どもども、つい最近ちびりそうになったまつりくんだよ。
なんでかって? いやぁ……ご主人様こわいなって。
一ヶ月前に紅魔館にレミリアに会いにいったんよ。
そこから二週間くらいして、幻想郷に地震が起きたわけね? 連続して細かいものから、どデカいのも不定期に。
で、あ、これ緋想天始まったなって思ったんよ。まあ、今回は様子見でいいべって思ってたんやけどね。
…………おうちこわれちゃったあはは
そりゃあそうだわ。隙間風とか雨漏りとかはどうにかしてたけど、根本的にはオンボロ小屋なわけで。
寝てるときに嫌な予感がして、咄嗟に紫苑を庇った時に倒壊したお家の下敷きに。不幸中の幸いなのか、オンボロ小屋だったおかげか大きな怪我はしなかった。打撲と擦り傷程度よ。これが日ごろの行いってやつだな!!
で、だ。私のせいでって紫苑がなったわけだけど、そこはずっきゅんして落ち着かせた。
萃香も倒壊したのに気付いて直ぐに駆けつけてくれたし、怪我も大したこともない。もっと言えば結界にも問題がなかった。が、とある一件によりタガが外れたあのお方がブチギレルには十分だったよう。特に、一切関わっていない状況で想定していない出来事に俺が悪い意味で関わってしまった事にご立腹の様子。
萃香が青ざめてそそくさと逃げ出す光景に吐き気を覚えつつ、何時の間にかオンボロ小屋を復活させていた紫様が立っていたわけよ。
紫苑は恐怖で震えて腰抜かしてたし、ある種の元凶の俺が下手に声もかけられない。頼みの綱の藍様は耳を絞って知らん顔。
にっこりと微笑んでまってなさいと一言。紫色の隙間の中にその姿を消した。直後、再び大きな揺れ。そして、地面に叩きつけられたナニか。人らしい原形を留めているだけのソレが、この異変の元凶だというのは即座に理解できた。
そして、隠すつもりのない紫様の圧にちびった。うん、最初嘘ついた。ちびりましたはい。それはもう盛大に。
辛うじて息のあるソレを前に、優雅に歩いてきた紫様はこう言う。殺しはしないが、次はない。そういってソレの腹を蹴り上げて物理的に送還した。
その後、なんかもういっぱいなでまわされてゆかりんとしおんとぼくのさんにんでなかよくスヤァしましたはい。
とまあ、ちょっと思い出すのもイヤな状況のまま緋想天は終わりを告げたのです。
紫様もそのまま何事もなかったかのように帰っていったし、聞くなって事なのでしょう。知らんけど。
「で、それがどうして私の家に来る理由になるんだ?」
「同じオンボロ小屋に住む仲間として交流をと思って」
「ぶっ殺してやろうか??」
きゃーもこたんこわーい……おーけー落ち着いて話し合おう。だからその手に持たれた熱々の急須を置くんだ。
俺が今いるのは迷いの竹林に住む藤原妹紅宅。原作でもお馴染みのあの恰好、白のシャツに、赤のモンペ姿だ。
「正直に言うと迷っただけっすねー。本当は永遠亭に用があったんだけど。ま、おたくでも問題ねぇかなって。むしろ適任まであるか?」
「アイツらの代わりって時点で嫌なんだが」
「まあまあそういうなよ藤原妹紅……車持皇子いや、藤原不比等の娘さん」
部屋の温度が跳ね上がる。それもそのはず、藤原妹紅から文字通り炎が噴き出しているのだから。
「その反応、マジでその人の娘なのか」
「鎌でもかけましたってか? 遺言はそれでいいんだな?」
「そりゃあ困る。なんせ俺は死にたくない一心で生きてきたからな。アンタの神経を逆なでしたことに罪悪感なんてのは微塵も感じてないが、確認のためとでも思って許してくれや。なんせ、今から逆鱗に触れるんだから」
「ほお? いまこの状況でさらにアタシを怒らせると?」
「うん。不老不死の藤原妹紅、蓬莱の薬を飲んだ蓬莱人のアンタに聞きたい。いままでどんな思いで生きてきたんだ?」
炎が揺らめく。鋭い刃となった炎が、咄嗟に顔面を庇った掌に突き刺さる。
流れ出る血液が泡立ち、沸騰しているのが分かった。
「あぎぃああぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!」
「どうした? 人の逆鱗に軽々しく触れたんだ、それ相応の覚悟ぐらいしてきてたんだろ? もうちょっと頑張れよ」
手が捻られ、麻痺し始めていた痛みに新たな激痛が加わる。
体温が上がり、視界も揺らめく。
このままでは死ぬ。幻想郷に来て慣れたくなかったその感覚に、自然と体は動いていた。
勢いが衰えない業火、我を忘れたかのように冷たい視線を向けてくるその真紅の瞳。そして、終わりを告げるその背に生えた不死鳥の翼。
しかして、その翼は無残にも切り落された。
「ぱちゅ…………じきでゴホッゴフッ!!!!」
口の中から赤黒い液体と、とんでもなく熱いであろう咳が言葉を封じる。
いい加減抜けやなんて悠長なことを言える暇もなく、藤原妹紅の体を蹴り飛ばした。
抵抗するわけでもなく、そのまま部屋の壁に背中を打ち付ける姿に拍子抜けする。なんだこいつ。
刺された場所に霊力を送り、治癒能力を高める。幸いと言っていいのか分からないが、その炎の熱で出血が続いているなんてことはなかった。
体内の血管に霊力を纏わせ、体の状態を正常なものへと戻していく。十秒程度あれば言葉を発することも出来る。その間アチラさんはピクリともしないけど。
「あ、あーテステス。どうよ、パチュリー直伝なんちゃって霊力ブレード。本当はもっとほっそい糸にして使うトンデモ兵器なんだけど。ま、動かない相手になら十分でしょ。で、いつになったら寝たふり辞めるん?」
…………動かないんですけど。え、死んじゃった?
「なら一回きっちり殺しといたほうがいいか。生き返るところ見てみたいし。そいじゃ失礼して、南無」
「南無じゃねえよ、馬鹿かオメェは」
「あ、生きてた。で、どうよ? ちったぁお話する頭になったか?」
「……死ねゴミ」
「わーお純粋な罵倒だー。負け犬風情が吠えてんじゃねぇぞガキ」
「うるせぇ、お前になにが分かんだ」
「分かんねぇし、知りたいとも思わん。だが、お前の経験が俺にとって有益になるのなら、俺は死なない程度にお前を煽り続けるわ」
だから、ほら座って座ってと家主に座る事を進める押しかけ失礼男。しっかりにっこりと笑いかけて座る事を勧めるのが大事だ。
「……アンタ、何者だよ」
「一回会った時に見たでしょ? 鬼を友人に持って、同居人が貧乏神、主は八雲のごく普通の一般人でさ」
「それを一般人と呼ぶにはいささか無理があるんじゃないかなぁ」
ま、固いことは言わずに色々ゲロってくれやもーこたん。
「やっぱ今ここで殺すべきなきがしてきた」
「本気になったら俺なんて瞬で消し炭なんだからやめてくれ切実に」
お読みいただきありがとうございます。
ちょっとなにかと忙しかったのでかなり短いですが許してニャン(=^・・^=)
では、また来月~