仮面ライダーハルコニー First and First 作:Ohm
大量のスケアフェルが発生して
四日が経った。
スケアフェルの処理には
三日もの時間がかかっており
装着体質者とそうでないエージェントの
双方に多大な犠牲が出た。
秘密組織アンジェが町を調べるが
生存者は見つからず
死体や血も見つからなかったことから
町にいた人間全員がスケアフェルになったと
正式に発表された。
これは秘密組織アンジェのエージェントにとっては
最悪の発表だった。
人間をスケアフェルへと変えるスケアウィルスは
感染経路も治療法も分からないが
感染率が低いおかげで処理が間に合っていた。
だが、今回町の人間全てが感染していたとなると
他の町でもそうなっている可能性が高い。
それはいつパンデミックが起きても
おかしくないと言う事だ。
謎はまだ残っている。
スケアウィルスは強いストレスによって発症する。
だがなぜ町の全員が一斉に発症したのか?
全員が感染していたとしても
発症しない人間がいるはずだ。
>>Change<<
秘密組織アンジェのとある会議室に
優徳さん、雷刃、そして自分の三人は呼び出されていた。
「なんの用だろうな?」
「優徳さん、また何かやったんですか?」
「何もやってないよ!
そんなに毎日問題起こしてるわけないだろ!」
会議室の前で服装を確認する。
優徳さんも服装を確認しているが
雷刃はそんなことお構いなしに扉を開ける。
だが会議室には一つのPCがあるだけで
他には誰もいなかった。
PCには一人の男性が映っていた。
「父さん!?」
いきなり声を出したのは優徳さんだった。
父さん?
優徳さんのお父さん?
『まずは入りたまえ。』
優徳さんのお父さん(?)に促されて
会議室の中に入ってPCの前に置いてある椅子に座る。
横を見ると椅子が一つ空いている。
『私は大里 朔矢(おおざと さくや)
優徳の父だ。
今回、君たちを呼び出したのは
やって欲しい事があるからだ。』
朔矢さんがまた口を開こうとすると
後ろの扉が開く音が聞こえた。
振り返って見てみると
そこにいたのは俺に襲い掛かってきて
あの事件の時は何故か共闘してくれた限利だった。
「何だ、もう始まってたのか?」
『時間厳守だと言ったはずだが?』
限利は朔矢さんの言葉を無視して
俺の横の椅子にドカッと座る。
態度悪いな。
「続けろ。」
『・・・今回の事件を我々アンジェは
醜きエピデミックと呼ぶことにした。
原因を調査していると
現地にいたエージェントから
”人間をスケアフェルへと変えるスケアフェルがいる”
という証言が出て来た。』
「人間をスケアフェルへ?
じゃあ、全身変異体か。」
『我々はそう考えている。
全身変異体はHTVシステムを使っているエージェントでさえも
苦戦を強いられる。
そこで優秀な装着体質者である晴人と、限利
装着体質者ではないが変異体とも戦える雷刃
全員と面識がある優徳に
そのスケアフェルを専門に戦ってほしい。』
「ちょっと待ってくれ!」
さっきまで冷静だった雷刃は
急に声を荒らげて立ち上がった。
そして限利を指さして
「こいつと戦えって言うのか!
後ろから刺されるかもしれないやつと!?」
「屍に斬りかかった事まだ覚えてるのか?」
「何んだと!?」
「落ち着け雷刃!」
「俺は強いか試したかったんだよ。
ま、返り討ちにされたんだから問題ないだろ?」
優徳さんは殴りかかりそうになっていた雷刃を抑える。
限利は余裕の表情で椅子に座っている。
返り討ちにされたかどうかは問題ではない
斬りかかった事が問題だ。
『君たちが専門で戦うスケアフェルは
”パンデミックスケアフェル”と名付けた。
目撃情報や反応などがあったら知らせる。
それまではゆっくり休んでくれ。』
PCの画面がブラックアウトして
部屋の中は静まり返る。
限利は何も言わずに立ち上がって会議室から出ていった。
「どうするんですか、優徳さん?」
「場所が分からないと何もできない。
晴人のMark-XIVもまだ修理中だから
休むしかないだろう。」
「・・・俺はジムに行く。」
雷刃は怒りが収まらないようで
扉を開けてどこかへ行ってしまった。
限利を追いかけて殴ったりしないと良いけど・・・。
優徳さんも同じような事を考えている気がする。