン兄ほどでもないけど、同じ意見だから…魔術なんてくだらねぇよ」

 

そう言って俺も立ち上がって教室を出ようとする

 

「ふん、あの3流魔術師の弟も3流か。魔術がくだらないなどバカバカしい」

 

「全くですわ!あの方もあなたも魔術を馬鹿にするなど。理解できませんわ」

 

そう言ったのはえーと眼鏡の…ウィズダンくんとツインテールのお嬢様のナーブレスさんだったかな?

 

俺はその2人の座っている間に服の間にしまっていたナイフを投げる。

 

スタン

 

そんな音が教室に響く。ナイフの刀身は全て後ろの席に刺さっている。人に当たれば怪我ではすまなかったかもしれない

 

目を見開く2人に俺は

 

「グレン兄を馬鹿にするなよ。グレン兄のことを何も知らないくせに」

 

殺気をぶつけた。もちろん軽くだがな

 

「だ、だがよ!間違えるのはあいつだろ!」

 

1人の少年が立ち上がる。確かカッシュくんだ。よく話しかけてくるから覚えている

 

「そうか…じゃあ」

 

俺はそう言ってティンジェル さんとリンさんの肩に手をかけ魔術を発動前の状態にして言った

 

「カッシュ…隣のセシルを殺せ。殺せばこの2人を助けてやろう。だが無理なら死ぬのはこの2人だ」

 

俺は冷たい声でそう告げる

 

「そ、そんなこと…」

 

やはり、できないよな…まぁこいつらはそうゆうことに気づいても目をそらし続けてきたんだろう。俺は2人を解放した。そして

 

「これでわかっただろ?今のお前らに害はなくてもいつかこんな機会がくるかもしれない。グレン兄が言った通り魔術というのは簡単に人を殺せる。この国が発展したのはこの魔術のおかげだ。この学院のおかげで優秀な魔術師が育ち、他の国を牽制する。他の国よりも魔術が発展しているだけで戦争に勝ち領土を得ることができる。聞くがなぜお前らが学ぶのは攻撃魔術だけなんだ?やろうと思えば土をよくする魔法とか雨を降らせる魔法が開発されていてもおかしくないだろ?それなのに全くそのような魔術は聞かない。なぜかって?それはそんなもの国が必要じゃないと思っているからだ。だから発展しない」

 

俺の言葉にクラスのみんなが黙る。言い返せないのだろう

 

「魔術をコインだとしたらお前らは表を見過ぎなんだよ。まぁ逆にグレン兄は裏を見過ぎとも言えるが…お前らは今までその裏を見て見ぬ振りをしてきただけだ」

 

「だ、だけどよ!魔術のおかげでこの国が発展してるのもたしかだろ?」

 

「たしかにそうだね。だからフィーベルさんの意見も正しい」

 

え?とクラスのみんなは思った。なにせ今までずっと魔術のことを悪く言っていたのだ。

 

「だから言ったんだよ。裏と表を見過ぎだって。正しい使い方をすれば魔術は大変素晴らしいものだ。包丁だって使い方が違うと簡単に人を殺せるしな。要は使う人次第さ。だが世の中には間違えた使い方をする奴が沢山いる。そのことを忘れるなってことだ」

 

そう言って俺は教室を出た。これで皆も少しは考えてくれるといいんだがな




すいません。少し長くなりました。読みにくいかも…
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