薄荷色の抱く記憶   作:のーばでぃ

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第06話「海」

夜の浜辺をクラゲのランプで照らして歩く。

ぼんやり照らされる砂の絨毯は、良く見ると貝や蟹が埋まっている。

寄せては返す波の境界線には、海草や珊瑚の欠片が流れ着いていることもある。

夜にランプ程度の明かりではあまり良く解らなくて、さっきからしゃがみこんで観察すること数回。

なるほど、見当たる貝殻の殆どが砂と同じ色をしているなあ、と感心したりもした。

 

「――お前、こんな時間に何してるんだよ……」

 

呆れたような顔をしたシンシャがいる。

 

「シンシャと話したくてさ。ついでに博物誌書く為の観察、かな」

 

特にメモってはいないけどね。

おねむの所をつまみあげていた白い貝殻を、砂の中にそっと戻して立ち上がる。

 

「ろくにお礼も言えなかったしさ」

「――お礼の件も朝礼に出れていなかった理由も、ルチルから聞いてるよ。……王サマとやらは良いのか?」

「おねむしてるよ。だからこそ、ボクがシンシャと話せるのはこの時間しかないって気づいたんだ」

 

王サマ担当のボクは、だからこそ朝礼には参加できない。防衛計画のすり合わせが毎回行われる朝礼は普通に考えて機密事項だしね。

先生は別に参加しても構わないってスタンスみたいだけれど、流石にジェード、ルチル、ボク、おまけに王サマ自身にも反対されたので考えを改めてくれた。

これは王サマへの信用ではなく、情報取り扱い者としての意識の問題だ。

 

……でもそのおかげで、シンシャが気を揉む事になってしまって申し訳ないと思ってる。

朝礼に参加してくれるようにお願いしたボクが参加できない事態になるなんて、全然想定してなかった。

 

「改めて、助けてくれてありがとうねシンシャ。――あのまま戻れなかったと思うと、ちょっと色々ゾッとするよ」

「……別に。今回は本当に『口を出しただけ』で大した事はしていない。……いつものお前と、同じ事をしただけだ」

 

そっぽを向いてシンシャが呟いた。

 

『口を出しただけ』……か。

いつもお礼を言われたボクが言うセリフだけど――それでも、当事者になってみると嬉しい事だったんだなぁって思う。

 

「今日も変わらずツンデレだなぁ」

「……なに言ってるか判らないが、ロクでもない事喋ってるってのぐらいは判るぞ」

 

あ、『ツンデレ』を博物誌に記載してシンシャに見せると言うプレイは凄く楽しめるのではなかろうか。

……悟られたのか、怪訝な目で睨み付けられました。

 

「あー……まず、朗報を。アマルガム計画のメンバー全員、参加の意思を確認出来たよ。つまり、計画スタートが決定した」

「!……そ、そうか……。いよいよ、始まるんだな」

 

シンシャがメインになる大プロジェクトだ。

今までの水銀に対するあれこれがプレッシャーになっているのか、若干緊張の固さが見える。

 

「……で、少しだけ悪い知らせが。直ぐの開始がなくなった。状況によるけど、説明会がちょっと伸びる」

「今の、現状の事だな。博物誌で伸びるのは考えにくいから……王サマの件か?」

「うん――ごめん」

「別に……フォスのせいじゃ無い。誰が悪いって訳でもないけれど。

――ただ気になるのは、並行作業も出来なくなるほど優先度が高く重要な案件を、恐らく王サマが持ってきたって事だろう?何があったんだ?」

 

ああ、シンシャは察しが良くて話が早いわ。

そして残念な気持ちを顔に出さないようにしているのとかスゴい健気。

 

「……その件でちょっと相談したかったんだ。アドミラビリスの住む地に伝わる伝説があるらしいんだけどさ……」

 

ボクは会議室であった事をひとつひとつシンシャに話していった。

魂と肉と骨の話。月人の目的の話。

海にいると言う、ボクらに似た姿の肉を持つ者の話。

 

――そして、王サマの故郷へ行く話。

 

最後の辺りで、シンシャの眉が歪んだ。

 

「月人が故意に落としたヤツの言に乗って、未知の海に行く……のか?」

「そうだよね!やっぱそこ気になるよね!?そこだけ切り取ったら普通に罠だよね!?

