【Another Story】仮面ライダー大戦GP 仮面ライダー3号   作:結城亮亮

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「スーパーヒーロー大戦GP」をリメイクする二次創作小説です。
劇場公開時の感想を書き留めていたものが出てきたので、
それをベースに書いてみようと思いました。

※要するに「俺得 仮面ライダー3号」です。
尺とか対象年齢とかを抜きにしたときに、
仮面ライダー3号がこういう作品だったらよかったな、という
個人的な感覚で書いていきます。


※※※原作以上に、敵味方が複雑になります。
また、それ故にライダー同士が殺しあう場面も多く、
死亡するライダーも少なくありません。
そのような描写が苦手な方はブラウザバックを推奨します。


第5話 ギャレン

進ノ介と黒井は、反デストロン同盟が奇襲をかけるという

デストロンの拠点を目指してマシンを走らせていた。

その途中、進ノ介が何かを発見し、トライドロンを停車させた。

 

「どうした?」

先導していたトライサイクロンを停めて、黒井がトライドロンに近づく。

進ノ介の視線の先、急な傾斜の下には、小さなサーキットがあり、

1台のレーシングカートが走行していた。

カートは鮮やかに最終コーナーを抜けて、ゴール前のストレートを風のように渡っていった。

カートはペースを落とし、やがて教官だと思われる人物の前で停車した。

ドライバーはエンジンを止め、立ち上がってヘルメットを脱いだ。

ドライバーの正体は中高生くらいの少年だった。

 

「あの歳で……すごいな」

進ノ介は素直に感心した。

「ああ。見たところ中学生か?

……卒業後はデストロンの入隊テストを受けて怪人になるつもりだろうな」

「え?」

黒井の物騒な発言が信じられず、進ノ介は聞き返した。

「慣習があるんだ。1号も2号も、2人を倒した怪人も、皆マシンの扱いに長けていたらしい。

だからデストロンは、マシンを巧みに操る人間を欲しがっている。

今や速さは、強さの代名詞だ。……見ろ」

黒井はサーキットの隅を指差した。車椅子に乗る男性と、その妻だと思われる女性が、

互いにすがりつきながら酷い表情で泣いていた。

「あの少年の両親だろう。父親は身体の一部が不自由なようだな。

着てるものを見ても、生活が苦しいのだろう。そんな家族を救うため、

あの少年はきっと進学せずにデストロンに入るだろう。

デストロンと民間とでは給与が違うし、

何よりあのドライビングテクニックがあれば、入隊も出世も思いのままだ。」

「そんな……」

 

進ノ介はショックを受けていた。

少年は教官に褒められているようだったが、少年の顔は笑みの中に影を含んでいた。

その向こうで少年の両親はずっと泣いていた。

あの家族の誰一人、デストロン入隊を望んでいないことが、進ノ介にはよくわかった。

「今じゃよくあるケースだ。だが、デストロンを倒せば、それも終わる。

……なんとしても勝つぞ、進ノ介」

「……ああ」

 

その時だった。2人の進行方向の少し先で爆発が起こった。

戦闘が行われているのかもしれない、もしかしたら仲間が戦っているのかもしれない、

そう思った2人は爆発のあった方向へマシンを走らせた。

 

 

「ぐぁぁ!」

爆炎の中で、ダメージに耐えられずに倒れる仮面ライダーギャレン。

その周囲をデストロン戦闘員が囲んでいる。

ギャレンの前に仮面ライダーレンゲルが近づく。

レンゲルはレンゲルラウザーの先端を一度ギャレンに向け、そして大きく振り上げた。

 

そこへ、トライドロンとトライサイクロンが現れる。

<タイヤフエール!>

トライドロンはマックスフレア、ミッドナイトシャドー、ファンキースパイクのタイヤを

手裏剣のように飛ばして戦闘員を一掃する。

トライサイクロンはガトリング砲でレンゲルを攻撃した。

「今の内に行くぞ!急げ!」

ドライブがギャレンに声をかける。

「あ、ああ」

ギャレンはよろめきながらもレッドランバスに乗り、3台のマシンはその場を後にした。

 

 

