やはり俺がウルトラマンジードなのはまちがっている。 作:焼き鮭
奉仕部にジャグラスジャグラーなる男が現れた、その少し前。
レイデュエスたちが本拠地としている円盤を、ある人物が訪れていた。
「ほぉー……こいつはまた珍客が来たものだ」
左右にオガレスとルドレイを控えさせながら、玉座に腰掛けているレイデュエスが興味深そうに目の前の少女をしげしげと観察した。
美少女ではあるのだが、少し角度を変えただけで、年季の入った老女のようにも、それとは反対に生を受けたばかりの幼女のようにも見える、言い知れぬオーラを醸し出している不思議な少女。レイデュエスは彼女に対して告げる。
「噂は聞いているぞ。あちこちの宇宙で暴れ回って、相当危険視されているみたいだな――ビランキとやら」
ビランキと呼ばれた少女は、コロコロと鈴のような明るい笑顔を見せながら返事する。
「その辺の凡人の評価なんてつまらないもの、私にはどうでもいいわ。道端の石ころほどの価値もないもの」
「はは、噂通り過激な性格みたいだな。で、この俺に何の用だ?」
レイデュエスが質問すると、ビランキは相変わらずニコニコしながらこう告げた。
「あなたにやってもらいたいことがあるの」
「ほう? 俺に依頼とな」
ビランキが片手を挙げると、虚空から三枚のカードが現れてその手中に握られた。
「倒してほしい奴がいるの。これあげるから、やって」
何とも簡素な頼み方に、オガレスとルドレイは声を荒げた。
『貴様、このレイデュエス殿下に何と無礼な口の利き方だ!』
『超能力少女だか何だか知らんが、あまり礼を欠くようなら許しはせんぞ!』
身を乗り出す二人を、当のレイデュエスがなだめる。
「構わん。それで、倒してほしい奴というのはどこの誰だ?」
聞き返すと、ビランキはその詳細を話した。
「――多分この星に来てるはずだから、お願いね。それじゃあ!」
『あッ、おい!』
用を済ますと、ビランキはルドレイが制止するのも待たず、空間の歪みを起こして円盤内からあっという間に消えていった。
しばし呆気にとられたオガレスとルドレイだったが、我に返るとビランキに対して腹を立てた。
『全く、何と勝手な娘だ! どんな育ち方をすればああなるんだか』
『殿下、本当にあんな女の言う通りになさるのですか?』
ルドレイに問われたレイデュエスは、ビランキから渡された三枚のカードをながめながら答える。
「まぁ、ブツを受け取った手前、無視するというのも道理にもとるからな。それに俺たちにとっても悪い話ではない。光の戦士――ウルトラマンを消すというのは」
カードにはそれぞれ、額に赤いクリスタルを生やした怪獣が描かれている。それを見つめてニヤリをほくそ笑んだレイデュエスは、反対の手を懐に突っ込んだ。
「怪獣カードか……。ライザーがあるから不要のものだと思っていたが、こうして手に入ったからには使ってみるか」
懐から抜いた手には、何かが握られていた。
「この、ダークリングをな……」
掲げられた赤黒いリングを見つめ、レイデュエスの冷たい笑みが深まった――。
× × ×
ジャグラスジャグラーから告げられた「あの女」なる人物。その捜索を開始した八幡たち。ライハやAIBとも連絡を取り、三人はそれらしい人物の姿を求めて町中を巡回し始めた。
本当なら別行動を取った方が効率はいいのだろうが、仮に敵が襲ってきた場合、個人単位では戦闘能力のない雪乃や結衣の危険が大きすぎる。そのため三人は固まって行動している訳なのだが……。
「けど……外に出てきたのはいいが、捜すったってどうすりゃいいんだ……? 外見のヒントすらねぇんだぞ……」
八幡は早速途方に暮れていた。しかしそれは無理もないこと。ジャグラーから与えられた手掛かりは、性別だけ。これでどうやって捜し出せというのだ。
