今回は明奈と紫が幻想郷のあっちこっちをうろうろと。ではどうぞ!
2018/2/22 誤字修正 明久→明奈
ご指摘ありがとうございます
初めまして。私、紫様の式神の八雲藍と言います。突然ですが私の話を聞いていただけないでしょうか?
私の主人である紫様は普段何をするのも億劫だというオーラを振り撒いていて行動を起こさない方です。式の私が言うのもなんですがあれはダメ人間(妖怪ですが)といっても過言ではありません。そして基本的に本音を喋らない方です。いつもどこかふくみのある、要は胡散臭いんですよ
何故こんな話を突然するのか。それは・・・
「「~♪」」
「・・・・・・」パクパク
「ちょっと藍?何故世界の終わりを見たような顔をしているのかしら?」
「い、いえ、スミマセン。あまりにも普段のお姿からはかけ離れていたので・・・」
あの怠惰で胡散臭い紫様が、見知らぬ女の子と楽しそうに会話しながら何処かへ出掛けようという場面に出くわしていたからです。ありえない、私の知ってる紫様じゃない!?
「ねぇ藍、今失礼なこと考えなかったかしら?」
「いえそんなことは」
「ゆかりさん、このお姉ちゃんは誰?」クイクイ
「(お、お姉ちゃん・・・)私は八雲藍。紫様の式神だ」
「しきがみ?」
「フフフ、私の家族みたいなものよ」
「ゆかりさんの家族?わたしは明奈だよ!」
「明奈、いい名前だね。よろしく」
どうやらこの少女は明奈と言うらしい。にしても不思議な子だ。おそらく外来人・・・外の世界から来たのだと思うが、普段外来人の事など気にもしない紫様がまるで我が子のように溺愛(普段の紫様を見ているとそう思える)しているし、私もなんというか・・・とても落ち着くのだ。彼女の側にいるだけで包み込まれるような感覚になり安心感を覚える。それに、何故だかこの子には勝てないような気がした。何がどう勝てないのか、具体的なことは分からないが勝てない・・・いや、追い付けない。そんな感じがした
「それじゃあ藍。私は明奈と出かけてくるから留守番お願いね」
「あ、はい、お気をつけて」
もう行ってしまうのか。もう少しゆっくりしていけばいいのに
「らんさん!またね!」ヒラヒラ
・・・フッ、「またね」か。そうだな。どうせまた会えるのだ。また会いに来たときに話せればいいか
「あぁ、またね。気をつけてな」
そして紫様は明奈を連れて何処かへ出かけた。そういえばどこに行くのか聞いてなかったな...まあいいか。さて、留守を頼まれたはいいが何をしようか。掃除は終わってるし、特にやることがない
「・・・たまにはお昼寝でもしますか」
たまにはいいですよね、紫様みたいにだらけても。私は普段頑張ってるんですからたまには紫みたくダメ人間(式神)になったって...ね?
「・・・!?」
「ゆかりさん?どうしたの?」
「あ、ううん、なんでもないの」
何かしら、今、誰かにバカにされたような気がしたわね。まあいいわ。そんなことよりも今は楽しい時間なのだから
「これからどこに行くの?」
「白玉楼よ。私の友人がいるの」
「そっかー。楽しみだなー♪」
フフフ、ホントにかわいい子ね。普段の私だったらいちいち気に止めないんでしょうけど・・・やっぱりこの子には不思議な魅力があるわ。藍も少し気になってたみたいだし
そうこうしてるうちに私たちは白玉楼の入り口、冥界へと続く門の前まで来た
「明奈、これを渡しておくわね」
「これなぁに?」
今渡したのは護符。冥界に入るのに生身の人間では危険だからさっき明奈と会話していたときに片手間で作っていた。もちろん片手間だからって手抜きではないわ。万が一がないよう念入りに作ってあるから心配はないはず
「お守りよ。ちょっと危ないとこだから、明奈を守ってもらえるようにね」
「へー・・・ありがと!ゆかりさん」
「フフ、それじゃ行きましょうか」
私は冥界の門を開いて階段を登り始めた
何百段あるのかという長い階段を登り終えると一軒の大きな屋敷が現れた
「ゆかりさん、ここ?」
「えぇ、ここが白玉楼。私の友人が住んでるところよ」
「まてい!何奴!?」
「ビクッ!!」
あらあら、明奈が驚いちゃった
「妖忌さん、私よ」
「ん?なんじゃお主か。また遊びに来たのか?」
「えぇ。この子の挨拶回りでね」
