限界出力、突破します!   作:文月申

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02 少女と実技試験

《今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!》

 

 

筆記試験も無事に終わり、大きな講堂みたいなところに移動すると、急に人が現れてライブ?を始めた。

どっかのラジオで聞いたことがあるから、わざわざ試験のために呼び寄せたのかな、雄英スゲー。(※彼女はオールマイトぐらいしかヒーローのことを知りません)

 

 

 

 

《こいつぁシヴィーー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ‼アーユーレディ!?》

 

《YEAHHHHHHHH !!!!》

 

 

あ、めげなかった。これがプロ根性?

最近のラジオMCは、根性入ってるなー。今度からこの人のラジオ聞いてみよう。

 

なぜかプレゼントマイクに感心している柚希だが、試験の内容を聞き流すのは嫌なので思考を変える。

 

 

 

《入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の「模擬試街地演習」を行ってもらうぜ!!持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習開場へ向かってくれよな!!OK!?》

 

 

 

 まあ、試験の内容は柚希が事前に聞いていた通りロボットを倒すのが主となる試験だった。 まあ、大体の個性は人間相手の方が使い勝手悪いのは確かだし、ただ壊せばよいというのも柚希の個性的には楽だったので内心喜んだ。

 

 

 

「(でも、どこかでヒーローらしい行動をしたら点が多めに入るって情報もどこかで聞いたような‥‥

 

 うーん、ヒーローらしい行動か。

 

 確かヒーローの仕事は、敵を捕まえて警察に引き渡し申請するほか、事故や災害の際の対応、副業として芸能活動、CMなどに出演、グッズ展開…だったかな?

 取りあえず副業は除くと、敵への攻撃及び撃退、災害時の救助 ってとこだな。

 

 攻撃の方は「仮想敵を倒す」ってことで判断されるから、当てはまるとしたら「救助」。でも、救助の審査ってどうやるんだろう? 今のロボットでも助けたかどうか判断するのはほぼ不可能に近いし、ロボットの中に人が入ってるとしたら人件費もかかるし、ロボットと一緒に死んでしまう可能性もある。じゃあ、監視カメラの設置とそれを審査員が見ての完全審査制ってとこかな。

 でもそうだとしたら、審査員たちは大変だろうな。だって、合格規定人数は36人で倍率は300以上。大体10800人の行動を確認して審査。私、雄英の先生だけにはなりたくない。)」

 

 

 

《俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう

 かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」のと!!

 "Plus Ultra(さらに向こうへ)"!!それでは皆良い受難を!!》

 

 

Plus Ultraという柚希の個性らしい言葉が珍しく彼女のやる気を出させ、この試験の合格が一歩近まった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

取りあえず伸縮性のあるジャージに着替えた柚希は目の前に見える光景にあっけにとられていた。

 

 

「(これは…

   うん。街だ。 建物の中に街がある。)」

 

 

 この街を作るお金で災害の復興支援とかした方がヒーロー養成学校としてはいいんじゃないか。なんて考えながら軽いストレッチをする。

 

 

 

 

 

みんなの視線が町の方へ向いてきて、試験(受難)の始まりを察知した柚希は個性の巻き添えに気を遣い人のいない最後尾に移動した。

 

 

《はい、スタートー!》

 

 

___リミットブレイク  Sustain Jump

 

急に始まった試験に驚きながら柚希は心の中で詠唱し、移動の準備を始めた。

 

 

《どうしたあ!?実戦じゃカウントなんぞねぇんだよ‼走れ走れぇ‼賽は投げられてんぞ!!?》

 

 

プレゼントマイクの「走れぇ!」という言葉に反するように柚希は飛んだ。気分は某漫画の神様が描いたロボットである。

 

 

 

 柚希は心の中で「人がゴミのようだ」とふざけながら、思ったより高い天井に安心していた。

 

 

 取りあえず周りに仮想敵が多いビルに着地しようと落下すると、ビルに硬度がなかったからか落下の勢いでビルの最下層まで無傷で突き抜けた。

 

 

「‥‥コホンコホン」

 

 

無事(?)着地すると一通り負傷がないことを確かめ、問題がなかったので仮想敵が多いであろうビルの外に出た。

 

___リミットブレイク  Offense Speed

 

 

 そして、新たに詠唱して付加した効果を発揮させるために、今度は軽めに跳躍に回転を加えながらジャンプした。充分に勢いが付いたら仮想敵の側頭部に向かって勢いの付いた蹴りを喰らわしていき辺りにいる仮想敵に同じことをしながら移動する。

 

 この技を柚希は「首刈り鎌」と呼んでるが、その名前の通り柚希の背後には頭部とそれ以外に二等分された仮想敵が倒れていて、まるで鎌を持った死神が通ったようだった。

 効果も主要部分が頭部にある仮想敵には絶大で、首なしロボットが動き出すなんて一種のホラー現象は起こらなかったのも幸いに残り3分の時に柚希の取ったポイントは50を超えていた。

 

 

 

 

 

 近くにいた仮想敵は残り少なく耳を頼りに騒ぎが大きい方へ行くと人も仮想敵も多く、跳躍の関係上ある程度の広さの平坦スペースが必要な「首刈り鎌」はできなそうだと判断した柚希は気休めに救助を始めた。

 かといって、救助を必要としていなかったり距離的に救助が難しいものも多く、これが中々難しい。

 

