ヴォルデモート(闇の帝王)と紅い美女   作:Tuuri_ecru

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文章後程…。
悪霊の火って呪文だと、
Pestis Incendium(ペスティスインセンディウム)というそうです。
初耳でした。

それから、短編集にてアンケートを募っておりますのでよろしければご投票お待ちしております。

では、どうぞ、ご覧あれ。



第15話 ホグワーツ新創設 1 レミリア懐妊

〜ホグワーツ城玄関ホールにて〜

 

これは、数日後のホグワーツ魔法魔術学校校舎での事。

決戦後の惨状が生々しく残る校舎には、激しく攻防した残り香が。煤は集り、瓦礫がゴロゴロと転がり、あちこちで風化した遺体や、まだ肉体の残った遺体、バラバラに分解された肉片で溢れたホグワーツ城。

グチャりと木っ端微塵に爆縮した最早何だったかもわからないミンチ肉のようなものから、壁にまでかかる赤い血飛沫(絨毯)は、数日を経て最早茶色がかった黒のような濃い色に変色している。

生きたものが誰一人、誰も居なくなった物静かなホグワーツ城には、沢山のグールが居着き、死体を貪って、また、アクロマンチュラもその血肉を仲良く分け合っていたりする。

 

「…モンスターだらけね…。さて、どうするの?」

 

その惨状に、ほとほとと呆れたように笑うレミリアは、腰に手をあてヴォルデモートに訊ねる。

彼らのやる事は既に決まっている。ホグワーツ城の建て直しだ。選ばれた純血の為だけの、有能な者が入る名門学校へと作り替えていくのである。名前はそのままホグワーツ魔法魔術学校とするそうだが、通う生徒は選民し、徹底的な純血の魔法使いのみである。

 

「決まっている。死体の処理だ」

 

ヴォルデモートは氷のような冷酷な目で周りを一瞥し、澄ました顔をしたままそう答える。

 

「これは大変ですね…なら私が引き受けましょう。これなら一気に処理できますし」

 

「そうだ、それを使え」

 

着いてきていたフランは、まるで水晶のように透明な魔法ガラスの集合で出来た幻のクリスタルを懐から取り出し、(そら)へ掲げるようして呪文を詠唱する。

そのクリスタルはフランが独自ルートで入手した、生命浄化の効果がある、死の秘宝と同レベルで珍重されているレアアイテムである。

 

「はい。…では!!ルビウス・メーヴィス・リキュラリス!生命の魂よ浄化せよ!!!!」

 

彼女が詠唱すると、蔓延っていたモンスターや転がり落ちていた魔法生物や遺体が瞬く間に白いホワホワとした光と変化し空へと消えていく。

これがフランの能力である浄化魔法だ。

遺体を火葬する間もなくあっという間に消え去る魔法。

 

「よし、ご苦労であったぞフラン」

 

「いいえ」

 

いとも簡単に死体を清掃するフラン。

その魔力は些か、ヴォルデモートをも超越しているとも言えよう。

 

「…諸君あの計画書、設計書通りのものを造るのだ。良いか?もし、俺様の望み通りのものが造れなければ…どうなるかわかっておろうな?」

 

次に取り掛かるは新ホグワーツ城の建て直しである。

以前から計画していたホグワーツ城の設計、追加で増築する部分や、不必要となった各寮制度の撤廃。純血のための学園であるなら、グリフィンドール、レイブンクロー、ハッブルパフなど不要である。スリザリン一択だ。寮を割り振る組み分け帽子などタンスの肥やしとなろう。それかインセンディオで燃えるゴミとして処分するか。

死喰い人(デスイーター)や建築士などと共に入念に用意しておいた大量の設計書を手に、ヴォルデモートは連れてきた死喰い人(デスイーター)らを一瞥し、圧をかけるように睨み据える。

 

「「…っ!!!」」

 

彼らの顔は強ばり、冷や汗が頬を伝う。

少しでも計画通りのものにならなければ、命は無いだろうことを全員が察する。

 

「期待しておりますわ、皆様」

 

レミリアも女神のような笑みを浮かべ遠巻きながら優しく圧をかける。

建築だけはめっぽう弱い彼女、その全てを彼、ヴォルデモートに一任していた。

 

「「はい!!我が君!奥様!」」

 

死喰い人(デスイーター)らは答える。

ヴォルデモート卿を前に、YES以外の回答は皆無であった。

 

「…お兄様こちらを…」

 

「それは?」

 

フランがおずおずと差し出してきたのはフラン製の魔法道具である。

 