「今更そんなことを言っても仕方ないわよ。とにかく町行く人を観察して、怪しい点のある人に目星をつけましょう」
「怪しい点って言ってもなぁ……」
やはり困り果てる八幡。そう言われたら、あらゆる人が怪しく見えてくる。
「もっとも性別の指定がなければ、一番の容疑者は比企谷くんで決まりなのだけれどね」
「今は冗談飛ばしてる場合じゃねぇだろうがよ」
「とにかく行こうよ! しゃべってても始まらないよ!」
頭をかく八幡を結衣が促した。ジードとペガも申し出る。
『僕とペガだったら、普通の人間じゃない人も感覚で察知できるかもしれない』
『もちろん協力するからね! だから安心してよ、八幡!』
「まぁ、二人がそう言うんだったら……」
「あっ、比企谷くんは少し離れて歩いてちょうだい。学校外でもあなたと行動を共にしているところを誰かに見られて変な噂を立てられるなんてことになったら、人生初の不登校になってしまうかもしれないから」
「お前そこまで言うのは最早いじめだろ」
何はともあれ、三人は行動開始。町を回って、道行く人をそれとなく観察して怪しい人間がいないか確かめていく。
が、すぐに捜査は難航。どこを行けども、それらしい人物は影も見当たらない。
「うーん……それっぽい人、全然見つからないね」
「まぁ、そうそうすぐに発見できるとは初めから思っていなかったけれど」
肩をすくめる雪乃と結衣。八幡は二人の少し後からついていきながら、ジードに問いかける。
「そっちは何か気配とか掴めてねぇのか?」
『いや、今のところは何も……ん?』
「どうした?」
ジードが不意に怪訝な声を発したその時に、雪乃たちが曲がり角に差し掛かる。すると、
「……ビランキいないの。どこに行ったんだろ」
「一度この町に立ち寄ったのは間違いないはずよ」
「早いところ見つけないと……また何かしでかすかも……」
曲がり角の陰から三人分の人影がぬっと出てきて、雪乃たちと出会い頭にぶつかった。
「きゃっ!?」
「わっ! たたっ!?」
どんがらがっしゃーん!
と大袈裟な音を立てて、雪乃たちとぶつかった相手がしりもちをついた。
「あったたたぁ……」
「大丈夫なの?」
「もう春香ったら……いつまで経ってもドジなところが治らないんだから」
「ごめんごめん……」
頭の左右にリボンを結んだ少女が、連れの少女たちの手を借りて立ち上がる。
「あなたたちもごめんね。大丈夫だった?」
「は、はい……」
リボンの少女に手を貸されて起き上がった雪乃と結衣だが、何故かそのままぽーっ……と立ち尽くしてしまう。
「お、おい。大丈夫か?」
流石に何事かと心配した八幡が近づいていくと、相手の少女たち三人の視線がこちらに向いた。
その途端、八幡もうッ、と思わず息を詰まらせた。三人の少女が、それこそ目が覚めるような美しさであったからだ。――顔の作りならば雪乃たちだって負けてはいないレベルなのだが、纏う雰囲気が、全く異なる。同じ人間とは思えない、天使か女神かと錯覚させるような、恐ろしいほどに神々しいオーラなのだ。上手くは説明できないが、ただそこにいるだけで常人を圧倒する「何か」がある。自分たちとは根本的な部分から違う、そんな強烈な魅力がある――。
一方のリボンの少女、青みの掛かった長髪の少女、金髪の少女も、八幡たちの立ち姿を観察し、何やらしげしげとうなずいていた。
「あなたたち……そっか……」
何だかは分からないが、納得したように顔を上げたリボンの少女が、八幡たちに名乗った。
「私は天海春香! こっちは如月千早ちゃんと、星井美希」
「よろしく」「よろしくなのー!」
「あなたたちのお名前は?」
急に問われて、虚を突かれた八幡たちは咄嗟に名乗り返した。
「ひ、比企谷八幡です……」
「雪ノ下雪乃……」
「由比ヶ浜結衣、です……」
「比企谷くんたちか……。もしかして、誰か人を捜してるんじゃないかな?」
