この素晴らしい嫁に祝福を!   作:王の話をしよう

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再投稿。


13話

 

 

 ※

 

 

 翌日、宿で物を壊さないように鍛錬をしていると、白スーツを着た女が入ってきた。

 

 

 

「ゼロ殿!ゼロ殿はいるかーーな、なぜ服を着ていないのだ⁉︎」

 

 

 

 いや、あんたは誰でなんで入ってきてんだよ。

 自分の借りてる部屋でどんな格好しようが俺の勝手だろ。

 

 

 

「それで、俺に何の用ですか?」

 

 

「せめて服を着てから応答してくれ!」

 

 

 

 我儘な女だな。

 

 通報されたりすると怖いから言う通りにする。

 

 

 

「ゴホン、ゼロ殿!昨晩の魔王軍撃退について国王様がお呼びである!令状はこちらに用意してあるので、至急きてもらおう!」

 

 

 

「あ、俺は急用を思い出したのでこれで。」

 

 

 

 ヤバいヤバい。

 やはり勝手に前線に出てはマズかったか。

 もしくは規定とやらに引っかかったのかもしれない。ここはトンズラこかせてもらうぜ。

 

 

 

「馬鹿者!そうではない!国王様直々に感謝の言葉を伝えたいそうなのだ!早く来い!」

 

 

 

 なんだよ。

 だったら最初からそう言うがいい。紛らわしい言い方をするから焦ってしまったではないか。

 

 

 

「それはそうと少し待ってもらえますか。」

 

 

 

「なんだ。また逃げようとするんじゃ…」

 

 

 

 いや、今汗まみれなんだけど。

 こんな格好の男連れて行ってあんたが怒られないならオラァ構わんよ?

 

 

 

「ーーー三十分で支度しろ!」

 

 

 

 お、ラピュ○かな?

 

 

「イエス!マム!」

 

 

「ふざけるな!」

 

 

 ※

 

 

 …おお、結構緊張してきたぞ。

 よく考えなくてもめっちゃ偉い人じゃん。

 俺の敬語なんて一般常識の範囲だし、王族に対しての態度が全くわからない。

 

 

 

「…君がゼロ君か。…まずは街を守ってくれたこと、心から礼を言おう。」

 

 

 

 へえ!

 

 凄い威厳のある人が出てきたぞ。

 威張り散らすような似非貴族ではない。一目見て

 そう(・・)分かる。

 おそらく街中で普通に歩いていても誰もが一発で並の人間ではないと見抜けるだろう。

 

 俺が無条件で尊敬できそうな人だ。初めて会った。

 え?エリスは違うのかって?

 エリスは可愛らしいというか、手元に置いておきたいというか、とにかく結婚したいのである。

 

 

 

「はい。アルマ村出身のゼロと申します。此度は王城にお招きいただき恐悦至極。」

 

 

 ダメだこりゃ。

 絶対間違った敬語を使いながら跪く。

 おお?なんと、自然に跪いてしまった。彼のカリスマのランクはAを超えているに違いない。

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・?」

 

 

 

 なんだ?なぜ王は俺をじっと見つめているのだろう。まるで品定めか何かをしているような目だ。

 俺にそっちのケはないのだが。

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

「・・・あの、王様?」

 

 

 

 俺が耐え切れずに口を開いた時。

 

 

 

「ゼロ君は、いくつだね?」

 

 

 

 またそれか。

 昨日ベルディアにも聞かれたがなぜそんなに人の年齢が知りたいのだ。

 これが俺だからまだいいが、女性だったら激怒するところだ。

 

 

 

「あと2ヶ月程で17になります。それが、何か?」

 

 

 

「…若いな。」

 

 

 

放っとけ。

 

 

 

「…ゼロ君。どうだね。私には18になる息子がいるのだが、少々手合わせしてみてはくれんか。」

 

 

 

「は?」

 

 

 

 何言ってだこのおっさん?

 それは王子と戦ってみろ、という事か?

 バカか。それでもし怪我などさせてみろ。俺はこの歳にして国に存在を抹消されるなどまっぴらゴメンだ。

 慎みを持ってお断りさせてもらおう。

 

 

「私の見立てだと、かなりいい勝負になると思うのだが。」

 

 

 

「…ほう。」

 

 

 

 中々云うじゃねえか。

 これでも人に自慢できるぐらいには鍛え抜いた強さだ。

 そんな俺と王室育ちのお坊ちゃんが同等だと?

 面白い。やってやろう。

 

 

 

「承りました。それはいつの話ですか?」

 

 

 

「何を言うのかね。やると決まったら今からやるに決まっているだろう。今、闘技場に馬を走らせよう。早く乗るといい。」

 

 

 

 強引過ぎるだろ。

 急に元気になるんじゃねぇよ。それに、仮にも王子ならそれなりに忙しいのだろう。そちらの都合はどうなのだ。

 

 

「はっはっは。それは心配せんでも良い。王子は君の話を聞いてからうずうずしていてな。君が了承した旨を伝えれば文字通りすっ飛んでいくだろう。」

 

 

 なんだそりゃ。

 それで本当に王子が務まるのか。

 一国の王子が戦闘狂とか目も当てられねえな。

 

 

 

「息子の名はジャティスという。君とも気が合うと思うのだが。」

 

 

 

 ジャティス。

 なんだか正義(ジャスティス)に響きが似ている。きっとその名の通り正義感の強い好青年なのだろう。

 

 …なんつってな!

 いざ会ってみたら思いの外のクズ野郎が出てくるフラグだね、わかるとも!

 

 

 

 ※

 

 

 

「君がゼロ君かい。僕はベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・ジャティスだ。昨晩は凄かったそうじゃないか!魔王軍の幹部と互角以上に渡り合ったと衛兵から聞いているよ!今日はよろしく!あ、もしよかったらゼロと呼んでもいいかい?」

 

 

 

 メチャクチャいい奴だった。

 顔もすこぶるいい。ケッ、イケメンがぁ…!

 

 

 


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