やはり俺がウルトラマンジードなのはまちがっている。   作:焼き鮭

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ジードの命よ!キングの奇跡!!(B)

 

「先輩?」

 

 急に空を見上げた八幡に釣られていろはが同じ方向を向くと――空に、謎の魔法陣らしきものが広がっている異様な光景が目に飛び込んできた。

 

「な、何ですか? あれ……」

 

 呆気にとられるいろは。更に魔法陣からは霧が発生して地上に降り注ぎ、辺り一帯が真っ白い霧で覆われる。

 

「わぷっ!? ど、どうなってるんですか……?」

 

 自分たちの周囲も霧に包まれ、いろはは軽くうろたえる。それと対照的に八幡は、何かを感じ取っているかのように身体を強張らせたまま直立不動でいる。

 その視線の先で、霧の中から巨大なサメらしきヒレが浮かび上がり、同時に先端にクローが取りつけられた蛇腹アームが霧を割ってもたげた。

 

「えっ!? 陸に……サメ!? おっきいし!」

 

 ギョッと目を剥くいろは。しかしその正体は、そんな生易しいものではなかった!

 

 ウオォンッ、ウオォンッ……!

「キュウオッ! ピュアァァ――――! キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

 

 濃霧の海から飛び上がり出現したのは、青い魚型の怪物が白い竜のような鎧を装着したような、巨大怪獣! その胸には、レイデュエス融合獣であることを示す七つの発光体が並んでいる。

 レイデュエスがギャラクトロンカプセルと、奪い取ったゼガンカプセルによってフュージョンライズした恐るべきギャラクゼガンである!

 

「きゃあぁっ!? 怪獣ですっ!!」

「……カプセルを盗みやがったか……!」

 

 悲鳴を上げるいろは。一方で事情を知る八幡は、ギャラクゼガンの特徴からおおまかな経緯を察して小さく舌打ちした。

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――!」

 

 ギャラクゼガンは両眼から赤い稲妻状の光線を周囲に無差別に放つ。光線が着弾すると無数の魔法陣が発生した後に、爆発を引き起こしてビルを片っ端から薙ぎ倒した。

 

「きゃあああぁぁっ!」

 

 爆発が起こす震動に悲鳴を発するいろは。その彼女に向けて八幡が指示する。

 

「一色! 早く逃げろッ!」

「は、はいっ!」

 

 一瞬ギャラクゼガンから遠ざかるように駆け出したいろはであったが、八幡がそれとは別方向にダッシュしていったので思わず振り返った。

 

「えっ、先輩!?」

 

 急ぐ八幡はいろはに振り向くことなく、ギャラクゼガンの方向へと走っていく。そして適当なところでジードライザーを取り出した。

 

『八幡、行こう!』

「おう! ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

 呼び掛けたジードに応じ、八幡は手早くウルトラカプセルを装填していく。

 

[フュージョンライズ!]

 

 しかしフュージョンライズするまさにその瞬間、いろはが追いすがってきて街角から飛び出した。

 

「先輩、危ないですよ……!?」

 

 彼女は八幡の身体が光り輝いて、巨大化していく場面を目撃する。

 

[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル!]

[ウルトラマンジード! プリミティブ!!]

「シュアッ!」

 

 一足飛びでギャラクゼガンの正面に着地し、町への攻撃を止めたジードを、愕然と見上げるいろは。

 

「えっ……!? 先輩が、ウルトラマンジード……!?」

 

 それには気づくことのなかったジードたちに対して、ギャラクゼガン内部のレイデュエスが獰猛な笑みを向けた。

 

『「出てきたな! テメェらの面を見るのも、今日こそ最後だぁッ!」』

『「毎度同じようなこと言って飽きねぇのかよ!」』

 

 皮肉で返した八幡と息をそろえ、ジードがギャラクゼガンに立ち向かっていく。

 

『ジードクロー!』

「キュウオッ! ピュアァァ――――! キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

 

 ジードクローで武装してギャラクゼガンの両手のハサミを弾き、相手の体表を切りつける。が、白い装甲で覆われたギャラクゼガンにはダメージが通らない。

 

『「固てぇ!」』

『ロボット怪獣の融合獣か! だったら!』

『「ああ!」』

 

 ギャラクゼガンから一旦距離を取ったジードは、こちらも装甲に覆われたソリッドバーニングへとフュージョンライズし直そうとする。

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――!」

 

 だがその瞬間、ギャラクトロンの右腕が変形して銃身が現れ、レーザーで砲撃してきた!

