【Another Story】仮面ライダー大戦GP 仮面ライダー3号   作:結城亮亮

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「スーパーヒーロー大戦GP」をリメイクする二次創作小説です。
劇場公開時の感想を書き留めていたものが出てきたので、
それをベースに書いてみようと思いました。

※要するに「俺得 仮面ライダー3号」です。
尺とか対象年齢とかを抜きにしたときに、
仮面ライダー3号がこういう作品だったらよかったな、という
個人的な感覚で書いていきます。


※※※原作以上に、敵味方が複雑になります。
また、それ故にライダー同士が殺しあう場面も多く、
死亡するライダーも少なくありません。
そのような描写が苦手な方はブラウザバックを推奨します。


第10話 ライダーグランプリ

奇襲作戦失敗の後、進ノ介は連行された。

彼が通されたのはデストロン大幹部も利用する、豪華なホテルだった。

進ノ介の要求を黒井とデストロン首領が呑んだことで開催が決定したライダーグランプリ。

開催までの1週間、進ノ介はそのホテルに幽閉されることとなった。

しかし幽閉されている間、進ノ介が危害を加えられることはなかった。

それどころか首領は進ノ介に対し、身体やマシンをベストの状態にすることを要求し、

デストロンの構成員には戦闘はおろか、進ノ介に毒を盛ることも、

トライドロンに細工することも許さなかった。

進ノ介は首領の底知れなさを不気味に感じ、何らかの思惑があるのではないか、と疑っていた。

 

 

そうして、ライダーグランプリの準備だけが急ピッチで進められ、遂にグランプリ当日となった。

国立サーキットの観客席はデストロン戦闘員や非戦闘要員でデストロンに与する者で

埋め尽くされていた。また、サーキットの外部モニター前の広場では、

一般市民がレースの開始を今か今かと待ちわびていた。

 

ゼロライナーでは侑斗と映司が出発しようとしていた。

霧子は今にも泣き出しそうな顔で座り込んでいる。

剛の死を目の当たりにした心の傷も癒えていない彼女は、

進ノ介まで死んでしまったら、という恐怖に負けそうになっていた。

 

「……泊さん、大丈夫でしょうか……?

レースに勝って、無事に戻ってきてくれるんでしょうか?」

霧子が2人に聞いた。口を開いたのは侑斗だった。

「……さあな。変身できないっていうのはハンデとして重すぎる。

ライダーのマシンは特殊な力を秘めているものも多いし、

中には攻撃に特化したものもあるからな。レースに敗れるだけで済めば幸運かもな」

「そんな……」

 

侑斗の回答は霧子の望んだものとは大きく異なっていた。

しかし、侑斗の言葉には続きがあった。

「だが、たとえ変身できなくても、逆転の望みが薄くても、

それは何もやらないことの言い訳にはならない。

泊にもきっと、それがわかっていたんだと思う。

あいつも人間の自由のために戦う、仮面ライダーだからな」

 

 

レース開始予定時刻まであと僅か。サーキットは既に熱気に包まれていた。

「諸君。今日はよくぞ参ったな」

サーキットに首領の声が響く。観客は一斉に歓喜の叫びを上げた。

「間もなく、ライダーグランプリを始める。

ライダーたちには既に最終調整を終えさせ、入場準備を完了させている。

まずはグランプリの発案者、イーヴィルライダードライブ、泊進ノ介の入場だ。来るがよい」

首領の合図で、トライドロンがゲートから姿を現す。

歓喜の声は一転、ブーイングの嵐になる。

進ノ介はそれを全て無視して、トライドロンをスタート位置に進めた。

 

