ALO コラボイベント開催!《ナザリック地下大墳墓を攻略せよ!》   作:黒雲あるる

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٩(ˊᗜˋ*)و召し上がれ







後日談その③

《三姉妹、世界を巡る》

 

 流暢な英語を操り現地人と情報交換するタブラ・スマラグディナ、その様子を少し離れた場所で見守る三人の姉妹達。

 

「国によってそこに生きる人種、文化、言語…一つとして同じものは無い程に多種多様、それ故に…争いが生まれてしまうのね」

 

 アルベドが一人呟く、此処数ヶ月で幾つもの国を父と姉妹と共に渡り歩き様々なものを己の瞳に焼き付けてきた。

 

 貧しい地域で寄り集まって生活する人間達を見てこの世界の残酷な一面を知り、一方で贅沢の限りを尽くした豪華な家でパーティを開催する人間達を見てこの世界の歪さを知った。

 

「そうだなアルベド」

 

「お父様…」

 

 現地人に道を尋ねていたタブラがアルベド達の元へ戻ってくる、合流したタブラにアルベドは疑問を投げ掛ける、何故人類は争うことをやめないのか、と。

 

「何故人類は争うのでしょうか?我々ナザリックに属する者達は姿形は違えど皆の意思はひとつに統一されています、人類も我々と同じ様に…」

 

「お前達は私達がそうあれと願い創り出した存在だ、ナザリック地下大墳墓を守護するという唯一つの意思の元に統一されている。だが人類はそうではない」

 

──目的地へ向かいつつアルベドの疑問に答える。

 

「アルベドの疑問も尤もだ、争いが無くなればどれほど素晴らしい事か私達人類もそう思っている、だが一方でこうも思っている、争いが無くなる事は私達が人間である限り決して有り得ないと」

 

 人間とは不完全な生き物だ、簡単に誘惑に負け堕落し身を滅ぼす事は珍しい事ではないし、己の正義を追求するあまり他者と相容れず衝突する事もある、たっち・みーとウルベルトが良い例だとタブラは小さく笑いながら口にした。

 

「たっち・みー様とウルベルト・アレイン・オードル様…確かに度々方針の違いで衝突されていらっしゃいますが…かの御二方はその衝突を楽しまれているように御見受けできます」

 

「あの二人も心の底からお互いを憎み合っている訳ではない、…そうだな、喧嘩友達と言う言葉が日本にはある、あの二人の関係は正にそれだろう」

 

 人間は一人一人それぞれが違う確固たる意思を持っている。故に人間達は相容れない他者と争ったり、惹かれ合った異性と愛を囁きあったりして長い人生を生きていく、そうして歩んだ長い軌跡は関わった人間達に刻み込まれ確かな輝きとなって遺された人間達に受け継がれていく。

 

──紺野木綿季という少女が結城明日奈に想いを託したように。

 

 人類はそうやって日々を力強く生き抜き、後世の人間に想いを託し歴史を紡いできた。

 

「受け継がれる想い…私達も何かを遺す事が出来るのでしょうか?」

 

「それは分からない。……冷たいようだがお前達の人生はお前達だけのものだ、私に命令されてやるのではなく、自分は何を成すべきなのか自分で考えて結論を出すしかない。………生きた証を遺せお前達、出来れば私の寿命が来る前に、な」

 

「………お父様の存在しない世界など…生きる価値は…っ」

 

 タブラの発言に涙が零れ落ちる姉妹達、震える口から出る言葉は父のいない世界など無価値だという言葉。

 

「…そう思ってくれるのは親として喜ばしい事だ…だがこれから先、生きていく中で世界はお前達に変化を齎し成長を促すだろう、……それでも尚私のいない世界が耐えられないならば…自壊プログラムを作動させるといい、それもまたお前達の自由だ」

 

 人間である限り『死』という概念から逃れる事は出来ない、そしてそれはアルベド達との別れも確実に訪れるという事だ、創造主の『死』という形となって。

 

 創造主亡き後、遺された子供達の事を考えたタブラ達は一つのプログラムをNPC達に埋め込む事にした。

 

──それが先程タブラが口にした『自壊プログラム』。作動した者に物理的な破壊を齎しバックアップも何もかもを全て消去するプログラムである。

 

 このプログラムが作動されたが最後そのNPCは二度と復活する事が出来なくなり例えサーバー内にデータの断片が残っていたとしても、復元されたそのデータは外見だけが同じで中身が空っぽの唯のAIにしかならない。 

 

(……私は…何を成す事が出来るの…?)

