ALO コラボイベント開催!《ナザリック地下大墳墓を攻略せよ!》   作:黒雲あるる

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とりあえずリクエストにあった話をいくつか…!


後日談その②

《お姉ちゃんはこんな可愛い妹が欲しかったです》

 

 

「シリカちゃんシリカちゃん!」

 

「は、はい?どうしたんですかぶくぶく茶釜さん?」

 

 やけにハイテンションなぶくぶく茶釜がシリカぐいぐいと迫る、手に持っている皿にはシリカの大好物であるケーキが存在していた。

 

「はい、あーん!!」

 

「えぇっ!?え、えーっと……あ、あーん…」

 

 どこから好みのケーキの情報を仕入れたのだろうかと疑問に思いつつも、その誘惑から逃れる事が出来なかったシリカ、差し出されたスプーンに若干頬を赤らめつつパクリと丸ごと食らいつき頬に手をあててその味を満喫する。

 

「おいしーーー!」

 

──その瞬間……すぐ傍でカメラのシャッターを切る音がシリカの耳に飛び込んでくる。

 

「アウラ!撮れた!?」

 

「バッチリですぶくぶく茶釜様!!」

 

「へっ!?」

 

 シャッターを切ったのはぶくぶく茶釜が創り上げた双子のダークエルフ、その姉であるアウラであった。データで構成されたカメラを手にして更にシャッター音に驚いたシリカを立て続けに撮影している。弟のマーレはその横でオロオロしていた。

 

「ちょ、ちょっと!何撮っているんですか!?」

 

「美味しそうにケーキを頬張るシリカちゃん」

 

「そ、それは分かってますぅ!」

 

 未だカメラを構えて隙を窺っているアウラに変わって何か問題でも?と言わんばかりの真顔で答えるぶくぶく茶釜、続けてこう言い放つ。

 

「私さー、シリカちゃんみたいな可愛い妹欲しかったんだよねぇ。ねぇねぇ私の妹にならない?」

 

「な、なりませんよっ!ていうか弟さんいるんじゃなかったんですか!?」

 

「あんな愚弟はどうでもいいの」

 

 弟の話題を出した途端に真顔になるぶくぶく茶釜、その様子に若干引き気味になるものの問題はそこではなく未だに写真を撮り続けているアウラの行動にある、辞めさせるよう言ってくれとぶくぶく茶釜に頼むも彼女はキッパリと拒否、それどころか妹になるなら良いよと脅す始末だ。

 

「な、なりませんったら!!」

 

「なんでよー!!良いじゃん別にー!!」

 

 その時、カメラを構えたままのアウラに異変が生じ始めた、プルプルと小刻みに震えて何かを堪えているかのように見えるが、一体どうしたのだろうとシリカは若干心配する、そしてそんなシリカを見てぶくぶく茶釜は盗撮され続けているにも拘らず犯人の心配をするとはどれだけ心が清らかなのだろうかと益々シリカを自分の妹にしたいという欲求が高まっていく。

 

──とシリカとぶくぶく茶釜がそのような事を思っているときにとうとう我慢の限界が来たのかプルプル震えていただけのアウラがカメラの上部から頭を出してシリカを睨みつけながら口を開いた。

 

「……ちょっとあんた!ぶくぶく茶釜様が折角妹にしてあげるって言ってるんだから!ここは喜んで妹にならせて頂きます!って言う所でしょーが!!」

 

「んなっ!?」

 

 ギャーギャーと喚き散らかしながら子供の口喧嘩を繰り広げるシリカとアウラ、いつしか持っていたカメラはマーレに渡されており喧嘩している二人を撮り続けるようぶくぶく茶釜に命令されたマーレは慌てた様子ながらもその喧嘩を撮り続ける。

 

「むふ、私のコレクションがまた増えたぜ…」

 

──しかし後日確認したところ、マーレの撮った写真は慌てていた所為なのかブレッブレであったらしい。

 

 

 

 

 

《クライン改め壷井遼太郎、麗しの乙女達に突貫す》

 

 

 夜が深まり未成年組が自宅へと帰って暫く経った頃、いつしか社会人組が手に持っていたグラスにはお酒が注ぎ込まれ、土曜日と言う事もありささやかな酒宴が開かれていた。

 

「…お前、本当にいくつもりか?」

 

「やめた方がいいと思うけどな~、姉ちゃんもいるし」

 

 グラスを拭きながらカウンター席に座ってお酒を飲むクラインに話し掛けるエギル、続いて話に加わったのはクラインの隣で同じくお酒をチビチビと飲んでいるペロロンチーノの二人であった、カウンターの中にいるエギルの横にはお酒のツマミとなるちょっとした料理を用意している彼の妻の姿もあり、三人の会話を聞きつつ手際よく出来上がった料理をそれぞれのテーブルへと並べていっている。

