すまない……なんかあの狂気が上手く書けなくてすまない。でもせっかく書いたので一応置いときますね。
これも全部宝具スキップ(ry)などと容疑者は供述しています。
すべてのサーヴァントは、カルデアから退去した――――。
ただ一人、所長代理を務めるレオナルド・ダ・ヴィンチを除いて。
人理を護るための力、レイシフトは人理への反逆にも用いることができるために凍結され、メインの動力をも封じられたカルデアは“人理を守護する最後の砦”の役目を終えた。
『―――――以上、44名。登録認証 オールクリア。』
『安全性審査:教会規定 特別免除により、全員のカルデア入館を許可します』
『正面ゲート 開放。 ようこそ、ゴルドルフ・ムジーク様。』
『並びに国連査問会の皆様。 当カルデアは 皆様の入館を 歓迎します』
「ほ――――う!
ほほ―――――う!」
「いい! いいではないか! こんな地の果ての工房に期待などしていなかったが、まさか、これほど近代的な施設だったとは!」
胴間声を静寂の中に響かせながら、ゴルドルフ・ムジークはカルデアを歩く。
寒い外から温かい場所へと移った安堵もあったのだろうか。後ろに40名の兵隊を従えて、さあこの場所を奪い取ってやろうと意気揚々と人影に近づき―――――気づく。
「ほう、そこにいるのが報告にあった――――」
それは、妙に巨大な人影だった。
丸くて、横幅があり、ずんぐりとして――――まるでそれは。オレンジ髪の、キグルミ?
「―――――これは、オルガなんとか所長の分だーーー!」
「ぐはぁっ!?」
―――――ぐしゃぁ。
まるで、キグルミのような拳がゴルドルフに突き刺さり。ゲーティアをも沈めたその一撃はゴルドルフの臓器に深刻なダメージを与え。たまらず嘔吐するゴルドルフにそのキグルミは容赦なく追撃を放つ――――!
「そしてこれが、所長のタイツの分! これが所長のパンツの分! そして所長の○○の分だァァァアアアアッ! 令呪パーンチ!」
―――――説明しよう、令呪パーンチとは。
リヨぐだ子の怒りが限界に達したことで令呪が反応し、ただの拳に魔力ブーストを付与してサーヴァントをも黙らせる、ヤコブ神拳の流れとバリツの教えを汲んだカルデアならではの新たなる世紀末殺法の一つである――――バリツ入ってる。
ズドムッ、とキグルミとは思えないヤバい音を響かせて拳がめり込み、ゴルドルフが倒れ伏す。が、その首根っこを掴んで離さない。
「―――――カフッ」
「そして―――――――これが、これまでに退去させられたサーヴァントの召喚に使った代金の請求だァァアアアアアッ! 全ての令呪を以って代金を請求する!」
「ばっ、私は、関け――――」
「その財布を奪う! 良いから、寄越すのだ! ぬん、ぬんぬんぬんぬんぬんぬん!」
「ぐぼぼぼぼぼぼお!?」
「諭吉、諭吉、諭吉、諭吉、諭吉ッ! 消費者庁よ、金を返し給え――――!」
「や、やめ……カルデアを買うのに幾ら使ったと―――――」
「――――この金の音が聞こえるか!? 酷使の財布、底を断つか――――カネヨコーセ!」
チャリーン、チャリーンと音を立ててゴルドルフから金貨っぽい何かが零れ落ち、右手でゴルドルフの頬を叩きまくるリヨぐだ子は左手を伸ばしてその金貨を集めていく。
「チッ……どうやら素直に渡すつもりは無いらしいな」
「………も、もう持っているのは全てだぞ……」
本当に有り金を根こそぎ奪われたのだが、ぐだ子にそんなことは関係ない。どこからともなく取り出した最上級の神秘を宿した剣を上に向かって放り投げる。
「其れはもう一振りの星の聖剣――――かつ、負債を回収するもの!」
「……はァ!?」
「――――――
それは、約束された勝利の剣と並ぶ最上級の聖剣のうちの一振り――――。
疑似ATMを搭載し、相手の銀行口座を直接焼き払うという、エクスカリバーとは異なる範囲攻撃!
その威力はATM残高の120%にも相当し、直接食らえば全額喪失どころか借金すらも負わせるという最上位の聖剣に相応しい効果である。財布にアイアス不可避。
「これは………どうやら勝負あったみたいですね」
解説の如く、極めて冷静にそう論評するのは言峰神父。
「うーん、お金ある人って素敵ですよね?」
いつの間にかコヤンスカヤはぐだ子の傍に。
「ありがとう、ガウェイン卿……再召喚したらポテト大量にプレゼントするよ」
そうして、新所長はリヨぐだ子となった―――――。
以降、ゴルドルフの姿を見た者はいない…。
あと年末で世界は滅んだ。