魔術厨のハリポタ転生   作:daith

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前回の問

正解:Abracadabra
日本語的に読むと

「アバタ・ケタブラ」もしくは「アバタ・カタブラ」

となります。


という訳で、緑青緑さん、おめでとうございます!

パチパチパチパチ、拍手拍手!!

というわけで、第3話どうぞ。


対峙と「」

 遂に、この時が来てしまった。

 

「大丈夫よ、ハリー。お母さんがちゃんと守ってあげるからね」

 

 そう言って、母リリーは杖を扉の方へと向ける。

 

 大丈夫、これまで何度も練習した。

 発音が完璧になるまで、寝静まった家の中一人で唱え続けた。

 その上わざわざ、ベビーベッドの上から硬い床に向かって頭から落ちながら唱えたり、暖炉に転んだふりして突入しながら唱えたりもしたんだ。

 

 これで成功しなかったら、今までの自殺未遂は何だったというのか。

 必ず成功させるんだ!

 

 そして、固く閉ざされていた扉は破られた。

 ベビーベッドの前に立ったリリーが杖を振るうも、相手の方が何倍も速く振り抜き閃光と共に壁に打ち付けられてしまう。

 

「やめて!一体私たちがあなた達に何をしたというの!?」

 

「フン。純血の家に生れた者でありながら、この俺様に逆らい牙をむいた。おまけに貴様のような『穢れた血』などと婚姻。十分に万死に値するというのに、よりにもよってなした子は『予言の子』。むしろ特に苦しませることなく殺しているこの慈悲深さに感謝すべきではないかね、ン?」

 

「くっ!!」

 

「さて、長かった因縁もここまでだ。今宵俺様は完全な不死となる。さらばだ、『予言の子』よ。―――アバダ・ケダブラ (息絶えよ)」

 

「やめてーっ!!」

 

 咄嗟にリリーは身を挺して庇おうとするも、この距離では間に合わない。

 

 だが、それで良い。

 これこそが、私が待ち望んでいた展開なのだから。

 このために、昨日までベッドの周りで遊んでいるように見せかけて、毎日少しずつ位置をずらして置いたのだから。

 

 さぁ、見よ!

 そして、驚愕するが良い!!

 これが、俺の修行の成果だ!!!!

 

「アブラ・カタブラ」

 

 次の瞬間、その緑光は弾け散り、

 

 その、光の欠片が己と相手に当たったことを自覚したのを最期に、

 

 僕の意識は暗転した。

 

_____________________________________________

 

 沈む、沈む、沈む。

 

 意識は闇の中に沈み込む。

 

 そこには全てがあった。

 

 世界の全てがここより始まり、ここにて終わる。

 そんな感覚。

 

 そんな中で

 

 彼は

 

 

 記憶を見た

 

 それは、無数の屍の山を築き上げ、その上で一人佇む、蛇を従えた孤独な男のモノ。

 

 

 記憶を見た

 

 それは、誰よりも慕われ、しかしながら誰にも理解されなかった一人の偉大な魔法使いのモノ。

 

 

 記憶を見た

 

 それは、自分の正義の為、少数を切り捨て、より大きな善をなそうとした一人の最悪の魔法使いのモノ。

 

 

 記憶を見た

 

 それは、学園を築き、しかし理念の違いから決別してしまった、3人と1人の創始者達のモノ。

 

 

 記憶を見た。

 

 記憶を見た。

 

 記憶を見た。

 

 記憶を見た。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・。

 

 

 記憶を見た。

 

 それは、1人の()()()のモノ。

 

 

 そして、意識は浮上する・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 




 解説です。

 今回、主人公が使った呪文「アブラ・カタブラ」ですが、ぶっちゃけると元は、死の呪文「アバタ・ケタブラ」と同じものです。

 元々、これらの呪文はアフム語のאבדא כדברא(消えてしまえ)を語源としています。

 この言葉は昔まだ病気の原因が悪霊の類だと信じられていた頃、当時医者として機能していた呪術師が、病人に巣食う病魔を払い殺す為の医療用の呪文でした。

 主人公は、死の呪文「アバタ・ケタブラ」がこの殺すという面に目をつけていると考えたのです。

 対して、主人公の呪文「アブラ・カタブラ」はこれが使われていた時代の病気にかかった者の死亡率の高さ。そして、その病気を払う医療用呪文ということに目を付け、

「死の運命を遠のける」

という効果に仕立て上げたのです。

 ちなみに、作中での自殺未遂は、この効果が実際に発動しているか確かめる為だったりします。
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