安全な場所に身を隠した3人はマシンを降りる。

「Nice drive」

ドライブと3号が変身を解く。ギャレンもまた、変身を解除した。

ギャレンがバックルのレバーを引くと青いゲートが飛び出し、ギャレンの身体を通過する。

ゲートから出てきた人物、橘朔也はその場で膝をついた。

「大丈夫か?」

進ノ介が橘に駆け寄り、身体を支える。

「ああ……それより、貴方たちは?」

「俺は3号、黒井だ」

「俺はドライブ、泊進ノ介だ」

「3号にドライブか。俺は橘、ギャレンだ。さっきは本当に助かった。感謝する」

「状況を教えてもらえるか?」

黒井が説明を促した。

 

「ああ。俺はブレイドと共に、デストロンが解放した不死生物、アンデッドを封印していた。

だが、カリスとレンゲルに襲われ、ブレイドが捕まってしまった。

奴らはブレイドの封印したアンデッドを再解放し、ブレイドを処刑するつもりなんだ。

すぐに助けに行かないと……」

橘は足を進めようとしたが、苦痛に顔を歪めて動きを止めた。

「そんなボロボロの状態じゃ無茶だ……」

進ノ介が橘を制止する。

「……わかった。俺と進ノ介でブレイドを救出しよう。味方は多いに越したことはない。

ただし2つ条件がある。まず、救出は不可能だと判断した時点で中断する。

次に、結果に関わらずお前には、共にデストロンと戦ってもらう。

救出成功の場合はブレイドもだ。この2つだ。いいな?」

黒井が提案した。橘は頷いた。

「わかった。だが気をつけてくれ。カリスもレンゲルも強敵だ。」

「心得た」

黒井は振り返り、トライサイクロンに乗り込む。

「あんたはここで待っていてくれ」

進ノ介は橘をそっと座らせると、トライドロンで黒井と共に発進した。

 

 

デストロン系列の小さな研究所。その外壁の陰で、到着した進ノ介と黒井は様子を窺っていた。

「よし、行くぞ」

黒井の合図で2人は駆け出し、門に立つ戦闘員を素手で蹴散らす。

そのまま施設に侵入し、向かってくる戦闘員をひたすら倒していく。

 

「フン、ここに来たということはブレイドの救出か?無駄なことを」

エコーがかかったような声がそう言った。

進ノ介が振り向くと、仮面ライダーカリスが佇んでいた。

「無駄だと?まさかブレイドはもう!?」

進ノ介が問う。

「まだだ。だが、お前たちは救出を達成できずに共に処刑されることになる。

だから無駄だと言っているんだ」

カリスは冷たく言い放った。

「そんなこと、させるものか!」

進ノ介はベルトを装着した。

「OK!Start your engine!」

黒井も同時にベルトを出現させている。2人は並んで変身ポーズをとった。

「「変身!」」

<ドライブ!タイプスピード!>

2人の姿がその場で変わった。3号はカリスに、ドライブは戦闘員に挑んでいく。

 

カリスは3号の攻撃をほとんど動かずに回避し、拳や手刀で3号に攻撃を返していく。

3号もカリスの攻撃をかわしている。

「ドライブ!カリスは俺が相手をする。お前は早くブレイドのところへ」

「わかった!」

<スピスピスピード!>

ドライブはシフトブレスを3回操作すると自らを加速させ、戦闘員を撃破しながら先へと進んだ。

 

 

研究所の深部。ドライブが辿り着いた先で、

仮面ライダーブレイドが鎖によって柱に固定されていた。

「大丈夫か?今助ける!」

ドライブはブレイドに駆け寄り鎖を解く。

しかしその瞬間、ブレイドはなんとドライブを殴り飛ばした。

「うわぁ!……どういうことだ!?」

困惑するドライブ。そこへ現れたのはレンゲルと、なんと橘朔也だった。

「あんたは!?……じゃあこれは」

「罠だったのか!」

ドライブの言葉をベルトさんが引き継ぐ。橘は無言でバックルを装着した。

 

「ハハハハッ、よくやったなギャレン。ブレイドもご苦労だった。

あとはこのイーヴィルライダーを始末すれば、俺たちの手柄になる!さあギャレン、変身しろ」

レンゲルが言い放つ。それに従って橘は変身ポーズをとった。

「変身」

<ターンアップ>

橘の前に青いゲートが出現し、橘はゆっくりゲートに近づいていく。

ゲートが橘と接触し、仮面ライダーギャレンへの変身が完了した。

ブレイド、ギャレン、レンゲルはそれぞれのラウザーを構えてドライブを包囲した。

 

