【Another Story】仮面ライダー大戦GP 仮面ライダー3号 作:結城亮亮
劇場公開時の感想を書き留めていたものが出てきたので、
それをベースに書いてみようと思いました。
※要するに「俺得 仮面ライダー3号」です。
尺とか対象年齢とかを抜きにしたときに、
仮面ライダー3号がこういう作品だったらよかったな、という
個人的な感覚で書いていきます。
※※※原作以上に、敵味方が複雑になります。
また、それ故にライダー同士が殺しあう場面も多く、
死亡するライダーも少なくありません。
そのような描写が苦手な方はブラウザバックを推奨します。
「歴史改変マシン?」
剛と侑斗がV3に尋ねるのとは別の時間と場所で、
橘もまた黒井から歴史改変マシンの話を聞いていた。
「そうだ。十数日前、反体制派の1人がデストロンのサーバーに忍び込んだ。
その結果、俺たちが向かう拠点で
『歴史改変マシン』なる装置が稼働していることが発覚したんだ。」
黒井の説明を橘は、そして進ノ介は黙って聞いている。
「最初は誰もが半信半疑だった。
だが進ノ介のような、『デストロンが世界征服を達成していない歴史』を知る者が、
反デストロン同盟の方にも現れたようだ。
結果として、歴史改変マシンの実在と効力が事実であることがわかり、
同盟はそれを破壊することを決めたというわけだ」
「破壊?奪うんじゃないのか?」
橘が質問した。
「さっきも言ったように、歴史改変マシンは稼働を続けていることが確認されている。
つまり、歴史を変えるためにはマシンは稼働し続ける必要があるということだ。
逆に、マシンを破壊できれば……歴史は元に戻る」
黒井の説明が終わったところで、進ノ介が口を開いた。
「なあ、反デストロン同盟のところに現れたのって、もしかして剛や霧子か?」
「さあな。そこまでは俺の知るところじゃない。だが、行く価値はあるだろう。
拠点を同盟で押さえることができれば、万が一いなくても呼ぶことができる。
万が一破壊したマシンがまた必要になっても、拠点なら設計図も部品も調達できる。
だからとにかく、奇襲作戦には参加する。……改めて聞くが、それでいいな?」
「ああ」
橘が返事をする。進ノ介もまた、黒井の目を見て頷いた。
奇襲作戦決行当日。
ドライブたちは既に変身し、目標拠点の裏口に迫っていた。
裏口の前では、ショッカーのエンブレムを光らせる毒サソリ男と
さそり座の輝きを持つスコーピオン・ゾディアーツが見張りをしていた。
「よし、一気に制圧して突入する。俺に続け」
3号の指示に頷くドライブとギャレン。タイミングを見極めて、3号が毒サソリ男に殴りかかる。
続けてドライブとギャレンがスコーピオン・ゾディアーツと交戦開始する。
ドライブがスコーピオン・ゾディアーツに拳や蹴りを浴びせ、反撃が始まる前にギャレンが撃つ。
しかし、そのコンビネーションは早々に崩された。
「くっ!」
「うわぁ!」
「ぐあっ!」
新たにゴ・ザザル・バ、サソリ奇械人、スコルピオワーム、スコーピオンオルフェノク、
スコーピオンイマジンが現れ、ドライブたちを攻撃した。
攻撃によろめいたドライブが体勢を立て直して視認すると、
さらにマスカレイド・ドーパントの一団とデストロン戦闘員の一団が周囲を囲んでいて、
戦況は完全に覆されてしまった。
「サソリタイプの怪人が配備されていたか……
いよいよデストロンの拠点らしくなってきたじゃないか」
3号がそう言って、現れた怪人たちに挑む。
しかし、言葉とは裏腹に3号に余裕がないのはドライブには明らかだった。
怪人たちはドライブとギャレンにも襲いかかる。
ドライブはここを越えた先の戦闘を見越して攻撃を回避することに努めるが、
それでもかなりの攻撃を浴びてしまった。
「ぐっ!」
ギャレンが地を転がる。ギャレンはすぐに立ち上がるが、彼も多くの攻撃を受けていた。
「ドライブ!」
3号が呼ぶ。ドライブは攻撃を避けながら、耳を傾ける。
「カリスのときと同じ手だ。ここは俺とギャレンに任せて先に行け」
「!?何を言ってるんだ!!あのときと今とじゃ状況が違うだろ!