……だからボク、王様と二人の時に聞いてみたんだよ。その『肉の者』とアドミラビリスってどんな関係なの、って」

「なんて答えた?」

「サプライズじゃ、行けば分かる。度肝を抜くぞ……だってさ」

「真っ黒じゃないか」

「そーなんだよ」

 

でも、話自体無視する訳にはいかない内容なんだよね。

即興で考えたにしては筋が通ってるから、多分ある程度真実が混じってる。

その真偽確認の為だけにリスクを冒すとしても価値のある案件だと思う。

重要なのはこれが罠であった場合、その事実がそのまま大成果に繋がると言う事だ。

なぜって、この件に月人が絡んでいるのなら、それは月人とコンタクトをとる方法があると言う事の証明に繋がるのだから。

うまくいけばそこから月人の目的を探ったり交渉したりと言った領域に踏み込むことが出来る。

数千年、数万年と変わらず続いてきた『誘拐犯と撃退者』と言う意味の無いサイクルを終わらせる事が出来るかもしれない。

 

「……つまり、罠前提で挑む訳か」

「そうなる。で、海に行くメンバーを検討中。ボク個人としては……シンシャに来て欲しかった、んだけども」

「お、俺は無理だ!海なんて、そんな……毒液をまき散らしてしまう」

「はい、察しておりました……」

 

今ではかなり上達している水銀制御も海の中でどうなるかは未知数だ。絶対拒否が来る事は分かってた。

それに多分、無敵の月霊髄液も海の中では通常通り運用する事は困難だろう。

 

そんなわけで、一応今考えている編成をシンシャに伝えてみる。

 

「――ッ!?そうか、その手があったか!名目も立ちやすい。良い人選じゃないか」

「いえ。足りないのです……」

「足りない?何が?」

「頭脳役」

 

うちのメンバー、なんと言うかこう、戦闘力と頭脳が両立している奴がシンシャぐらいしかいないんだよなぁ。

って言うか頭の回転と硬度(≒戦闘能力)の値が反比例しているように思えて仕方がない。

ボルツなんてあれ、戦闘力はあってもほぼバーサーカーだぞ。FGOとかに参戦したら絶対バーサーカーだ。

ダイヤは器用だから戦略計画も学べば高水準で纏まってくれるとは思うけど、現時点では経験はない。

ジェードは頼もしいけど頭固めだから、多分搦手に対応出来ず、単体では頭脳役には一歩届かない。

最適解はシンシャだけど海と言うフィールドが邪魔だ。

ユークに劈開が無ければ、もしくはある程度戦闘も務める事が出来たって言うラピス・ラズリが今も残存していてくれれば喜んでメンバーに入れたのにぃっ!

 

「必要ない」

 

シンシャがそう切って捨てた。

 

え?っと視線を向けてみれば、まっすぐ伸ばした人差し指をボクの額に突き付けている。

 

――なにを示しているのか、解かってしまうのが嫌だ。

 

「……いやぁ。いやいやいやいや。いやいやいやいやいやいやいやいや」

「適任じゃないか。どうせ参加は確定してるんだろ」

「そぉだけどぉ!ボクには荷が重すぎるってぇ!!

たまに何て呼ばれるか知ってる?『アフォス』だよ!?アホとフォスで『アフォス』だよ!?さらにレベルアップすると『アフォスぎ』になるんだよ!?ちょっとウマいとか思っちゃうんだよ!?」

「言い切って良いけど、」

 

突き付けた指を下ろしながらシンシャが言う。

 

「フォスが出したメンバーの中で、罠前提で考えているのは恐らくフォスしかいないだろう。先生だって、純粋に『肉の者』とのコンタクトしか考えていない筈だ」

「う……それは……そうかもしれないケド……」

「前、言ってたな。計画の事を話してくれた時――自分は結構思いつきの猪突猛進タイプだって。俺はそうは思わない。……確かに、思い付きで行動する面もあるとは思う。だけどそれ以上に、お前は色んな事を考えてると思う。

毒液の事が無くても俺を計画に誘ってた、って言ってくれたな……俺も同じ事を返すよ。

 

――俺がそのメンバーを検討するのであれば、フォスフォフィライトの名は絶対に入れる」

 

うっく、と声が詰まった。

シンシャが真剣に、ボクの目を見てそう言っている。

 

「……そ、ぅ、かな……?」

「出来るさ。――そもそも、今回は最低限行って戻って来れれば大成功なんだろう?

