やはり俺がウルトラマンジードなのはまちがっている。 作:焼き鮭
「……遂に始まったわね」
星雲荘のモニターで結衣、ペガと並んでジードの戦闘を見守る雪乃が、静かにつぶやいた。それにうなずく結衣。
「うん。……ハッチー、ほんとに一人で行っちゃったね。何か寂しいけど……」
「だけど、あそこまで真剣に頼まれたなら……やっぱり、断れないわ」
二人は、八幡が総武高校に向かうことを認めはしたが、自分たちもともについていくつもりであった。だがそれも八幡に断られたのだ。何故、と問う二人に、八幡は告げた。
『厳密には違うが、俺はサシであいつと戦いたい。多分、そうじゃないと意味がない』、と――。
「……大丈夫なのかな、ほんとに。ハッチーがどんな答えを考えついたのか知らないけど、それが正解なんて保証はないんだよね。もしものことがあったら……」
不安に駆られる結衣の手を、そっと雪乃が握り締めた。
「信じましょう、八幡くんを。今の私たちは、それが出来る」
「ゆきのん……」
ペガもモニターの中のジードを見つめながら、祈りを捧げた。
「リク、八幡……絶対帰ってきてね」
× × ×
「ショアッ!」
「ピッギャ――ゴオオオオウ! ギャオオオオオオオオ!」
ジードがスカルゴモラに飛び掛かって、首筋に膝蹴りを入れる。スカルゴモラは踏みとどまってジードを押し返し、両者再び取っ組み合う。
そんな戦いが繰り広げられる傍で、レイデュエスの攻撃で気を失っているライハに呼びかけられる声が。
「ライハさん、しっかり! 大丈夫ですか!?」
「身体は揺するなよ。脳震盪を起こしてるかもしれん」
呼び声で意識を取り戻し、うっすら目を開けたライハが見た顔は、いろはと平塚のものであった。
「いろは、平塚さん……戻ってきたんですか……」
「ああ。出来ることもないが……あなたたちが心配でな」
うなずき返す平塚。二人は解放されてから他の生徒たちとともに避難していたのだが、途中で引き返してきたのであった。
いろはがスカルゴモラと格闘するジードを見上げてつぶやく。
「……あれ、先輩ですか?」
「……そうみたい」
いろはたちは今のジードの横顔から、懸命に戦う八幡の面影を見出していた。
「八幡も、ジーッとしてられなかったってことね」
「……先輩、無事に戻ってきて下さいよ……」
「比企谷……必ず勝て!」
いろはと平塚はひたすらに、八幡の無事を願う。
一方で戸部は、自身が目の当たりにした現実にあんぐりと口を開いてジードを見上げていた。
「マジぃ!? ゼロに引き続いて……ヒキタニくんがジードだったの!? パねぇ! マジパねぇよ!!」
驚きっぱなしの戸部だったが、周りの葉山たちが割と平然としているのに気づいて振り返った。
「あれ? 何かみんな反応薄くね?」
葉山が申し訳なさそうに返す。
「悪い、戸部……この場でそれ知らなかったの、お前だけなんだ」
「えぇぇぇ―――――――――――――!!?」
それが戸部にとって一番ショックだった。
「……そういえば、さっきの助けてくれた男の人は?」
しばらく呆然としていた戸部だが、八幡とともにリクの姿がなくなっていることに気づいて尋ねる。
「ああ……厳密にはあの人がジードだそうだから、要するに……」
葉山が答えかけたその時、急に海老名がバターン! と派手にぶっ倒れた。
「姫菜!?」
「ちょッ!? どうしたんだいきなり!?」
慌てて海老名を介抱しようとする葉山たちであったが……海老名は鼻血を噴き出しながらも実に幸せそうな表情で倒れていた。
「……合体……二人の男の人が……リアル合体……ふへへ……」
「……何か、興奮し過ぎただけみたいだな……」
「ある意味元気ってこと?」
葉山と三浦が何とも言えない顔となった。
そんな事態をよそに、ジードとスカルゴモラの戦闘は激しさを増していく。
「ピッギャ――ゴオオオオウ! ギャオオオオオオオオ!」
「ハッ!」
スカルゴモラの太い角を振りかざしてのヘッドバットをバク宙でかわすジード。その後の腕を振り回しての追撃も、はたき落とすことで防御する。
「ピッギャ――ゴオオオオウ! ギャオオオオオオオオ!」
打撃を防がれるスカルゴモラだが、大角に爆炎のような振動波を発生させて抑え込んだジードに食らわせようと構える。
「フッ! オオオオオ……!」
だがジードは決してひるまず、両腕に赤黒い稲妻をスパークさせてこちらも光線の構えを取った。
「ピッギャ――ゴオオオオウ!!」
「『レッキングバースト!!」』
至近距離から衝突するスカル超振動波とレッキングバースト! 二つの強烈なエネルギーのぶつかりは途轍もない爆発を起こす!