「ニワトコの杖と相性の良い材料を使ってお作りいたしました。威力は付ける前より10倍も上がり、耐久性にも優れています。これがあればまず、壊れる心配はございません。そして、今回さらに追加されたものとして瞬発力があり、脳で考えた呪文を、口にするより速く使用する事が出来る様になりました。無言呪文とは違い、身体に負担をかけないのがメリットです。…デメリットは…まだ試作品だという事にございます」

 

ストラップ型魔法道具は今や殆どの魔法使いが付けていると言っても過言では無い。

それの強化版を新たに制作し、試作品と言いつつ巨大な魔力を秘めていた。

 

「どれ…。…………!!?おお……っ!!!これは凄いぞ…っ!!!」

 

手にするだけでその膨大な魔力に杖諸共体が包まれていくのが分かる。

芯から魔力が湧き上がる感覚に、ヴォルデモートは深く酔いしれた。

 

「お役に立てて光栄にございます。…では、私はこれで…」

 

フランは一礼し、ミディアムヘアを軽く靡かせ後ろに下がる。

従者としての身のこなし方を熟知しているようだ。

 

「あぁ、感謝する」

 

満足気に笑うヴォルデモート。

彼はこの魔法道具をいたく気にいったようだ。

 

『…?レミリア?具合でも悪いのですか?』

 

『……えぇ…何だか…』

 

ふと、様子のおかしいレミリアに気付くはヴォルデモートのペットで賢く思慮深い優秀なナギニという体長が優に4メートル以上ある雌蛇であった。また、ナギニという名はヒンディー語で「雌の蛇」と言うそうだが…後にしよう。

そのナギニは、様子を窺うように、口元を抑えるレミリアを見つめ訊ねる。

レミリアは元々白い顔を幾分白くさせ、口元を手で抑えながら顔を少しばかり歪める。

 

『我が君、レミリア様が…っ!』

 

『?!どうしたのだ、傷が痛むというのか?』

 

ナギニが1番にご主人様であるヴォルデモートへそう伝えると、ヴォルデモートは焦ったようにレミリアへ近付く。

ホグワーツ戦で追った背中の傷もまだ治りきっていない事を危惧し、怪訝そうに訊ねる。

 

『…違…うの。ちょっと気持ち悪いだけよ…』

 

う"っと、えずいてしまうさまに、フランはいち早くその事態を察し、恋人であるドラコへドラコの母親ナルシッサを呼ぶよう伝える。

 

「義姉様……!?ドラコ、ナルシッサを!!」

 

「わ、分かった!母さん、レミリアが…っ!!」

 

ドラコは母親を呼ぶ。

 

「!…っ!レミリア様、私が呼ばれたという事は…もしかして…お子を授かったかもしれない…という事なのでしょうか?」

 

そして呼ばれた母親も、その事態を早急に察する。

 

「…そういえば、月…のものがきていないけれど…どうかしら…?」

 

「フラン、レミリアは何と申すのだ!?」

 

イライラと焦りを隠しきれないヴォルデモートはなんとも言えない神妙な顔つきでナルシッサやフランを交互に見やる。

 

「まだわかりませんが、もしかいたしましたらお子を授かったかもしれません。義姉様のお身体は元々丈夫でございましたし、可能性としてはあるかと思います」

 

「(背中の呪い…という可能性もありうる。2つの可能性で様子を見るか…?)…この中に医者の経験がある奴は居ろうか!?」

 

「はい!私でよろしければ…」

 

「!?…貴様はこの間の…」

 

「ロビン・カディロフでございます、我が君。魔法省の神秘部長となる前はしがない産婦人科医を務めさせていただきましたので…経験なら…ございますよ」

 

「…仕方無い、診てやれ」

 

「畏まりました。…それでは奥様、私の病院で診察を…歩けますか?」

 

「ロビン…大丈夫よ、1人で歩けるわ。ありがとう」

 

「無理なさらないで下さいね。吐きそうですか?」

 

「いいえ、何とか…平気よ。ロビン先生」

 

「!…お任せくださいませ」

 

バッ(姿くらまし)

 

 

 

 

 

 

「…やはり…」

 

「おるのであろうな?」

 

「えぇ、このモニターを見てくださいませ…この中心の所、とても小さいですが赤ちゃんの袋が…。まだ二週間ちょっとですね、フラン様の所で購入させていただいた魔法道具でハッキリモニターに写っておりますが、実際ならまだモニターに写らない程…小さいです。…奥様、赤ちゃんが居られますよ」

 

「…っ!!ヴォル…!!」

 

「…あぁ、そうか…!…良くぞ身籠ってくれた…」

 

「今日から一週間後にまた様子をみましょう」

 

「…私、ヴォルの子を授かったのよ…っ!貴方の子よ!」

 

