インフィニット・ストラトス <The future lingering scent> 作:姫戸三角
思いつきで初めて書いています。
この作品は処女作なうえ更新もまちまちですが、最後までお付き合いして頂ければ幸いです。
・・・・・・やっと全てが終わった。
長く続いたこの戦争も、大切だった人達の敵討ちも――。
そして、私たちの過ちを全て押し付ける形となってしまったあの子のISの反応も無事に消えた。旅立ったあの子なら、あの世界で上手く立ち回り幸せになるだろう・・・・・・。
と、思い返してみるとちょっと心配になった。
あの子は強い。
だが、よく考えてみると祖父と同じで肝心な時に抜けている所があり、見ているこちらが心配になることも多々あった。
あの子の師匠の影響でちょくちょくからかう癖まで持ってしまっていた。
しかも、一族の血のせいか、思考もどちらかというと脳筋と呼ばれるソレに近かった気がする・・・・・・。
いや、あの色々と濃い二つの一族が混ざっているのだから、ある意味その程度で済んでいるのが奇跡なのかもしれない。
そういえば、戦いばかりの日々で私はちゃんと一般常識を教えたっけ?
・・・・・・ちょっとどころじゃないほど不安になった。
だが、旅立った今となってはどうしようもないことだ。うん、どうしようもないことだ!
それに、この世界で生きていくことも不可能だ。この世界はもう人が住める状態ではないし、そう遠くないうちに全ての生物が生きていけない環境となるだろう。
アレを持たせておいたので、あの先生達であれば悪いことにはならないだろうから、あとはあの優しい人達に全てを任せるしかない。
きっと・・・・・・いえ、絶対に幸せになってくれる。それが私の――私達の最後の願いだ。
だけと、そこに私もいたら――ちょっと嬉しいかな。
セットしておいたタイマーが、誰もいない部屋に鳴り響いた。残り時間が表示されたディスプレイの明かりだけが、この狭く薄暗い部屋を照らしている。
――そろそろ時間だ。
こんな体で『生きている』と言えるのかはわからないけど、最悪だったが悪い人生ではなかった。
悲しく辛いことも、痛みを伴うことも数え切れないほどあった。でも、それ以上に嬉しいことも素敵な出会いもあった。
でも、心残りは姉の最後に立ち会えなかったことと、あの子のお嫁さんを見ることが出来なかったことくらいかな。
もうすぐ『私』を構成する全てのシステムが停止する。
私は、自身のメモリーに保存された大切だった多くの人達の顔を思い出す。そして、いつも見守ってくれていた姉の姿も。
笑ってくれるだろうか? 褒めてくれるだろうか? もう一度抱きしめてくれるだろうか?
「私――最後までがんばったよ。刀奈お姉ちゃん」