ヴォルデモート(闇の帝王)と紅い美女 作:Tuuri_ecru
Tuuri_ecruにございます。
今回は決戦前日 2という事で、少しずつ盛り上がってきていますよ~!!
レミリアに呼ばれたドラコ、どんな話をするのでしょう?
どうぞ、ご覧あれ。
【晩餐会が終了した後】
~レミリアの部屋にて~
コンコン×2(ノック音)
自室にてゆったりと、晩餐会の余韻に浸っているレミリアの元に訪れる訪問者。
「僕だ、レミリア」
「いらっしゃい、ドラコ」
訪問者が誰か分かっていたレミリアは、ごく自然な動作で扉を開け、彼を招き入れる。
「用って……?」
部屋へと入った直後にそう尋ねるドラコ。
"後で話がある"とはどういった事なのか。
晩餐会の間も頭の片隅にあり、気になっていたのである。
「…ホグワーツが2日後滅びるのは勿論、熟知しているでしょうけれども。
それによって、至急
どこか憂いを帯びた瞳でレミリアを見つめるドラコに、彼女は心配そうに尋ねる。
「っ!…っわ…我が君が……とても」
上ずった声で、ドラコが
「それは私も同じよ」
「ならどうして一緒にいるんだい!?」
静かにそう一言伝えるレミリアに驚きを隠せず、目元を赤く染めながら声を荒らげるドラコ。
それはそうだ。ドラコと同族の死喰い人の半数以上は、ほぼ彼に対する恐怖から生まれた集団である。
雑多な寄せ集めで、保護を求める弱い者、栄光のおこぼれに与りたい野心家、自分たちより洗練された残酷さを見せてくれるリーダーに惹かれた乱暴者等…。
ヴォルデモートを根本から崇高している者など僅かばかりの少数派なのだ。
そんな現状を知っている彼女は、ドラコの不安に揺らぐ瞳に真っ直ぐ答えた。
「…愛しているからよ。あの人は残酷で極悪…でも優しいわ。
だから私は共にいるの。貴方は私とあの人が認めた立派な死喰い人だから殺される事はないわ。……大丈夫、私がいるからね」
優しく手を差し伸べるレミリアに、釣られて手を伸ばすドラコ。
年齢も変わらないドラコを、まるで我が子をあやすかのように抱き締め、そっと背中をさする。
「…っ!レミ…ッリア…!!!!」
じわじわと目尻に涙を浮かべ、ドラコは背中をさすられる度に嗚咽を漏らして子供の様に泣き始める。
「気が済むまで泣いて良いのよ。…大丈夫だから。…ね?」
穏やかな声色でなだめるレミリアも例外ではない。
ヴォルデモート全盛期の頃に度々死喰い人に迫害を受けて1時彼女の同族は瀕死の状態に追い込まれたのである。
父や母、召使いやメイド、そして親族ら殆どが彼らの手により無残にも殺害され、唯一残った数少ない人々の中にレミリアが入っていた。
だからこそ彼を恐れる気持ちは痛い程分かるし、その恐ろしさを身をもって知っていたレミリアだからこそ、ドラコを慰めずにはいられなかったのである。
……どれくらい時間が経っただろうか。
落ち着きを取り戻したドラコは、ゆっくりとレミリアから自身の身体を離し、
俯き目を擦りながらも座り直す。
「…スッキリした?」
「あぁ、ありがとうレミリア。…僕、湯浴みをしてこなくては」
軽く乱れた衣服を直し、立ち上がるドラコ。
「行ってらっしゃい、ルシウスとナルシッサには
「あぁ、分かった。ありがとう…じゃあ」
ドラコは赤くなった目で小さく笑うと、レミリアに会釈をして立ち去った。
「……さてと。私もヴォルの部屋に行きますか」
ドラコのいない自室にもう用はない。
早いとこ愛する人の元へと向かわないと。
…ドラコの事はきっともう大丈夫だろう。
"ハリー・ポッター"に忘却呪文を掛けて
彼女はそう確信し、静かに扉を開け部屋を出た。
コンコン×2(ノック音)
「ヴォル……いる…??」
ヴォルデモートの部屋へノックをするレミリア。
……返ってくる言葉はない。
「外出中…かしら…?」
レミリアは小首を傾げ、困った様子で考える。
「残念。後ろだ」
突如背後から愛しい人の声が聞こえ、サッと振り向くとそこに居たのはヴォルデモートであった。
