やはり俺がウルトラマンジードなのはまちがっている。 作:焼き鮭
目的地を沖縄と定めたジード部一行は、早速移動を開始した。
[沖縄はここからだと遠すぎて、エレベーターで向かうことは出来ません。星雲荘で移動します]
宇宙船ネオ・ブリタニア号が地下から浮上し、千葉を離れて海上を渡り、沖縄を目指していく。
「うへぇー! すっげぇー! マジの宇宙船だってば! マジSFの世界だべ!」
「タダで沖縄旅行なんて、あーしらラッキーだし」
「もうちょっとゆっくり出来れば言うことなしなんだけどねー」
浮かれている戸部、三浦、海老名に呆れた視線を送った八幡が、葉山にジト目で振り向いた。
「何でお前らまでついてくるんだよ」
「そう言うなよ、探し物なら人手は多い方がいいだろ? 優美子たちもあんなだけど、やるべきことはちゃんと分かってるよ」
「そうだといいんだけどな……。それともう一人」
八幡が葉山の反対側に目を向ける。そちらには、腕を組んで無駄に仁王立ちしている材木座の姿。
「お前、どっから出てきたんだよ」
気がつけばしれっと混ざっていた材木座に、八幡はげんなりした顔。
「ふふッ、水臭いぞ八幡。この剣豪将軍、地球の危機とあらばどこからでも駆けつけよう!」
「本当のところは?」
聞き直すと、材木座はガバッとしがみついてきた。
「はちまぁーんッ! 次回作のネタがッ! ネタがぜーんぜん思いつかんのだぁッ! 今回ので何かいいネタが思いつくかもしれん! 頼む、協力してくれぇー!」
「えぇーい知るか放せ暑苦しい! 自業自得だろうが俺を頼るんじゃねぇよ!」
「うーん……やっぱあの組み合わせはないなぁ」
材木座を力の限りに引きはがそうとする八幡をながめ、海老名が不埒ななことをつぶやいていた。
その一方で、陽乃が葉山に声を掛けた。
「ところで隼人……身体の方はそれから異常ない?」
「はい、今のところは相変わらず」
珍しく葉山に心配そうな様子を見せる陽乃に、材木座を突き放した八幡が何事かと振り返った。
「今のはどういうことですか? 葉山が何か?」
その質問にはゼナが答えた。
『彼は以前、レイデュエスに奴の生命エネルギーを埋め込まれて傀儡にされただろう。実は、そのエネルギーの残滓が生体情報として彼の身体に残っているのだ』
「なッ……!」
予想外の話に、流石に息を呑む八幡。
『幸い身命に別状はなく、生体情報もあと半月もすれば自然消滅する予測が立てられている。しかし、万が一のことがあってはならんからな。AIBで定期検査を行っているのだ』
「そうだったんですか……」
「隼人くん……ほんとに大丈夫? そんな状態で、あたしたちにつき合ってくれて」
「何か気分が悪いとかあったら、すぐに言ってよ」
「ありがとう。でも本当に大丈夫だから。そんなに心配してくれなくていいよ」
葉山の身を案じる結衣や三浦に、葉山がやんわりとした笑顔で断った。
そんなことをしている内にも、宇宙船は一路沖縄を目指していく。
× × ×
星雲荘が沖縄へと移動していく頃――宇宙空間では、全てが鋼鉄で出来上がった惑星が地球に近づきつつあった。それが巨大人工頭脳ギルバリスの操るサイバー惑星クシアである。
[どのような手段を用いても、赤き鋼を見つけるのです]
惑星の中枢で、支配者であるギルバリスが手駒のアンドロイド兵士バリスレイダーの軍団に淡々と命令を発した。
[この惑星の知的生命体は、滅びる運命にあるのですから]
× × ×
八幡たちを乗せた星雲荘は沖縄に到着。現地の人を驚かせぬよう、海岸で透明化して停泊した。
「ああ、今沖縄に到着した。赤き鋼ってのを見つけるまでは帰らねぇから、親父たちには上手いこと言っといてくれ」
八幡が携帯で沖縄滞在の間のことを、小町に頼み込んだ。
『オッケー。その代わり、ちゃんとお土産買ってきてよー? 小町サーターアンダギー食べたい』
