カラサワの運び手   作:早起き三文

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第7話「セカンド・キャリバー」

 

「カラサワ、適応開始……」

 

 「私」は目の前にと立て掛けてある「カラサワ・レーザーライフル」を自らの左手に装着させ。

 

「カラサワ・コピー、同期調整開始」

 

 右手に持つカラサワ・コピー、実弾リニア式であるカラサワライフルとの調整を急ぐ。

 

「H10、端末の状態を報告せよ」

「こちらH10、機体制御は問題なし」

「脚部制限、状態を報告せよ」

「脚部制限、問題なし」

 

 ブゥオン……

 

「カラサワ、及びコピー・カラサワ、同期終了」

「プログラム、直ちに移行可能か?」

「問題なし」

 

 マザー・Hユニットにと状態報告を返しながら、私は。

 

「ただ今より、イレギュラー・パーツであるカラサワの実戦調整を開始する」

「了解」

 

 自身の「端末」を、ゆらりと動かす。

 

 

 

――――――

 

 

 

「未確認MT、多数」

「殲滅せよ」

「了解」

 

 私はそのH6ユニットからの指示を受け、調整したばかりの身体を行使する。

 

「え、ACだ!!」

「任務遂行中、任務遂行中……」

 

 カラサワ、それを低出力モードにと移行しながら、私はリニア・カラサワでそのMTの群れを破壊していく。

 

「赤い塗装のACに9のエンブレム、まさか……!!」

 

 ドゥ!!

 

 その、何かを言いかけたMTを肩部小型ミサイルで粉砕しつつ、まとまってこちらにと集中砲火を浴びせようとしている目標を。

 

「小型グレネード、射出」

 

 もう一つの肩へと搭載された、小型グレネード・ランチャーで打尽とする。

 

「う、うわぁ!!」

「レイヴンだ、レイヴンを呼べ!!」

 

 抹殺相手は何か自分にと恐慌をきたした様子だ。ならば都合が良い。

 

「ミサイル、射出」

「こちら、H6」

 

 相手の士気低下は、障害物の排除には好都合と言える。

 

「ACを確認、ランカーACだ」

「了解」

 

 H6からの命に、機体コンディションを確認する私。特に身体には異常無し。

 

「ランカーACの情報は……」

「必要なし」

「意見を聞きたい」

「未確認機との想定で得られる戦闘データ、それの採取をしたい」

「了解」

 

 バゥン!!

 

 敵機、重火力タイプと思われるACからキャノン砲による砲撃が私にと飛び、私はその一撃を回避しながら。

 

「カラサワ、始動」

 

 機体の各部にと設置されたレーダー網、そこから敵機の位置を割り出す。

 

「排除対象、タンク型AC」

「了解」

「カラサワを使う」

 

 その自身から発せられた言葉が終わらない内に、私は紅き身体を物陰から飛び立たせ。

 

「敵、武器腕使用」

 

 再び私を襲うキャノン、武器装備腕からの攻撃を身軽にかわし、カラサワの照準をそのタンクにと向ける。

 

「カラサワの状態、良好」

 

 その初手のカラサワにより、敵のキャノンを潰した私は、そのままカラサワの出力を上げ、敵ACの各部をそれぞれ狙い撃つ。

 

「くそ、俺をいたぶっているつもりか!?」

「ハイジョ、ハイジョ……」

 

 いたぶるという感情は私には無い。単にACのどの部分に最もカラサワライフルが有効か、試しているだけの話だ。

 

「おのれ……!!」

 

 どうやらその敵機は戦意を喪失したらしい。一般にオーバードブーストと呼ばれるコア直結型ブースターを駆使しつつ、障害物を盾にしながら私から離れようとしているが。

 

 カァオ……!!

 

 出力を大幅に上昇させた、私のカラサワがその瓦礫、障害物ごと敵性ACを消し飛ばした。

 

 

 

――――――

 

 

 

「カラサワ、データ採取完了」

 

 倒れた障害物を眺めつつ私はそのカラサワ、イレギュラー・パーツを実と眺める。

 

「イレギュラー排除の為に、イレギュラーを使わなくてはならないとはな……」

「H10、人工AIの数値に変動が見られる」

「了解H6。帰還したら調整を頼む」

 

 コン……

 

 その時、何かが私の脚にとぶつかった。

 

「お前が、父さんと母さんを……!!」

 

 少年、それが私の脚にと小さな瓦礫を投げ続けている。

 

「よくも、よくも……!!」

「任務に影響無し」

 

 その、憎しみとやらをぶつけていると思わしき少年、それを無視し私は。

 

 ボゥウ!!

 

 スラスターを噴かし、帰路にとつく。

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