「さて、対するは、我がデストロンの中でも極めて優れる、

11人の仮面ライダーたちだ。さあ、入場せよ!」

観客たちは首領のアナウンスの間は沈黙し、トライサイクロンの姿が見えると

また歓声を上げ始めた。トライサイクロンに乗った3号を先頭に、

順にライダーたちが入場していく。

ジャングラーに乗ってアマゾンが、ローズアタッカーに乗って斬月 メロンアームズが、

マシンデンバードに乗って電王 ソードフォームが、ブルースペイダーに乗ってブレイドが、

Zブリンガーに乗ってZOが、ジェイクロッサーに乗ってJが、

カブトエクステンダー マスクドモードに乗ってカブト ライダーフォームが、

ヘルダイバーに乗ってZXが、マシントルネイダーに乗ってアギト グランドフォームが、

そして最後には仮面ライダーアクセルが自らを変形させバイクフォームとなって

スタート位置についた。

 

「なあ、誰が優勝すると思う?」

「やっぱZXだろ。V3に先立って誕生した、世界初のパーフェクトサイボーグだぜ?」

「マシンのスペックも考慮したら、アギトのマシントルネイダーに決まってんじゃん。

スライダーモードでぶっちぎりさ」

「それなら3号のトライサイクロンだろ」

「カブト空気読めよな……エクステンダーのキャストオフだけはやめてくれ」

「ドライブを倒せるならあとはどうでもいいや」

観客が好き勝手に話をしている。その内にレース開始の時間となった。

 

 

シグナルの赤いランプが1つ灯る。2つ。3つ。

そして、青いランプが灯ると同時に12台のライダーマシンが一斉にスタートした。

 

開始早々、先頭でトライドロンとトライサイクロンが争う。

そして、直ちにトライドロンがリードを奪う。

先頭を譲ったトライサイクロンはフロントのミサイル砲から十数発ものミサイルを発射した。

それを見た観客たちが歓声を上げた。

トライドロンは進ノ介のテクニックで、追撃と爆発を抜けていく。

「予想はしていたが、やっぱりそういうのアリなのか」

進ノ介が呟く。

 

間もなくして、また大きな歓声が上がった。進ノ介がサイドミラーで確認すると、

アギトの乗るマシントルネイダーがスライダーモードに変形して、

最後尾から一気に追い上げて来たのだった。

先頭のトライドロン、その後ろのトライサイクロンの間にアギトが入り込む。

アギトは4発のミサイルを搭載した兵器、ギガントを構えた。

そして、後続のライダーたちに向け、ミサイル攻撃を仕掛けた。

トライサイクロンを始め、ライダーマシンたちはそれを避けていく。

「アギトに……あんな武器あったか?」

観客の声はどよめきに変わっていた。

 

<アタックライド サイドバッシャー!>

アギトのベルトが一時的に別のベルトに姿を変え、

アギトが操作するとまたアギトのベルト、オルタリングに戻った。

すると今度は、マシントルネイダーがサイドカータイプのマシン、

サイドバッシャーに変化した。サイドバッシャーはバトルモードに変形して跳躍し、

トライドロンの前方に立ちはだかった。

サイドバッシャーは左腕のミサイル砲から、今度は大量のミサイルを撃ち出した。

「くっ!」

「うっ!」

ミサイルの雨とその数だけの爆発を潜っていくライダーたち。

しかし、ZOとJがミサイルの直撃を受け、炎の中に散った。

ZOとJは爆炎の中でマゼンダの光になり、アギトの手元に向かって飛んでいく。

 

残ったライダーたちも、進路を塞ぐサイドバッシャーを前に停止を余儀なくされた。

「貴様、アギトではないのか?」

「誰なんだ?あんた一体」

斬月とブレイドがアギトに向かって叫ぶ。

サイドバッシャーの上で、アギトの手にマゼンダの光が到達し、

ZOとJのカメンライドカードに変わった。同時に、アギトの姿も変わっていく。

「俺か?……俺は通りすがりの仮面ライダーだ」

アギトの正体、仮面ライダーディケイドが返答した。

観客席全体が静まり、息を飲む。

 

