みんな元気ー?
ぶっちゃけここって書くことなくなるから困るんだよね。
まあ、あれだ、今回は雑談回に近いから軽ーく読み進めて行ってくれたまへ。
空を舞う。地を踏みしめていたはずの足が放り投げられ、徐々に重力に従い始める。追撃がないということは様子を見ているのいか、はたまたこれ以上は殺してしまうという情けなのか。
どちらにせよ一つだけ確かなことは、この目の前にいるチャイナお姉さんは間違いなく格上の存在だということだ。
「ふむ、気の形状的に戦い慣れていないと言う訳ではなさそうですが」
そうですよーまつりちゃんはよわいこちんなんですよー。なんて軽口を叩く余裕なんてあるはずもなく、背中から落ちた衝撃で悶えております故。完全に不意を突かれた。いや、単純に反応できなかった。
「場数の問題でしょうか。霊力を肉体の強化に使用できていますし。うーん、お嬢様のご友人だと伺っているので少し楽しみだったのですが」
ぜってぇそのご友人のゆうの字ちげぇだろ。愉快の愉とかだろそれ。
うだうだ言っている間に息を整える。吐血とかしてないから本当に加減されてたんやなって。てか、加減してこのレベルってどうなんすかね。
「さて、まだしますか?」
「えほごほっ……ふぅー……。それって降参したら足折らずに連れてって貰えるんすかね?」
「命令なので」
すっっんごいイイ笑顔だなチクショウ。
「でもまあ、許可さえ下りればそのまま連れていけますし、足が折れた程度であれば私が治してあげられますので。大人しく差し出した方がいいかと」
「痛いのは嫌なんでねぇ!!!」
油断も隙もあったもんじゃない。もはや条件反射。人間の危機察知能力、生存本能が身体を動かした。胸板を蹴り抜く足を銃の底で受け止める。
まあ、もちろんのこと受け止めきれるはずもなく吹き飛ばされる。これ、紫様お手製の銃だからどうにかなったけど、指ごと逝ってても可笑しくないよな。
今度は辛うじて受け身を取ることができた。
「いいですね」
「涼しい顔しやがって……。こっちは必至なんだよクソが」
相手が動いていないことをいいことにトリガーを引く。五度爆発音が鳴り響く。
「うわ……予想してたけどいざやられるとちょっと引くわぁ……」
紅美鈴の右手からジャラジャラと音を立て弄ばれているそれ。円錐に似た形のそれは間違いなく今撃ったはずの銃弾だった。
「終わりですか?」
不敵な笑みを浮かべ手の中の弾を弄ぶ。挑発以外の何物でもないその行動。
「許可が下りれば、ねぇ……。館には入れない。逃げても追いつかれることは明白で、立ち向かっても殺られる。まさしく万事休す。加えて霊力もすっからかんときた。いやほんと、勘弁してほしいわ」
足を瞬間強化し、急加速。紅美鈴の懐に潜り込む。距離としておよそ三十メートルも離れていないその距離。その距離を一秒程度で詰めたにもかかわらず確かにヤツと目があった。
しかし、止まれない。銃口を押し当て引き金を引く。
確実に殺す、三度響いた銃声と、門に当たり弾かれた甲高い音が一つ。そして、屋敷に施されているであろう結界に阻まれた音が二つ。
「相手が油断していても確実に殺したい。悪くない手でしたが、あまりにも遅すぎる。さ、大人しく諦めましょう?」
後ろから聞こえてきた声にもう無理ですと両手を上げ、降伏を示す。ただ、せめて優しくしてください……。
……あれ?
予想していた痛みが訪れる事はなかった。
「もうそろそろ博麗の巫女が来るそうよ。準備しなさい美鈴。こちらの方は私が回収しておくわ」
「意外と早かったですね。では、博麗の巫女のお手並み拝見と行きましょうか。ではそちらはよろしくお願いします」
「大丈夫だとは思うけど、殺さないように」
怖くて後ろを向けないが、取り敢えず俺の両足は助かったのだろうか?
それと、博麗の巫女、博麗霊夢と霧雨魔理沙がもうすぐ紅魔館に来るとのこと。本格的な異変解決がもうすぐ始まる訳だが、実際あの二人の実力はどの程度なのだろうか。少し見てみたい気もする。
まあ、僕がここからどうなるか分からないのが一番気になるところではあるのですがね!!
え? これって地下室送りみたいな展開はないんだよね? 信じていいんだよね後ろのお方?