 

「へっ…だからどうしたってんだ!?ここで往かなきゃ…男が廃るってもんだぜ!」

 

 立ち上がってトレードマークのバンダナを巻き直し気合を入れる、そしていざ往かん女の花園へ──。

 

 向かう先は唯一つ、隅のテーブルに寄り集まってガールズトークに花を咲かせている麗しの乙女達の元。お酒の力を借りて彼は無謀とも言える特攻を敢行する。

 

──しかし、そんなクラインを阻むかのように複数の壁が立ち塞がった。

 

「貴方は確か黒の剣士の仲間の…申し訳ございませんがこの先は立ち入り厳禁でございます」

 

 純白のドレスを纏い気品と気高さをその身に宿した絶世の美女、ナザリック地下大墳墓守護者統括アルベドが行く手を阻む。

 

「下がりなさい、ミジンk…ゴミ」

 

 更にプレアデスの一員であるナーベラル・ガンマが弐式炎雷から諌められた毒舌を一切隠そうとせずに追撃の言葉をぶつけクラインのライフを削り取っていく。

 

「……こ、この程度でへこたれる俺じゃねェぜ…!!」

 

 しかし、この男は諦めない。ユイと同じ様に《オーグマー》を用いれば会話は可能となったものの依然として物に触れたりする事は出来ないNPC達、クラインはそこを突き強引に二人の制止を振りほどき突破する。

 

「こ、こら!待ちなさい!」

 

 背後から聞こえる言葉を無視して更にクラインは突き進む、そして突破したクラインの視界にまさに女神と言う言葉が相応しい五人の美女の姿が飛び込んでくる。

 

 

 

「…──ん?クライン君か、私達に何か用かな?」

 

 異性の目を気にしているのか、または冬の気配が一層強まったせいなのか、ゲーム内で普段着にしている深緑の着物より露出はかなり控え目な白のニットセーターを着込んでいる深窓の令嬢という言葉がピッタリな美女。

 

──シルフ族の領主を務める女性プレイヤー、その名はサクヤ。

 

 

 

「なになになに~?もしかして私達をナンパしに来たのかナ?」

 

 ゲーム内では小柄な体躯に健康的な褐色肌が眩しいキャラであったその女性だが現実ではその様相はまったく異なるものであった、すらりと伸びた足に白い肌、腰まで続く長い艶やかな黒髪をポニーテールにし露出の多い服を着込んで快活に笑う美女。

 

──ケットシー族の領主を務める女性プレイヤー、その名はアリシャ・ルー。

 

 

 

「へぇ~…誰がお目当てなのかな?ボクはお断りだけど」

 

「私も仕事柄プライベートの交友関係は気を使わなきゃいけないからちょっと無理かな~」

 

 アリシャのナンパという言葉に反応してクラインに冷やかな視線を送りつつお断りの言葉を口にしたのはアインズ・ウール・ゴウンに所属する数少ない女性プレイヤーであるやまいこ、そしてぶくぶく茶釜の二人だ。そんな彼女達に同意するように同じテーブルで和気藹々と話していた餡ころもっちもちもウンウンと首を縦に振る。

 

(同じ人好きになったのにここまで仲良くなれるのも珍しいよねぇ、うふふ)

 

 どうやら餡ころもっちもちは二人がバッサリと一刀両断したその理由を知っているらしい、…というのも、二人の意中の相手が誰であるのか、それを知らない者はこのギルド内にはほぼ(・・)居ないのだ。その〝ほぼ〟というのは誰の事を指しているのか、それは言わなくても分かってしまうのではないだろうか。

 

「別に連絡先ぐらいなら教えてあげてもいいよ?」

 

「ま、マジっすか!!」

 

 やまいこ達に続いてサクヤ達からもお断りの返事を貰い意気消沈していたクラインに救いの手が差し伸べられる、その言葉に驚いたのはクラインだけでなくその場に居た女性達全員も同じだったようだ。

 

「ええっ!?大丈夫なの餡ちゃん?」

 

「やーちゃんの教え子さんのお友達みたいだし、そこまで心配する事無いと思うよ?それに、もういい大人なんだから悪用したりするような真似はしないって信じてるよ」

 

 餡ころもっちもちの言葉にクラインは精悍な顔つきに、正しく武士たる心構えのある顔つきに切り替わる。

 

「あったりめェですよ!!漢クライン!!決して女性を悲しませるような事はしねぇっす!!」

 