「きゃっ!?」
発生した猛烈な突風に煽られるいろはたち。最も浴びたスカルゴモラはよたよたと後ずさった。
「ギャオオオオオオオオ!」
しかしジードの方は爆炎の中に隠れて様子が見えない。と、思いきや、
[ソリッドバーニング!!]
「ドォッ!」
爆炎を一気に吹き飛ばして、タイプチェンジしたジード・ソリッドバーニングがブシューッと蒸気を噴出させた。
「八幡くん!」
ジードの雄々しき立ち姿に、雪乃が星雲荘で歓声を発した。
「ドゥアッ!」
「ピッギャ――ゴオオオオウ! ギャオオオオオオオオ!」
スラスターからのジェット噴射でスカルゴモラに肉薄したジードは、その勢いのまま燃え上がる鉄拳を食らわせた。筋肉の塊のスカルゴモラも、ソリッドバーニングの拳圧には敵わない。
「ダァッ!」
スカルゴモラを殴り飛ばすと、右腕のスラスターを開いて緑色の熱線を全力で繰り出す。
「『ストライクブースト!!」』
必殺光線がまっすぐスカルゴモラへと飛んでいく! が、
[サンダーキラー!!]
「キイイイイイイイイ! グオオオオ……!」
スカルゴモラはエレキングとエースキラーのカプセルを用いたサンダーキラーに変身。胸部でストライクブーストを吸収していく。
「フッ!」
「キイイイイイイイイ! グオオオオ……!」
更に吸収した光線を単眼からジードへと撃ち返す! 対するジードは、
[アクロスマッシャー!!]
「ハッ!」
バク転しながらアクロスマッシャーにチェンジし、サンダーキラーの反撃を跳び越えた。
「やった!」
ジードの巧みな回避に、結衣がぐっと手を握って喜んだ。
「『ジードクロー!!」』
ジードは右手にジードクローを握り締め、反撃に転ずる。アクロスマッシャーのスピードを活かして急接近してクローで斬りかかる。
「ハァッ!」
「キイイイイイイイイ! グオオオオ……!」
サンダーキラーは電撃を纏う左手の鉤爪で受け止めるも、ジードは流れるような身のこなしで周囲を飛び回り、縦横無尽の斬撃を叩き込んでいく。
「ハァァッ!」
「キイイイイイイイイ! グオオオオ……!」
全身を斬られていくサンダーキラーは鉤爪や電流を纏う尻尾を振り回すが、ジードをの動きを捉えることは出来ない。
幾度の斬撃を食らわせ、サンダーキラーの動きが鈍ったところでジードはクローの威力を全開にした。
[シフトイントゥマキシマム!]
「『ディフュージョンシャワー!!」』
サンダーキラーの頭上にエネルギーの力場が広がり、光の針が雨となって降り注ぐ!
[ペダニウムゼットン!!]
――その寸前にサンダーキラーはキングジョーとゼットンによるペダニウムゼットンとなり、強固な合金のボディでディフュージョンシャワーを粉砕した。
グワアッシ……グワアッシ……。
「ピポポポポポ……」
ディフュージョンシャワーを切り抜けたペダニウムゼットンは、胸部からペダニウム・メテオを放ってジードを狙い撃つ。
「『コークスクリュージャミング!!」』
ジードはクローの回転でペダニウム・メテオを防御するが、破壊力までは殺し切れず、すさまじい爆発に呑み込まれる。
――その爆炎の中より、ジードが雄大な姿となりながら脱してきた。
[マグニフィセント!!]