 そう思っていると、ビルの壁にくっついてる黒髪ロングの女の子が2体の仮想敵に囲まれてる。その子はあんまり焦ってもいないので、何とかできる範囲なんだろうけど少なくとも攻撃が得意そうな見た目には見えないし、距離も何とかなる範囲だった。平坦なスペースは彼女がくっついてる壁を蹴れば、1体は倒せる。多分1体倒せば、もう1体はその子が倒してくれるだろうと算段をつけ壁に激突しないように跳んだ。

 

 そして柚希はちゃっかりポイントの高い方を倒すと、その子は予想通りもう1体を倒してしまった。

 

 

 

 そして、柚希は倒災害時にヒーローは軽いアフターケアもすることを思い出して、一応さっきの子に声をかけた。

 

 

「‥‥大丈夫?」

 

「ええ、ありがとう。でも、ここで話している時間はないわ。お互い受かったら話しましょ。」

 

「じゃあ入学式に、」

 

 

 

 その子と別れてから、取りあえず助けられそうなところを見つけようと探していると、今までに聞いたことがないぐらい大きい足音がした。

 

 例の0ポイント仮想敵(あれ)か。この足音だと「首刈り鎌」で倒すどころか跳躍が頭部に届くかも怪しいと柚希は思い、殿(しんがり)兼 サポートをしようとしようとした。

 

 「(いや、足を潰そう。そっちの方が有効だし、時間的に一回足止めをしておけば制限時間が過ぎるはずだ。)」

 

 

 相変わらずうるさい足音がこれ以上大きくなり 地面から振動まで伝わってくると、0ポイント仮想敵(そいつ)が姿を見せた。

 周りの人たちは逃げて行ったので、柚希はその場に立ち心を落ち着かせる。思ったより大きいし硬度によっても成功率は変わってくると思うのだけど、柚希はヒーロー(憧れ)に近づけると思うと俄然やる気が出てきた。

 

よし覚悟は決まった。

 

 

 

___リミットブレイク  Offense

 

 柚希は攻撃力を重ね掛けすると、平坦になっている場所から、膝カックンの要領で仮想敵の足に向かって裏からすくうように「首刈り鎌」を使った。

 

 

 そして柚希の思惑通りに足の一部は崩壊し、仮想敵は後ろに向かって倒れていった。だが、丁真上から飛んできた倒れたときに仮想敵が掴んだと思われる瓦礫の一部には、流石の柚希は対処できなかった。

 その瞬間、柚希の腰に柔らかい何かが巻かれて間一髪で跳んできた瓦礫から避けることができた。

 

 

 

 

《終  了~~~~~!!!!》

 

 

 

柚希は10分間の試験(受難)が終わったことに安堵したと同時に、助けて貰った相手に話しかけた。

 

 

「ありがとう。入学式より早くに会っちゃったね。」

 

「ええ、無事でよかったわ。」

 

「本当にありがとう。一瞬走馬燈みたいなの見えたから助かったよ。えっと‥‥‥」

 

「蛙吹 梅雨。梅雨ちゃんと呼んで。」

 

「度超 柚希。私も柚でいい。無表情なのは元からだから気にしないでくれると嬉しい。」

 

「じゃあ今度こそ入学式で会いましょ、ケロケロ。」

 

「うん。じゃあまたね、梅雨ちゃん。」

 

 

 

柚希は心の中で、  私も梅雨ちゃんも受かってるといいな。なんて思いながら幼馴染との待ち合わせ場所に向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





個性『限界突破』

 選択した効果を付加すると人間の限界を超えれるぞ! 自分にも他人にも付加できるぞ!
 その効果の力としては、人間<個性『限界突破』<<その効果に特化した個性 って感じだ!
  ・ゲームみたいに「攻撃力全振り」とかもでき能力は上がるが、それでも敵わないぞ!
 効果を選択できるのは5つ(仮)まで! というか、柚希自身が5つあって困ったことがないので、それより上に挑戦したことがないぞ!


Sustain…
  耐久力UP! 『硬化』や『スチール』ほどの硬度はないが 瓦礫の山くらいからは無傷で脱出できる。上記二つのように体の表面を硬化しているわけではなく、細胞レベルで耐久力を上げているだけなので、付加していても機動力を欠かず動ける。
Jump…
  跳躍力UP! 着地のことも考えて跳ぶと130㎝。着地の時の足の負荷を軽減するために Sustainも付加しておくと20mくらいは余裕でいける。
Speed…
  速度UP! 走ると時速65㎞。足の負荷を軽減するためにSustainも付加しておくともう少し速くなる。
Offence…
  攻撃力UP! 瓦数十枚はけっこう余裕で割れる。体の一部に意識して力を集めれるぞ!
Healing…
  回復力UP! 

必殺技「首刈り鎌」…
  Sustain Jump Offense Speed の4つがないと成立しない。鎌のように首を刈り取る様から「首切り鎌」と名付けた。本物の人間に試したことはないが、おそらくきちんと殺せる。(技の詳細は本文に)




おまけ(いつか使うと思われる)

Defense…
  防御力UP! 基本、耐久力を上げるので使わない。
Heat resistance…
  耐熱性UP! 体の体感温度を下げているのではなく熱に耐性がある体にしている。
Cold resistance…
  耐寒性UP! 体の体感温度を上げているのではなく寒さに耐性がある体にしている。
Throw…
  投擲力UP! 投げたり蹴ったりしたものが(ほぼ)百発百中で目的の場所へ。本人曰く球技でしか使い道がない



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