ヴォルデモート(闇の帝王)と紅い美女 作:Tuuri_ecru
~大広間(ダンスホール)のすみっコにて~
ダンスホールの端のテーブルで食事をかこむ“元”ハリー・ポッターで“現”ヴォルデモート卿と
他愛もない会話を楽しみなら1口、また1口食事を口に運んでいく。
屋敷しもべ妖精も良い仕事をしたものだ、と、ドラコやピアズは心の内で感心している。
そこに、おずおずと様子を窺うように白髪の少女が話しかけてきた。
「あの、ハリーポッターさんですよね?」
少女は
…ハーマイオニーの時もそうだったが、あちこちで自分が知らない名を呼ばれるのは何だか気味が悪いというものだ。
ヴォレットはドラコやピアズを交互に見やり、とうとう少女の質問に回答も混じえて質問で返してしまう。
「?いや、僕はヴォレットと言うのだけれど、何?それ、誰の名前なんだい?"ハリー・ポッター"って流行っているの?」
「君、名前は?」
ドラコは彼女に名を訊ねる。
「アイリーン、アイリーン・ハミルトンと言います。彼、どう見てもハリーポッターさんで…」
ドラコに訊ねられ挨拶をきちんとする白髪の少女の名を“アイリーン”というそうだ。
まるで月の光のようにキラキラと美しく輝く白髪を腰まで伸ばし、くるくるとウェーブをえがいた髪を持ち、スリザリンをモチーフにしているであろう新緑を基調とし、白いパールで散りばめられたドレスを纏ったアイリーンは興奮もそこそこに、ドラコへ同調を迫る。
「ちょっと席外そうか、ヴォレット良いよな?」
凛々しいスーツに身を包んだドラコは口を挟むかのように彼女の手を掴みヴォレットへ同意を求め、立ち上がる。
「構わないよ?」
同じく、しかもドラコより美しい深海の色を持つスーツに身を包んだヴォレットは、こくりと頷きドラコへ応える。
「わわっ…あの…っ!?」
急に引っ張られ外へと連れ出されたアイリーンに、ドラコは遠慮無くどんどんテラスへ向かって歩を進めていく。
「…あ〜…はは、取り敢えず食べようよ」
気まずくなったピアズは何とか間をつなごうと、中断していた食事へと手をつける。
「あぁ」
ヴォレットもそれに応えるかのように、食事へ戻った。
~テラスにて~
「僕はドラコ、ドラコ・マルフォイね。名家ブラック家出身。…で、彼のことなんだけど、彼は今、我が君の息子として過ごされている様なんだ。忘却呪文で“ハリー・ポッター”の記憶は消えている。で、今の彼の名は“ヴォレット”という名を名乗られてらっしゃるからそう呼んであげてほしい。分かってくれたかい?」
挨拶を交えつつ、こんこんとよく噛み砕いて説明するドラコ。
まだあまり周知の事実ではないヴォレットの名前に人々は疑問を隠せていないに違いない。今のところ、ヴォレットという名前について知っているのはドラコの父ルシウスやスネイプ、ベラトリックス、ワームテールといった数限られたメンバーだけなのだ。驚くのも無理はない。
「ん…ヴォレット…。分かったわ、何にも知らなくてごめんなさいね」
素直に納得するアイリーン。聞き分けの良いお嬢様のようだ。
「いいや、分かってくれて良かった。じゃあ戻ろう」
戻る為、アイリーンの手に手を添えて優しくエスコートするドラコは紳士さまさまである。
〜大広間(ダンスホール)のすみっコにて〜
ピアズと食事をかこんでいるヴォレットの元に、アイリーンとドラコが戻ってきた。
「ただいま、ヴォレット、ピアズ」
帰宅の旨を告げるドラコ。
「お帰り、ドラコ」
「お帰りなさい、ドラコくん」
ヴォレット、ピアズらは食事の手を止め振り返り迎える。
「ヴォレットさん、先程は大変失礼いたしました…ご無礼をお許しください。…父が
アイリーンの父も
名を"ワイラス・ハミルトン"という、スラリと背の高い、アイリーンと同じ白く輝くプラチナホワイトの髪を腰まで伸ばし少し束ねた、彼女と髪型は余り変わらないような父親だ。
アイリーンは先程ヴォレットをハリーポッターなどと彼の知らない違う呼び名で呼んでしまった非礼を詫びながら、丁重にお辞儀をして彼をダンスへ誘った。