 

「ウワッ!?」

 

 咄嗟に回避するジード。レーザーは先ほどまで立っていた場所を爆破して穿つ。

 ギャラクゼガンはこのレーザーを連射してきてジードを追い立て回す!

 

「キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

「ウゥッ!」

 

 レーザーの集中攻撃をよけ続けるジードは、フュージョンライズする暇がない。

 

『「くッ……こっちのフュージョンライズを許さない狙いか……!?」』

 

 毒づく八幡であるが、ギャラクゼガンの攻撃はそんなにぬるいものではなかった。

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――! キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

 

 胸部の中央の発光体にエネルギーが集まり、極太の光線ゼガントスパークを発射してきた!

 

「トァッ!」

 

 ジードは飛んで光線から逃れるが、着弾したゼガントスパークは巨大魔法陣を作り出し、それが空間を歪めて時空のブラックホールを開く! ジードがその吸引に掴まった!

 

『「うおぉぉ!? 引っ張られる……!」』

『まずい! 引きずり込まれたら異次元に閉じ込められるッ!』

『「くそぉぉぉッ! そうはいくかぁ……!」』

 

 力の限り吸引に抗うジードだが、動けない状況を狙ってギャラクゼガンが狙撃しようと構えている。

 

『「や、やべぇッ!」』

 

 撃ち落とされる――そう思われたところに、

 

「シェアッ!」

 

 ウルトラマンゼロが飛び込んできてジードをキャッチ。レーザーの狙撃とブラックホールから彼を逃がして着地した。

 

『ふぅ。危ないとこだったな』

『ゼロ……! 助かったよ、ありがとう!』

 

 ジードはゼロに礼を言い、二人でギャラクゼガンに向き直った。

 

 

 × × ×

 

 

「ゆきのん! こっち!」

「戦いはもう始まっているのね……!」

 

 結衣と雪乃の二人は、他の生徒たちの波に逆らって総武高校校舎の廊下を走り、窓からジードたちの戦いの様子を一望した。

 今からでは、自分たちでは八幡らに加勢することは出来ない。二人はジードたちの勝つことを祈って見守る他はなかった。

 

 

 そんな二人と同じように、いろはも戦いを見守っている。

 

「先輩……! 先輩がわたしたちのこと、守ってくれてたんだ……!」

 

 ギャラクゼガンと相対するジードの背中に、熱い視線を送るいろは。胸の前でぎゅっと握る両手は、心なしか感情の高ぶりが反映されたように熱く感じていた。

 

 

 × × ×

 

 

(♪ジード戦い‐劣勢2)

 

 ジードとゼロは一瞬だけ、ゼガントスパークの被害跡を見やった。時空の穴によって、町の一画はぽっかりと削り落とされてしまった。

 恐ろしい威力。この攻撃の前では数に優位があっても油断はならない。

 

『行くぜッ!』

 

 それでも怯えることなくゼロが突っ込んでいこうとしたが、

 

『根絶やしにしてくれる!!』『これが我が使命!!』

[[フュージョンライズ!]]

 

 そこにヴォルカニック・ザンバードンが横から滑空してきて、クチバシではね飛ばされる。

 

「ケエエオオオオオオウ! ギャアアアアアアアア――――――!」

『うおッ!?』

「アアオオウ! アアオオウ! ギャアアオウ!」

 

 更にマグマゴメスが熱線を吐いてきて、ゼロは爆撃をどうにかガードした。

 

『ゼロッ!』

『「材木座!」』

 

 思わず叫ぶジードと八幡。連続攻撃を食らっても何とか無事だったゼロに、ルドレイの変身したザンバードンとオガレスのマグマゴメスが接近していく。

 

『『殿下の邪魔はさせん!』』

『『フハハハハハ!』』

『ちッ……こいつらがいるんだった……!』

『「うぬぅ……厄介な奴らよ……!」』

 