 

──己の存在理由を考えるアルベド。

 

 しかし、今はまだその答えが出る事は無かった。この世界を巡る旅の中で答えに辿り着くのか、または長い人生の旅路の果てにその答えを見出すのか、未来の事は誰にも判らない。

 

「……着いたぞ、グランド・キャニオン国立公園だ」

 

 人類の誕生より遥か昔から存在している大峡谷がタブラ達の前に姿を現した。崖から突き出すように建設された観光ポイントに立ち遥か彼方まで続く大峡谷を臨むアルベド達。

 

「これが…地球の歴史を見届けてきた存在…なんと雄大な…」

 

 その歴史は古く地球に生命が生まれた頃からこの地に存在しているとの事だ。もし花や土、岩等に命という概念があるならば、彼等はアルベドが言ったとおり地球の生命の歴史を見届けてきた生き証人とも言えるだろう。未だ生まれてから数ヶ月のアルベド達にとっては途方も無い年月である。

 

「……綺麗」

 

 アルベド達三姉妹は、夕日に照らされる雄大な景色を眺めつつ、未来に想いを馳せていく。

 

 そんな彼女達の姿を背後から見つめるタブラ、その眼差しは愛する娘達の成長を見守る親の眼差しそのものであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

《双子と真祖とユイの仁義無きド○ポン対決》

 

 新生ナザリック地下大墳墓第九階層のラウンジに複数の小柄な四人の少女達の姿と彼女達を見守る複数の人物がいる、黄金の鎧を纏ったペロロンチーノ、ピンクのクマのぬいぐるみの姿をしているぶくぶく茶釜、そしてナザリック地下大墳墓に招待されたキリトとアスナの四人だ

 

「ああああーーー!!!シャルティア!あんた私の街襲うなんて良い度胸してるわね!!」

 

「ほぉーーっほっほっほっほ!!この世は弱肉強食!弱き者は淘汰される運命なのよ!」

 

 アウラが悲鳴をあげて隣に座って同じコントローラを握り締めているシャルティアに不満をぶちまける、対してシャルティアも売り言葉に買い言葉、謝るどころか逆に挑発する始末だ。

 

──彼女達がプレイしているゲーム、その名は『ド○ポン』。そう一昔前に一世を風靡したあの友情破壊ゲームとして確固たる地位を築き上げたあのゲームである。

 

「えっとえっと…攻撃魔法全部買って…」

 

「マーレさん、も、もしかしてその魔法全部使うつもりですか?」

 

「──??そ、そうだよ、この勝負に勝ったらぶくぶく茶釜様から御褒美貰えるから…」

 

 おろおろと店売りされている魔法を全て買い上げるマーレ。次のターンにはマーレの魔法によって蹂躙が始まる事を危惧したユイが早く今戦っているボスを倒さないとと焦り始める、対決中にマーレの魔法を食らえば間違いなく敗北してしまうからだ。

 

(一番恐ろしいのってもしかしてマーレさんじゃないでしょうか……?)

 

 未だにギャーギャーと取っ組み合いの喧嘩をするアウラとシャルティアはマーレの凶行に気付いていない、教えてあげるべきか否か、ここは三人で協力してマーレを戦闘不能に追い込むべきだと判断したユイが二人に休戦を申し込もうと話し掛けるも二人にはまったく聞こえていない。

 

(ママ、パパ…!!まったく話を聞いてくれません!!)

 

(頑張って!ユイちゃん!)

 

(負けるなよユイ!)

 

 ちなみにこのやり取りは生放送で流されている為アスナとキリトは声に出さず振り返って助けを求めているユイにジェスチャーで応援する。そう、生放送で流れている事を彼女達は知らないのだ、彼女達は知らず知らずの内にネットデビューを果たしていた。

 

「お、お姉ちゃん…出番だよ」

 

「ぜーぜー…良いわ!決着をつけようじゃないシャルティア!」

 

「望むところでありんす!ギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてやりんす!!」

 

(何やってんだシャルティア!敵はアウラじゃないぞ!マーレだ!!気付けええええ!!)

 

(私はアウラとマーレどっちを応援すればいいんだあああああああああ!!!ていうかマーレ!?アウラごと敵を焼き払うつもり!?何この子怖い!!)

 

 ちなみに生放送には大量の視聴者が溢れておりコメントが大量に流れていっている、『マーレ恐ろしい子』『シャルティアもアウラもアホの子なの?』『ユイちゃん頑張れ』と様々だ。後日この生放送の様子を動画用にペロロンチーノが編集して投稿したところ、瞬く間に拡散され人気バーチャル○ーチューバーの仲間入りを果たしたとか。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

《ユグドラシル、サービス終了》

 

 VRMMOの先駆者として発売された《ユグドラシル》、去りゆくユーザーを取り戻す為に開催したコラボイベントなどで数年は最盛期の人気を取り戻す事に成功したものの再びユーザー数は減少の一途を辿り──…

 

 そして発売から十二年、運営は今年中にサービス終了する事を発表する、一つの時代を創り上げた立役者がその長い歴史に終止符を打とうとしていた。

 

……──そして、サービス終了当日。

 

「…今日でユグドラシルも終わりですか」

 

 十二年という長い期間サービスを提供してきた《ユグドラシル》。その最期に立ち会おうとモモンガが提案したところギルドメンバー達全員がその提案に乗りこうして《ユグドラシル》のナザリック地下大墳墓第九階層円卓の間に集まったのだ。

 

「終わりだねぇ…」

 

「活動の場は新生ナザリックに移ったけど、俺達の始まりはここ旧ナザリックなんだよな」

 