「あぁ、俺とお前の子だ」

 

「産んでも良いかしら?」

 

「勿論だ、産んでくれ」

 

 

 

 

 

バッ(姿現し)

 

「父さん、母さん!!…どうだったんですか?」

 

「赤ちゃんがいるみたい。…ヴォレット、新しい家族よ」

 

「僕に弟か妹が出来るのですね!やったぁ!」

 

「お兄様、義姉様おめでとうございます!無事にお産まれになられる事を心からお祈り申し上げます」

 

「ありがとう、フラン!これから迷惑を沢山掛けてしまうと思うけれど…」

 

「別に気にいたしませんよ!お子様が無事にお産まれになられてくれたら…それで充分です」

 

「フラン…ありがとう」

 

「いいえ」

 

「良いか?レミリア、これからは特に俺の隣にいる事を忘れるな。大事な俺の子を宿しているのだ、何かあっては絶対にいけない。離れるでないぞ」

 

「そこまでしなくても、自分の身は自分で守れるわ」

 

「ダメだ。特にあのロビンとやらがどうも怪しいからな…だろう?」

 

「…良くしていただいているのだけれど…そうね。分かったわ」

 

「レミリア様、ご懐妊おめでとうございます。お身体を大切になさってくださいね」

 

「我が君との大切なお子です、以前のように無茶はしてはなりませぬよ」

 

「ありがとう、ナルシッサ、ルシウス」

 

「レミリア様、ご懐妊おめでとうございます。お体に良い魔法薬を後程お渡しいたしましょう…」

 

「まぁ、嬉しいわセブルス。いただくわね」

 

『レミリア様、ご懐妊おめでとうございます。…我が君、内装が完成したそうですよ…見にきてみては?』

 

「『ほぅ、なら行くか…』レミリア、ヴォレット、フラン、行くであろう?」

 

「えぇ/はい/是非!」

 

 

 

 

 

〜ホグワーツ城大広間にて〜

 

「わわっ、我が君…!!内装は終了したところにございます。…い、如何でしょうか…?」

 

「うむ、概ね設計書通りにできているであろう。追加で増築させた俺様とレミリアの専用部屋や書物庫はまだ掛かりそうか?」

 

「有難きお言葉…。はい、装飾等は一通り完成しているとの報告をは受けておりますが、まだ完成には至っていないとの事にございます」

 

「ねぇ、結婚式の会場を見てみたいわ」

 

「フン、当日まで楽しみにとっておくがいい」

 

「そっか…そうね。楽しみにしているわ。……っ」

 

「…。フラン、ヴォレット。レミリアをナルシッサの元へ」

 

「はい、お兄様」

 

「はい、父さん」

 

「……ごめんなさいフラン、ヴォレット」

 

「構いませんって」

 

「気にしないで、母さん」

 

 

 

 

 

「ナルシッサさん、母さんを!」

 

「まぁ!医務室へ、こちらです」

 

「ゆっくりで良いからね、母さん」

 

「えぇ」

 

〜ホグワーツ内医務室にて〜

 

「吐き気を抑える薬を先程スネイプから頂戴いたしましたので、それでよろしければ白湯と共にお飲みください」

 

「ありがとう、ナルシッサ」

 

「それから、湯たんぽよ。私がドラコを妊娠した時、出来る限りお腹周りを温めるよう医師に言われたわ。もう直ぐお昼時だけれど、何か食べれるものはあるかしら?」

 

「…チャイ…なら」

 

「分かったわ、チャイね」

 

「ありがとう」

 

「奥様、お呼びでしょうか?」

 

「生姜多めのチャイを、レミリアに」

 

「はい、奥様。…レミリア様、ご懐妊おめでとうございます。無事にお産まれになられる事を祈っております。あの…ドビーめは常にレミリア様の味方です。何かありましたら直ぐにお呼びくださいませ」

 

「…ありがとう。…私は幸せ者ね、優しい屋敷妖精に優しい仲間たちがいるのですもの」

 

「今まで沢山の場面で死の1歩手前を救ってくれたから、これはほんの恩返しのひとつよ」

 

「…そっか。…ふふ、ありがとう」

 

「ふふふ」

 

「…レミリア、様子はどうだ?」

 

「ヴォル!セブルスの薬が効いたのか、少し良くなった気がするわ」

 

「そうか、良かろう。…外装が終わるまではここで休むがいい」

 

「えぇ、そうさせてもらうわ」

 

コンコン×2(ノック音)

 

「お話中失礼いたします。奥様、ご懐妊誠におめでとうございます!無事にお産まれになられる様祈りを込めたお守りを…よろしければお受け取りください」

 

