私とテストと幻想郷   作:KuromeBright

13 / 13
今後また超絶多忙期に入って活動どころではないので早めに更新しとこうと思った次第です


目には目を 卑怯には裏技を

「一人にならないよう気を付けるのじゃ!常に多対一の状況を崩してはならぬ!」

 

「「「了解!」」」

 

Bクラスとの戦争二日目。開幕から数の暴力で相手を教室内に押し込み、少しずつしか外に出られないBクラスの戦力を削いで優位に立つというのが今回の作戦だ。切り札である土屋を最高のタイミングで投入するためにも、ここで一人でも多く敵兵力を減らさなければいけないわけだ

 

「にしても、闇雲に突っ込まずリスクとリターンの勘定が出来る坂本はやっぱり切れ者だな」

 

「ええ、個人では勝負にもならないこのクラスでよく戦えるものだわ」

 

「全くだな.....ん?」

 

「どうしたの妹紅?」

 

ふと自分達と反対側の扉から攻めている生徒の一人が気になり目を止める

 

「いや、姫路の様子がちょっとな」

 

私の言葉につられて幽香も姫路の方を見る。

 

「くっ、姫路さん!こっちの応援頼む!」

 

「あ、は、はい!行きま.....うぅ」

 

加勢に行こうとはするのだか何となく全力を出せていないというか.....どうしても気になり姫路の視線を追ってみることにした。するとそこには

 

 

「くくく.....」ヒラヒラ

 

おかっぱの男子生徒が男が持つには似つかわしくない可愛らしい封筒をヒラつかせながらこちらを見て笑っていた。奥で堂々と構えてる辺り、アイツが代表の根本とやらだろう

 

「.....おい、幽香」

 

「多分同じこと考えてるわ」

 

「だろうな、行くぞ」

 

「む?おい風見、藤原!どこに行くのじゃ!」

 

「悪い木下、すぐ坂本のとこに行かねーとなんだわ。少しの間前線を頼めるか?」

 

「!.....わかったのじゃ。早く戻ってくるのじゃぞ、そう長くは持たん」

 

「あぁ、すぐに」

 

木下に前線の指揮を任せ、私と幽香は足早にFクラスの教室を目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!坂本!」ドン!

 

「うぉっ!なんだお前ら急に」

 

勢いよく扉を開けたせいで坂本は困惑しているがどうでもいい。言いたいことは一つだ

 

「坂本、すぐにでも根本を打ちに行かせてほしい」

 

「はぁ!?いきなり何を!」

 

「アンタは一言『分かった』といえばいいのよ。ま、許可が出なくても関係ないのだけれど」

 

「おまっ.....」

 

坂本は私たちをまっすぐ見つめてくる。変な意味はない。じっと、こちらの考えを見定めるような、そんな目だ。少しして坂本は「はぁ」とため息をつき

 

「詳しくは言えないが急ぎの用事ってところか、いいだろう。だが条件がある。本来はもっと削りを入れて攻め込むのが理想だったんだ。計画を壊すというなら穴埋めをしてもらう必要がある。最後の作戦、こちらのタイミングに合うようにうまく立ち回ってくれ。そして、何としてでも勝て。それが出来るなら行かせてやる」

 

どうやら私たちがどうしたいのかを正確に読み取ったようだ。それにすぐに新しい作戦の段取りまで考えた。ホント良く頭の回るやつだ。でも今はそれがありがたい

 

「愚問だな。行くぞ幽香」

 

「えぇ。上手く繋げてみせるわ」

 

「あぁそれと、前線のやつらにも動いてもらうからそれも伝えてくれ」

 

坂本の言葉に頷き、私たちは再びBクラスの戦場へと歩き始める

 

「「待ってろよ(なさい)、根本(クソ野郎)!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソっ、木下、限界だ!俺達だけじゃもう押し込めない!」

 

「すみません、私もカバーが.....」

 

「むぅ.....藤原達はまだ戻って来ぬのか」

 

早めに戻ってきたつもりだったんだが、戦況は思ったよりひっ迫していた。むしろ桁違いの戦力相手によく頑張った方だ

 

「悪い遅くなった!坂本からの指示だ、全生徒右手の扉に集合!最終作戦まで切り崩されないよう踏ん張れ!」

 

戻ってきて早々、時間もないので手短に坂本の作戦を伝える

 

「それはいいがもう一方の扉はどうするのじゃ?」

 

「そっちは私達だけでやらせてもらうわ。要は邪魔だから引っ込んでいろってことよ」

 

幽香はそう言いながら一瞬姫路の方を見る。見られたことは姫路も自分が足手まといなことがわかっているのか顔を暗くしていた。全く、わざわざキツい言い方しなくたっていいのに

 

「おぬしらもおぬしらじゃが雄二も雄二じゃ.....よし!皆の者、何としても最後まで戦線を守り通すのじゃ!」

 

「「「了解!!!」」」

 

部隊の指揮は十分、あれならしばらくは持ってくれるだろう。それに私達だって時間をかけるつもりはない!