春香という少女にそう尋ねられ、結衣は度肝を抜かれた。
「どうして分かったんですか!?」
「大した理由じゃないよ。ただ、そう思っただけ」
春香は朗らかに笑いながら、不可思議な回答をした。それから千早が申し出る。
「私たちも少し人捜しをしてるところなの。あなたたちが捜してる人も、女性じゃないかしら」
「そ、そうですけど……」
「きっと同じ人だと思うわ。それじゃあ一緒に行動しましょう。その方がお互い心強いと思うわ」
「えっ、あの……」
「決まりなのっ! それじゃあ一緒に行こ? ほらほら!」
戸惑う雪乃たちに構わず、美希たち三人は半ば強引に八幡たちと同行し、自然に先導を始めた。八幡たちは彼女たちの押しの強さに逆らえず、流されるままに言う通りになっていた。
「ねぇ……あの人たち、何なのかな……」
徐々に我に返る結衣が、前を行く三人の背中を見つめながら雪乃と八幡にこそっと尋ねかけた。
「この辺じゃ見ない人だよ。あんなに目を引く人、見かけたら絶対忘れないもん……」
「確かに……ある意味三浦が足元にも及ばないくらいだもんな……」
呆気にとられたようにうなずき返す八幡。
「もしかして……さっきの人が言ってたのって、あの人たちじゃないの……?」
訝しむ結衣だが、雪乃は異を唱えた。
「私も一瞬そう思ったけれど……複数人だったら、複数形で話していたはずよ。それに、向こうから接触してくるのならもう少し自然さを装うのではないかしら」
「でも、やっぱりあの人たちも普通じゃないよ……。何て言うか、芸能人オーラ! 的なのがバリバリだし! あんなに強烈な人たち、見たことないかも」
その言葉には、雪乃も八幡も同意であった。前を行く少女たちは、後ろ姿だけでも思わずほれぼれしてしまいそうであるのだ。
「そっちはどう思う?」
八幡は春香たちに気取られないよう気をつけながら、ジードとペガに尋ねた。すると二人とも、八幡たちと同じようなことを述べる。
『僕もただの人じゃないと思うけれど……悪い感じは全然しないよ。むしろ逆……傍にいるだけで、気持ちが温かくなるような……何だか不思議な感じだ……』
『ペガも……宇宙人には見えないんだけれど……。あんなすごい雰囲気を醸し出す地球人っているのかな……』
とにかく妙な感覚に襲われて、実に不思議がっている八幡たちであったが――その時に、春香たちが不意に足を止めた。
「? どうしたんですか?」
怪訝に問うた結衣たちの手を――春香たちは突然引っ張り出す。
「走って!」
「え、えぇっ!?」
訳が分からないが、引っ張られるままに駆け出す結衣たち。その直後――三人のいた場所に光弾が降ってきて、爆発を引き起こした。
「なッ……!?」
「こっち!」
絶句する八幡たちを連れながら、追うように飛んでくる光弾から逃げていく春香たち。八幡はここでようやく、敵の攻撃だと理解した。
「こんな町中で堂々と……!」
舌打ちする八幡。しかし同時に疑問も生じる。
『その子たち、どうして僕よりも早く攻撃に気づいたんだ……!? しかも慣れてる感じだし……!』
ジードがその疑問をそのまま口にした。普通の地球人が、超感覚を持つジードよりも鋭敏な感覚を持っているなど考えられない。ますます春香たちの正体が怪しくなってくる。
その疑問に答えが出ないまま、一行は開けた公園へと飛び込んでいった。
「ここなら周りの被害はひとまず気にしないでいいかな……」
「今撃ってきた人たち、そろそろ出てきなさい! 近くにいるのは分かってるわ!」
千早がとてもよく通る声で呼びかけると、一行の前に新たに三人分の影が現れる。内の二体分は異形だ。
「フッフフフ……久しぶりとでも言っておこうかな? ちょっと激しめな再会の挨拶だったかな」
その正体は、バド星人オガレスとゴドラ星人ルドレイ。それを引き連れた、レイデュエスだ!