「ほう。久しいな、仮面ライダーディケイド」

沈黙を破ったのは首領の声だった。

「実験段階で行方不明になった貴様が、自ら戻ってくるとはな……

本物のアギトはどうしたのだ?」

首領が尋ねる。するとディケイドはZOとJのカードを持つ手に、さらに4枚のカードを加えた。

「ほう。アギトにW、フォーゼ、そしてBLACKまで!全て貴様が倒したというわけか」

「BLACKを倒しただと!?」

首領が感心を示し、一方で進ノ介は驚きを見せた。

実際に戦い、圧倒された進ノ介はBLACKの強さをよく知っている。

そのBLACKが敗れるなど、信じられない話だった。

また、これには観客たちも驚いていた。

 

「して、貴様の目的は何だ?デストロンの壊滅か?」

首領が再度尋ねる。

「そうだな、それも悪くない。だが、今はデストロンとか反体制とかに拘るつもりはない。

……俺は全てのライダーを破壊する。仮面ライダーもイーヴィルライダーも、全てだ」

「させん!!」

ディケイドの言葉に対する何者かの声。直後、一筋のレーザーがサイドバッシャーを撃ち抜いた。

ディケイドが翔ぶとサイドバッシャーは爆発し、マシンディケイダーの姿に戻って倒れた。

「これ以上、首領の御尊顔に泥を塗る行為を見逃すわけにはいかない!」

そう言うと、ディケイドの前方に現れたアンチライダーマンは

右腕のブラスターアームをディケイドに向けた。

「いいだろう。次は貴様を倒してやる」

ディケイドがそう言って、アンチライダーマンに向かって駆け出す。

アンチライダーマンはブラスターアームからレーザーを放ち、

ディケイドはそれを潜り抜けていく。

その隙に、ライダーたちは再びマシンを走らせ、その地点を後にした。

 

 

先頭を走るのはトライサイクロン、

その後ろをヘルダイバー、アクセル、トライドロンが追っている。

<ウォーターメロンアームズ!乱れ玉 ババババン!>

トライドロンの直後を走る斬月が、ウォーターメロンアームズに姿を変える。

斬月はウォーターメロンガトリングでトライドロンを狙う。

「くっ!」

進ノ介はスピードを維持しつつ回避を試みるが、斬月は執拗にトライドロンを撃ち続けている。

さらにそこへ、ガンナーAが現れる。

ガンナーAは、トライドロンの後ろに下がったアクセルと合体し、アクセルガンナーとなった。

アクセルガンナーはエネルギー砲、ガイアキャノンの一撃をトライドロンに命中させた。

「ぐあっ!!」

アクセルガンナー、ローズアタッカー、ジャングラー、カブトエクステンダー、

ブルースペイダー、マシンデンバードがトライドロンを抜いていく。

トライドロンは最下位になってしまった。

進ノ介はすぐに体勢を立て直し、前のライダーたちを追う。

 

 

<ガンフォーム>

追いついたトライドロンの前で、電王がガンフォームに変身した。

電王はガンモードのデンガッシャーでトライドロンを迎え撃つ。

進ノ介は電王を抜くタイミングを見計らう。

「ん?」

進ノ介は後方から来る何者かに気がついた。

それはマシンゼロホーンを操るゼロノス ベガフォームだった。

「最初に言っておく!電王の相手は俺に任せろ!」

ゼロノスは肩から放つゼロノスノヴァで電王を牽制する。

電王が怯むと、ゼロノスは進ノ介と電王の間に入り込んだ。

「ありがとう!」

進ノ介はトライドロンを加速させ、電王から離れていく。

「野上……みんな……必ず正気に戻してやる!」

ゼロノスは電王の足止めを続ける。

 

 

続いてトライドロンはブルースペイダーに追いついた。

抜き去ろうとする進ノ介。しかし、ブレイドもまた、簡単には抜かせない。

<サンダー>

ブレイドはブルースペイダーに電撃を纏わせた。

進ノ介はブルースペイダーとの接触を避けるので手一杯になった。

「くそっ!……ん?あれは」

後方からレッドランバスに乗ったギャレンが近づき、トライドロンと並走した。

「ギャレン!!生きていたのか!!」

「ああ、ギリギリのところでジェミニの分身と入れ替わって、倒されたふりをしていたんだ。

それより泊、ブレイドの相手は俺に任せてくれ」

そう言うとギャレンは加速し、ブレイドを大きく抜いて停車した。

 