「言っとくが、遊びに来たんじゃないんだからな……」
『分かってるって。それに、一番のお土産はお兄ちゃんが無事に帰ってくることだよ。今の小町的にポイント高い』
「へぇへぇ。そんじゃあな」
八幡が電話を済ますと、一行はグループを三つに分けて行動することとなる。
『私と陽乃、ペガ、鳥羽ライハの四名は消えたギャラクトロンMK2の探索を行う』
「うん!」
ゼナに手を頭の上に置かれたペガがうなずいた。
「俺と戸部、優美子、姫菜は資料館とかで沖縄の伝承を当たってみるよ。フィールドワークは任せた」
「何かあったらすぐ連絡入れるんだぞ」
葉山たちもエレベーターで地上へ上がっていくと、残ったメンバーで現地調査を行うべく出発していった。
が、しかし、
「フィールドワークって言ったって、どこから手をつければいいんだろうね……」
那覇市の大通りにて、結衣が途方に暮れた様子でぼやいた。赤き鋼の手掛かりは今のところ、沖縄という大雑把なものしかないのだ。
いろはが汗ばむ額を拭いながらつぶやく。
「いや~、流石沖縄は三月でも暑いですねー。あっ、あっちの方でエイサーやってますよ。沖縄名物の。先輩、ちょっと見に行きませんか?」
「こら一色。一応、地球の命運が懸かってるんだぞ」
沖縄の空気に浮かれ気味ないろはを平塚がたしなめたが、いろははむくれながら反論。
「そうは言っても、手掛かりゼロでアテもなく沖縄中を探し回るなんて嫌になりますよぉ。せっかくなんだし、楽しみもしないとモチベ上がりませんって」
「しかしなぁ……」
平塚が渋い顔をしていると、エイサーを行う一団が八幡たちのいるところに近づいてきた。
「イーヤーサーサー! ハーイヤ!」
太鼓を鳴らして足を大きく上げながら練り歩く青年たちの様子に、八幡たちはつい目線が行く。
「あれがエイサーか。実際見るのは初めてだな」
「エイサーはお盆の時期に、祖先の霊を歌と囃子で送迎するために行われる沖縄の伝統芸能ね。要するに本州の盆踊りと同じ。あれは観光客向けのパフォーマンスみたいだけれど」
「さっすがゆきのん、詳しいねー」
博識ぶりを披露する雪乃に結衣が感心していると、エイサーの集団の中から一人、ポニーテールの少女が脱け出てきて八幡たちの方へ近寄ってきた。
「……!」
ジャグラーはその少女をひと目見て、すぐに怪訝な顔となった。
「はいさい! そこの人たち、何だが暗い顔してるけど、何かお悩みでもあるのかー?」
「えッ、それは……」
唐突に話しかけられて戸惑うリク。しかし少女は構わずに話を続ける。
「どうせだったらみんなもエイサー踊ってみないか? おっきな声で歌って踊れば、悩みごとも吹っ飛ぶさー!」
「ぢゅいッ!」
少女の髪の中からひょっこりとハムスターが顔を出したので、八幡たちは目が点になった。
「え……ハムスター?」
犬猫ならまだしも、ハムスターを放し飼いにして頭の上に連れている人物など、誰もお目に掛かったことはない。この少女は何者なのか……とリクたちが疑問に思う前に、ジャグラーが少女に呆れたように呼び掛けた。
「おい、こいつは何の冗談だ? 我那覇響」
「あっ、ジャグラスジャグラー!? 何でこの人たちと一緒にいるんだ!」
我那覇響と呼ばれた少女が、こちらが名乗る前にジャグラーの名前を言い当てたことに雪乃たちは驚く。
「この人のことを知っているなんて……まさか……」
雪乃が言い終わるより先に、響の背後から新たに六名の女性が現れた。
「我那覇さん、今のどの辺りが自然な接触だったの?」
「ひびきん、もちょっと上手くやってよ~。明らか不自然じゃーん」
「うっ……ごめんだぞ……」
六人の女性の内三名の顔に見覚えがある八幡たちは、あっと口を開けて驚いた。
「あなたたちは、765プロの……ってことは……」