「やっぱりあいつら……!」
「全っ然、迷惑ってもんを考えねぇな……!」
レイデュエスの顔をひと目見るなり身構える八幡たち。――だが、そんな三人をかばうように、春香たちが前に回った。
「比企谷くんたちは下がってて! 危ないから!」
「へ!? いや危ないのはそっち……!」
流石に焦る八幡たち。彼女たちが何者かは知らないが、いくら何でもあの危険人物に相対させるのはまずい。命が危ない。
だが振り返る美希たちの顔には、異常な状況を前にして少しの恐怖の色もなかった。
「だーいじょーぶ! ミキたちに任せてなの!」
「いや任せてって言われても……!」
「おい、こっちを無視してるんじゃないぞ! そんな余裕があるのか!?」
放置して話し込んでいるのに機嫌を害したように、レイデュエスがブラッドスタッフをこちらに向けて怪光弾を飛ばしてきた!
「うわッ!?」
思わず身をすくめた八幡たちだったが――春香は焦らず、怪光弾に対して一枚のカードをかざした。
『ヘアッ!』
そのカードから生じたバリアが怪光弾を受け止め、はね返した!
「何ッ!?」
咄嗟に戻ってきた光弾をかわすレイデュエスたち。オガレスは春香たちの顔を見やり、わなわなと震え出した。
『あの娘たち……ま、まさかと思ったが……』
八幡たちは春香がかざしたカードの絵柄を目にして、あっと息を呑んだ。
「ウルトラマン……!?」
それは、ジードの所有しているカプセルの一つと同じ、ウルトラマンの姿が描き込まれていた。そして今の超能力……まさか……。
体勢を立て直したレイデュエスは忌々しげに春香たちをにらむ。
「あの女どもは何だ」
『ご存じ、ないのですか!?』
途端、オガレスが全く信じられないように問い返してきた。
「は……?」
『彼女たちは辺境の星からスタートし、瞬く間に宇宙中のあらゆる種族の心を掴み、今や全宇宙に愛と平和をもたらす使者としてその名を轟かせる宇宙トップアイドル、765エンジェルズです!!』
オガレスの熱弁に、八幡たちも仰天。
「宇宙トップアイドル!?」
「何それ!?」
「あはは、ばれちゃったかぁ」
春香は若干照れくさそうに頭をかいた。
一方でレイデュエスは、オガレスに胡乱な目を向ける。
「……お前やけに詳しいな。まさか……」
オガレスはやや興奮した様子で、春香たちの写真で飾られた記録媒体を取り出した。
『私も春香ちゃんたちのライブを見て以来、すっかり虜で。あッ、すいませーん! ちょっとこれにサインをげぶぅッ!』
レイデュエスから顔面に肘鉄を叩き込まれ、オガレスは転倒。それをルドレイが呆れた目で見下ろした。
「誰だろうと知ったことかッ! この俺の邪魔をする奴は全員――ぐぅッ!?」
急に、レイデュエスの台詞が途切れた。それと同時に、この場に流れてくる穏やかな、しかし少し寂寥感のあるメロディ。
「ハーモニカの音色……?」
呆気にとられる八幡たち。場違いな音楽はもちろんのこと、それによってレイデュエスたちが頭を押さえて悶え苦しみ出したからだ。
『うぅッ!? 苦しい……!』
『頭が割れるようだ……!』
「どこだッ! どこから……あそこだッ!」
レイデュエスがスタッフで指した先、公園の時計台の陰から、テンガロンハットとレザージャケットの目立つ男性がハーモニカを吹きながら姿を見せた。
「プロデューサーさん!」
「プロデューサー!」
「ハニー!」
八幡たちが誰だと思うよりも早く、春香たちは男性をそれぞれそう呼んだ。
男性はハーモニカを口から離すと、レイデュエスに向けて不敵に言い放った。
「よしな坊主。火遊びはみんなの迷惑だぜ」
「うるさいッ! 次から次へと……オガレス、ルドレイ! やれッ!」
『は、ははぁッ!』
苛立ちを募らせたレイデュエスの命令で、オガレスとルドレイが一気に男性に襲い掛かっていく。それを真っ向から迎え撃つ男性。
「はぁッ!」
『ぬわぁッ!?』
男性はオガレスのメリケンサックをさばくと腹に連続パンチを入れて返り討ちにし、ルドレイのゴドラガンは何と素手で弾き、自身も光弾を飛ばしてルドレイを吹っ飛ばした。
「強っ……!?」
驚愕する結衣たちだが、春香たちの方はそれが当然とばかりの表情。
一方で部下が瞬く間にのされたレイデュエスは、ギリリと奥歯を食いしばった。
「その力、そうか貴様が……だったらこいつらの出番だッ!」
レイデュエスがブラッドスタッフから持ち替えたのは、赤黒いリング。それをに男性が目を見張る。
「ダークリング!」
レイデュエスは更に、三枚のカードを一辺にリングの間に突っ込んだ。
「魔王獣ども! ショウタイムだッ!!」
[マガバッサー!]
