辞めたい提督と辞めさせない白露型   作:キ鈴

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夏鮫ちゃん
まさかまさかの本編再登場。しかも主役です。
主演ジョーズ賞受賞。

提督
まぁ、たまにはこんなのも悪くないんじゃねーの。

夕立
ナンバーズハンター。



夏鮫ちゃんのなが~い一日

 

 

 

 拙者、名を夏鮫と申す。

 

 鮫の名を頂戴しているが・・・実はサメではなくイルカでござる。拙者を初めてみた艦娘どもが『見て!見たことのない魚がいる!』『いえ、あの背鰭を見るに魚ではなくサメですね。なんと勇ましい』『サメ!?やばっ!超やばい!』『ええ、やばいです』と勘違いした事が原因でサメ認定を受けてしまった。

 

 やばいのはお前らの頭でござる。どう見てもイルカでござろうが、拙者あんなに厳つい顔してないでござる。ぐっ・・・思い出したら拙者の乙女心が傷を・・・。

 

 しかし、深海棲艦が現れてからというものサメやイルカを見ることはさっぱり出来なくなってしまった。故に拙者とサメの区別がつかないのも詮無きことでござろうか・・・。

 

 だがサメと勘違いされているが拙者もこの鎮守府に身を置くようになってかなりの月日が流れ、それなりに楽しく暮らしているでござる。本日は拙者がこの鎮守府でどのような暮らしをしているか貴殿らに紹介したいと思う。

 

 

  ◇ ◆ ◇

 

 

8:00

 

 朝、どこででも眠る事のできる拙者は眠くなればその場で睡眠を取り、見たことのない海域に流されるということがままある。乙女なのだから其の辺もう少し気を遣わねば。しかし、運のいい事に今日は波止場の窪みに身体がはまり流されずに済んだようでござる。

 

 ちょうど我が主君が拙者に朝食を与えてくれる時間でござる。鎮守府正門まで行くでござる。

 

「はい夏鮫。今日の朝ごはん」

 

 この御仁は我が主君である春雨殿。昔、『王下七武海』『一尾の尾獣』『十刃(エスパーダ)』と恐れられていた拙者は我の縄張りを荒らす深海棲艦共に単身奇襲をかけた。

 

 しかし何分多勢に無勢・・・返り討ちにあい瀕死の状態で海を漂っていた拙者を助けてくれたのがこの春雨殿でござる。

 

 そしてこの御方に忠義を尽くそうと決めた拙者は七武海、尾獣、十刃全ての称号を返上し春雨殿の配下になったのでござる。

 

「口開けてください。はい」

 

 春雨殿が皿を傾けて乗っていた麻婆春雨を拙者の頭上にヌルンと落とす。それを拙者は口で受け取り咀嚼する。もきゅもきゅもきゅ。・・・うっ・・・!今日の辛さレベルは8!体全身に痛みが走り1時間は動けなくなる辛さ!ちなみにMAXは15で某CoCo○の10辛カレーの100倍の辛さでござる。いやCoCo○のカレー何て食べた事ないでござるが。

 

 ちなみに春雨殿は麻婆春雨しか食べさせてくれない。多分ドックフードか何かだと思っている。

 

「美味しい?」

 

 鬼辛麻婆春雨を食す拙者を可愛いものを愛でる様に見つめる春雨殿。ぐ・・・武士として主君を悲しませる訳には!

 

もきゅもきゅもきゅもきゅ!

 

「え?もう全部食べちゃったの?もう、ゆっくり食べないとだめよ?」

 

 ・・・・これが武士道とは死ぬことと見つけたり。グハッ!

 

 

 

10:00

 

 麻婆春雨によって与えられた状態異常【麻痺】から回復した拙者は腹ごなしに鎮守府近海をゆらゆらと散歩していた。

 

「おーーーい!夏鮫さん!」「こっちだZE!」

 

「おっ!秋鮫に冬鮫!」

 

 拙者に話しかけてきたこの2匹は秋鮫と冬鮫。拙者と同じくこの鎮守府のペット枠でござる。ちなみに両名とも鮫でない。秋鮫は秋刀魚で冬鮫はサーモンでござる。

 

「どうしたでござるか二人仲良く」

 

「今から秋鮫と一緒に夕立に闇のゲームを仕掛けに行こうと思ってYO」

 

「闇のゲーム」

 

「あの駄犬、一回分からせてやらないときがすまねえYO!」

 

おいおいこいつ死んだわ。拙者は秋鮫殿に止めてやれよと目線でめっせーじを送る。

 

「もちろん僕は止めましたよ?でもダメでした。」

 

「夏鮫もついてこいYO!」

 

「あー拙者、ちょっとお花を摘んでから向かうでござるよ」

 

 多分このままついて行ってもろくな事にはならないでござる。

 

「わかった!絶対だZE!」

 

 

   ・   

   ・  

   ・  

 

 

 さて、冬秋コンビはどうなったでござろうか。正直夕立殿には近づきたくないが義理人情としてあの2匹を放って置くこともできない。・・・と2匹の元へ向かうところで声が聞こえた。

 

『夕立はLv4の冬鮫とLv4の秋鮫でオーバーレイネットワークを構築!!』

 