「かかれ!」

レンゲルの合図で3人のライダーがドライブに襲いかかる。

ドライブはハンドル剣を装備して、応戦するが、

ブレイドの剣、レンゲルの杖、ギャレンの銃による攻撃を全て回避するのは難しく、

ドライブはすぐに窮地に立たされてしまった。

「ぐぁぁ!!」

壁を突き破り、カリスが飛んできた。その後から、3号が壊れた壁を越えて現れた。

3号はドライブの状況を見ると、レンゲルをドライブから引き離して攻撃した。

 

戦況はドライブVSブレイド・ギャレン、3号VSカリス・レンゲルとなった。

ドライブはハンドル剣でブレイドの剣術に応戦する。

しかし、ブレイドの攻撃の間を埋めるような、

ギャレンの銃撃と肉弾戦を合わせたファイトスタイルに、逆転の糸口を掴めずにいた。

一方の3号はカリスアローとレンゲルラウザーの攻撃をかわして反撃を試みるが、

カリスもレンゲルもリーチの長さを存分に活かしていて、

3号は有効打を与えられていなかった。

 

<バイオ>

<ブリザード>

カリスとレンゲルがカードをラウズする。

カリスはカリスアローから植物のツタを数本伸ばして3号の拘束を試みた。

3号は腕や脚でこれを薙ぎ払う。

しかし、陽動であるツタを相手している3号は、レンゲルに背後をとられていた。

レンゲルはレンゲルラウザーから冷気を噴出した。

振り返る3号、しかし既に遅く、3号の身体は首から下が凍りついてしまった。

<チョップ>

<トルネード>

<スピニングウェーブ>

カリスが2枚のカードをラウズして必殺技を発動する。

右手の手刀が竜巻を纏って切れ味を増していた。

カリスは3号の懐に入り、手刀を叩きつけた。

「ぐわぁぁぁ!!」

3号はドライブの背後に大きく吹っ飛んだ。

カリスの必殺技、スピニングウェーブで3号を拘束していた氷は砕け散っていた。

 

「3号!」

<スラッシュ>

<サンダー>

<ライトニングスラッシュ>

3号に気をとられるドライブの隙を突いて、ブレイドも必殺技を発動した。

ドライブがブレイドの方を向き直したとき、既にブレイドは間合いを詰めていた。

「ウェェイ!!」

ブレイドは帯電した刃をドライブに命中させた。

「うわぁぁぁ!!」

ドライブもまた、3号が倒れる辺りに吹っ飛ばされてしまった。

 

<バレット><ファイア>

「ぐっ……」

起き上がろうとするドライブ。その眼前に、カードをラウズしたギャレンが歩み寄る。

ギャレンはギャレンラウザーの銃口をドライブに向けた。

「フン、やはり無駄だったな」

カリスがドライブに言い放つ。ブレイドもレンゲルも、ギャレンの背後で見ていた。

「とどめをさせ、ギャレン」

レンゲルが命じた。

 

 

しかし、ギャレンは振り返り、火炎弾をブレイド、カリス、レンゲルに撃ち込んだ。

「くっ……どういうつもりだギャレン!!まさか裏切るというのか!?」

レンゲルが激昂して叫ぶ。ギャレンは返答せずに振り返り、ドライブに手を差しのべる。

ドライブは手を取って身体を起こし、ギャレンは続けて3号にも同じようにした。

「そんな……!?橘さん、説明してください!本当に裏切ったんですか!?」

ブレイドも叫んでいた。ギャレンは再びブレイドたちに向き直った。

「俺たちの心を裏切ったのはデストロンの方だ!

いや、俺たちは最初からデストロンに騙されていたんだ!」

「何だと?」

ギャレンの言葉を、カリスが静かに聞き返す。

 

「剣崎、始、睦月、聞いてくれ。デストロンは俺たちを悪事に利用しているにすぎない。

デストロンに正義はない!俺たちは、デストロンのために戦うべきじゃない!」

ギャレンは仲間の説得を試みていた。

ギャレンの言葉に対する、相川始の姿ではないカリスの心境や、

レンゲルのマスクの下の上城睦月の表情は不明だった。

しかし、ブレイドだけは、剣崎一真だけは明らかに動揺していた。

「落ち着け、ブレイド」

レンゲルがブレイドに呼びかける。そのままレンゲルはギャレンの目を見た。

「ギャレン、何があったんだ?」

レンゲルが尋ねた。

「デストロンは……奴らは俺の恋人を、小夜子を殺したんだ!」

ギャレンが答えた。

ブレイドは再び動揺し、ギャレンの背後ではドライブも息を飲んでいた。

 

 

 

つづく

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