 ゼロはザンバードンとマグマゴメスによってジードから分断された。そしてジードには再びギャラクゼガンが攻撃してくる。

 

「ピュアァァ――――! キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

「ウッ!」

 

 稲妻状の光線で狙い撃ってくるギャラクゼガン。ジードはジードクローで必死に光線を弾き返すものの、攻撃の激しさに防戦一方である。

 追いつめられていくジードに対して、レイデュエスが傲然と言い放つ。

 

『「俺を異次元に追放しようとこんなカプセルを用意したか! だがお前らがどんな手を打ってこようと無駄だッ! どうしたところで、テメェらが戦いの末に死ぬという運命は変えられねぇんだよ!!」』

『「また馬鹿なことを抜かしやがって……運命とかそんなもんを、お前に決められる筋合いなんかねぇよッ!」』

『「そいつはどうだろうなぁ!?」』

 

 言い返した八幡だが、ギャラクゼガンからの攻撃の手は更に激しくなる。稲妻光線に加えてレーザーまで飛んでくる。

 

『このままじゃ駄目だ! 無理矢理にでも反撃しよう、八幡!』

『「おうよ!」』

 

 八幡がジードの呼びかけに応え、相手の攻撃を耐えながらジードクローを構えて必殺技の発動を狙う。が、

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――! キュウッキュッキュッキュッキュウ!」

 

 それより早くギャラクゼガンが再びゼガントスパークを放ってきた!

 

「ハッ!?」

 

 ジードは反射的に身体を傾け、ゼガントスパークをぎりぎりでかわした。ゼガントスパークは、今度は空に次元の穴を開く。

 

「クッ……!」

 

 背後のブラックホールの吸引に耐えるジードだが……その首に、ギャラクゼガンの尻尾のアームが伸びてきてアームで鷲掴みにされた!

 

「ウゥッ!?」

『「がッ……!? しまった……!」』

 

 動きを封じられて宙吊りにされるジード。そしてギャラクゼガンは、右腕を半回転させて刃を前に向けた。

 それをジードのカラータイマーに、突き刺した!!

 

「アッ――!」

 

 ――この瞬間、結衣や雪乃、いろはら戦いを見守る者たちが顔面蒼白となった。

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――!」

 

 ギャラクゼガンは更に、カラータイマーを貫いたジードをブラックホールへ投げ捨てる!

 

『ジード!!?』

『「は、はちまぁぁぁんッ!!」』

 

 絶叫するゼロと材木座。ジードを受け止めようと飛び出そうとしたが、その背にザンバードンとマグマゴメスの火炎を食らって撃ち落とされた。

 

『ぐわぁッ! ジードぉぉぉぉ――――――――!!』

 

 力とともに、瞳の光を失ったジードはなす術なくブラックホールに吸い込まれていく。

 

 

 心臓を貫かれたジードに向かって、いろはは必死に手を伸ばしていた。

 

「嫌あああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 先輩、死なないでぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――っっ!!」

 

 その叫び声とともに、いろはの胸から光の欠片が飛び出し、ジードを追ってブラックホールの中に飛び込んでいった。

 その直後に、ブラックホールは閉ざされる。

 

 

 × × ×

 

 

 次元の狭間に投げ捨てられたジードは、全くの力を失ったまま空間の果てに流されようとしていた。

 ジードの体内の超空間も熱を失い、八幡もまたジードとともに命を失おうとしていた。

 

(……何度も奇跡的な復活をしたってのに……いざ死ぬ時はこんなにも一瞬なんてな……)

 

 八幡はわずかに残っている命のともし火が続く中で、自嘲気味につぶやいていた。助かろうと思っても、もう身体に全くの力が入らない。カラータイマーを完全に砕かれてしまっては、たとえウルトラマンでも立ち上がることは絶対に出来ない。

 

(色んなことが変わり始めて……クリスマスのイベントもこれからだったってのに……みんな、ごめんな……)

 

 八幡は最期にせめてもと、残していく人たちの顔を思い出しながら謝った。ライハやペガ、レム、材木座、戸塚、小町……雪乃、結衣……最後に語り合った、いろは……。

 その時に、いろはから飛び出した光の欠片がジードに追いつき、その身体に宿った。

 