「ドォッ!」
ジード・マグニフィセントの屈強な肉体には傷一つない!
「よし、行けっ!」
平塚がガッツポーズを取って応援する。
「オォッ!」
「ピポポポポポ……」
ジードとペダニウムゼットンは互いに肉薄し、拳と拳をぶつけ合う。
「ドゥアァッ!」
「ピポポポポポ……」
両者とも頑強な肉体を用いた超重量の肉弾の応酬を展開。だが少しずつジードの方が押していく。
「ダァァッ!」
そして隙を見てペダニウムゼットンを掴み、渾身の力で抱え上げてから地面に叩き落とした!
「ピポポポポポ……」
ペダニウムゼットンが起き上がるまでの間に、ジードは両腕をスパークさせて必殺技を発射!
「『ビッグバスタウェイ!!」』
緑色の光の奔流がペダニウムゼットンに突き刺さった! ペダニウムゼットンもこれには耐えられない――。
[キメラベロス!!]
『ぬおあぁぁぁぁッ!』
だが金属パーツが弾けてビッグバスタウェイをはね返したかと思うと、レイデュエスは更に新たなる融合獣に姿を変えていた。
魔人態の上半身に悪魔の如き赤い翼と鱗に覆われた怪物の下半身と尾を持つ、キメラベロス!
「フッ!」
これを見たジードは、ライザーから召喚されたキングソードを固く握り締める。
[我、王の名の下に!!]
[ウルトラマンジード! ロイヤルメガマスター!!]
「ハァッ!」
最強形態ロイヤルメガマスターにフュージョンライズし、金色のマントを翻してキングソードを構えた。臨戦態勢を取って、キメラベロスとにらみ合う。
「先輩! やっちゃえーっ!」
いろはの激励の叫び声を合図とするように、ジードとキメラベロスがもう一度ぶつかり合っていった。
『おおおおぉぉぉぉぉぉッ!』
「ハァァァッ!」
キメラベロスの爪とキングソードが交差し、鍔迫り合いする。その中で八幡が口を開いた。
『「レイデュエス! お前の来歴のことは聞いたぜ!」』
『何ぃぃぃぃぃ!?』
AIBが突き止めたレイデュエスの正体と過去は、レムを介して八幡にも伝えられていた。その内容を踏まえて、剣と爪で切り結びながら八幡が語り出す。
『「俺は修学旅行で、お前が仲間のことを「羨ましい」と言ってから、どうしてそんなことを言ったのかの理由を考えてた! それまでのお前の行動を見る限りじゃ、仲間を羨ましがるようなタイプには見えなかったからな!」』
ジードの刺突を腕でガードするキメラベロス。
『「そして、お前の過去を聞いて合点が行ったよ! お前、生まれてからこの方ずっとぼっちだったみたいだな! 俺みたいにッ!」』
キメラベロスの闇を込めた爪をジードは剣ではね上げた。
『「周りはみんな平和的なのに、自分だけ乱暴! だから周りに馴染めなかったんだろ! 孤独のどん底にいるから、幸せそうな奴が羨ましい、妬ましい! お前はずっと他人に嫉妬してた、だから牙を剥いて他人の幸せをぶち壊そうとする! 違うか!?」』
キメラベロスは爪の猛ラッシュを繰り出すが、ジードは全て剣でさばく。
『「ずっとこう思ってたんだろ! 俺は独りなのに、何であいつらばっかりが楽しそうなんだ! リア充爆発しろ! けど一番妬んだのは俺だ! 自分と似た境遇なのに、俺はお前が持たない仲間を持った! 許せない! だからこそ、お前は俺に固執するんだろうッ!」
キングソードの切っ先がキメラベロスの胸部を裂き、後ずさったキメラベロスは獰猛なうなり声を立てた。
『やっぱり、テメェは心底ムカつく奴だ……!』
怒号とともに、口から暗黒火炎ベロスインフェルノを吐き出す!
