【Another Story】仮面ライダー大戦GP 仮面ライダー3号   作:結城亮亮

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「スーパーヒーロー大戦GP」をリメイクする二次創作小説です。
劇場公開時の感想を書き留めていたものが出てきたので、
それをベースに書いてみようと思いました。

※要するに「俺得 仮面ライダー3号」です。
尺とか対象年齢とかを抜きにしたときに、
仮面ライダー3号がこういう作品だったらよかったな、という
個人的な感覚で書いていきます。


※※※原作以上に、敵味方が複雑になります。
また、それ故にライダー同士が殺しあう場面も多く、
死亡するライダーも少なくありません。
そのような描写が苦手な方はブラウザバックを推奨します。


第1話 異変

荒野に響くエンジン音。並走する2人の英雄。

 

1973年 2月10日。

ゲルショッカーは全滅した。

そして恐るべき首領は死んだ。

ゲルショッカーとの激しい死闘を乗り越えた、

仮面ライダー本郷猛・一文字隼人にとっての長い苦悩の日は終わった

 

……はずだった。

 

 

 

          仮面ライダー3号

 

 

 

時は移り、2015年 3月某日。

都内某所では、仮面ライダードライブ タイプスピードと

機械生命体ロイミュード 102が戦闘状態にあった。

ロイミュードはまだ進化前であり、ドライブの鋭いパンチやキックに翻弄されている。

隙を見て、ドライブは飛んできたシフトカーを左腕のシフトブレスに装填した。

<タイヤコウカン!ミッドナイトシャドー!>

音声と共に手裏剣にも似た車輪が飛来し、

ロイミュードに一撃を与えつつ、ドライブの胸部に組み込まれた。

そのままドライブはベルトとシフトブレスの両方を操作して、必殺技の準備に入る。

<ヒッサツ!フルスロットル!シャドー!>

ドライブは駆け出すと同時に忍者のごとく3人に分身し、3方向から飛び蹴りを撃ち込んだ。

断末魔と共に爆散するロイミュード。炎の中から飛び出した、

102という数字の形をしたコアが、振り返ったドライブの眼前で砕け散った。

 

 

「Nice drive」

仮面ライダードライブ=泊進ノ介が一息つきながら変身を解除するのと同時に、ベルトに宿った

クリム・スタインベルトの人格、通称ベルトさんが進ノ介を労った。

そこへさらに、進ノ介の戦いを見守っていた、同僚の詩島霧子が駆け寄る。

「泊さん、やりましたね」

「ああ」

 

このように、警視庁特殊状況下事件捜査課、通称特状課に所属する進ノ介や霧子は、

市民の生活を脅かす機械生命体 ロイミュードが起こす事件の捜査をし、

追い詰めたロイミュードを倒すことを職務としている。

そのために進ノ介がベルトさんの力を借りて変身した姿、それが仮面ライダードライブである。

 

戦闘を終えた進ノ介たちは、特状課に帰還しようとしていた。と、そのとき、一瞬ではあるが、

とてつもなく大きな揺れが彼らの足元を襲った。

「うわっ!」

「きゃあ!」

バランスを崩すも、なんとか耐えた進ノ介と霧子。

何が起こったのかわからず、2人は周囲を見回す。

「と、泊さん!アレ……」

霧子の声に振り向き、進ノ介は彼女の指差す方向を見る。

2人が立つ高台の遥か向こうに見える都市が、緑色の波のような光に呑まれていた。

しかも、光は物凄いスピードでこちらに向かってきていた。

「逃げるぞ、霧子!」

「はい!」

 

光から逃れようと全力で走る2人。しかし、光はあっという間に追いつこうとしていた。

もうだめか、光に呑まれたらどうなってしまうのか、

そんな考えが2人の脳裏によぎったそのとき、シフトカーとシグナルバイクが1台ずつ、

彼らの眼前に飛び出してきた。進ノ介たちがこれまで見たことのない、

そのシフトカーとシグナルバイクが、それぞれ進ノ介と霧子が腰につけている

シフトカーホルダーの空きスペースに停まる。そして間髪入れずして、光は2人を呑み込んだ。

 