「――フッ!?」

 

 瞬間、ジードの瞳に光が戻り、異次元空間の中で姿勢を正す。それに伴い、八幡の意識もはっきりとよみがえった。

 

『「あ、あれ!? 生きてる……!?」』

『カラータイマーが……治ってる……!!』

 

 己の胸に触るジード。確かに貫通されたはずのカラータイマーが何事もなかったかのように元に戻っており、風穴は完全にふさがっていた。

 

『でも、どうして……?』

 

 自らが蘇生したことにむしろ戸惑いを隠せないジード。その時、八幡は腰のカプセルホルダーが輝いていることに気づいて、カプセルを一本引き抜いた。

 それまで真っ白だったカプセルに絵柄が浮かび上がり――豊かなひげを蓄えた、威厳のあるウルトラ戦士の姿が八幡の目に映り込んだ。

 

『「これって……!」』

『――八幡!』

 

 それが何かを理解した八幡は、ジードにうなずくと、即座にカプセルの交換に移った。

 

『「ユーゴーッ!」』

『フエアッ!』

 

 一本目のカプセルには、ウルトラマンベリアル。それをナックルに装填すると、二つ目のカプセルを起動。

 

『「アイゴーッ!」』

『ダァッ!』

 

 よみがえったカプセルから現れたビジョンは――ウルトラマンキング。

 

『「ヒアウィーゴーッ!!」』

 

 装填したベリアルとキングのカプセルを、ジードライザーでスキャン。

 

『「はッ!」』

[ウルトラマンベリアル! ウルトラマンキング!]

 

 ジードライザーはいつもと異なり、スキャンしたエネルギーを放出して具現化。杖と剣が一体化したような武具を作り出す。

 

[我、王の名の下に!!]

 

 八幡はナックルからキングカプセルを抜いて武具の柄に差し込み、V字に輝く柄におもむろに手をかざす。

 

[ウルトラマンキング!]

『トワッ!』

『「ジィィィ―――――――ドッ!」』

 

 光り輝く剣、キングソードを握り締めたジードは、ベリアルとキングのビジョンと重なり合いながら、ふさがれた異次元の出口に向かって、吊り上がったベリアルの双眸を突き抜けて金色の粒子を纏いながら飛び出していく!

 

 

 × × ×

 

 

『ジードぉぉ! くそぉぉぉッ!!』

 

 ゼロはあらん限りの声で叫び、ブラックホールの跡に向かって飛び立とうとするが、それをレイデュエスが嘲笑った。

 

『「無駄だぁッ! カラータイマーを貫通した上で異次元に放り込んだんだぞ! もう何をしても絶対に助からんッ! それこそ、伝説の超人ウルトラマンキングでも不可能――!!」』

 

 と豪語した頭上で、空に大きな亀裂が走った。

 

『「――あ?」』

 

 首を上げたギャラクゼガンの視線の先で、空間の穴が再び開かれ、黄金色の超人が杖を握った右腕を振り上げながら飛び出してきた!

 

[ウルトラマンジード! ロイヤルメガマスター!!]

『「変えるぜ! 運命!!」』

 

 その顔は、紛れもなくウルトラマンジード!

 

『「はあ!?!?」』

 

 目玉が飛び出そうなほどに驚愕したレイデュエスの面前に、悠然と降り立つジード。その肉体は紫と銀色に変わり、更に金色の防具とはためくマントを身に纏っている。

 

「あれは……!」

 

 雪乃と結衣は今のジードの姿に目を見張った。それはレムに見せてもらった、失われたジードの最強形態――!

 ロイヤルメガマスター!

 

『『あややややや!!?』』

『『これは一体どぉいうことだぁぁ!!?』』

 

 どうやっても生き返るはずのないウルトラマンジードが生還したことにオガレスとルドレイも唖然。そこにゼロが思い切り殴りかかった。

 

『『ごはぁッ!?』』

『残念だったなぁ! こっからが本当の勝負だぜ!』

 

 ゼロが二体を抑え込んでいる間に、ジード・ロイヤルメガマスターはギャラクゼガンへのリベンジを開始する。

 

(♪ウルトラマンジードロイヤルメガマスター)

 

『「比企谷テメェぇぇぇぇえええええええッ!! 何回殺せば死ぬんだあああッ!!」』

 

 怒号を発したレイデュエスは感情のままにゼガントスパークを発射。対する八幡はキングソードに六人のウルトラ戦士が描かれたカプセルを装填。

 

[ウルトラ六兄弟!]