『俺の本心を全部言い当ててんじゃねぇよぉぉぉぉッ!!』
迫り来る火炎に対して、八幡はキングソードの柄に手をかざした。
[アン! ドゥ!!]
「『スウィングスパークル!!」』
キングソードから放たれた光刃がベロスインフェルノを両断しながら飛び、キメラベロスの肉体をかすめた。
『ぐぅッ!!』
『「いつまでも拗ねてるんじゃねぇッ!」』
剣を振り抜き終えると、八幡が一喝した。
『「他人を妬むなってのは無理な話だ! 自分より楽しそうな、幸せそうな奴を見て羨ましがる気持ちはどうしたって湧いてくる。無理して目を背ける方がよっぽど毒だろうな。けど、それを攻撃材料に持っていくなよ! そんなことしたって、お前自身が苦しいばっかりじゃないのか!?」』
『くッ……!』
レイデュエスは言い返すことが出来ない。
『「自分にドス黒い感情があったっていいじゃねぇか……人間なんだから。それを受け止めて、自分なりの一歩を進み出せばいいだろうが……!」』
八幡がまっすぐに説いている他方で、ゼロがキングオブモンスとの格闘を続ける。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
『うおぉッ!』
キングオブモンスはレイデュエスが最強と呼んだだけあって、パワーは途轍もないものがあった。ゼロも真っ向から歯向かえず、尻尾の振り回しではね飛ばされる。
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
姿勢を崩したゼロに、キングオブモンスはすかさずクレメイトビームを発射!
『ぐあああぁぁぁぁぁぁッ!』
ビームの巻き起こす爆発に呑み込まれるゼロ!
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
キングオブモンスは勝ち誇るように咆哮を発した。が、
[ネオ・フュージョンライズ!]
『俺に限界はねぇッ!』
ゼロビヨンドがスラッガーを頭上に飛ばしながら爆炎の中から颯爽と飛び出し、キングオブモンスの懐に潜り込む。
「セアッ!」
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
ゼロのストレートパンチがキングオブモンスの眉間の第三の眼を捉えた。鋭い一撃でキングオブモンスがひるむと、ゼロはジャンプするとともにスラッガーを変化させたひと振りのビヨンドツインエッジを空中でキャッチする。
『俺の名を、刻み込め!』
垂直降下しながらのエッジの斬撃が、キングオブモンスを貫く。
『ツインギガブレイク!』
その一撃でキングオブモンスは爆散。撃破したゼロはジードの隣へと回り込んでいった。
『レイデュエス、もう終わりにしろ! これ以上暴れたって、ドーにもならないぞ!』
ジードとゼロの二人と対峙する形となったレイデュエス。ゼロの言う通り、自分以外の全てを失った彼には最早勝ちの目があると思えない。
しかし……。
『「そうは行くか……!」』
暗黒空間の中で、レイデュエスは懐に手を突っ込む。
『「俺にはレイブラッドの子としての宿命があるんだッ! それから逃れて生きることは出来ねぇんだよぉッ!!」』
取り出したのは、おびただしい数の怪獣カプセル。
『何をッ!?』
ジードたちが止める間もなく、レイデュエスは全てのカプセルを空中に放り投げた。
『「これで何もかもおしまいだぁッ!!」』
そしてブラッドライザーの機能を全開放して、発した波動によってカプセルを同時に起動させる。
『「ラストフュージョンライズ!!!」』
起動したカプセルが一挙に、レイデュエス自身の身体に刺さっていった!
[ゼットン!][パンドン!][バット星人!][ジャンボキング!][サメクジラ!][ブラックエンド!][マクダター!][マーゴドン!][ガタノゾーア!][グランスフィア!][ゾグ第二形態!][カオスダークネス!][ダークザギ!][ギガバーサーク!][エンペラ星人!][ダークルギエル!][ビクトルギエル!][グリーザ!][マガタノオロチ!]
[ウルトラマンベリアル・アトロシアス!!]