「勿論、そうだ、一緒に食事はどうかな?あ、彼はピアズ、ピアズ・マクミランだよ」
ダンスへの招待を快諾するヴォレット。
ついでに食事にも誘う。
「初めまして、僕は純血生まれのピアズ・マクミランだよ。よろしくね、何か飲み物持ってくるよ」
ヴォレットから紹介を受けたピアズは1度立ち上がりこれまた紳士的な振る舞いで一礼をし自己紹介をする。彼は魔法で取ってこさせれば良いものを、わざわざアイリーンの為にドリンクを自ら取りに行くと言い出した。何故なのだろうか……。
「わわっ!わざわざありがとう。私も純血生まれよ!」
ピアズが立ち去る間際にお礼を言いつつ、自分も純血生まれだと付け加えるアイリーン。
はっきり説明しておかないと、マグル疑惑を掛けられ両親諸共首をはねられてしまうからである。こういう所がヴォルデモート一味の恐ろしい程マグル嫌いを露見している。
「ここ、どうぞ。…ねぇ、君はどんな魔法が好きなの?」
ヴォレットは杖を使わず魔法で椅子を引くと、アイリーンに座るよう促す。
アイリーンは彼が杖を使わない魔法を習得している事に驚きつつも、すんなりと椅子へ腰掛けた。
すかさず質問をするヴォレット。
「ありがとうございます。…そうですねぇ、私は飛ぶのが好きです!
ヴォレットからの質問に、飛ぶのが好きだと答えるアイリーン。
彼女は昔からの箒乗りで、箒を使わず飛ぶ死喰い人らと違い箒に対する愛着が人より凄い。愛用の箒に名前を付けてしまう程だ。勿論、呼称は別にあるのだが、そんなことお構い無しにペットに名を付けるように名付けをするアイリーンはそれもまた愛らしい一面と言えよう。
「箒か!
箒の呼称について会話をしているヴォレットたち。
「そうにございます。鳥の様に滑らかで速く、安定した飛び方の出来る箒という意味で
実に楽しげに語るアイリーンに、ヴォレットは少しずつ心を開いていく。
「それは僕も分かる気がするな。風を切る時なんか特にね」
アイリーンの話題に応えていくドラコ。
彼もまた死喰い人でありながらクィディッチなどを経験した、だいの箒乗りで、新作が出れば直ぐ父親に買ってもらうなど箒愛好家である。
「ヴォレット様はどの様な箒を使ってらっしゃるのですか?」
アイリーンはふと、ヴォレットが持っている箒について訊ねる。
ヴォレットは忘却呪文によってハリーポッターの記憶を失っている為覚えていないが、レミリアによって自宅へと移された荷物の中に"ファイヤボルト"、彼の箒はあった。無論、レミリアの事だから必要とあれば新しい箒くらい容易く買い与えるだろうし。そもそもヴォレットは何故か箒を使わない飛行術を習得している。今回のホグワーツ戦の時も移動は箒を使わない飛行術で行っていた。
「…あるのだけれど何て言うやつかは知らないや…ねぇ、杖はどんな物?」
次にヴォレットは杖について彼女に訊ねる。
食事も程々に、会話に花を咲かせている。
「っと、これでございます」
アイリーンが取り出した杖。
その杖に、ストラップの様にくっ付いているアクセサリーがあるのに疑問に思うヴォレット。
「?その飾りは何?…父さんと母さんの杖にも付いていたけれど…流行っている物なの?」
ヴォレットの杖にはまだ付いていないが、ほとんどの魔法使いの杖に着いているストラップの様なもの。
それは杖の耐久性や持続性、攻撃力などを上げてくれる今流行りの魔法道具である。
杖のおしり辺りに穴を開け、そこに結ぶように取り付けてあるその魔法道具は人によって様々なデザインがあり、パールを縄で編まれているもの、ビーズをふんだんにあしらわれているもの、好きなモチーフで飾られているものなど、実に様々なものがある。
「えぇ、魔法界では特別有名な魔法道具専門店“フランズ・ドラゴン”といいますお店の商品なのですけれども…、……?」
すみっコぐらしが好きです。
今回は比較的短めでしたね、読みやすくていいでしょう(?)
この小説は「映画版」をメインにストーリー組んでおりますので、死喰い人らは箒なしで飛べるものだと考えてくださいトベルッ ⊂( ˙-˙ )⊃=--
ではまた次のお話で会いましょう♪see you♩♪