「……?」

体感時間にして数秒。ぎゅっと瞑っていた目を開けてみると、

進ノ介も霧子も思いの外無事だった。

自身の身体に違和感はなく、見る限り互いの身体に外傷はないようであった。

「今のは、一体何だったんでしょう……?」

「さあな……。それに、今現れたシフトカーも……って、あれっ?」

進ノ介がホルダーに目をやると、先ほど現れたシフトカーはもう姿を消していた。霧子もまた、

自身のホルダーを確認してみたが、同じく先ほどのシグナルバイクの姿はなかった。

「さっき確かにいたよな……?」

「はい、私もこの目で見ました。一体どこへ……」

そう言って周囲を探す霧子は、またしても遠方に奇妙なものを見つけた。

「泊さん……あんなもの、前からありましたか……?」

そう言われて進ノ介が目をやった先には、先ほどと同じ都市があった。

しかし、その雰囲気は、ほんの数十秒前に見たそれとは、全く異質なものとなっていた。

 

まず目立つのは、霧子が「あんなもの」と言った、巨大な飛行船である。

銀色の下地に黒い蠍のマークが描かれた飛行船が数隻浮かんでいた。

さらにこの蠍のマークが、看板や掲揚された旗や垂れ幕といった形式で

都市のあちこちに見られるようだった。

また、もっと手前を見てみると、高台の真下まで続く大きな道路の真ん中を、

日本では見たことがないような黒装束の集団が、寸分のズレもない綺麗な隊列を組んで、

パレードのように凱旋していた。隊列の先頭はやはり蠍のマークの旗を持っていて、

よく見ると黒装束の集団は皆、上半身前面が白い蠍のマークになっているようだった。

「と、とにかく一度特状課に戻ろう」

「は、はい」

周囲の急激な異変に戸惑いながらも2人は、特状課に戻ってみることにした。

 

 

進ノ介の愛車、トライドロンで帰還しつつ、街の様子を見る2人。

人々の雰囲気はそれほど変わっていないようにも見えるが、建物や掲示物はやはり蠍のマークが

あちこちに散りばめられていて、とても見知った街には見えなかった。

 

「!?」

街外れの道に差し掛かった辺りで、進ノ介はとっさにトライドロンのブレーキをかけた。

見ると、怪人が2体と、先ほどから見かける黒装束が十数体、進路を塞ぐように立っていた。

「アレって、ロイ……ミュード?」

「いや、そうではないみたいだ」

霧子の疑問にベルトさんが答えた。確かに、普段戦っている機械生命体とは、見た目や雰囲気が

全く異なっている。

「見つけたぞ、ドライブ!貴様を倒すのは俺たちだ!」

そう言って、青い怪人シオマネキングは、隣に立つ黄色の怪人タイガーロイド共に、

戦いの構えをとった。

「何にせよ、戦うことに変わりはないようだ。行こう、ベルトさん!」

「OK!Start your engine!」

降車した進ノ介はベルトを腰に巻き、ベルトのイグニッションキーを回す。そして、シフトスピードのシフトカーを左腕のシフトブレスに装填し、変身ポーズをとる。

「変身!」

シフトブレスを再度操作しながら進ノ介は怪人に向かっていく。

<ドライブ!タイプスピード!>

走る進ノ介の体にアーマーが重なり、続いて胸部にタイヤが設置されて、

ドライブへの変身が完了する。さらに、ドライブの基本装備の1つ、ハンドル剣が

ドライブの右手に握られ、それを用いてドライブは怪人たちへの攻撃を開始した。

 

「キーッ」「キーッ」

2体の怪人の攻撃の隙間を埋めるように、黒装束の戦闘員がドライブに攻撃を仕掛ける。

ドライブはそれを回避しながら戦闘員を次々に切り捨て、

2体の怪人にも拳を、蹴りを、鋭い太刀筋を浴びせていく。

その様子を、トライドロンから降りて見守る霧子。

ふと、霧子は視界の隅に、数名の少年の姿を見た。

 