「ふふ……久しぶりね、ジード部のみんな。その後お変わりなかったかしら?」
「やっほー、兄ちゃん姉ちゃん。何だか大所帯だねー」
眼鏡の女性は確か、秋月律子。瓜二つの少女は、双子の双海亜美と双海真美だ。ということは……。
「彼女たちが、比企谷たちが共闘した765プロというところの子たちか。私は平塚静だ」
「どうも初めまして~♪ 一色いろはって言いまーす」
「あー……この眼鏡は材木座義輝っす」
「これはご丁寧に。わたくしは四条貴音と申します」
「如月千早です」
「萩原雪歩ですぅ」
「改めて、自分は我那覇響だぞ。こっちはハム蔵」
「ぢゅいッ」
自己紹介を交わし合ったところで、ジャグラーが765プロ一同に尋ねる。
「お前ら、どうしてこんなところにいるんだ」
それに亜美と真美が頬を膨らませながら、咎めるように返した。
「そんなの、あんたがギルバリスにちょっかい掛けたって聞いたからに決まってるっしょー!? またそんな危ないことして~!」
「ギルバリスが追いかけてるみたいじゃん。よそ様に迷惑掛けちゃダメって言われてるでしょー!?」
「また何かたくらんでるんじゃないでしょうね」
「ふッ……さて、どうだろうなぁ」
千早にジトッとにらまれたジャグラーは、わざとらしく顔をそらした。
話に置いていかれる八幡たちは、彼らのやり取りを見て、仲はあまりよろしくないようだと感じた。
「僕たちは今、赤き鋼というものを探してるんだ。みんなは何か知らない?」
リクが自分たちの目的のことを問いかけると……千早たちは急にひと固まりとなって、ヒソヒソと声を潜めて相談し合った。
「?」
何事かとリクたちが顔を見合わせていると、響が代表して回答する。
「探し物なら、沖縄の伝説に詳しい人を知ってるさー。紹介してあげるね!」
× × ×
響たちの案内の下、一行は街を離れ、林の中へと移った。
「こんなところで待ち合わせですか?」
「まぁまぁ、もうすぐ来るって」
わざわざ人気が全然ないような場所へ移動してきたことを訝しむ雪乃を、響がなだめた。すると、斜面の下の方から人の足元が聞こえてくる。
「ほら、噂をすれば。おーい、ここだぞー!」
響が大きく手を振った相手は、首から青い宝石のペンダントを提げた女性であった。彼女はこちらの姿を見止めると、足を速めて近寄ってきた。
「お待たせしましたぁ」
「すいません、急にご連絡しちゃって」
律子がペコリと頭を下げて謝罪する。
「いえ。こちらが千葉市神話研究会の?」
本当のことを初対面の人に明かす訳にはいかないので、表向きはそういうことにしたのだ。リクたちがうなずくと、響が女性のことを紹介する。
「みんな、こちらはえっと……アウトドア教室をやってる比嘉愛瑠さん」
「はじめまして、比嘉愛瑠です。みんなから愛瑠って呼ばれてます」
女性がたたずまいを直して名乗ると、リクが代表して挨拶を返した。
「朝倉リクです」
「よろしくね、リクくん」
愛瑠が差し出した手を、リクがはにかみながら握った。――愛瑠と面向かってから、何やら浮ついた調子で握手するリクの様子をながめて、結衣が八幡たちに囁きかける。
「何かリクさんの様子が変だけど……もしかして……」
「あっ、由比ヶ浜先輩も気づきましたー? リク先輩、ああいう人がど真ん中なんですかね」
ニヤニヤするいろはの一方で、雪乃と平塚は解せない表情。
「何の話だ?」
「も~、平塚先生ったら鈍いですね~。だからいいお相手捕まえられないんじゃないですか?」
「なっ! 私のことは関係ないだろう!?」
からかわれる平塚。――その傍らで、ジャグラーは愛瑠のペンダントに着目して怪訝な顔をしていた。
「あの、赤き鋼の伝説について調べたいんですけど」
もじもじしてなかなか話を切り出さないリクに代わって、八幡が愛瑠に尋ねた。愛瑠は少し考え込みながら、次のように返答する。
