次に私が起きた時には私はヒポグリフに乗っていた。なんでか知らないけど乗っていた。
「いや、何故だ」
「アー君が寝ている間に運ばせて貰ったよ。それで、今は敵が陣を引いている場所に向かっているの」
母さんにそう説明される。一応、千里眼で過去を確認し、コレまでに何が起こったのかを軽く確認する。
その中に見過ごせないモノがあった。略奪だった。
かつて世界を治めた我ら帝国は国内での争いには基本無干渉だった。いくら大陸全土を手中に納めたところで完全な統治は出来ない。ならば、いっそ最低限の規則を設けて不干渉を貫くことにしたのだ。勿論、納められる範囲は自らの手で収めていた。
私の代で神秘は先細り、既に無いも同然になっていた。そこで私は帝国をいくつかの王国等に分け、かつて私達皇帝が定めた規則を下地にそれぞれ納めさせた。
その中にこうある。
『汝等、略奪するべからず』
しかし、千里眼で見た過去には何が移っていた?教会に逃げ込む領民、森に逃げ込む領民。そして無人となった家に侵入し、金品を物色する下郎。
かつて私達が作った規則を、法律を破り、ただただ人理を先細りさせるだけの行動をした下郎共。
「母さん………………いや、
「情報室アムドゥシアス、承認。分ったわ、アー君も頑張って」
その言葉と同時に私はハサン殺しのハサン。山の翁へと姿を変える。周囲にはエレオノーラの軍が居たが既に一度見ている所為かそこまで大きな動揺は無かった。
私は一度剣を地面に刺し、相手方を睨み付ける。
「神託は下った。貴様等は魔術帝国法第三法に違反した。その人理の衰退に繫がる行動は看過できない。よって、貴様等には死が待っている。昏々と屍晒せ……」
その言葉と同時に周りの制止を振り切って敵軍に突っ込んだ。体を炎にして姿を消し、敵の背後から斬り殺す。
「何処だ…………」
騎兵が槍で貫こうとする。それを盾で防ぎ鎧の付いていない首元に剣を突き立てる。血飛沫を上げながら崩れ落ちる。
「何処だ」
円上に私を囲んだ敵兵を剣をなぎ払うことで首を切り落とす。
コレは戦いでは無い。虐殺だ。
コレは戦いでは無い。欲望のままに略奪をした者共の末路だ。
コレより先は、道を踏み外した人間の未来だ。
弓が放たれる、盾で防ぐ。槍を突かれる、敵ごと斬り殺す。炎になり背後から刺し殺す。最初こそ数の優位により何処か余裕のあったテナルディエ公爵軍だったが今ではたった一人の敵に大パニックを起こしている。
恐怖は更なる恐怖を呼び軍としての起立を乱す。悪循環により戦場は泥沼になる………………筈だった。
「GAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!」
「
持っていた剣を一度消し、手に龍の魔女の旗を顕現させる。龍の魔女のスキルによって大半の龍は私の命令を聞く。
現に
その先にはわめき散らす男と騎士が数十名。最早敗北は濃厚、背後ではエレオノーラの軍が進軍し残った敵を掃討している。
「聴くが良い。晩鐘は汝等の名を指し示した。告羽の羽――――――――首を断つか、『
一瞬で距離を詰め、一気に全員の首を切り落とす。
見渡す限りの血の海。残るは幻想種の
「さて、これで終わりか……………。グゥッ!?」
エレオノーラと英雄候補、そしてアムドゥシアスが此方に何かを良いながら近づいてくる。しかし、何を言っているのか聞こえない。口の中が血の味に支配され、途方も無い倦怠感と喉元にせり上がる不快感。
私は余りの不快感に吐き出した。吐く際に涙が出て滲んだ視界には大量の血が見えた。それが私の血なのか、首を切り落とした際に出た血なのか分らないまま私は意識を失った。
投稿が遅れて済みません。
パソコンのキーボードが大破し、使えませんでした。
しかし、治ったからには私も復活です!