「ぐぁぁぁ」

戦闘員は既に地に伏し、シオマネキングもドライブの攻撃によって地を転がった。

それと同時にタイガーロイドがドライブの背後から迫るが、

ドライブは振り向き様に一閃、さらに一太刀、もう一太刀と斬撃を浴びせ、

タイガーロイドも地を転がっていく。

「とどめだ!」

ドライブは剣のハンドル部分に手を伸ばす。

しかし、その手はハンドルに到達することなく静止した。

「やめろぉ!!」

膝をつくタイガーロイドの前に、小学生くらいの少年たちが駆け込んできた。

彼らは両手を横に広げてドライブを睨みつけている。

 

それはまるで、怪人を庇うような、善悪が逆転したような、異様な光景だった。

「君たち、何をやってるんだ!?危ないからそこをどけ!!」

「いやだ!!お前こそやめろ!!これ以上は僕たちが許さないぞ!!」

少年の1人がドライブに抗議する。

ドライブは子どもたちが向ける憎悪と恐怖を纏った視線に圧倒され、困惑してしまった。

自分が何故、この少年たちにこんな表情をさせているのか、全く理解できなかった。

その混乱の隙をついて、シオマネキングがドライブを羽交い締めにする。

先ほどまでかなりのダメージを受けていようと、やはり怪人の筋力は強い。

ドライブの両腕はしっかり押さえ込まれてしまっていた。

「くっ…………はぁっ!」

ドライブは、シオマネキングの膝を目掛けて鋭い後ろ蹴りを放った。

見事膝に命中した蹴りは、ドライブが拘束を抜け出す隙を作るのに充分だった。

ドライブは同時に、ハンドルを操作する。

<ターン!ドリフトカイテーン!>

ドライブは体を回転させ、必殺の斬撃をシオマネキングに食らわせる。

シオマネキングは致命傷を受けて、ドライブの眼前で爆発した。

 

「「シオマネキング!!」」

ドライブの背後で少年たちがシオマネキングの名前を叫んだ。

ドライブは何とかして残るタイガーロイドと少年たちを引き離し、

そのまま倒すことはできないか、と考えながら振り向いた。

しかし、振り向いた瞬間にドライブは再び動けなくなった。

少年たちの涙を流して悲しむ姿にショックを受けてしまったのだ。

 

「うう……シオマネキング…………」

「畜生!イーヴィルライダーめ!!」

少年たちは足元から石を拾い、ドライブに投げつけ始めた。

「イーヴィルライダー!!お前たちはどうして!!

どうしてこんな、酷いことができるんだ!!!」

「よくもシオマネキングを!!」

「イーヴィルライダーの馬鹿野郎!!」

口々にドライブを罵倒しながら石を投げる子どもたち。

ドライブのアーマーは子どもの腕力で投げられた石が直撃しようと、

装着者に傷ひとつつけることはない。

しかし、アーマーの中の泊進ノ介の心は、一言浴びる度に酷く傷ついていく。

「この子たちは何故こんな表情をしているんだ……?

俺は何故この子たちにこんな表情をさせているんだ……?

俺は一体何をしてしまったんだ……?」

 

進ノ介と共に、トライドロンの傍らでは霧子もまた、動揺を隠せないでいた。

「どうして泊さんが責められているの……?この状況は一体、何がどうなって……?」

そのときだった。霧子はドライブの後方から近づく新たな人物に気がついた。

気配を感じたドライブもまた、背後を振り返る。

 

黒いジャケットを羽織った、風格漂う男が、静かに歩んできていた。

「イーヴィルライダーよ、それ以上はこの俺が許さん」

そう言うと、男は自らの頭の右側に両手の拳を運び、力を蓄える。

「あんたは一体……?」

ドライブへの返答の代わりか、男はポーズをとった。

その動きに、ドライブは自分の変身プロセスを連想した。

「変身!」

男の身体が眩い光に包まれ、姿を変える。

光が消えたとき、そこに立っていたのは黒い戦士だった。

 

男の名は南光太郎。またの名を……

「仮面ライダーBLACK!!」

 

 

 

つづく

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