『肉の者』との友好、開拓。月人の情報、ともすれば交渉や月への航路開拓か?――確かにチャンスはかなりあるだろうけど、所詮付加価値に過ぎない。行って戻る、さえ出来れば付加価値なんてなくとも十分過ぎる」

「……」

 

そうだ。

だからこそ、海に行く事を決めたんだ。

 

「――気負い過ぎなくていい。これが最後のチャンスかも知れなくとも、知ったことか。

みんなそう言う。先生も、ルチルも……俺だって。ちゃんと、戻って来てくれれば良い」

「シンシャ……」

 

視線を逸らしてそっぽ向きながら、それでもシンシャはそう言ってくれた。

――ランプの明かりにぼんやり照らされるシンシャの顔は、心なしか赤く染まっている気がした。

 

「……うん。ありがとう。やっぱりシンシャと話せてよかった。

 

――やってみるよ」

 

覚悟は決まった。

シンシャが小さく、「……気を付けて」と激励してくれた。

 

 

@ @ @

 

 

「――約束!この一回こっきりだけだからね!」

 

未完成な上にそもそもジャストサイズじゃないんだから!とプロの不満を並べるレッドさんです。

レッドの言うジャストサイズの意味がボクにはわからない。普通に着れるんだけどなぁ……この防護服。

 

防護服の目的は海中の危険から身を護るため……ではなく。

砕けてもバラバラに飛び散らないように、つなぎのようなワンピースタイプの服を要求した為だ。

条件に合う服を聞いたら、以前作っていたと言う対シンシャの毒液用防護服が該当したなんてすごい偶然。

 

「うん、わかってる。ありがとうレッド」

 

体をねじって動きを確認。

……なんてーか、普通に良く出来てるなこの防護服。

仕組み上、前をボタンで止める必要があり、何らかの作業で引っ掛ける可能性がある事が弱点っちゃあ弱点か。ファスナー作る技術はないから仕方ないけど。

 

「フォス~、本当に持ってくつもり~?備えが必要って言うのは判るけど、海の中だよ辛いと思うよ~?」

「私もその点は不安だが……出来る事はやっておきたいと言われてはな……」

 

ボクの代わりに先生が答える。

オブシディアンから受け取ったのは、彼が作った中で一番軽い剣だ。

例え一番軽くても、受け取ってみるとズシリと重い。

少しだけ抜くと、黒く輝く刀身にボクの顔が映った。

――このぐらいならいけるかな、と思う。

 

「使う機会がないなら一番良いんだけどね。未知の場所に行くなら、守ってばかりでもなお手が足りない時を想定しておきたくて……さ」

 

腰に差しながらテクテク離れる。

長さも重さも、一番軽いというこの剣がボクにはちょうどピッタリのようだった。

『かつてのボク』をイメージしつつ、ゆっくり吸って、そっと吐く。

 

「――フッッ!!」

 

抜刀。

シュピッ、と黒い刀身が空気を裂いた。

柄を正中線に置いたまま足を引いて体を開けば、隙無く刹那に剣は抜ける。

 

――抜き即斬。

そして一歩踏み込み、腰と胸の力を使って斬り上げ、間髪入れずに袈裟斬り。

手の内は斬る瞬間に小指から順に締めれば、刃の重さと鋭さで綺麗に斬れる。

 

「――疾ッッ!!」

 

下がりながら左右に斬り返し。

……腰の辺りがピキリと鳴いたけどまだ大丈夫。

腕で振ったら腕の付け根が割れそうな我が身の脆さが目に染みる。

 

体が悲鳴をあげたので、最後に正眼に構えて終わりにしておく。

ゆっくり呼吸して残心。

そのまま剣を回して納刀――ッッ!?