「そうだなぁ~…しっかし運営もよく十二年も提供してくれたもんだよ、今までクソ運営なんて言ってごめんなさい」

 

「あと三十分ほどで終わっちゃうね、…そうだモモンガさん!最期は玉座の間で迎えようよ!NPC達も全て集めてさ!」

 

「おお、良いですね!」

 

 餡ころもっちもちがそう提案するとモモンガは身を乗り出して彼女の案に食い付いた、苦労して創り上げたNPC達と共にこのダンジョンの最終目標地点である玉座の間で終わりを迎えるのは最高のフィナーレとなるだろう。勿論他のギルメン達も餡ころもっちもちの提案に反対する事は無い。

 

「おっし!時間もあんま無いし急いでNPC達連れてこよう!!」

 

「では皆さん、玉座の間に集合という事で!」

 

 指輪を用いて各々がNPC達を集結させる為に動き始める、モモンガもまた宝物殿へと転移しその最奥にいるパンドラズアクターを連れ出すべく円卓の間を後にした。

 

「…こっちのパンドラは静かで良いな…」

 

 宝物殿を進み待機部屋のソファに座っているパンドラを見て呟く、自我を持ち動き始めたもう一人のパンドラはモモンガの胃を大いに痛めつけているようだ。

 

「けどまぁ…楽しいっちゃ楽しいんだけど、ね。──っと皆が待ってるな、早く行こう」

 

 コラボイベントの後、パンドラズアクターは情報収集(何処かの誰かの悪戯)の為に各VRMMOの世界を巡りその黒歴史っぷりを世界に披露したようだ。ALOやGGOといった様々な世界を巡り見聞を広めていくパンドラ、勿論本人はそれがモモンガの役に立つ事に繋がると信じて疑っていない。そして当の創造主はパンドラの暴走を止めるべくその軌跡を追うも姿形を巧みに変えて駆け回るパンドラを捕まえる事が出来ず…結果としてパンドラが満足して帰還するまで放置せざるを得なかったようだ。

 

──現在はモモンガの自宅で生まれたばかりの彼の娘をあやしながら留守を任されている。

 

「お、モモンガさんきたきた!」

 

「皆集まってるよ、モモンガさん」

 

「さあ王座へ、ギルド長」

 

 ギルドメンバー達とNPC達が全員集められている、そして最後に到着したモモンガを通す為に全員が綺麗に整列した。その中をゆっくりと過去の出来事を振り返りながら進む。

 

 囚われたキリトを救出する為にアンダーワールドに殴り込みを掛けた事。

 

 パンドラを追って幾多のVRMMOの世界を巡った事。

 

 新生ナザリック地下大墳墓を一般に開放し観光イベントを開催した事。

 

 《ユグドラシル》の正統続編である《ユグドラシルII》の発表。

 

 複数の女性から告白されて「モテ期キタ――(゚∀゚)――!!」と舞い上がるも一騒動起きた事…。

 

 そして、告白してくれた女性と交際を始め…結婚し子供を授かった事。

 

(この数年で色々あったなぁ…)

 

 王座へ辿り着きゆっくりと腰をつけ視線を上げる。その先には一様に平伏すNPC達、そして彼の仲間達の姿。

 

「あと三分か…」

 

 皆思い思いに語り合っている、その会話に耳を傾けるモモンガ。聞こえてくる内容は様々だ。

 

「そうだ、アルベドの想い人をモモンガさんにしよう」

 

 とタブラが言っているの聞きそちらに視線を向けるとなにやらアルベドの設定を弄っている姿。

 

(ま、まぁあと少しで終わっちゃうし別にいいか…)

 

 次に聞こえてきたのはたっち・みーとウルベルトのいつもの言い争いだ。

 

「全世界を支配してこそ悪役だ、それが分からないとは本当に貴様はつまらん男だな」

 

「立場的にそれを容認出来ない職についていますからね」

 

 いつもと変わらない会話に小さな笑みが零れる、これからもこの二人の関係は続いていくだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──23:59:00…運営のアナウンスが流れログアウトを促す、しかし今も尚残っている者達の中に従う者はいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──23:59:34…ギルドメンバー達の「アインズ・ウール・ゴウン万歳!!」という合唱が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──23:59:56…さらばナザリック、さらばモモンガ…この十二年間本当に有難うと言葉に出さず心の中で感謝の念を送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──00:00:00…視界が暗転し現実世界へと強制的にシャットアウトされる。その際に微かに聞こえてくる聞き慣れた自身の声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………──さらばだ、鈴木悟」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





一先ず後日談はこれにて終了です!φ(゚∀゚ )リクエスト送ってくれた皆様有難うございました!採用出来なかったリクエストも多々あって書こうとしたんですが、なかなか難しく力量不足で書けませんでした、申し訳ない(´・ω・`)

もう一つの小説の更新しながら新しいネタ思いついたらまた後日談を投稿するかもしれません!

後はオリジナル作品で一つ物語を構想中…こちらはまだまだ纏まっていないので未定!


ではでは皆様また会いましょう!!(´∀`*)ノシ バイバイ


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