それは理解した事がない球だった。
近づけば近づく程に理解した事がない事が理解できる。どんな物で出来ているかは理解している。出来ている物がなぜその状態にあるのかも理解している。
内部のそれらの状態は理解したことがある。だが表面にある様々なそれらの物が今まで取り込んできた球や塊にはない組み合わせで存在していた。長い間、広がり続ける闇を漂ってきたが理解した事のない状態の球だった。
取り込んで理解しようと近づくとある事を理解する。表面には数多の理解した事のない自分より遥かに小さい物が存在している。それらの物を形作っている物は理解している。しかしそれは自分の理解した事がない組み合わせをしているようだった。
球を取り込むのを止め、理解した事のない小さい物に合わせ自分を小さくする。そして理解した事がない数多の何かを取り込み理解する為に球に降りていく………
球の表面に降りたった。降りた瞬間に自分の周りが弾け飛ぶ。自分のせいで理解した事がない小さな物達は理解した事がある物に変わってしまった事を理解する。理解した事がない小さな物達はまだ球の表面にいるようだ。今度は理解した事がない小さな物達を変化させないようにと球の表面を移動する。
移動中に理解した事がある気体や液体の中に更に小さな小さな理解した事がない数多の物がある事に気付く。理解するためにそれらを取り込む。次を取り…
何かが弾け闇が広がり続けた空間を漂い続けた存在は初めて漂う事を止め、取り込むことも止め、停止し理解する事を続けた。
理解したそれは小さな小さな球だった。気体を取り込み光をエネルギーに自らを大きくし分裂を繰り返す。 また、別の小さな小さな物は他の小さな小さな球を取り込み少し大きくなり分裂を繰り返す。最初に分裂したそれらはやがて動きを鈍くし、分裂を繰り返した果てのそれらに取り込まれている。
理解する。
また周りにある小さな小さな存在を理解する為に数多取り込む。
理解する。
取り込む。
理解す…
再び停止し、理解を続ける。
理解したそれは先に理解した存在と同じであると理解を終えようとしたが違う物と理解した。僅かに、本当に僅かに違う。光をエネルギーにする効率が前に理解した存在より優れている。中心の物質も僅かにに違う。
取り込む。
理解する。
取り込む。
理解する。
取り込む。
理解する…
僅かな違いを理解する為に取り込み、理解する事を続けた。それは小さな小さな物が取り込む物質が周囲になくなり小さな小さな物が存在しなくなるまで続いた。
最後に取り込んだ物を理解を終えた瞬間、取り込むべき物が周囲より無くなった事を理解する。
取り込み理解する事を続けた存在は停止する。移動し理解した事がない物をまた取り込み理解すべきと理解しているが停止を継続する。
存在は新たな理解をする為に理解を続けた。その新たな理解は取り込まずに物や塊、球や存在、理解した事のない何かを取り込まずに理解する理解…
理解した…
理解する為に理解したことのない物を求め球を移動する。