 

「――どわっとぉっ!?」

 

後ろから袈裟気味に飛来した黒い剣閃に対して反射的に抜刀した。

ギャリリリリリッッ!!と音を立てて、その一撃を受け流す。

やべっ、体勢とタイミングが悪い、体勢が、たi「パキンッ!」――あふん。

 

「……ほう。寸止めしてやるつもりだったが、しっかり反応してくれるんだな」

 

こういう真似する奴は一人しかいない。

 

「ボ、ボルツさん……弱い者イジメはカッコ悪いとフォスさんは思うんですが……」

「しっかり反応した上に完璧に受け流しておいて弱い者イジメとは心外だ。半端に剣を握るぐらいなら持たない方が良いと思っていたが……なるほど、最低限一手稼ぐだけの技量はあるみたいだな」

 

それ確かめる為に死角から袈裟切りとかちょっとボルツさん厳しスギィッ!

 

「ボルツ。意図は解るが……今のは少し危な過ぎる。以後、控えなさい」

「……はい、先生。すみません」

 

先生に頭を撫でられると途端にしおらしくなるボルツである。

でもね。謝る先は先生じゃなくてボクだとフォスさんは思うんですけどもね?

 

「フォス。今のはもしかして、イアイ=ドーとか呼ばれる技か?鞘中にて相手を牽制すると言う……」

「え?……あ、はい。ボクのはある意味で我流ですけども」

「ふむ。……オブシディアン、片刃で三日月状に反っている剣はあるだろうか?」

「ええ?う~ん、さすがにそんなヘンテコな剣は作ってないですね~」

「あ、刀身短めだからこのぐらいなら直剣でも大丈夫です。無理に刀に仕立てなくても取り回せます」

 

何度か振ったら体がバラバラになりそうだけど、は言わなかった。

っつーか、アホボルツのせいで腰が既にお亡くなりになってるんですけども。今ボクの上半身、『乗ってるだけ』になってるんですけども。

 

「――すまなかった、フォス。どこかでお前を見くびっていたのかもしれない。剣を持つ事を許可しよう。今回は間に合わないが、後でオブシディアンと相談して、お前に合った剣を作って貰いなさい」

 

そう言って先生の手が優しくボクの頭に置かれ……

 

「――あ、」

 

ガシャン、と今日のノルマを達成してしまうのでありました。

 

――ちなみに、帯刀許可は2秒で取り下げになりました。

今回の遠征時もダメだってさ。

……ボルツめぇ……ッ!

 

 

@ @ @

 

 

『宝石の体だと、色々準備がいるんじゃなぁ』

 

耐塩樹脂をペタペタ塗るボクの隣で王サマが感心するような声を上げる。

 

「ボクらの今見えている肌の色は白粉の色だからね。このまま海にはいると白粉が流れてスゴい姿になっちゃうんだよ」

『ありのままで、じゃイカンのか?』

「宝石の反射率や屈折率舐めちゃダメよ?そのままだとどこが目でどこが鼻か判んなくなるんだから。自分自身でもキラキラしすぎて前が見にくくなる」

『難儀な体じゃなぁ』

「その点については同意かなぁ。潮水もあまり良くないし、そうでなくとも毎日割れるし」

『それお前だけな』

 

このウミウシめ、余計な知恵をつけやがる。

 

「王サマの故郷って、どんな所?」

『うん?……そうさなぁ……』

 

王サマ用の器の中で物憂げに延びをした。

 

『当然ながら景色の様相が陸とは大分違う。わしの故郷に限らんが、朝日の差した水面が波で揺れる様はたいそう綺麗でな。お前の髪もいい線いっとるが、あの景色には負けるな』

「なにおーぅ?」

『はっはっは。……海には木々の代わりに珊瑚と呼ばれる石灰質の木が生えていてな。これもまた色鮮やかで、群生した珊瑚の森林に光が差し込んでいる景色など圧巻の一言だ。

残念ながらルートがズレるので今回は見ることは出来んが』

「へぇー……魚はいるの?ボクなんだかんだ言って、海を泳ぐものはクラゲしか見たことが無いんだ」

『おるぞ。ときどき群れを作った者達が、頭上を横切って行くのを見る。意思の交わせない下等な者たちであるが、その姿は美しい』

「おおぉー……」

 