「では、参りましょうか」
「ひょえ」
「ただいま戻りました。お嬢様」
一瞬にして目の前の景色が変わった。室外にいたはずなのに今では赤を基調とした少し派手な部屋にいる。僕のおうちと交換してほしいほどだ。目がチカチカするけど。
そして、窓際の椅子に腰を下ろし優雅にティータイムとしゃれこむ数日共に過ごした吸血鬼の姿。
「相変わらず小心者のようだな人間」
「色々言いたいことはあるけど取り敢えずひさしぶりだな、レミリア・スカーレット。本当に色々聞きたいんだけどなんで足へし折るよう命令したん? マジで死ぬかと思ったんだけど」
「まあ、落ち着くといい。取り敢えず座って話そうじゃないか。最初は住処まで貴様を迎えに行ったんだがな。あいにくと留守にしていたから、その腹いせだ。それに美鈴が手加減を間違えるようなこともしない」
「随分信用なされてるんですねー」
「そう不貞腐れるな愉人」
「それ友人じゃなくて愉人っているだろお前」
笑ってはぐらかすレミリア。
わらってんじゃなねぇでごぜえますよ?
「さっきも言ったが美鈴が手加減を間違えるはずなどない。うちの中で一番の実力者だぞ?」
「へー。館の主であるレミリアさんよりもっすか?」
「当然だな。何でもありならまだ勝機はあるかもしれんが、格闘戦だけなら間違いなく勝てん。私のトレーナー、師匠みたいなものだからなアイツは」
「なんと、お師匠様でしたか」
「当時の住処に突然現れてな。手合わせを頼みたいと言われ了承したのはいいのだがこっぴどくやられてな。その腕を買って私たちの護衛役として働いてもらっている」
なーるほどなー。レミリア自身の実力もかなり高いことは以前の妖怪大戦争のときに身に染みている。それ以上というのであれば……具体的な例を挙げようと思ってみたけど具体例を挙げれるほどこの世界の住人と仲良くなかったわ。
流石に藍様クラスということはないだろうし。レミリア以上藍様以下という式しかできなかった。
「ただまあ、間違いなく良い方なのはわかった。主人が性悪なだけで」
「家を留守にして置手紙の一つもないのだ。当然だろう?」
「それなんてバイオレンス? てか、それなら能力で運命でも見ればよかったでしょうに」
「勿論見た。いざいって居なかったら無駄もいいところだろう?」
「ならどうして」
「答え自体は簡単なんだがな。結論から言えば見えなかった。マツリという存在の運命を見ようとすれば、そうだな、何といえばわかりやすいか。
本来運命というものは大小さまざまの川が連なっているようなものでな。基本的には大きな方へと流れていく性質がある。稀に小さな行動一つで全然別の運命をたどるものも居るが、まあごく少数だ。
私の能力はこの運命を見るという力なわけだが、直接操作するほどの力はない。間接的に操作はできるがな」
「間接的っていうと、その能力をしようして無理やり川の流れを変えることは出来ないけど、その運命を辿る本人に接触して運命を捻じ曲げることは出来るって解釈で大丈夫な感じ?」
「その解釈で間違いない。だがマツリ。貴様の場合だと川がないのだ。一面大海原が続いている。運命が入り混じりどこに向かうのか、どこか初めで終わりなのかすら分からない。
確かに特別実力差が有ったりすれば見れないこともある。八雲紫とかな。見れたとしても範囲が狭い場合や、極端にデカい川が存在しているとそれ以外が見れないこともある。初めてマツリと出会った時に見た運命もそうだった。だから、あれだけ簡単に口車に乗ったわけだ」
じゃあ、能力で俺の運命を見たけど何がなんやらで取り敢えず行ってみよういねぇえじゃねぇかよっしゃ足の骨でも折ったろ。ってことか。
「いや、どうあがいても理不尽すぎるだろ」
「まて、少し違うぞ。運命を見てお前が部屋でくつろいでいる姿が見えたから行ったんだ」
「でもそれが何時なのかは分からなかったのでしょう?」
「ああ」
「結局理不尽じゃねぇか。え? ただのやられぞん?」
優雅に紅茶を飲むレミリアを睨みながら、窓の外を見る。位置関係的には中国さんがいた正門の真正面最上階になるのだろうか。まだ上の階があれば話は変わるが、外から見た感じだと多分最上階だと思う。その窓の外からは星となんかお札ぽいのっと、それを掻き消すほどの明るさを放つ虹色のオーラが見えた。
よく見えないが、なんとなく主人公二人組が押されているのだけは確信できた。
「レミリアさんや、今あっちどうなってんの」
「黒と白の魔法使いみたいなやつと、赤色の服の奴が美鈴に遊ばれているな。まあ、軽く試して通すようには言ってある。そう心配せずとも問題ない。ただ、黒白のこの後は保証しかねるが」
「なーんか悪いこと考えてる」
「なに、妹の遊び相手になってもらうだけさ。その為に私を殺しに来た摩訶不思議な人間も隷属させたのだからな」
