DATE・A・LIVE SpiritBreaker 作:Lilith1341
《プリンセス》は目を開いた。そこにはいつもの如く破壊された街並みと──
「──目標、《プリンセス》を確認。攻撃を開始する」
自分をいつもの如く否定してくる者達。
『──総員、攻撃開始!』
いつからか、彼女は願うようになった。
「……ふん。──《鏖殺公》」
自分の事を否定しない人間の存在を。
「去ね。人間」
自分の事を受け入れてくれる人間の存在を。
「……」
「……め、ろ……」
「……」
「──ああああああああッ!消えろッ!消えろッ!消えろッ!私の前から消え失せろ……ッ!」
精霊としてではなく、人間として認識してくれる人間の存在を。
翌日、彼女の運命を変える彼と出会う事になるが、それはまた別のお話。
自衛隊とあの精霊の戦いを見ていた俺は何故だか悲しい気持ちで溢れていた。だが、見通す力であの精霊を見るとその気持ちは薄れた。
「なんとまぁ、運命ってのは凄まじいな。精霊の持つ力を封印し、自らの力にするだなんて。明日が楽しみだ」
まぁ傍観してる間はないんだがな。やはり来やがったな。
「何してるんだ?お前らの目標はあっちだろ」
「精霊……。やはり貴様を生かしておくわけにはいかん。鳶一一曹を退ける程の腕前……お前の首は、とれくらい俺の昇進に貢献してくれるだろ……グハッ…な、何を…した……」
はぁ……地位に目が眩むとは、自衛隊も堕ちたものだな。
「不意…討ち…だと?」
「お前らが来る事は最初から分かっていた。それに加え……あんなに長々と喋ってくれてありがとうとしか言えんわ。ところで、その身体に刺さってるのを抜いたら出血多量で死ぬと思うんだけど、どうして欲しいのかな?」
「やめ……や、やめてください……お願いします……」
「それは虫が良すぎる話だな。殺そうとした相手に許しを乞うだなんて……。」
「そうだ!こうしよう。俺の……」
「地位であれば既に持ってるのでいらんな」
「な……なら」
「金なら自分で稼ぐつもりだ。それに……俺はこの事をあいつらに言うつもりだからお前は軍法会議にかけられて、財産は没収されるはずだ」
「そ……そんな……」
「あぁ、その悪感情は好みじゃないな。さて、言い残すことはないみたいだし。さよなら」
「待ってくれ……ッ!」
「怠惰……ですね」
「ギャアアアアアアア!……」
刺してた手を抜いた後、何故か落ちてた、どことなくロンギヌスの槍に似てる棒を9本ぶっ刺してやった。(何故10じゃなくて9なのかは分からない)
…………埋めてやるか。流石に人間は喰いたくない。
「終わった?」
うわびっくりしたー。いきなり現れないでよ……。てかもう終わったの……どうしたの?
「……ごめんなさい。私の部下があんなことをして」
「いや、いいよ謝らなくても。あれはただの自業自得、あんたは悪くない」
「……折紙」
「は?」
「……これからは、折紙って呼んで。」
「分かった……じゃぁ俺のこともユウって呼んでくれ」
「……分かった」
この世界で初めて友達が出来た。やったぜ!明日はドン勝だ!
俺たちは本部に戻った。それから色々話を聞くと、あの男はかなり評判が宜しくなかった。寧ろ感謝された。……折紙以外は全く気にもしていないようだ。もうなんか、どうでもいいや。散歩してこよーっと。
~???~
「──ん?……おかしいな…………」
何故だろうか──誰かに呼ばれたきがしたが、声なんて聞こえていない。
「空耳か?まぁ、気のせいだろう」
「……やっぱり、俺が狼狽えちゃいけないよな」
青年はテーブルの上の雑誌に視線を戻した。
『子供が非行に走ったら』『性同一性障害を受け入れる』『褒めて正す子供の道』
「琴里、一体どうしちまったんだ?」
翌日、青年は彼女の運命を変えることとなるが、それに気づくのは明日の話。
散歩してたらと思ったら、変な黒服連中に捕まって、なんか転送されて、《フラクシナス》っていう艦に乗ってるらしい。
「あの見えない攻撃は何かしら!呪術の1種?」
「未来が見えるんですって!?じゃぁ、わ…私と彼は結ばれるのかしら!」
「あの男の様に私にもあなたの棒を刺してください!おっと、身体ではなくてちゃんと私の△△△に刺してくださいよ。ハアハア」
「…………」
「勝手に連れてきて何だけど、まぁ、あの、えっと、ドンマイ?」
どうしてこうなった・・・
続く
今回で序章はおしまいです。次回から物語が動くかと思います。まぁ、作者の思いつきでデデーンと企画され(本当はそんなの無いけど)ババーンと作られた小説なのでクオリティは気にしないで下さい(今更)
では次回までしばし待たれよ。