遥か昔にテレビで見た、スキューバダイビングの様相そのままが王サマの口から語られてる。

隕石墜落×6と言うイジメもかくやな環境破壊を受けてどうなってるんだろうと思ってたけど、どうやら宇宙船地球号は思った以上にタフだったようだ。

 

『――ただな』

 

王サマが寂しそうに口にする。

 

『それは月人に我々が蹂躙される前の話じゃ。……きっと、美しい物は荒らされ、奪われているのだろうと思う。今の姿はわしにも解らぬ。

――本当はな。海に肉の者がいると言うのは嘘ではないが……故郷の姿を見ておきたかったんじゃ。

二度と戻れぬ覚悟はしたが、かつての海がそこにあると解ってしまえば、どうにもなぁ……』

 

荒らされているのだろう。

かつての姿は残っていないのだろう。

きっと、絶望しか無いのだろう。

 

――それでも、故郷に帰りたい。

 

弱々しくそう口にする王サマの言葉が耳に残る。

寿命があるからこそ、それが終わらないうちにと言う王サマの気持ちは、すんなり汲み取ることが出来た。

……この渇望に、きっと嘘はないから。

 

『……すまん。苦労を掛ける』

 

きっと色んな意味が込められているその言葉に、ボクも色んな意味を込めてこう返した。

 

「いいさ。ボクと王サマの仲だもの」

 

――きっと、互いに気付いている。

 

 

@ @ @

 

 

皆が見送りに来てくれていた。

その見送りの中に、遠巻きに此方を眺めるシンシャもいる。

その姿に向かって親指を立てると、照れ臭そうにそっぽを向くのだ。

――留守の事は任せてあった。シンシャなら、信頼できる。

 

警戒シフトも特殊なものだ。

学校周辺に見張りを限定し、月人にはボルツとシンシャの二人がそれぞれ警戒の輪を作る。

新型旧型含め、これを抜けられる月人はちょっと考えられない。

 

「留守中は苦労を掛けるが――任せたぞ」

「はい。ご武運をお祈りしています」

「ユークレース。負担を掛けてしまうが、後を頼む」

「大丈夫。安心して行ってきて!」

 

王サマの入った容器をしっかり持って、海を臨む。

 

『まさか彼が一緒に来てくれるなんて、わし今から超楽しみ』

「道中ナンパな事ばかり通訳させないでよね、王サマ!」

「ではウェントリコスス王。此度はよろしくお願いいたします」

「よ、よろしくお願いいたします!」

『あ、ちなみにわしのエスコートは金剛サマがやってくれるとさらにテンション上がったりするんだけど、どお?』

「……こちらこそ、よろしくお願いします。よき旅にしましょうとおっしゃっています」

『ヘイッッ!?』

 

始まる前から頭痛を覚えたりもするけれど。

 

金剛先生。

ジェード。

そしてボク、フォスフォフィライト。

 

「行きますか。博物誌の1ページじゃない――これは、歴史の1ページだ」

 

――海へ、挑みます。

 




フォスの博物誌
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その5「ツンデレ」
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人物を魅力的に魅せる萌え属性のひとつ。
特定の人物に対して敵対的な態度である「ツンツン」と、過度に好意的な態度である「デレデレ」の二つを持つ様子、またはその態度の事を指す。

元来、「ツンツン」と敵対的だった人物が度重なる交流の末にほだされ、「デレデレ」と好意的な面に塗りつぶされる例の事を指したが、時を経て誤用され、内心では「デレデレ」なのに態度では突き放してしまう素直ではない態度の事を指すようになった。

凡例としては、
(ここから先はビリビリに破かれている)


@ @ @


「お、おまえ、博物誌にこんな下らない項目を追加するのに飽きたらず、凡例として勝手に人の発言語録記載するとかなんのつもりだッ!!」
「いやぁ、ついね?衝動的にね?」
「俺のどこにデレデレ要素があるんだよっ!」
「えー……今まさにほっぺが赤くなってるところ、とか?」
「う、あ……っ、知るかバカぁっ!!」

――以上の経緯のため、その5はボツページになりました。
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