「む?そういえば見ない顔だな・・・外のものか?」
「この子は明菜。私が連れて来た外来人よ」
私達が話している間明菜はずっと私の陰に隠れていた・・・かわいい
「ほぉ、お主が連れてきたのか。明奈、儂は魂魄妖忌。この屋敷で庭師をしている、よろしくな」
妖忌さんは目線を明菜に合わせ、優しい顔で挨拶をした。明菜も怖くないと認識したのか私の陰から出てきて言葉を交わした。明菜が妖忌さんと楽しそうに話している姿を私は穏やかな笑みを浮かべて見ている・・・・・・ことは出来なかった。明奈が私以外の人と楽しそうにしているのを見るとこう、胸のあたりがモヤモヤとした。なぜかしら?今までこんな感覚を覚えたことはない、初めてのことに私は軽く驚いていた。でも今はこの気持ちを理解できそうにないので一先ず忘れ、本来の目的に戻ることにしましょう
「妖忌さん、悪いけどそろそろ行かせてもらうわ」
「ん?そうか、少々名残惜しいが、仕方あるまい。明奈よ、また会おうな」
「またね、妖忌おじいちゃん!」
「うふふ、行きましょうか」
妖忌さんと別れ私たちは屋敷の中に入――――らない。あの子のことだから多分こっちにいるはず。そう考えて屋敷の外を少し歩きやがて大きな桜の木がある場所までやって来た
「あらあら?お客さんかしら?」
声がした方向へ目を向けると
「やっぱりここにいたのね、久しぶり幽々子」
「紫?随分久しぶりね」
「?」
白玉楼の主で私の親友である西行寺幽々子。見た目は成人かどうかといった感じだが彼女も普通の人間というわけではないので実年齢はも(ry
まぁそんなことはいっか
「あら?この子は・・・」
幽々子は興味を惹かれたのかまじまじと明奈のことを見つめる。明奈も見つめられて少し恥ずかしくなったのかまた私の影に引っ込んでしまった
「この子は明奈、外の子よ」
「へぇ、私は西行寺幽々子よ。にしても、あなたが外来人を連れてきただけでなく面倒まで見てるなんて・・・何か変なものでも食べた?」
あなたにだけは食べ物関連で言われたくなかったわよこの暴食娘。あ、私ご飯食べるの忘れてた
「あなたと一緒にしないで頂戴。それと明奈は協力者みたいなものよ」
「明奈ちゃんが?何の?」
「この子、私の理想の話をしたら応援してくれるって言ったの。あなたは私の理想のことは知ってるでしょ?」
私の理想、人妖の共存について知っている・理解を示してくれている人は限られているけど、幽々子はその内の一人
「そういうことね~。てっきり誘拐でもしてきたのかと思ってたわ(笑)」
「な訳ないでしょ!?全く」
笑えない冗談はやめて欲しいわ・・・冗談よね?
「・・・幽々子おねぇさん」クイクイ
「あら?何かしら?」
「よろしくね!」ニコッ
「!?え、えぇ、よろしくね」ニコッ
ちょっと待て。幽々子、あなたなんで恋する乙女みたいな顔してんの?そりゃ明奈はかわいいけど・・・ってそうじゃないわ
「明奈そろそろ次行くわよ」
「えー」
「明奈ちゃんはまだ帰りたくないみたいよ?」
「こっちもあまり時間が取れないのよ。明奈、ここにはまた来れるわよ。取り敢えず次の場所に行きましょう」
私としても無理矢理は嫌だけど、あまり時間がないのも事実。ここらでお開きにしないといつまで滞在するかも分からないわ
「うーん、分かったよ。幽々子おねぇちゃん、またね!」
「えぇ明奈ちゃん、また会いましょう」ヒラヒラ
幽々子に見送られながら私達は白玉楼を後にした。さて、次は・・・一応「下」にも行きましょうか
「・・・・・・ふぅ」
紫と明奈ちゃんを見送った後私は少し考え事をしていた。紫は気づいていないのだろうか?基本、外来人が幻想郷に足を踏み入れると『能力』に目覚める。詳しいことまでは現状分からないけれど当然明奈ちゃんにも『能力』はある。それも、一歩間違えれば危険なんて言葉で済ませられない程強大なものが
「――――ま、私が言わなくても自分で気づくか親切な人が教えてくれるわよね♪そんなこよりもお腹が空いたわ~」
取り敢えず『能力』の件は誰かに丸投げということで。空腹を感じた私は屋敷に戻り食べ物を物色した
次回かその次ぐらいで幻想郷旅行を終わりにしてついにバカテス世界でのお話をスタートしようかと考えてます。
次回!「明奈の能力」お楽しみに!