[マガジャッパ!]
[マガオロチ!]
三枚のカードは闇のエネルギーとなって飛んでいき、町中に巨大怪獣の姿となって召喚される!
「ミィィィィ――――! プォォォ――――――!」
「グワアアアァァァァァ! ジャパッパッ!」
「グアアァァァ! キィィィヤアアアァァァッ!」
それぞれ鳥型、半魚型、竜型のおぞましいオーラの怪獣たち。これにジードとペガが驚きの声を発する。
『怪獣を召喚した!』
『しかもライザーの力じゃないよ!』
春香たちの方は、男性の元へと駆け寄っていった。
「プロデューサーさん! きっとビランキがウサミン星でカードにしたものです!」
「もうこの星の侵略者と接触してたとは……」
「ああ……。しかも三体とはビランキめ、やってくれる……。こいつはちょっと厄介だな……」
そう唱えた男性は、八幡の方へと近寄ってきて呼びかけた。
「少年。君が、いや君の中にいるのがウルトラマンジードだな」
言い当てられ、ジード自身が驚愕した。
『どうして僕のことを……!? あなたは……!?』
「こいつを見てもらうのが一番分かりやすいと思う」
男性が取り出したのは、レイデュエスが使ったものと似ているが、こちらは正反対に白く清純な気を放つリングであった。それを目の当たりにして再度驚くジード。
『まさか……ウルトラマン!』
「ウルトラマン!!」
八幡たちも釣られて驚嘆。つまり春香たちは、自分たちのように、ウルトラマンの仲間であった訳だ。
男性は八幡たちに誘いかける。
「君たちもウルトラマンなら、ここは共同戦線と行こうぜ」
『……!』
迷っている暇はない。ジードたちは無言で了承し、フュージョンライズの態勢に入る。
リングを持つ男性の左右には、春香と美希が並んでカードを取り出した。
「ウルトラマンさんっ!」
『ユーゴー!』
[ウルトラマン!]『ヘアッ!』
『シェアッ!』
春香と雪乃が、ウルトラマンのカードとカプセルをリングと装填ナックルにセットする。
「ティガっ!」
『アイゴー!』
[ウルトラマンティガ!]『ヂャッ!』
『フエアッ!』
美希は八幡たちの知らないウルトラ戦士のカードを、結衣はベリアルのカプセルをセット。
「光の力、お借りしますッ!」
『ヒアウィーゴー!!』
男性は二枚のカードが通されたリングを天高く掲げ、八幡はジードライザーでカプセルをスキャンする。
[フュージョンアップ!]
[フュージョンライズ!]
リングとライザーがそれぞれ叫び、男性と八幡が仲間たちとフュージョンしていく。
『シェアッ!』『タァーッ!』
『ジィィィ―――――――ドッ!』
[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル!]
二人ずつのウルトラ戦士のビジョンと重なり合った二人のウルトラマンが、巨大化しながら飛び出していく!
[ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!!]
[ウルトラマンジード! プリミティブ!!]
そして今にも町を焼き尽くそうとしていた怪獣たちの前に、ウルトラ戦士タッグが堂々と立ち上がった!
レイデュエスたちの出現の報を受けて駆けつけたライハが見上げたのは、今まさに変身を遂げたジードたちの背中。
「ジードと……もう一人、ウルトラマン……!」
初めて目にするウルトラマンの名前を、側に来た千早が告げた。
「あの人はオーブ。私たちのウルトラマン……ウルトラマンオーブです!」