FGO-ファイナルデッド・ゴルドルフ-   作:アマシロ

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すまない……作風が全く違ってすまない…。
しかしあんな感じのはアビーがいないと書けないんだすまない。
くだらない話ですまない…が、思いついたので即投稿。


take2:結界宝具に似て非なるもの

 

 

 

 

 すべてのサーヴァントは、カルデアから退去した――――。

 ただ一人、所長代理を務めるレオナルド・ダ・ヴィンチを除いて。

 

 人理を護るための力、レイシフトは人理への反逆にも用いることができるために凍結され、メインの動力をも封じられたカルデアは“人理を守護する最後の砦”の役目を終えた。

 

 

 

 

『―――――以上、44名。登録認証 オールクリア。』

 

『安全性審査:教会規定 特別免除により、全員のカルデア入館を許可します』

 

『正面ゲート 開放。 ようこそ、ゴルドルフ・ムジーク様。』

 

『並びに国連査問会の皆様。 当カルデアは 皆様の入館を 歓迎します』

 

 

 

 

 

「ほ――――う!

 ほほ―――――う!」

 

「いい! いいではないか! こんな地の果ての工房に期待などしていなかったが、まさか、これほど近代的な施設だったとは!」

 

 

 

 

 胴間声を静寂の中に響かせながら、ゴルドルフ・ムジークはカルデアを歩く。

寒い外から温かい場所へと移った安堵もあったのだろうか。後ろに40名の兵隊を従えて、さあこの場所を奪い取ってやろうと意気揚々と人影に近づき―――――気づく。

 

 

 

 

――――――なんだ、これは。と。

 

 

 

 

 

 それは、四角いカタチをしていた。

 

 

 

 それは、部屋のど真ん中に堂々と鎮座していた。

 

 

 

 それは、木の板と布を組み合わせたような奇妙なもので―――――。

 

 

 

 

 

 

「――――あっ、ノッブ。みかん取って下さい。みかん」

「うむ、是非も無し。もうこれ箱ごとコタツに乗っけちゃって良くね?」

 

 

 

 

 東洋に伝わる、凄まじい知名度を誇る結界宝具―――――その名は、KOTATSU。

 一度でもそこに囚われれば二度と出ることは叶わず、それを望まなくなるとさえ言われる恐ろしい宝具である。

 

 

 そしてそこに足を突っ込んで限りなくグダってるのが血反吐サムライこと沖田と、焼き討ちノッブことノッブであった。

 

 

 

 

「ほ、ほーう。そこにいるのが報告にあった……? いや、は?」

 

「あれー。ノッブお客さんですよお客さん」

「えー。正直面倒なんじゃがー。宗教とかお断りしてるんでー」

 

 

 

 見た目は整っているのに、気が抜けているというか覇気とかやる気とかそういう一切合財を投げ捨てているせいで漫画っぽいテイストにしか見えない二人は、サーヴァントが退去していると聞いていたこともあってゴルドルフの理解を遅らせた。

 

 

 

「宗教勧誘などではない! ………所長代理のレオナルド・ダ・ヴィンチとやらは?」

 

「えー。後ろに神父おるじゃろ神父。まあ是非もないケド。所長代理ぃ? おい沖田、面倒じゃし案内してやれよー」

「えー。じゃあそこの冷蔵庫から飲み物取ってくれません? いまちょっとみかんから手が離せないんですよねー」

 

 

 

「……………なぜ私がこんなことを」

 

 

 

 

 人間、堂々としている相手にはなんとなく強く出づらいものである。それが自分より大きな力を持った相手であれば本能的にも。

 渋々、何故か二つ並んでいる冷蔵庫まで歩いて近づいたゴルドルフは、特に何も考えずに右側の冷蔵庫を開き―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 中には、長髪の男が折りたたまれて入っていた。

 男は、にこりと力なく微笑んで言った。

 

 

 

 

「―――――真なるエーテルの輝きを、ここに。どうか私と友達になりましょう」

 

「はあああぁあぁぁぁっっ!? な、ななななんなんで」

 

 

 

 

 思わず冷蔵庫を閉めたゴルドルフに、ノッブと沖田はコタツから出ずに言った。

 

 

 

「あー、パラPではないか。まだ入っとったのかー。よく平気じゃよなー」

「あ、そういえばちゃんと退去してないサーヴァントを探すためにダ・ヴィンチちゃんが頑張ってるんでしたっけ。一人見つかりましたねー」

 

 

 

「………どうなっているんだ、此処は!? コヤンスカヤ君!?」

 

 

 

 

 

 振り返る。ピンクの女性はいない。

 慌てて周囲を見渡したゴルドルフは、コタツに入っているピンク色が一人から二人に増えている事に気づいた。

 

 

 

 

「―――――やっぱり冬はコタツに限りますわね……」

「おおう、お主分かっとるのぅ!」

「みかんどうぞー」

 

 

 

 というか普通にコタツに入って寛いでいた。

 

 

 

「………コヤンスカヤ君?」

 

「ちょっとー、そこの金髪豚っぽい人飲み物まだですかー」

「ワシ、是非もなくコーラで!」

「あ。じゃあ私は玉露でお願いしますね、ゴルドルフ様」

 

 

 

 

 

 

 ゴルドルフは、考えるのを止めた。

 

 そして今度こそはと左の冷蔵庫を開け―――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 見えたのは、一面の灰色だった。

 

 それは、不思議と生きているかのように脈打っていた。

 

 それは、何故か冷蔵庫から溢れんばかりに膨張しようとしていた。

 

 

 それは、その男は―――――筋肉(マッスル)だった。

 

 

 

 それは、ゴルドルフを見るとニコリともしていないように見えるのに、確かに笑顔を浮かべて言った。

 

 

 

 

 

「おおぉぅ! ―――――汝は、圧制者か?」

 

 

「……………うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぅッ!?」

 

 

 

「なんでこんなものが入ってるんだああああああっ!?」

「あ、そういえばなんか箪笥の角に足の小指をぶつけて爆発しそうだったので冷やしてましたね」

「そうじゃったねー。お、これで全員見つかったのぅ」

 

 

 

 

 

 冷蔵庫の扉を閉めようとゴルドルフは力の限り押した。そうしなければ生き残れないと、生存本能が悲鳴をあげていた。しかしその選択は――――とても、圧政だった。

 

 

 

 

 

「―――――我が身を再び閉じ込めんとするか! よかろう、ならば抗うのみ!」

 

 

 

 

 圧政か、よろしい。ならば反逆だ。

 

 ぐしゃり。

 あっけなく扉を残して吹き飛んだ冷蔵庫から、灰色の巨人が起き上がる。

 

 

 

 それは、圧政に苦しめられた者たちの希望。

 

 それは、圧政を敷く者たちにとっての恐怖。

 

 

 

 そしてそれは、笑顔と共にゴルドルフを抱擁する。

 力の限り。筋肉の限り。そして圧政がそこにある限り。

 

 

 

 

「――――――これこそが我が愛! わが愛は爆発するぅぅううう!」

「ぐぎゃああああああ!?」

 

 

 

 

「って、沖田さんたちまで巻き込まれるぅぅぅ!?」

「また爆発オチなんてサイテーじゃあああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、カルデアに筋肉の花火が咲いた――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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