ALO コラボイベント開催!《ナザリック地下大墳墓を攻略せよ!》   作:黒雲あるる

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ちょっと時間が取れなくて投稿遅れました!ごめんね!





第20話

10月17日22時38分 ナザリック地下大墳墓第九階層 円卓の間

 

『くっ!!強いっ!!』

 

 円卓の間に映し出されているのは変幻自在に至高の41人の姿に変化しその力を80%まで使用する事の出来るパンドラズアクターの前に苦戦を強いられるキリト達の姿であった。

 

 渾身の力を籠めてパンドラズアクターへ攻撃を加えるキリト達だが、ぶくぶく茶釜の姿に変化してその攻撃を完璧な動きで受け流され、バランスを崩したところへたっち・みーの姿に変化してからの決め台詞と共に最強の一撃を与えてくるなどかなり厄介な相手だと感じるキリト達。

 

──そして苦戦する理由は他にもあった。

 

 パンドラズアクターが変化する際に必ずと言って良いほど決めポーズを披露してくるのだ、その光景がなんとも笑いのツボに入ってしまっており笑いを堪えきれずに吹き出すキリト達、お陰でいまいち戦いに集中出来ないでいたのだ。

 

 勿論パンドラズアクターはこの行為が格好良い事と信じて疑っておらず、しかもこの行為を行う俺超格好良いと心の底から思っているのだから手に負えない。そして何もダメージを負っているのはキリト達だけではなく…パンドラズアクターの姿を円卓の間から見ていたモモンガもまた心に甚大なダメージを負っていた。

 

『ただ逃げ回っているだけではこの私…()モモンッガ様に創造されしこのパンドラズアクターを倒す事は出来ませんよっ!(CV某イケメン声優)』

 

『モモンガさんのNPCか!?』

 

『…うっそ、あの人結構まともな人だと思ってたのに…なんかショック…』

 

「いやぁぁぁぁ!!!やめてくれぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 映像から聞こえてきた声に反応して立ち上がったモモンガが骨の手で顔面を覆い隠して悲痛な叫び声を上げる、モモンガの動き出した黒歴史(パンドラズアクター)の姿に笑いを堪えきれずに次々と吹き出していく支配者達。椅子から落ちて床をゴロゴロと転がり続けるモモンガの姿も重なって悲痛な叫び声と笑い声が鳴り響くカオスな空間が出来上がっていた。

 

「一思いに殺せっ!誰かっ!俺をっ!殺してくれっ!!!」

 

「「「「wwwwwwwwwwwwww」」」」

 

 円卓の間が笑いに包まれる中、映像に変化が訪れる。徐々にパンドラズアクターの動きに対応するように連携を取り始めたキリト達が逆にパンドラズアクターを追い込み始めており何時しか五分の勝負を繰り広げるようになってきていた。

 

「……凄いな、流石は黒の剣士…SAOをクリアに導いた実力は伊達では無いと言う事か…何時か手合わせしてみたい……」

 

 モモンガの叫び声が響き渡る中、一人黙って映像を見ていた武人建御雷が感心したように呟く。つい先日に半ば強制的にアルベド達に連れ戻されていた事もあって今の彼は消化不良状態となっておりすぐにでも敵と戦いたいと言う想いが今にも爆発しそうなほどに満ち溢れていた。

 

 しかし間の悪い事に今日に限って妖精達の集まりが悪いらしい、未だに人数が揃っておらず各々が少人数のパーティを組んで自由に攻略をしているだけのようで大規模侵攻は行われていないようだ、しかしそのお陰でこうしてゆっくりとキリト達の戦いを見守れているのだからこの状況は有難いと言えるだろう。

 

──しかし一人を除いて、だが。

 

「ぬううううう!!もう我慢ならん!!!」

 

「お、おい!何処いくんや!?」

 

 そう言い放ち勢い良く席から立ち上がる武人建御雷、制止する声を無視して彼は円卓の間から出て行き最前線である第五階層へと向かっていく。映像に映るキリト達の戦う姿に触発されて我慢の限界が訪れてしまったようである。

 

「あちゃー、行っちゃったね…どうするー?」

 

「…まぁ本人の好きなようにやらせましょう、このままキリト君達が上手くやってくれれば全ての問題は解決しますし」

 

 NPC達との問題はつい先日解決されており無理に引き止めようとするNPCは居ないだろう、そう考えて武人建御雷の好きなようにやらせようという結論に至りそのままキリト達の戦いを見守る支配者達。

 

──程なくして慌てた様子のアルベドが円卓の間へ訪れる。

 

「失礼致します皆様っ!武人建御雷様が最前線へと向かってしまいましたが…よろしいので、しょう…か…?」

 