「ふふっ、頼もしいね。──じゃあ…はい連絡先」

 

「よっしゃぁ!!!」

 

 …こうしてクラインは念願の女性の連絡先を聞き出す事に成功したのであった。

 

 見守っていた周囲の男達が勇気ある行動を魅せたクラインに拍手の嵐を贈る。立ち塞がる障害を乗り越え一つの偉業を達成した彼を惜しみない拍手と賞賛の嵐が出迎える。

 

──果たしてクラインに春は訪れるのだろうか、全ては彼次第だ。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

《ユリ・アルファの職場体験》

 

「おはよう、皆」

 

「「「おはようございまーす!」」」

 

 教室へ入ったやまいこに生徒達が元気よく挨拶する、いつもどおりの元気な姿を見せてくれた生徒達を見て心が温かくなっていくのを感じ取るやまいこ。

 

「皆ちゃんとオーグマーは持ってきたかな?」

 

 前日の帰り際に今日の授業で《オーグマー》を用いた授業をすると伝えていたやまいこが生徒達に持参しているかを確認する、その問いに生徒達は全員が忘れずに持ってきているとやまいこに伝える、最悪忘れていたとしても学校の備品として数個確保されているので問題は無いのだが社会に出てからはそうはいかないのだ。

 

 もし重要な書類を忘れてしまったら?会議で使用する資料を忘れてしまったら?生徒達が社会に出てそんな事にならないように生徒達の意識を改めさせる、家を出る前に持ち物の確認を促す為の目的も含まれているようだ。

 

「よろしい!今日は皆に紹介したい人がいるんだ。オーグマーをつけてくれるかな?」

 

 やまいこの言葉に生徒達が《オーグマー》を装着していく、その中で唯一何が起こるのかを把握していたキリトはクラスメイト達の困惑した様子を眺めながらニヤニヤしていた。

 

「皆装着したねー?じゃあ入ってきてもらおっか、ユリー!」

 

「は、はい!!」

 

 開け放たれたままのドアからメイド服姿のやまいこにそっくりなユリが入室した。その瞬間に男子生徒達だけでなく女子生徒も黄色い声を上げる、そんな生徒達を前にして緊張しているのだろうギクシャクした動きで生徒達の前を進みやまいこの隣に立ち並ぶユリ・アルファ。

 

「じゃあ自己紹介してくれる?ユリ」

 

「は、はい…皆様初めまして、戦闘メイド《プレアデス》の長姉、ユリ・アルファと申します」

 

 自己紹介された名前に聞き覚えのあった何人かの生徒達が小さく反応する、つい数日前に終了したコラボイベントに参加した生徒達なのか、又は掲示板などで公開されたいくつかの写真を目撃したのか、どちらにせよ生徒達にとってはユリ・アルファはちょっとした有名人と言っても過言ではない存在だろう。

 

「何人かは知ってるかもしれないけど、ボクの娘のユリだよ、皆仲良くしてあげてね」

 

「「「娘!?」」」

 

 衝撃の新事実に驚きを隠せない生徒達、ついこの間にも同じ様な反応が返ってきたなぁと思いながら改めて同じ説明を生徒達に伝える。

 

「──という訳で今日はユリに授業をやってもらおうかなって思ってるんだ、ユリ、授業内容は完璧に覚えてきたよね?」

 

「勿論でございますやまいこ様、高校三年分だけでなく大学の専門分野まで完璧に頭に入っております」

 

「よろしい!じゃあボクは後ろの方で見守ってるから頑張ってねユリ」

 

「はっ!!……──では皆さん、教科書の…」

 

 そしてユリが教卓の前に立ちいざ口を開こうとしたその矢先に、事件は起きた。

 

「はいはーい!!ユリ先生って彼氏いるんですか!?」

 

「ユリ先生のスリーサイズ教えてください!」

 

「やまちゃん先生に好きな人っているんですかー!?」

 

「ちょ、ちょっとボクの事は関係ないでしょ!?」

 

 アホな男子生徒達が手を挙げ次々と質問をぶつけていく。新任の教師、または転校生に対して行われる定番の質問攻めが今、ユリに対して行われたのだ。

 

「…………」

 

 一瞬呆気にとられるユリだったがそれも束の間、鋭い目付きに切り替わり質問をした男子生徒達を睨みつける。

 

「黙りなさい」

 

──甲高い衝撃音が教室内を駆け巡る、その音の出所は…ユリの手に握られている鞭によるものであった。

 