<バレット>

<スコープ>

ギャレンがカードをラウズする。

そしてギャレンはカード効果で威力と命中精度を強化したギャレンラウザーで、

ブルースペイダーのフロントフォークを狙い、引き金を引いた。

弾丸はブルースペイダーのフロントフォークを破壊し、

前輪が外れたブルースペイダーはバランスを崩してブレイドを放り投げた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

地を転がるブレイド。その傍をトライドロンが通過する。

 

「くっ……橘さん……」

立ち上がるブレイド。ギャレンもレッドランバスを放置して、ブレイドに近づく。

「橘さん……俺は、橘さんが嘘を吐いているとは思えません。

でも、デストロンが悪だと信じることもできません!

それに、俺は橘さんと戦いたくない……」

ブレイドが言う。そこへ、カリスとレンゲルも現れた。

「剣崎、お前の想いはわかった。

だが、お前たちがデストロンに与して泊の邪魔をすると言うなら、俺はお前たちと戦う」

「橘さん……」

ギャレンが構える。カリスがギャレンに近づいた。

「ギャレン、いや、橘。何故お前はそこまでする?何がお前を突き動かすんだ?」

カリスが問う。

「……俺は全てを失った。信じるべき正義も、愛する者も、何もかもを……

だから最後に残った、仲間だけは失いたくない!!

だから、俺はお前たちを、デストロンから解放する!!!」

ギャレンと3人の仲間が交戦を始めた。

 

 

トライドロンは3号を先頭とする上位集団に追いついた。

その集団の最後尾を走るカブトが、トライドロンに迫る。

しかし、2台の間に銃弾の雨が降り、カブトの攻撃が妨げられた。

進ノ介とカブトが上空を確認する。

飛行するロボットが片手で盾を構え、空いた手にライダーが1人掴まっていた。

「現れたか……イーヴィルライダーファイズ」

カブトが上空のライダーの名を呼んだ。

「イーヴィルライダー?ってことは、あんた味方なのか?」

進ノ介が尋ねた。

「俺のことはいいから、早く行け」

ファイズがそう言うと、ロボット、オートバジンが盾から再び銃弾の雨を降らせ、

カブトを狙い撃った。カブトは後退し、ファイズも進路を塞ぐようにカブトの前に降りた。

「ファイズ、恩に着る」

進ノ介はトライドロンを先に進めた。

 

「……久しいな、ファイズ」

カブトエクステンダーから降りて、カブトが言った。

「お前は戦う意味を探して旅をしていたんじゃなかったか?何か見つけたのか?」

カブトが問う。

「さっきのあいつ、デストロンを倒して人間の自由を取り戻すのが夢なんだってな。

変身もできないくせして、大した夢だと思わねぇか?」

「……それがどうした?」

答えになっていない答えにカブトが少し苛立ちを見せる。

「何だお前、知らねぇのか。

夢を持つとな、時々すっごい切なくなるが、時々すっごい熱くなるんだぜ。

あいつも今、そうなんだろうな」

「……要領を得ないな。何が言いたい?」

カブトが苛立ちを強めた。

「……あいつの夢は、俺が守る」

<コンプリート>

ファイズがアクセルフォームに変身した。ファイズとカブトはそれぞれ構える。

<スタートアップ>

<クロックアップ>

超加速状態での戦いが始まった。

 

レース中盤。ジャングラー、ローズアタッカー、アクセルガンナー、

ヘルダイバーを抜くトライドロン。

トライドロンとトライサイクロンは速度を上げ、後続車を離して首位を争う。

サーキットは物凄い熱気に包まれていた。

 

 

 

つづく

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