FGO-ファイナルデッド・ゴルドルフ-   作:アマシロ

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すまない……定番ネタの上に下品ですまない…。


take3:家に入るときには

 

 

 

 

 

 

 すべてのサーヴァントは、カルデアから退去した――――。

 ただ一人、所長代理を務めるレオナルド・ダ・ヴィンチを除いて。

 

 人理を護るための力、レイシフトは人理への反逆にも用いることができるために凍結され、メインの動力をも封じられたカルデアは“人理を守護する最後の砦”の役目を終えた。

 

 

 

 

『―――――以上、44名。登録認証 オールクリア。』

 

『安全性審査:教会規定 特別免除により、全員のカルデア入館を許可します』

 

『正面ゲート 開放。 ようこそ、ゴルドルフ・ムジーク様。』

 

『並びに国連査問会の皆様。 当カルデアは 皆様の入館を 歓迎します』

 

 

 

 

 

「ほ――――う!

 ほほ―――――う!」

 

「いい! いいではないか! こんな地の果ての工房に期待などしていなかったが、まさか、これほど近代的な施設だったとは!」

 

 

 

 

 胴間声を静寂の中に響かせながら、ゴルドルフ・ムジークはカルデアを歩く。

寒い外から温かい場所へと移った安堵もあったのだろうか。後ろに40名の兵隊を従えて、さあこの場所を奪い取ってやろうと意気揚々と人影に近づき―――――気づく。

 

 

 

 

 

 

―――――――シュコー。

 

 

 

 それは、そう。例えるのであれば。

 ダース・○イダーのような。

 

 

 

―――――――シュコー、シュコー。

 

 

 

 完全に顔の前面を覆うマスクを付けた。

 

 

 

 

―――――――シュコー、シュコー、シュコー。

 

 

 

 

『ようこそ、カルデアへ。早速ではありますが―――――手指の消毒をお願いします』

 

 

 

 

 それは、女の声だった。

 透き通った刃のような、有無を言わせぬ宣告だった。

 

 

 

 

「ほ、ほーう。報告にあったサーヴァント…?」

 

 

 

 瞬間、女が動いた。

 ランクにして敏捷B+、ただでさえ人間を大きく超えるサーヴァントの敏捷の中でもなかなかの速度でゴルドルフに一切反応させずに近づき、止めようとした言峰神父とコヤンスカヤに銃をぶっ放し、消毒用のアルコールをゴルドルフの顔面にぶち撒けた。

 

 

 

『―――――あなた達は何も理解していない! 一年間、完全に外と切り離されたカルデアの人材は病原菌への抵抗力が著しく低下している懸念があります――――』

 

 

 

 そして取り出すアルコールスプレーを容赦なくゴルドルフの顔面に向かって吹きかけていく。後ろにいる警備員たちは全員がマスクをしていることもあって、狙われているのはゴルドルフ、コヤンスカヤ、神父の三人であり。どういうわけかコヤンスカヤはスルーされて残り二人にターゲット集中していた。そして神父は上手いことゴルドルフを盾にしていた。

 

 

 

「ムゴゴゴッ!? き、貴様何を――――ぺっ、だ、誰かコイツを止めォェッ!」

『―――――貴方が、感染症の、原因に、なるのです! 消毒をしなければ! なぜそれが分からないのですか!』

 

「ふむ……お一つ貸して頂けますかな?」

 

 

 

 

 と、いつの間にかマスクを付けた言峰神父が言うと。その謎のサーヴァントはにっこりと微笑んで(たぶん)言った。

 

 

 

『素晴らしい心がけです、神父』

「恐縮ですな」

 

「な、なんだというんだ……ぺっ」

 

 

 アルコールスプレーを受取り、手に吹きかけて刷り込む。

 そうしている間に、ゴルドルフは口に入った70%アルコール消毒剤を吐き出し――――。

 

 

 

『―――――貴方には治療が必要です』

「は…?」

 