『「はッ!」』

 

 柄に振り抜くように手をかざすと、突き出したキングソードからウルトラ六兄弟のビジョンが具現化して現れジードの前にバリアを張り巡らした。

 

「『ブラザーズシールド!!」』

『タァーッ!』『シェアッ!』『ダーッ!』『テアァッ!』『テェーイッ!』『トワァッ!』

 

 ウルトラ六兄弟に作り出すバリアが、ゼガントスパークを完全に防ぎ切る。

 

『何!?』

 

 驚愕して硬直したギャラクゼガンに、八幡はキングソードの柄に一回手をかざす。

 

[アン!]

「『バルカンスパークル!!」』

 

 突き出したキングソードを軸として王冠型の光のガトリングが出現。光弾の乱射を放ってギャラクゼガンを狙い撃つ!

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――!」

 

 バルカンスパークルによって右腕の銃身を破壊されるギャラクゼガン。ならばと左腕の剣を武器に突進していくが、八幡はキングソードに二回手をかざした。

 

[アン! ドゥ!!]

「『スウィングスパークル!!」』

 

 キングソードの刀身が光に包まれ、振り抜かれるとギャラクゼガンの左腕が綺麗に切断された。

 

「ピュアァァ――――!!」

 

 少しずつ武装を失っていくギャラクゼガンの様子に、ルドレイたちが動揺。

 

『『殿下が危ない! オガレス、お前はウルトラマンゼロをッ!』』

 

 ザンバードンが飛び上がり、ジードに向かって飛びかかりクチバシで攻撃しようとする。が、

 

[ウルトラマン!]

『シェアッ!』

 

 八幡が柄にウルトラマンカプセルを装填して、キングソードを突き出した。

 

「『スペシウムフラッシャー!!」』

 

 柄から放たれたスペシウム光線が、ザンバードンを返り討ちにする!

 

「ケエエオオオオオオウ!! ギャアアアアアアアア――――――!!」

 

 ザンバードンは一撃で爆砕! それにたじろいだマグマゴメスにジードが振り向いた。

 

[ウルトラマンジャック!]

『テアァッ!』

 

 今度はジャックカプセルが装填され、キングソードの切っ先が突き出される。

 

「『ランススパーク!!」』

 

 繰り出されたウルトラランス型の光線がマグマゴメスを貫通する!

 

「アアオオウ!! ギャアアオウ!!」

 

 マグマゴメスもまた瞬殺される。融合獣を全く寄せつけない圧倒的な威力に人々は驚嘆。

 

『「おのれがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」』

 

 それでもレイデュエスは戦いを捨てず、またもゼガントスパークを狙う。だが放たれる前にジードは空中に飛び上がり、八幡はジードライザーでキングソードをスキャン。

 

[解放せよ! 宇宙最強の力!!]

 

 そして柄に三回手をかざして、キングソードの力を最大に高める。

 

[アン! ドゥ!! トロワ!!!]

「『ロイヤルエンド!!」』

 

 左腕とキングソードで組まれた十字から、金色の粒子が光線となってギャラクゼガンに降り注いだ!

 

「キュウオッ! ピュアァァ――――!! キュウッキュッキュッキュッキュウ!!!」

 

 黄金の光に覆い尽くされたギャラクゼガンは、跡形もなく玉砕! 破片は金色の粒子となって消えていった。

 流れるように敵を撃退し、町を救ったジードは、マントをはためかせながら優雅に着地した。

 

 

 × × ×

 

 

 ギャラクゼガンの爆破跡からは盗まれたゼガンカプセルが回収されたが、激戦に耐え切れなかったか発見された時にはバラバラに砕け散っていた。復元することも検討されたが、ジードたちはこれ以上人間たちの都合に振り回されるゼガンの魂を憐れみ、それに反対した。どの道、作戦は既にばれている。レイデュエス対策には別の手段が講じられることとなった。