 

「Fクラス藤原」

 

「同じく風見」

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

  Fクラス   数学  Bクラス

藤原妹紅 風見幽香 VS   モブ

 247点  281点     平均180点

 

「邪魔だ!雑魚に用はない!」

 

「アンタらなんかに構ってる暇はないのよ!」

 

「「「ぎゃあああああああ!!!」」」

 

まだ残っていた雑魚を蹴散らし教室内を見渡す

 

「根本のやつは.....いた!」

 

「うおっ!?貴様らいつの間に.....お前たち、いけ!」

 

「「「試獣召喚(サモン)!」」」

 

 Fクラス   数学  Bクラス

藤原妹紅 風見幽香 VS   近衛兵

 139点  197点     平均200点

 

「チッ、近衛兵か」

 

そのまま根本を狙えれば良かったがが、根本はきっちり手元に近衛兵まで残していた。保身には周到な奴だ

 

「驚かせやがって。だが残念だったな、お前らの奇襲は失敗だ!ハハハ!」

 

「ぐっ.....(かかった!)」

 

根本が上手く引っかかってくれたことに内心ガッツポーズをする。だがそれを悟られないように悔しそうな表情を浮かべながら携帯で合図を送る

 

「さて、貴様らにはここで退場してもr『ガシャーーン!!!』な、なんだ!?」

 

「ま、マジかよ」

 

「ここまで思い切ったことをするとわね」

 

突然教室の窓ガラスが割れ、ロープ伝いに二人の男が入ってくる。一人は鉄人こと西村先生。そしてもう一人が.....

 

「な、お、お前は.....!」

 

「Fクラス土屋康太、Bクラス根本に保健体育で勝負を申し込む」

 

寡黙なる性識者(ムッツリィニィ)ーー!」

 

 Fクラス 保健体育 Bクラス

 土屋康太  VS  根本恭二

  446点       0点 

 

「そこまで!勝者、Fクラス!」

 

鉄人の口から出た言葉は私達クラスの勝利宣言だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弱小の俺達に負けた気分はどうだ、Bクラス代表さん?」

 

「.....」

 

だんまりか。戦争が終結したから嬉し恥ずかし戦後対談と思ってきたんだが、存外根本のやつがおとなしい。Fクラスに負けたのがよっぽどショックだったのか。教室の端の方では鉄人が「はぁ、コイツらはまた.....」とつぶやいている。あの作戦についてこれる教師なんて鉄人ぐらいしか思いつかなかったがこれは後が怖いな。今のうちに言い訳を考えておこう

 

「さてBクラスの諸君。本来であればクラス交換で俺達の素敵なちゃぶ台をプレゼントしてやるところだが、条件次第では免除してやってもいい」

 

「何をやらせる気だ」

 

「簡単なことだ。それh「おい坂本ちょっといいか」何だよこのタイミングで」

 

条件を伝えようとしたところで藤原に割って入られる

 

「実はな.....というわけなんだが」

 

「ふむふむ.....なるほどな」

 

要約するとFクラスの設備破壊の際、根本が姫路の私物を盗んでおり、それがきっかけで姫路は前線で力を振るえなかった。そして姫路の私物を取り返すために藤原たちは勝ちを急いだということだ。最初から言えとも思ったが、まあ個人的な事情だしためらったのだろう、1秒でも急ぎたいのもわかる

 

「それなら.....ふむ」

 

妙案が浮かび俺はニヤリと笑う

 

「改めて条件を言おう。根本、お前がAクラスに言って『戦争の準備がある』とだけ言ってこい。間違っても布告はするなよ」

 

「そんなことでいいのか?ほっ」

 

「ただし、お前がこれを着ていくことが条件だ」

 

そう言って俺はいつの間にかムッツリーニが用意した女子生徒の制服を突き出す。ムッツリーニはどこからこの制服を手に入れたんだ?

 

「ばっ!ふざけるな!誰がそんなこt」

 

「俺達に任せてくれ!」

 

「Bクラス全員で協力するわ!」

 

「おい貴様ら!何を言っtごふっ」

 

根本は拒否しようとしたが仲間にあっさり裏切られ制服を脱がされていく。クラス内でも信用無かったんだな、コイツ。ちなみに根本の制服さえ手に入れれば良かったのであって、Aクラスへの宣言なんて実はどうでもいい。どうせ、あっちは分かってて塩を送ってきてたんだ。どの道俺たちが戦う舞台は整う

 

「さて、藤原、これでいいか」

 

脱ぎ捨てられた根本の制服から1通の封筒を取り出し、藤原に渡す

 

「おう、サンキュー」

 

「姫路さん、ちょっといいかしら」

 

「?はい、何でしょう」

 

向こうはあのまま任せればよさそうだな。さて、これでBクラス戦は事後処理まで決着だ。次はいよいよ.....

 

「待ってろよ、Aクラス(明久)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねーねー、やっぱりFクラスが勝ったってー」

 

「そりゃあ勝ってもらわないと。でもそっか、やっとだね」

 

予想通りの結果に安堵し、またこれからの展開にボク()の気分は高揚する

 

「負けないよFクラス(雄二)!」




Bクラス戦決着!

早くAクラス戦を書き上げて明奈に主人公らしいポジションについてほしいですがしばらく先のことになりそうです、トホホ.....

感想、誤字、脱字報告等いつでもお待ちしてます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。