あ、扉の所で待機しているメイドさんには触れてよかったんですね。
いや、だれかってのはもう気付いているんですけれども、なんか触れちゃダメかなって思ってた。
「そうだな。紹介しておこうか。こっちに来る二ヶ月ほど前にな、美鈴を抜けて私を奇襲してきたんだが、なんでも時を操れると豪語してきてな。面白かったから適当に嬲った後に隷属させてみた」
「そんな新しいおもちゃ手に入れたみたいなノリで言われても。んで? 名前は?」
「特に決めてないな。人間の名前なんて気にしたことなんて殆どない。そういう意味では初めて名前を覚えたのはマツリが初めてやもしれぬな」
「わーいうれしいなー。ならなんか付けてやらんの?」
「ふむ、人間の名前なんてわからないのだが。なんか適当につけてやってくれ」
わお、なげやり。いや、名前っつっても一つしかないんだけども。
銀のボブカットにもみあげあたりから三つ編みが二つ。三つ編みの先には緑のリボン。青と白を基調にしたメイド服。そのスカートの丈は短く膝よりも上。ミニスカメイドですよ皆さん!! なんか得した気分。ロングも好きだけどね。おそらくそのスカートの中にはナイフが隠されており、何かしようものなら刺されるのだろう。
「じゃあ……。十六夜咲夜で。髪色とか月っぽいし、そんな夜に咲く一凛の花……的な?」
「だ、そうだ。よかったな。十六夜咲夜。まあ、もともと死んだようなものだったのだから、心機一転して私に尽くせ」
「勿論、心得ておりますお嬢様。マツリ様も素敵な名前を付けていただきありがとうございます」
お嬢様本人から名前を付けて貰えなかったからってそんなに睨む必要もないでしょうよメイドさんや。
「そろそろ美鈴の力試しも終わる頃だろう。十六夜咲夜。もう少し時間を稼いで来い」
「承知いたしました。失礼します」
一礼し瞬きをする暇もなく消えるメイドの姿。彼女の能力はレミリアが言った通り時間を止めるもの。厳密には空間操作の部類に入る。今もしているのかは分からないが、紅魔館の間取りを広くしているのも彼女の能力だったはずだ。
「ところで、死んだようなモノってどうゆうことです? 血みどろで殺しに来たとか?」
「大きすぎる力は保持者を狂わせる。そういうことだ」
「なーる。もともとの寿命は?」
「持って二年といったところだったな。今は私に隷属しているから生きながらえているが、働き次第では眷属にしてやってもいいな。あれだけの力をみすみす逃すのは口惜しい。ついでに貴様も眷属にしてやろうか人間」
からかうような提案に、こちらもまた軽くまさかと答える。誰が好き好んで八雲を敵に回しますかよ。そもそもワタクシはロリコンじゃありません事よ。
小鈴とまではいかないものの、レミリアもそれ相応にちっこい。多分150はない。顔も口調に似合わず可愛らしいものだ。
「まあ、この状態は何かと燃費が良いからな。羽が窮屈なのさえ除けば元の姿に戻る必要もないだろう。人間が見たいのであれば別だが。ん?」
「なにか別に面倒ごとを押し付けられそうだから、それはまた別の機会に取っておくわ。てか、口調ちょっと柔らくなった?」
「心配事の大半がなくなったから。お陰様で気を張りっぱなしにする事もなくなった。改めて感謝しているぞ脆弱な人間」
「なーんで素直に感謝の言葉だけを述べられないんですかねこの吸血鬼様は」
「それが私というものだ。短い間だが分からなかったわけではないだろう? さて、そろそろ移動するが、どうする?」
勿論ついていきまっせと、差し伸べられた手を取る。その身長は己のよりも少し高めでなんとまあ不相応な相手だことか。これじゃあまるで召使と主がいいところではないか。
ふんわりと香る血の臭いと、それを隠そうとしている紅茶の香り。間違いなくそれはさっきまで優雅にティータイムをしていた相手のものだと分かる。可愛らしいあの顔はどこへやら。
「エスコートは頼んだぞ、人間」
「そんなこと言ったって間取りも行き先も分からないんですがお嬢様」
引き込まれそうな程に美しい、美しすぎるその美貌には、不相応な無邪気でしてやったり顔。
なんとまあ、いろんな意味で喰えない相手と愉人になってしまったものだ。
内心、俺このまま殺されたりしないよねと思っていたのは内緒だ。
お読みいただきありがとうございます。
まあ、なんとなく分かってた方もいるかもだけど。美鈴は紅魔館最強です(近接戦のみ)
この設定好きなんですよね。
実はレミリアもフランも片手で遊ばれるくらいが好き。弾幕込みだと少し美鈴有利ぐらい。
レミリア様はエッチ大人の人だから。だから咲夜さんも……ね?(察しろ)
では、また一か月ごにお会いいたしましょう。
じゃね~(^ ^)/