 

 

『思うに―――――貴方は、大人しく消毒されるつもりがない! 良いでしょう。ならば私が! 貴方を消毒します! 例え貴方の命を奪ってでも! 私は貴方を救う! 患者になるかもしれない人を救う!』

 

 

 

 

 

 

――――――人体理解、A。

 

 

 

 

 

『――――――殺菌!』

「ぬわぁああああっ!?」

 

 

 

 一撃。鳩尾への一撃でダウンした患者(ゴルドルフ)の服を引き裂き、剥ぎ取り、速やかに消毒液をぶっかける。

 

 

 

 

『――――――体毛の処理が不十分! 清潔!』

 

 

 

 体毛は菌が繁殖する原因になるからね。入院する間は仕方ないね。

 どこからともなく取り出した剃刀で無駄にサーヴァントの能力を活かした無駄にスタイリッシュなムダ毛剃りは実行される。

 

 

 

『――――――殺菌!』

 

 

 

 そして特に菌の多そうな場所目掛けてアルコールをぶっかけ。そのままあと何種類かの消毒液をかけたその女性はようやく満足したのか、次のターゲットに目を向ける。

 それは、既に自ら服を脱いで消毒液を塗っている神父――――ではなく、マスクをつけていたために見逃されていた警備兵A。

 

 

 

 

 

 

―――――――シュコー、シュコー、シュコー。

 

 

 

 見つめ合う二人に、マスクの呼吸音だけが響き。一言。

 

 

 

 

『――――――貴方にも消毒が必要です』

「う、うわぁああああああっ!?」

 

 

 

 

 その底知れないプレッシャーに、思わず逃げる。もし感染していたら燃やして埋められるのではと思わされるような狂気がそのサーヴァント、バーサーカーにはあった。

 外に出ればヘリコプターがある。そんな思いで走った先にあったのは――――とっくに閉まったメインゲート。

 

 

 

『検査拒否――――感染していると判断します! 緊急治療――――!』

「ぎゃあああああっ!?」

 

 

 

 

 

 そしてそうこうしている間に昏倒しているゴルドルフの元を訪れた新たな人物。

 とても親切なそのサーヴァントは、床で寝ているこの人物を起こしてあげようと思った。

 

 なんて親切なのだろうか。

 本来ならば退去していたはずなのに、どういうわけか現れたそのサーヴァントは。きっとそのためだけにここに遊びに来たのだ。

 

 

 

 

 

「モスモスモスモスモスモスモスゥッ! おやおや、お昼寝ですか。お昼寝ですかァ!? ここは床なんですがねェ!」

 

 

 

「ならばこの悪魔メフィストフェレスがぁ! 時計を貸してあげちゃますよぉ! うひゃひゃひゃひゃ! いつものとぉーりに親切、親切! なぁんて珍しいんでしょ! 今日はワルプルギスかもしれませんねぇ!」

 

 

 

 

 カチ、カチ、カチ。

 素敵なお目覚めを約束してくれる素敵な目覚まし時計。

 

 ぐっすり寝ているようなので、火薬の力でどんなに寝起きの悪い人でも起こしてあげられる素敵なものをプレゼント。

 

 

 

 

「―――――おぉっと、燃えやすいアルコールには気をつけてくださいねェ? 二度寝もまた素敵だとは思いますがクヒェヒェヒェヒェ!」

 

 

 

 

 

――――――カチッ。

 

 

 

 

 

 

 その日、カルデアの一室に焔の花が咲いた。

 

 

 

 

 

 

 

『急患―――!? 安心してください、貴方の命は必ず救います! まずは切除!』

「アチチチチッ!? げほっ、げほっ、ぎゃあああっ!? ナニを切除しようとしているんだああああ!?」

 

 

 

 

 

『命と! どちらが大切なのですか!』

「どちらも大切だぁああああああっ!」

 

 

 

 

 

 その日、ゴルドルフがどうなったのか知る者はいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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