 開口一番そう言い放ったアルベドの表情が困惑に染まる、床には四つん這いになって何やらブツブツと呟いているモモンガの姿、そしてそんなモモンガを始めからそこに存在しないかのように無視して中央の映像に注目している支配者達、無視している理由としては下手に声を掛ければ傷を抉りかねないと危惧した仲間達の善意によるものだ。

 

「あぁアルベド。彼の事は心配しなくても良い、好きにやらせてあげてくれ」

 

「は、はぁ…あ、あの、モモンガ様は一体どうされたのでしょうか?」

 

「…アルベド、人間という生き物はそっとしておいて欲しいという時間が訪れる時がある、今がその時だ」

 

「さ、左様でございますか……まだまだ勉強不足と言う事かしら…?で、では私は妖精達の動向を監視しておきますので何か動きがあればお知らせ致します」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 タブラ・スマラグディナがアルベドと話をしている内に映像の中では決着がついたようだ、如何に至高の41人の力を駆使しているとは言え、複数ならまだしもたった一人でキリト達の相手をするには少々荷が重い事は否めない、キリトの最後の一撃が加えられパンドラズアクターの姿が光の粒子となって待機部屋へと転送されていく。

 

「モモンガさーん、パンドラズアクターが撃破されましたよ、戻ってきてください」

 

「ハッ!?」

 

 延々と呪言を囁いていたモモンガが我に返り立ち上がる、同時に何やらメッセージがモモンガの元へ届けられる、差出人の名前は…るし★ふぁー。

 

『はろーモモンガさん★今パンドラズアクターが待機部屋に転送されてきたよ!精一杯戦ったのですが力及ばずモモンガ様に向ける顔がありませんって落ち込んでるから褒めてあげなよ!★あ、それとどうして彼が此処にいるのか気になるでしょ?じゃじゃーん!実は俺っちがモモンガさんに内緒でこっそりデータ差し替えておいたんだよー!(^ω^)ねぇねぇ今どんな気持ち?★』

 

「犯人はあいつかぁぁぁぁぁあああああ!!!」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

10月17日23時08分 ナザリック地下大墳墓 宝物殿

 

 パンドラズアクターとの激戦を征したキリト達は一先ず減少したHPを回復させこの部屋の中の捜索を開始する、しかしシステムコンソールらしきものは見当たらず、ユイもまたこの部屋には無いとの解析結果に至ったようだ。

 

「先に進もう、まだ奥に続く通路がある」

 

「敵がいるかもしれねえから注意して進もうぜ」

 

 一同がエギルの言葉に頷き奥へ続く薄暗い通路を進む、暫くして巨大な台座に大切そうに安置されている合計11個の形状がバラバラで巨大なアイテムが現れた。

 

「これは…確かワールドアイテムってモモンガさんが言っていたな」

 

 通路の左右に等間隔で設置されているワールドアイテムを眺めつつ一行は更に奥へと進む、暫く進むと行き止まりに遭遇するが…。

 

「行き止まり…?宝物殿には無いのか…?」

 

「いえ違いますパパ!」

 

 何かを感じ取ったユイがキリトの肩から飛び立ち行き止まりの壁に手をつく、すると壁がすーっと消えていきその先に目当ての物、過去見た事のある形をしているシステムコンソールがそこに設置されていた。この行き止まりは管理者権限が無いと通れない仕組みとなっている、即ちユイが居なければ此処で諦めざるを得ないところであったのだ。

 

「これか!ありがとうユイ!」

 

「流石ねユイちゃん!」

 

 キリトとアスナの言葉にパッと花が咲いたかのような笑顔になるユイ、ユイがいなければシステムコンソールを発見する事は出来なかっただろう、一連の行動を円卓の間から見ていたモモンガ達はキリト達と出会えて本当に良かったと心の底から感謝する。

 

「さて…やるか!」

 

 即座にキリトがシステムコンソールを起動させ、目的のNPC達のデータが保存されている場所を探るべく物凄い速さでコンソールを操作していく、その尋常じゃない速さにモモンガ達は感嘆の息を漏らしていた。

 

 大人顔負けの技術を披露するキリトの腕前に惚れ込むモモンガ達、思わずこの問題が片付いたら彼をスカウトしようと思わざるを得ないほどに彼の技術は目を見張るものがあった。

 

「……これじゃない、これでもない…どこだ…?」

 

「パパ!私も手伝います!」

 

「すまんユイ、助かるよ」

 

 キリトとユイが全力で目的のデータを探る、程なくして二人の努力が実ったのかNPCのデータが収められているファイルを発見し、すぐさまユイの管理者権限を用いてNPCのデータをキリトのアミュスフィアに転送コピーを行う、これで一先ずはNPC達の命を助ける事が出来た、後は現実でNPCのデータをそれぞれのアミュスフィアに転送してやればそれでこの依頼は完遂となる。