「赤き鋼……私も詳しいことは。でもそういう伝説のある場所を回ってみる? 何か手掛かりがあるかも」
「是非!」
リクが勢い余りながら了承した。
× × ×
こうして一行は愛瑠の先導の下に、沖縄各地の古い伝承が残るスポットを探索して回ることとなった。
その内の一つ、巨大な岩壁に挟まれた斎場御嶽で愛瑠が解説する。
「琉球王朝時代、このような場所で祭事が行われ、人々が祈りを捧げてきたの」
「何をお祈りしてたのかな?」
結衣が誰となく聞くと、リクが人差し指を立てて言った。
「多分、みんなが元気で、幸せでいられますように! ってお祈りしてたんじゃないかな」
リクの答えに、一同が思わず破顔する。
「本当にそうならいいんだがな」
「実に子供みたいな考えね」
「な、何だよー。いけないの?」
平塚や雪乃にクスクスと笑われたリクが少々気分を害したが、雪歩と貴音は擁護する。
「でも、私はそういうの嫌いじゃないですぅ」
「まこと。そのような単純ながら素朴な願いが、平和を築く礎なのです」
「うん。私も、リクくんの考えはとってもいいって思う!」
愛瑠に称賛されると、リクは照れ臭くなって頭をかいた。
愛瑠に振り向いたいろはがふと尋ねかける。
「ところで、愛瑠さんってどうしてアウトドア教室やってるんですか?」
「私はね、自然が大好きなの。たくさんの人にも好きになってもらいたくて」
「何で自然好きなんですか?」
いろはが聞き返すと、愛瑠はそっと御嶽の岩肌をなでながら、どこか遠い目で語った。
「命を、感じるからかな……」
愛瑠の様子の変化に、八幡たちは思わず彼女に視線を集めた。
「大地から、生きる力を感じる。たくさんの命といるって、思えるから」
妙に実感のこもった言葉に、八幡たちは何かただならぬものを感じて押し黙った。
× × ×
「ねーねー、材木座の兄ちゃんは何でひと言もしゃべんないのー?」
「……こいつのことはほっといてやってくれ」
その後、首里城のふもとまで足を運んだところで、急に貴音が立ち止まった。
「四条さん、どうしたんですか?」
「あれを」
雪歩が振り向くと、貴音が指差した先に、見慣れない形のシーサー像、その前に両端がコブのように膨れた棒状の石器がポツンと鎮座していた。
「これは?」
「こんなシーサー像、ガイドブックにはないですよ」
シーサー像に近づいていってよく観察するリク。いろははガイドブックをペラペラめくって確認した。
律子はタブレットをかざして石器を分析する。
「……見た目は石だけれど、未知の金属反応があるわ」
「まさか、赤き鋼?」
「とにかく、確かめてみましょう」
訝しむ八幡に次いで、千早が石器を手に取って反応を窺う。……が、目立った変化は一切起こらない。
「何も起きないわね……」
ここで材木座が眼鏡に指を当てて格好つけながら前に出てきた。
「ふッ……ここはこの剣豪将軍の出ば」
「どいてろ」
「おうふッ!」
が、ジャグラーに押しのけられて変な声を出しただけだった。
ジャグラーは千早から石器を受け取り、低い声を発しながら意識を集中する。
「おおぉぉ……!」
――しかし、やはり何も変化は見られなかった。
やがて愛瑠がジャグラーから石器を受け取り、次の通りに告げた。
「赤き鋼は、正しい心を持った、選ばれた戦士にしか使えない」
「……フッ! 先に言えよ。だったら俺は駄目に決まってるじゃねぇか」
ジャグラーはぶっきらぼうに皆の輪から外れる。
「またこのパターンか」
吐き捨てたひと言と、響たちが複雑そうな顔でジャグラーを見つめていることが、八幡たちにはよく分からなかった。
「愛瑠さん。どうして、赤き鋼のことを?」
リクが愛瑠に振り返って尋ね、愛瑠が何かを告げようとする。
しかしその寸前に、沖縄の空に巨大な魔法陣が開き、白い龍人型のロボット――ギャラクトロンMK2が地上に降下してきた!