二十本ものカプセルの力をその身に取り込むレイデュエスの双眸が、鮮血のような赤に一瞬染め上がった。
『「うううぅぅぅぅぅゥゥゥゥゥォォォォォオオオオオアアアアアアアアッ!!」』
キメラベロスの肉体に亀裂が走り、バラバラになって砕け散る!
『うわッ!?』
『どうなってるんだ……!?』
一瞬顔を背けたジードとゼロの前に現れたのは、新たな融合獣の姿と化したレイデュエス。
『なッ……あの姿は……!?』
その容貌に、ジードが最も驚愕した。
鋭利な指の爪、反り返った足のつま先、大きく吊り上がった濁った紫色の両眼。配色は白と黒のおぞましいまだら模様であるが……その姿は、ウルトラマンジード・プリミティブのものと酷似しているのだ。
『「最終融合獣!! ジェンドロン!!!!」』
レイデュエスがその名を豪語した。
「ウオオオオオアアアアアァァァァァァァァッ!」
ジェンドロンは奇声を発したかと思うと、猛然と右の足を一歩前に強く踏み出す。
『! 危ないジードッ!』
第六感で危険を察知したゼロが咄嗟にジードをかばう。
「オオオオォォォォォアアアッ!」
そうして異常な速度で突っ込んできたジェンドロンの鉤爪の振り上げによって、ゼロの身体がゴム鞠のように吹っ飛ばされた!
『うおぉぉッ!?』
『ゼロッ!』
助けられたジードがキングソードを構え、ジェンドロンに勇ましく斬りかかっていく。
『よくもゼロを!』
だがジードも、ジェンドロンの振り返りざまの平手打ちで呆気なく殴り飛ばされた。
『うわあぁぁッ!? な、何てパワーなんだ……!』
通常フュージョンライズに使用するカプセルは二本。それを一度に二十本も! 単純計算で十倍のエネルギーをその身に凝縮したジェンドロンの破壊力は、ゼロビヨンドやジード・ロイヤルメガマスターすら圧倒するほどであった。
危機を感じた八幡はキングソードをスキャンした。
[解放せよ! 宇宙最強の力!!]
キングソードの柄に素早く三回手をかざして、エネルギーをチャージする。
[アン! ドゥ!! トロワ!!!]
対するジェンドロンは、レッキングバーストと全く同じ構えで腕に暗黒の稲妻を纏い、両腕で鉤十字を作る。
「『ロイヤルエンド!!」』
『「カタストロフバーストォォォォオオオオオオッ!!」』
金色の光線と絶大の暗黒光線が衝突! 耳をつんざく轟音を立てるほどの爆発が生じるが、両者ともダメージを負っていない。相殺されたのだ。
『ロイヤルエンドと同等の威力なんて……!』
戦慄するジード。ロイヤルエンドは自身の最大威力の攻撃だ。それが破られるとは!
しかし、ジェンドロンは様子がおかしくなる。
「グッ……ウオッ……グゥゥゥッ!」
突然胸をかきむしって苦しみ出す。攻撃のダメージは入っていないはずなのだが。
『「ど、どうしたんだ?」』
八幡も困惑すると、状況を分析したレムが報告した。
[明らかに限界を超過したカプセルの使用によって、レイデュエスが反動のダメージを受けています。一歩前に進むだけでも相当の苦痛を伴うはずです]
『何だって!?』
目を見張ったジードは、懸命にレイデュエスを説得し出す。
『もうやめるんだ! そんなことしてまで僕たちを倒して、一体何が残るんだ!?』
だが異常な興奮状態にあるレイデュエスは、汗まみれになりながらジードの言葉をはねつけた。
『「モウ……モウ何ガどうなろウト構ウもンカ! 比企谷ッ! てメェを殺シテ……死んでやるッ!!」』
言語能力にまで支障を出しているレイデュエスの言動に、絶句するジード。
『あいつ……自分を見失ってるぞ!』
それを八幡が首を振って否定した。
『「いいや……あいつは最初から自分がないんだ! 俺たちで見つけてやらないと……!」』
体勢を立て直すジード。全てへの破滅へと暴走するレイデュエスを止めるべく、真の最後の戦いに臨む!