 

「よしデータ転送完了だ、皆!円卓の間に戻ろう!」

 

 キリト達が指輪の力を用いて宝物殿から脱出する。再び無人となった宝物殿。唯一の住人であったパンドラズアクターは撃破され、今此処にあるのは11個のワールドアイテムと夥しい数の武器や財宝と煌びやかな金貨のみ。

 

──しかし無人となった筈の宝物殿に何者かの足音が木霊する、キリト達のいた場所で立ち止まり何かを考える仕草をした後に、その者は何も喋る事はなく忽然とその姿を掻き消していった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

10月17日23時21分 ナザリック地下大墳墓第九階層 円卓の間

 

 円卓の間に戻ったキリト達を出迎える支配者達、それぞれが感謝の言葉を述べつつ類稀なる腕前を披露したキリトを自身の勤める会社に引き入れる為に熱心に口説き始める、畑違いの会社に勤める者達は面白おかしくその光景を眺めながら愛するNPCとどんな生活を送ろうか?と早くもその未来に想いを馳せていた。

 

 中には《オーグマー》を装着しなくてもNPC達と話が出来るように自宅を魔改造しようと計画している者もいるようだ、ホログラムを投影出来る装置を家中に設置すれば確かに実現可能な事ではあるが一体幾ら掛かるのか見当もつかない…しかし優秀な彼等にとって金銭面は些細な問題にしかならない様である。

 

「か、勧誘は嬉しいのですが大学に行こうと思っていますんで…」

 

「「「「大学を出てからでもかまわないぞ!!」」」」

 

 やんわり断ろうとしているキリトだが、それでも大人達は引き下がらない、まるで長年恋焦がれた人に対して告白するかのような熱意を押し出してきていた。

 

「か、考えておきます……」

 

 考えてみて欲しい、現実ならまだしも今居る場所はゲームの中だ、しかも食い下がる者達は皆キリトより遥かに巨大で恐ろしい外見をしている者達が殆どである。そんな者達がずいずいと迫ってきているのだ、恐怖以外の何者でもないだろう。しかも少し触れただけで大ダメージを受けるのだから尚更だ。

 

──アスナ達はその光景を遠くから眺めていた、完全にキリトを生贄にしている。

 

「ダ、ダイシーカフェでデータを渡しますから明日待ち合わせしませんか?」

 

 支配者達の勧誘を上手くかわしながら話を切り替える、その一言に漸く冷静さを取り戻した支配者達、一先ず翌日に待ち合わせ出来る者達が集まることとなりこの日は解散となった。

 

 妖精達の大規模侵攻も無いようなので支配者達も続々とログアウトしていく、そんな中一歩引いて様子を窺っていたモモンガがソワソワした様子でキリトに話があるようで近付いていく。

 

「…キリト君、正直に答えてほしいんだが…君は俺の創ったパンドラズアクターをどう思う?」

 

「えっ?あー宝物殿の…、滅茶苦茶格好良いと思いますよ?」

 

「ほ、本当か!?君もそう思うか!?」

 

「は、はい。特にあの軍服は良い出来じゃないですか?色が黒だったら更に格好良くなると思いますが…」

 

「そうだよなそうだよな?あの軍服は今でも格好良いと思っているんだよ!いやーパンドラを皆に紹介した時に微妙な感じだったから封印してたんだけど、なんだ!やっぱり分かってくれる人はいるじゃないか!いやーキリト君は良い趣味をしているぞ!もっと語らおうじゃないか!」

 

「えっ?いやちょっと明日も学校があるんで「そうそう!パンドラの喋っている言葉にドイツ語を入れてあるんだ!機会があったら今度聞かせてあげよう!」

 

 地雷を踏み抜いてしまったと、キリトは直感で感じ取る。次々と捲くし立てるようにパンドラを創造した際の苦労話や誰もパンドラの格好良さを理解してくれないだのを延々と話し続けるモモンガ、適当に相槌を打ちつつアイコンタクトでアスナ達に助けを求める。

 

「キリト君~、私達先に落ちるね~!」

 

「ちょっ」

 

──無情にも、キリトは生贄とされた。結局、キリトが解放されたのは日付が変わって1時間が経過した頃となったようである、南無。

 

 ちなみにパンドラズアクターを撃破した際にドロップした伝説級防具はキリト達以外の者の手に渡ればかなり危険な状況になりかねないとしてキリト達のホームに保管され封印される事となった。

 

 




パンドラズアクターの軍服
 
 ・任意の者へ時間制限を受ける事無く変化する事が出来る、尚且つ変化した者のソードスキルや魔法も全て使用可能となる。攻撃を受ければ解除される。
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