辞めたい提督と辞めさせない白露型   作:キ鈴

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白露
ソシャゲーマー。
人類最後のマスター兼、騎空士兼、指揮官。
最近はZ/Xというカードゲームにもお熱。

時雨
提督に距離を取られると結構傷つく。

夕立
駄犬・・・というより頭のネジが数本吹っ飛んだ馬鹿。
やっていいことと悪いことの区別がついていない。

春雨ちゃん
主武装であるドラム缶型爆弾で全てを破壊する。

五月雨くん
山風と久しぶりの登場。

海風さん
お兄さんすきすき。かまってかまって。

マジギレ浜風さん
元は穏やかな心を持つ少女だったが提督への怒りにより激変。マジギレ浜風という亜種艦娘となる。
最近は激おこくらいに抑えられる様になった。

夏鮫ちゃん
黒塗りの深海棲艦に追突してしまった夏鮫ちゃん。彼女に言い渡された示談の条件とは?





辞めさせない白露型の円卓会議

 草木も寝静まる丑三つ時。唯一あかりの灯る部屋がある。あたしこと白露が率いる円卓の騎士の部屋だ。

 

「はい!第19回白露型円卓会議を始めます!今回司会を務めるのはあたし、白露です!」

 

「円卓っていうかこれ、ただの中華テーブルですよね」

 

「こんどはアーサー王伝説がブームみたいです」

 

 春雨と海風がなんか言ってますが気にしません。あっこら山風、テーブルのくるくるする部分をくるくるしないで!雰囲気台無し!

 

「はい!点呼とります!呼ばれたら返事してね!」

 

「パーシヴァ↑ル↓さん」

 

「海風です。ヴァルの発音面白いので止めてください」

 

 うるさいなあ!難しいの!

 

「ランスロットさん」

 

「春雨です」

 

「モードレットさん」

 

「江風だ。誰が裏切りの騎士だよ」

 

「ベディヴィエールさん」

 

「はい」

 

私のネタに乗ってくれるのは五月雨だけだよ…

 

「ガウェインさん」

 

「ちがう!夕立!」

 

「アグラヴェインさん」

 

「なんで僕がアグラヴェインなのかな?ん?」

 

 こっわ、お前そういうとこだぞ。

 

「……山風」

 

「なんであたしだけ普通……?円卓の中に山風交じってたらおかしいでしょ」

 

 もーーーーー、皆ノリ悪い!山風はなんかごめん。もういい!なんか疲れた!

 

「村雨は提督の監視、涼風は哨戒任務中だったね。では全員そろったところで会議をはじめます!五月雨、ホワイトボードの準備を」

 

「べディヴィエールです」

 

 ちょっと気にいってたのか……。

 

 

「今回の会議の議題は3つ!」

 

 あたしはきゅっきゅっとボードにマジックを走らせる。

 

①浜風について

②提督はどうして軍を辞めたがっているのか

③②を踏まえてどうすれば提督にここにいてもらえるか

 

「今回はこの3つについて情報の共有と意思の統一を行いたいと思います!まずは①の浜風についてだね。この件は時雨が詳しいんだよね。時雨、彼女は提督の腕をいきなり折ろうとしたらしいけど何があったの?」

 

「あーこの件はちょっと説明が難しいんだよね。簡略化すると浜風は提督の為に艦娘になったんだけど提督はずっと着任拒否してて浜風が怒ったってところかな」

 

「そういや、何年もここに着任申請出してる浜風がいたな」

 

「江風も知ってたんだね。後で詳細をまとめて白露型の情報共有SNSに貼り付けておくよ」

 

「それで今はどうなんですか?また提督に危害を加えるなら放っておけません」

 

うんうん、春雨に次ぐ提督大好きっ子の海風としてはそこは重要なポイントだろうね。

 

「それは大丈夫。今回の件も提督が悪いしね。それにここに着任してから浜風は提督にずっと甘えてる。提督が大好きなんだ彼女。それに戦力にもなる」

 

「加賀さん、瑞鶴さん、それに援護があったとはいえ金剛さんを倒したんだよね。それに女神を使って春雨も」

 

「はい、まともな戦闘なら私の方が強いでしょうけど浜風さんの執念はすごいものでした。今思えばあの執念は司令官を思ってのものだったんでしょうね。はい」

 

「ならいっそ捕獲班に浜風もさそえば……?」

 

 山風、あんた一人でも捕獲班の人員を増やして自分の負担を減らそうとしてるのがバレバレ……。

 

「あーそれは無理だと思う。捕獲班は機密保護の観点から僕達白露型に限定されてるからね。これ以上人を増やすっていうのは上が認めないよ」

 

「そう……」

 

「んじゃあ①の浜風については経過観察及び警戒ってことで!」

 

 ボードに記入する。

 

①浜風について→経過観察、監視

 

「じゃあ次②!提督はどうして軍を辞めたがっているのか?について。これ知ってる人挙手!」

 

「はい」

 

「海風さんどうぞ!」

 

「以前私が直接伺った時は『俺は引きヲタクソニートだからな。こんな人が沢山いるとこにいられるか。俺はダンゴムシみたいに、冷たい石の下の暗い空間の様な場所で一人丸まっていたいんだよ』と仰ってました」

 

 言いそうだなあ……。

 

だが 海風の説明を聞いて江風が納得いかないと声を出す。

 

「その引きヲタクソニートってのが何かわかんないけどよ、普通こんなハーレム状態でまだ引きこもりたいなんて言うか?艦娘全員に慕われてるのによ」

 

「もしかして男色の気が」

 

「ちがう、よく榛名さんの腋みてる」

 

「詳しく」

 

「詳しく」

 

「ひっ、それ……だけ」

 

「はいそこ!私語禁止!」

 

 我が妹ながら春雨と時雨は提督絡みだと恐怖を感じる、、、山風じゃなくても怯えるわ。

 

「はいはい!ならつぎは③のどうすれば提督にここにいてもらえるか!これが一番重要なんだから!」

 

「はい!提督さんを鎖で繋いでおけばいいっぽい!」

 

 過激派がおるな?

 

「いや、そうじゃなくてね。提督がどうすれば自分の意思でここにいてくれるかって話ね?それに鎖につないだりしたら他の艦娘が怒るよ」

 

「ぽい……」

 

「やはり私がお兄さんの子供を宿すしか・・・」

 

 過激派(実動)もおるな?

 

「……」

 

「どうしたの時雨?まさかあんたも子供を……」

 

 この子もちょっと危ないところあるからなあ。

 

「そうじゃないよ。ただこの前大将さんが来た時に気になる事を言っててね」

 

 そういえば演習で浜風を連れてきたのは大将だったわね。

 

「詳しくは教えてもらえなかったけどこう言ってたんだ」

 

「『ケッコンカッコカリの実装はもうすぐだぞ』って」

 

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「「「「「「詳しく!!!!」」」」」」

 

 

 

 


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