 この戦いの翌日には、八幡たちは予定通りにディスティニィーランドに行くことが出来た。取材は問題なく完了し、結果は上々。八幡たちはクリスマスイベントの確かな構想を着想することに成功したのだが……。

 

「はー……。駄目でしたねー……」

「……いや、お前、今言っても駄目なことくらい分かってたろ」

 

 帰りのモノレールの中、他の面々と別れた八幡はいろはと二人で話をしていた。その内容は、いろはがディスティニィーランドで葉山に告白し、振られたこと。

 いろははどうせディスティニィーランドに行くのだからと、好意を寄せていた葉山を招待していた。そこまでは八幡も察していたのだが、いろはが告白まで踏み切ったことまでは予想外であった。

 

「お前はもっとクレバーな奴だと思ってたんだが」

 

 と八幡がつぶやくと、いろはは口元に苦笑を浮かべた。

 

「だって、ジーッとしてられなくなっちゃったんですもの。ジーッとしててもドーにもならないなんて、誰かさんが言うから」

「え?」

 

 思わず虚を突かれる八幡。それはジードからの受け売りであり、自分が口にするようになった言葉だ。

 見れば、いろはが何やら真面目な面持ちでこちらを覗き込んでいた。

 

「こんなわたしになっちゃったの、先輩のせいなんですからね。先輩があんな背中を、わたしに見せるから。だから」

 

 ぐすっと失恋の嗚咽をこらえながら、いろはは八幡の耳元に顔を寄せて囁いた。

 

「責任、とってくださいね」

 

 そして、小悪魔めいた笑顔で八幡に微笑みかけた。

 

 

 

『ウルトラストーリーナビ!』

 

いろは「どうもー! 今回は『ウルトラマンレオ』第五十話「レオの命よ!キングの奇跡!」です!」

いろは「ウルトラマンレオに差し向けた円盤生物が全部やられてるブラック指令は、最強の円盤生物をブラックスターに要請しました。けどやってきたのは、力が全然ないブニョ。ブラック指令は怒って追い返そうとしますが、ブニョは知恵でレオを倒すと宣言します。その言葉の通りにゲンに騙し討ちを仕掛けるブニョですが、ゲンは見破って返り討ちに。ですがブニョは、今度は下宿してる美山家の人を人質に取る卑怯な手段に訴えてきました! ブラック指令たちの罠に掛かってしまったレオはどうなるのか……という話です」

いろは「このエピソードは『レオ』の最終回の一つ前。『レオ』最終クールの円盤生物シリーズもいよいよ大詰めで、レオに史上最大のピンチが降りかかります。それを救うウルトラマンキングの奇跡が見どころですよ!」

いろは「ウルトラマンキングは『レオ』で初登場したウルトラ戦士です。その力はウルトラ一族の中でも別格と設定されてて、数々の超人技を披露してます。『ジード』では遂に宇宙全体と一体化するということまで。すごいですよね」

ジード『ブニョは星人を自称してて、明らかに人格があったりと他の円盤生物とは一線を画した存在だ。だから本当に円盤生物なのかと議論されることもあるんだよね』

いろは「それでは、次回をお楽しみにっ!」

 




結衣「それにしても、ハッチー生き返ってよかったよー! あたし、少し泣いちゃったんだよ」
雪乃「心臓を貫かれて明らかに即死だったのに、傷一つ残さないなんて流石は伝説の超人というだけあるわね……」
八幡「俺自身、生きてるのが不思議な気持ちだ。あの状況から助かるなんて、自分のことだが全く驚きだぜ……」
レム[ですが、ウルトラマンキング自身の超能力を考えればそこまで不思議なことでもありません]
結衣「えっ、本人はもっとすごいことが出来るの!?」
ジード『まぁ、宇宙全体を再生するような人だしね』
レム[記録によれば、全身冷凍された上に五体バラバラにされて投棄されたウルトラ戦士も蘇生したことがあります]
雪乃「えっ」
八幡「それ自体より、そこまでして殺す奴がいたという事実がドン引きだぞ……」



次回、『あの闇に約束の炎を灯せ。』

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