『やめろ・・・!やめてくれ!もう逆らわないから!』※魚類語です。

 

『もう遅いっぽい!現れろNO.101!満たされぬ魂を乗せた方舟よ、光届かぬ深淵から浮上せよ!S・H・Ark Knight!!』

 

『『ぐわああああああああ』』※クドい様ですが魚類語です。

 

『・・・雑魚が』

 

「秋鮫!?冬鮫!?」

 

 2人の悲鳴が聞こえる場所に急いで駆けつけた拙者が見たもの・・・それは異形の生物。やたら身体がトゲトゲしていて顔もない。

 

「ああ、夏鮫こんな所でどうしたっぽい?」

 

「夕立殿・・・。その生物は・・・」※魚類語

 

「ああこれ?新しいナンバーズっぽい。さっきできたの」

 

『タ ス ケ テ』

 

 異形の生物が拙者に助けを求める。その目には涙が浮かんでいた。

 

「・・・こいつは鮫のナンバーズでござるか?」※魚類

 

「・・・そうっぽいね」

 

「もう一つ質問いいですか・・・冬鮫と秋鮫どこにいった?」※魚

 

「・・・君のような勘のいい魚類は嫌いっぽい」

 

 

  ◇ ◆ ◇

 

 

14:00

 

 とりあえず秋鮫と冬鮫は速攻魔法『エクシーズ解除』で救出した。2匹は気絶しているのでまたひとりでゆらゆらと泳いで散歩していると。我が主君、春雨殿が懸想するこの鎮守府の主がいた。

 

「うーちゃん俺に力を貸してくれ」

 

「フッ、何があったかは知らないけどうーちゃんに協力要請とはお目が高いぴょん」

 

「先日うちに着任した浜風の野郎が生意気なんだ。一泡吹かせてやりたい」

 

「得意分野ぴょん。任せるぴょんぴょん」

 

 

   ・

   ・

   ・

 

 

 一時間後、司令官はパンツ一枚で海に落ちてきた。

 

  

 

 

  ◇ ◆ ◇

 

 

 

16:00

 

「ちっ、強えな!おい!」

 

「おい暁達!応援を呼んで来い!その間、俺と天龍は時間を稼ぐ!」

 

「だめよ!摩耶さん達が持たない!」

 

 鎮守府から少し離れたところまで散歩にくるとうちの艦むす達が戦艦ル級と交戦している。遠征メンバーの彼女達では少々手に余る敵でござる。

 

「ああ?なめんなよ?沈めるのは難しいが時間位いくらでも稼いでやるよ。なあ天龍?」

 

「ああ。とうとう使う時が来たみたいだな。俺の改二を!」

 

「改二!?天龍さん改二になったの!?」

 

「ああ。だけど俺の改二はちょっと恐ろしい姿になっちまうからな。あまり人に見られたくないんだ。だからお前は応援を呼びに行ってくれ」

 

「天龍さん・・・わかったわ!直ぐに呼んでくる!それまで沈んじゃダメなんだから!レディとの約束よ!」

 

 そう言って暁は鎮守府に向かって行ったでござる。

 

「んで?お前ほんとに改二になったのか?」

 

「なわけないだろ」

 

「だよなあ・・・まっ!しゃあない!沈むの覚悟でやってみるか!」

 

 

 見事。 見事なり。貴殿らの男気確かに見た。

 

 

「うお!夏鮫!?なんでこんな所に・・・危ないから早くもどれ」

 

 ここは拙者に任せるでござる。

 

 大きく、大きく口を開けて~

 

ドンドン

 

 敵の砲弾を全て口で受け止めて~

 

 敵を頭から

 

「がぶり!」

 

 もっちゃもっちゃ。やっぱり深海棲艦はまじぃでござるな。春雨殿のまーぼーはるさめで舌が肥えてしまったでござる。

 

「艦娘ってなんなんだろーな」

 

「・・・さーな」

 

 

  ◇ ◆ ◇

 

 

18:00

 

 そろそろ春雨殿が晩御飯を用意してくださる時間でござるかな等と考えながらゆらゆらと泳いでいると波止場に腰掛ける夕立殿が見えた。その手にはマグカップが握られている。

 

「夕立姉さんこんなところでなにしてるんですか?」

 

「ぽいっす海風、春雨。私もたまには海も眺めて黄昏たい時があるっぽい」

 

「そういうの素敵ですね。はい。因みになにを飲まれているんですか?」

 

「これ?提督から絞りとった白い液体」

 

「もう夕立姉さん!そういう誤解を招くような発言は辞めてください、ただの牛乳でしょ!春雨姉さんからも怒ってください!…てあれ?春雨姉さん?」

 

「一瞬で何処かに消えたっぽい…」

 

『うお!?春雨ちゃん!?どこから現れたの?えっちょっとなんでスボン脱がそうとするの。ちょっちょっとやめてくれーーーーー!』

 

「……夕立姉さん後で提督に謝ってくださいね」

 

「ぽいぃ…」

 

 

 

 

 拙者はおおよそこんな毎日を過ごしているでござる。春雨殿の手料理を食べ、お兄さんや艦娘達と戯れる。こんな毎日が結構気に入ってるでござるよ。

 

 

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