仮面ライダーハルコニー First and First 作:Ohm
立ち上がると
舞っていた白い煙が
吹いた風によって消えていく。
その先には微かに白い煙を放出している
パンデミックスケアフェルが立っていた。
その体は一回り大きくなっている。
「まさか三重変異?」
「冗談だろ!?」
立ち上がった限利は
パンデミックスケアフェルを見て
驚いている。
「マズいな、もうMark-XVでは勝てない。」
「そんな!?」
「二重変異でさえMark-XVの出力で足りてなかった。
三重変異体に効くわけがない!」
パンデミックスケアフェルに向かって構えるが
パンデミックスケアフェルは別の方向に走っていった。
そこでは優徳さんと雷刃が戦っていた。
>>Change<<
変異体のスケアフェルを殴って退かせる。
目の前の弱っているスケアフェルを倒すために
ドライバのボタンを
「優徳さん!!」
振り返ると目の前にパンデミックスケアフェルがいた。
殴り飛ばされ強い衝撃を感じた。
視界が周り何かに叩きつけられた。
装甲が本部に送り返されて解除される。
作動したリアクティブシステムによって
致命的なダメージは受けないはずだが
肋骨は確実に折れてる。
「大丈夫ですか、優徳さん!?」
駆け寄って来た雷刃に起こされる。
パンデミックスケアフェルを止めようと
限利と晴人が戦っているが
攻撃は効かず逆にカウンターを叩きこまれている。
しかも一発で装甲が弾け飛んで破壊されていく。
「くっ・・・。」
「雷刃・・・下がってろ。」
周りには、まだ三体のスケアフェルが立っている。
雷刃を払いのけてMark-XIVを装着する。
「無茶です優徳さん!」
「無茶でもやらなきゃダメだろ!」
<Mark of XIV>
襲い掛かって来た右側のスケアフェルを殴り飛ばして
左のスケアフェルに向こうとすると
体に痛みが走る。
痛みのせいで体勢を崩すと
スケアフェルの刃で右腕が斬り裂かれた。
「ぐあぁぁぁぁぁ!」
劣化していた装甲が砕けて
アンダースーツも斬り裂かれて血が滴り落ちる。
あまりの痛みに立つことが出来ず膝をつく。
装甲が本部へと転送されて
ドライバが外れて地面に落ちる。
完全にドライバに装着禁止されたようだ。
斬りかかって来たスケアフェルを
雷刃が斬って灰へと変える。
だが雷刃の短刀も立ち続けの戦闘で折れてしまった。
「危ない優徳さん!」
自分に雷刃が覆いかぶさった。
そして、雷刃はゆっくりと倒れた。
「雷刃?
どうしたんだ雷刃!?」
倒れた雷刃の背中には針が刺さっていた。
俺を庇ったのか!?
雷刃は苦しそうに呻き始めた。
後ろに何かが叩きつけられる音が聞こえて
振り返ると限利と晴人が倒れていた。
「おい、逃げるぞ!」
「でも・・・」
「急げ優徳!
こままだと全員死ぬぞ!
晴人、雷刃を連れて退け!」
「分かりました、優徳さん行きましょう!」
晴人に引きずられるように山を下りていく。
パンデミックスケアフェルが追ってくる事は無かった。
>>秘密組織アンジェ本部<<
アンジェ本部の病室前の椅子に座る。
頭の中を周っているのは
自分を庇った雷刃の事だった。
「優徳さん、大丈夫ですよ。」
「そうだな、ありがとう晴人。」
「スケアウィルスの事は何も分かってない。
大丈夫かなんてわかる訳ないだろ。」
「ちょっと限利さん
少しは気を使ってくださいよ!」
「俺は大丈夫だ。
ちょっと一人で考えさせてくれ。」
「優徳さん・・・。」
限利はどこかへすぐに行った。
晴人も迷っているようだったが、歩いて行った。
周りには人は誰もいない
聴こえるのは一定間隔で鳴る
雷刃が生きていることを示す高い音だけだ。
「俺がいる意味はあるのか?」
晴人と限利は戦いの素質がある。
同じMark-XIVをつけていても
俺は全身変異体を倒すのは大変だが
限利は全身変異体を単体なら簡単に倒せる実力がある。
晴人は素質があるおかげで
戦闘力はベテランを超え始めている。
雷刃は装着体質者でないが
全身変異体を抑えられるほどの戦闘スキルがある。
だが俺は
装着体質者であるにもかかわらず
雷刃に守られ、暴走の危険があったとはいえ晴人を攻撃し
一番しっかりしないといけない時に頭が真っ白になった。
さっきは限利がいないと全員死んでいたかもしれない。
俺が居なくても、このチームは回る。
「屍さんがいなくなった時に
もっと強くなるって誓ったのに・・・。」
俺は強くない。無力だ。
何のためにアンジェに入った?
守るためだろ?
なのに何をやってるんだ俺は!?