3人でもこの状況なのに……2人じゃ無理だ!!」
ドライブは強く抗議した。3号やギャレンをこんなところで死なせたくはなかった。
しかし、3号は冷静にドライブを諭す。
「全滅するよりマシだ。誰もこの先へ辿り着けなければ、
ここまでの旅の全部が無駄になるのがわからないのか?」
「それは……くっ!」
ドライブがスコーピオンイマジンの斧による一撃を受け、3号の近くに吹っ飛んだ。
「それ見ろ。……お前には無事を確認したい仲間がいるんだろ?だったらお前は行くべきだ。」
「……」
「心配しなくとも、ギャレンと共に追いつくさ。俺が勝ちに固執する性分なのは知ってるだろ?」
「……すまない、だが必ず生きて追いついてくれ!」
<スピスピスピード!>
ドライブはシフトブレスを操作して、怪人たちの隙間を駆け抜けて、拠点の奥へと進んで行った。
残された3号とギャレンは敵に囲まれ、背中合わせで並び立っている。
「そういうわけで、すまないな。ここまで巻き込んでしまって」
3号が謝罪する。
「お互い様だ。ブレイドたちのときは、俺も迷惑をかけたからな。
それよりドライブを行かせて、それで策が尽きたわけでもないんだろ?
何かあるのか?ここを抜ける策が」
ギャレンが背後の3号に尋ねた。
「……そうだな。1つある」
ふいに、3号は構えを解いて振り返える。
ギャレンは前方の敵に注意を向けていて、3号が自身を見据えていることに気づかない。
そんなギャレンの、信頼故に無防備な後ろ姿に3号が迫る。
「もらうぞ、貴様の命」
ドライブは一気に駆け抜けた。彼はいつの間にか地下空洞のような場所を走っていた。
ふと、ドライブは進行方向に、歴史改変の際の緑色の光と同じものを見つけた。
光は空洞の先にある大部屋から発せられていた。
大部屋は上の方にショッカーのエンブレムがあり、その下には玉座が置かれていた。
どうやら指令室のようである。
そして大部屋の中央には、ショッカーエンブレムの刻まれた、
直径2mほどの球体の装置が安置されていた。光はこの装置から放たれている。
「もしかしてこれが、歴史改変マシン?」
「進兄さん?」
ドライブは振り返った。マッハが近づいてきた。
「やっぱり進兄さんだ!ここまで来れば合流できると思っていたけど、アタリだったね」
マッハは数人のライダーを伴っていた。
「剛、この人たちって……」
「ああ、反デストロン同盟の仲間たちさ。進兄さんは独り?」
「いや、俺もギャレンと3号が一緒だったんだ。今は敵の足止めをしてくれて……」
「待て!3号だと!?」
ゼロノスがドライブの話を遮る。
ドライブはゼロノスのただならない様子に驚いた。
「あ、ああ。ここまで同行していたんだ。それがどうかしたのか?」
ドライブが尋ねる。
「……仮面ライダー3号こそ、1号と2号を倒した張本人らしい」
ドライブの問いにマッハが答えた。
「……何だって?」
「でも、それならどうして進兄さんをここまで連れてきたんだ?」
そのときだった。
「ようこそ、反デストロン同盟の諸君。待っていたよ」
突然の声に、ドライブと同盟のライダーたちは周囲を警戒した。
すると、歴史改変マシンの前に男が独り立っていた。
男は仮面ライダーのような、しかし、口元の出るヘルメットと銀のマントを身につけていて、
右腕にはパワーアームと呼ばれる装備をつけていた。
V3が前に出た。
「久しいな、アンチライダーマン!!」
V3は眼前の男に呼びかける。それは、長きに渡る因縁の相手に対する声だった。
「V3、そして貴様の仲間たちに倒された我が同胞の恨み、今日こそ晴らしてやる!!
出でよ、デストロンの精鋭たちよ!!」
アンチライダーマンが号令をかけた。すると、同盟のライダーを囲むように、
大部屋の内外に大量のライダーと怪人たちが現れた。
つづく