「まぁ、ありがとう。ヴォレットのご友人のアイリーンね?大切に持っておくわ」

 

「僕からも…タオルケットを。保温魔法の効果がある為様々な場面で使えるかと思います」

 

「あら…、貴方もヴォレットのご友人でピアズね。2人共慌てて用意してくれてありがとう」

 

「いいえ/こちらこそ」

 

「ヴォレット君、ちょっと見てこようよ」

 

「っでも、母さんが…」

 

「私はナルシッサ達といるわ。行ってらっしゃい」

 

「勝手に見て大丈夫なの?」

 

「事前に我が君から許可をいただいたから大丈夫だよ」

 

「行きましょう!」

 

「父さん、よろしいのでしょうか?」

 

「あぁ、構わん。何か設備して欲しいものがあればその辺にいる死喰い人(デスイーター)に言うと良い」

 

「有難うございます、父さん」

 

「では…失礼いたしました」

 

パタパタ(駆けていく音)

 

「…この間ヴォレットに聞いたの。男の子と女の子、どっちがいいかって」

 

「ほぅ?」

 

「私の予想した通りだったわ。どっちでも良いって」

 

「やはりな」

 

「私も、産まれてくれればそれだけで良いわ」

 

「あぁ。…フラン、ヴォレットの所へ行きたいのであろう?」

 

「いいえ…そんな」

 

「行くが良い」

 

「ですが…」

 

「構わん行け」

 

「…ありがとうございます」

 

タッタッタッタッ(駆けていく音)

 

コンコン×2(ノック音)

 

「失礼いたします、レミリア様。魔法を使わずお作りした、ドビー特製のチャイでございます。熱いのでお気をつけて…」

 

「まぁ。じゃあこれは貴方にしか出せない味って事ね!…すぅー…はぁ…、良い香り…。いただきます」

 

コクン(嚥下する音)

 

「…っ…。優しい味ね…凄く美味しいわ」

 

「恐れ入ります」

 

コンコン!!×2(強いノック音)

 

「失礼いたします!禁じられた森の中で…この女を…っ!!!」

 

「滅びの呪文が届いていなかったというのか…」

 

「いかが…いたしましょうか?!」

 

「構わぬ、殺せ」

 

「待って!!」

 

「何だ、レミリア?」

 

「…貴女、名前は?」

 

「…っルーナ・ラブグッド」

 

「純血の魔女なのね」

 

「…父を…返して…」

 

「貴女のお父さん“The・quibbles(ザ・クィブラー)”の編集長をしているのよね。いつも読んでいるわ…そう、丁度今日も」

 

「父は…生きているの…?」

 

「今日の見出しは“チームプレー仲良く働く屋敷妖精”だったかしら?…ゼノフィリウスさんはいつもと変わらずオッタリー・セント・キャッチポール村近くにあるあのお家で執筆しているそうよ。…怖かったでしょう、おいで」

 

「…父が言ってた…人は…殺すことができれば…救う事も出来るって」

 

「そうね、今の私は貴女を救うわ…そう、貴女を」

 

「ロンや…ハーマイオニーは…死んじゃったの…?」

 

「ロナルド・ビリウス・ウィーズリーは死喰い人(デスイーター)に、ハーマイオニー・ジーン・グレンジャーは“元”ハリー・ジェームズ・ポッターによって殺害されたわ。…これが、闇の帝王による純血の為だけの世界なのよ」

 

「…私…どうなるの?」

 

「もし良ければ私と共に来てくれないかしら?」

 

「え…何をするの…?」

 

魔法生物(ビースト)の飼育を手伝ってもらおうかと思って」

 

魔法生物(ビースト)…?」

 

「おい、レミリア。ダンブルドア信望者は全て排除だと…っ!」

 

「私の。お願いよ、ヴォル」

 

「…クッ…仕方無い」

 

「良ければ…よ。嫌なら別の仕事を考えるわ」

 

「…やってみる」

 

「そうこなくちゃ。…でもまずはお風呂からね。ナルシッサ、ルーナを浴室まで連れて行ってあげて。服も新しいものを…行ってらっしゃい」

 

「畏まりました、奥様。ルーナ様、こちらへ」

 

「…ヴォルは昼食摂らないの?」

 

「まだ食堂が完成していない」

 

「そう…。あ、あなた達戻って良いわよ、ご苦労様」

 

《はっ》

 

 

 

 

 

コツコツ…(靴音)

 

Reppelo・wizardum…




これから更新速度が不定期になるやと思います。
どうか温かく見守ってくだされば幸いです。

あ、ハリポタツアーに行ってまいります〜❕

ではまた次のお話で会いましょう♪see you♩♪
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