姿現わしで姿を現したヴォルデモートは、どこか愉快そうに微笑んでいる。
「ヴォル…っ。驚かさないでよ」
こめかみに皺を寄せ、拗ねたような、怒ったような表情をヴォルデモートに向け不満を露にするレミリア。
彼にとってはその仕草も愛おしいのだろう。
更に笑みを浮かべ
「ククッ。さあ、入ろう」
そう一言言い、優しくレミリアの腰に手を回し、魔法で扉を開けゆっくり中へと入っていった。
~ヴォルデモートの部屋にて~
シューシューと息を吐くような音が行き交う室内。
ヴォルデモートもレミリアも
『ナギニ…ふふっ、可愛いわね…』
『お前も可愛いぞ、レミリア』
「…愛しているわ、ヴォル」
英語に戻し、レミリアも愛の言葉を囁く。
「俺もだ、レミリア」
大切な人との、大切な時間。
2人は自然と手を繋ぎ、ソファの下にいるナギニを撫で、リラックスした気持ちでこの時間を満喫していた。
コンコン×2(ノック音)
突然、ヴォルデモートの自室の扉からノックをした音が聞こえてくる。
2人はじっと、扉を見つめる。
「…失礼します、スネイプです。アフターディナーティーをお持ち致しました」
スネイプであった。
低く、地を這う様な独特の声を持つスネイプは、ヴォルデモートのお気に入りの死喰い人である。
命じた事をソツなくこなし、異議のひとつも立てることなく従順な様はまるで飼い主に躾られた犬のよう。
最近だとこうして毎晩、命じた訳では無いのに必ずアフターディナーティーを用意して訪れるのだ。
「入れ」
ヴォルデモートが一言そう言うと、ガチャリと扉を開け一礼し部屋へと入るスネイプ。
「今宵の晩酌は"モルドバ・ワイン"を御用意致しました」
スネイプは丁寧かつ上品な手さばきでワイングラスをテーブルへと並べ、ヴォルデモートが手に取った瞬間ボトルを注いでいく。
「マグルの幻のワインね?一体どうやって入手したの??」
"モルドバ・ワイン"とは、レミリアの話した通りマグルの幻のワインであり、ロシアのロマノフ王朝に愛されたワインとしても有名。
つい何年か前にマグルの国際展示会での金メダルの受賞や、フランス王国へのワインの供給、その後も多くのワイン博覧会での各種メダルの受賞等によって高品質である事が証明されている。
その芳醇な味わいは滑らかでフルーティ。
生き生きとした酸味とバランスの取れた風味、透明感と艶のあるルビー色。
英国王室が指名し、専属契約しているワインなのだ。
そんな珍しい品だからこそ、ヴォルデモートは勝ち誇った様に笑う。
「俺様が直々に……な?」
「何人?」
意味が分かるレミリアはニヤリと笑い、そう尋ねる。
「国のワインだった様で警備員が多くいたが……30…40人くらいだったか……」
「そう…ありがとう、ヴォル」
「構わん。セブルスも飲め」
「感謝の極み」
ワインボトルをセブルスの方へ向け、セブルスが素早く手に取ったワイングラスにゆっくりと注いでいく。
「良い香り……頂きます…」
香りを堪能し、静かに口に含む。
「……っ美味しい」
嚥下した後にほぅっと幸福の笑みを浮かべるレミリア。
「フッ。良かった」
ヴォルデモートも嬉しそうに笑い、心地良い余韻に浸る。
こうして、安らかなひと時を過ごしたヴォルデモートらであった。
はい!今回は短かったでしょうかね?
ドラコのヴォルデモートに支配されているという恐怖と、それを優しく慰めるレミリア。
決戦前日のワインでリラックスして過ごすヴォルデモートら。
死喰い人らは(ここでは出てきておりませんが)裏で色々と手を尽くしてくれているようですよ!
相変わらずのベタ惚れっぷりを披露しましたが、1度はレミリアを死に追いやったヴォルデモート。
様々な経緯をえて、ここまで幸せな夫婦へとなりました。
その背景はまだ、これからのお楽しみにして下さい♪
さてさて、次はいよいよ決戦当日。
ハリー・ポッターを支配下に置き、激しい戦いが始まります。
どちらに勝利の女神は微笑むか。
…わかりきったことでしょうかね?
ではまた次のお話で会いましょう♪see you♩♪