「ギャラクトロン!!」
「新型だわ!」
街を蹂躙しながら接近してきたギャラクトロンに、一同がバッと振り返った。
「遂にここまで……!」
ギャラクトロンの方も一行を発見し、そして愛瑠の手の中の石器に注目した。
[見つけました。赤き鋼]
ギャラクトロンのアイカメラ越しに石器を確認したギルバリスがつぶやき、ギャラクトロンが八幡たちに狙いを定めて進撃してきた。
「みんな、こっちだ!」
「一旦退避です!」
リクと貴音が真っ先に動いて、皆を先導して逃走を図る。
「ひ、ひぃ……! ゼロぉ……!」
「早くしろッ!」
怖気づいて足がすくむ材木座は、ジャグラーに引っ張られていった。
海の方へと全速力で逃げていく一行だが、ギャラクトロンはどんどんと接近してくる。このままでは逃げ切れないと判断したリクがジードライザーに手を掛ける。
「ジーッとしてても……!」
だが変身しようとしたのを、ギャラクトロンが指先から照射した光線の爆撃によって阻止された。悲鳴を発するいろはたち。
「きゃああっ!」
「くっ……! こっちがウルトラマンだってバレてるわ……!」
うめく律子。そのまま接近してくるギャラクトロンに対して、愛瑠が胸のペンダントを掲げ、叫んだ。
「グクルシーサー!」
ペンダントの宝石が光り輝き、それに反応して石器が置かれていたシーサー像の目が光った。そして一瞬にして石像から巨大な本物のシーサーに変化し、ギャラクトロンの正面へと飛び出していく。
「グルルル……ウオオオォォォン!」
グクルシーサーと呼ばれた怪獣はギャラクトロンに突進して、侵攻を食い止めた。即座に狙いを怪獣に移したギャラクトロンだが、胸部に後ろ蹴りをもらって突き飛ばされる。
「あいつ……!」
「愛瑠さん今、怪獣を召喚した!?」
目を見張る結衣たち。
「愛瑠さん……!」
起き上がったリクも驚愕の目で愛瑠を見る。すると彼らの背後に、星雲荘が飛んできた。
『早く乗れ!』
「早く早く!」
ゼナや葉山たち、別行動を取っていた者は全員既に星雲荘に回収されていた。彼らはリクたちに退避を促す。
「みんな、急ぐぞ!」
「はい!」
平塚が皆を手で仰いで、続々と星雲荘に乗り込んでいく。グクルシーサーは勇ましくギャラクトロンに立ち向かっているものの、すさまじいパワーに押し返され始めていた。
「ここは自分たちに任せるんだ!」
「さぁ、お早く!」
響と貴音が殿を務めている間に、リクが愛瑠にも避難を促す。
「愛瑠さんも早く……!」
が、振り返ったらそこにいたはずの愛瑠の姿が消えてなくなっていた。
「愛瑠さん……!?」
「リク! 急げッ!」
最後まで残っていた八幡がリクを呼び、リクはやむなく八幡に続いて星雲荘に乗り込んだ。そうして星雲荘が海上へと発進し、ギャラクトロンから逃れることに成功した。
「愛瑠さん……愛瑠さんは、一体……」
星雲荘の機内で、リクが呆然とつぶやいた。それにジャグラーが振り向いて、ひと言告げる。
「あの女は宇宙人だ」
「……!!」
「何? 何かあったの?」
ジャグラーの言葉に驚愕するリクたち。戸部らは何事か分からず首を傾げていた。
一方で、結衣は石器の形状を思い出して一人うなっていた。
「それにしても……あの形、どっかで……」