 一体何時の間に手にしていたのか?生徒達は疑問に思った事だろう。確かに直前までユリの手には教科書が握られていた事は確かだ、しかしその教科書はユリの意思次第で消す事も燃やす事も切り刻む事も自由に行える物である、データで構成されているのだからそれも当然の話だ。

 

 そして教科書の代わりに出現させた鞭を手に持ちドス黒いオーラを纏いながらユリは生徒達に語り始める。

 

「些か…気が抜けているようですね……良いでしょう、貴方達がいつまでも弛み切ったままでいるならば、私は心を鬼にして貴方達を徹底的に鍛え上げて見せます」

 

「「「……せ、先生?」」」

 

「覚悟しておきなさい、私の授業は…少々スパルタですよ」

 

──こうしてユリ・アルファのスパルタ授業が始まりを告げた。そして後日…。

 

 やまいこの褒めて伸ばす授業とユリのスパルタ授業を交互に行った事が結果的に良かったのか、それとも二人の授業内容が素晴らしかったのかは定かでは無いが、元々成績の良かったやまいこの生徒達の成績は更に上昇しテストの結果は学年の上位をやまいこのクラスが独占するという結果になったとか…。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

《仲良しメイド達、漫画家アシスタントになる》

 

「紹介しよう皆、今日からウチで働いてくれる事になったシクスス、フォアイル、リュミエールだ」

 

 ホワイトブリムが背後にいる三人のメイド服を着た美人達を順番に紹介していく。

 

「シクススです、先輩方に負けないよう精一杯頑張りますので宜しくお願い致します!」

 

 肩までに綺麗に揃えられた金髪が美しいシクススが先陣を切って自己紹介する。

 

「フォアイルです!宜しくお願いしますね!」

 

 綺麗な金髪を短く切り揃えフワフワのボブカットにして明るい印象を抱かせるフォアイルが続く。

 

「リュミエールと申します、宜しくお願い致しますわ先輩方」

 

 最後に丁寧な口調で自己紹介をしたのはリュミエールだ、清楚な面持ちと育ちが良さそうな口調で語りかけるリュミエールに自己紹介を受けた男性アシスタント達が満面の笑みでガッツポーズをする、どうやら彼らの好みはリュミエールがドストライクのようだ。

 

「最近人手が足りなくなってきていたからな、彼女達に来てもらった!喜べ諸君!彼女達の腕は凄いぞ!」

 

 ホワイトブリムの宣言に沸き立つ男性アシスタント達、ホワイトブリムの無茶振りに散々泣かされていた経験を持つ彼らの喜びようは尋常ではないものであった。

 

 それもそうだ、今現在ホワイトブリムが月刊誌で連載している漫画はメイドが主人公である、メイド服に並々ならぬ拘りを持つホワイトブリムは少しでも納得の出来ないものであったら即座にやり直しを命じるのだ、締め切りがどれだけ迫っていようとそんなものは関係ないとばかりに全てを没にしてしまうのだ。

 

「よし、早速仕事に取り掛かろう!今月の話は主人公が宿敵と戦いピンチに陥る!そこへ助けに来たライバルと手を取り合い撃退するという話だ!!」

 

「おぉ~!流石はホワイトブリム様です!素晴らしいストーリーです!」

 

「感動しました!」

 

「ホワイトブリム様の過去の作品は全て読ませていただきました、今なら寸分違わぬ模写を完璧に行う事が出来ますわ、何なりと御命令を下さいませ」

 

 こうして新たにシクスス達を加えて新体制で仕事は開始された、しかし数日後…男性アシ達は全員が職場の異動を編集者に願い出る事になる。…というのもシクスス達の仕事のスピードが異常な程早いせいであったからだ。

 

 初日、二日目は和気藹々とした雰囲気で仕事に臨めた男性アシスタント達、しかし彼らは徐々にシクスス達の異変を察知していくのであった。

 

「こちら終わりました」

 

(えっ!?)

 

「こっちもトーン貼り終了です!」

 

((ええっ!?))

 

「ではこちらの下書きした分をお願いしますわ、私はこちらを」

 

(((えええええっ!?)))

 

 信じられないスピードで仕事を次々とこなしていく彼女達、気付けば仕事の時間の半分は休憩しているという事態にまで発展してしまう。

 

(((俺達…いる?)))

 

 すっかり自信を無くしてしまった彼らは別の漫画家のところへと異動していくのであった…。

 

「あれ?先輩方は今日もお休みです?」

 

「最近見なくなったねー?」

 

「ホワイトブリム様が他の漫画家様の元へ旅立っていったと仰っていましたわ」

 

 ……──男性アシスタント達の健闘を祈ろう。

 

 

 





後日談その③はまた何時か…٩(ˊᗜˋ*)و
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