リクエストの話です。ネタに振ってます(誕生日記念とかのわゆに挟まってるのに)キャラ崩壊注意。というか椿じゃない(サブタイから目をそらしつつ)普段の椿が好きな方は見ないのも手。
本編と繋がってても問題ないレベルにはしたと思いますが、外して考えてくれた方が嬉しいです。というかこれリクエスト通りか...?
「おはよう諸君!」
部室で作業中がらりと開けられた扉の向こうで、椿が高らかに叫んでた。
(あ、これめんどいやつだ)
本能的に察知する。
「もう夕方ですよ。古雪先輩」
「今日はじめて会ったのだ。問題はあるまい」
「はぁ...」
「椿ー!待ちなさいよ...はぁ...」
後から追ってきた風先輩に、夏凜が飲み物を差し出す。
「どうしたのよ風。それに椿...なんというか」
「いつもより明るいよね」
「私はいつもこのような感じだ。体調もすこぶる良い!」
「これがいつもなわけないでしょ...高校でもこんなんで...」
今日一日椿の行動(恐らく奇行)を見てきた風先輩と、わけがわからないと言った様子の他メンバー。アタシは席を立ちつつ椿の聞こえない程度で解説をいれる。
「結城友奈!身嗜みはきちんとしろ!なんだその襟は!!」
「あわわ...すいません!」
最も、友奈と須美と話してるから大丈夫だろう。
「安心してください風先輩。明日にはいつもの椿になってますから」
「え、知ってるの銀?」
「最近椿がストレス感じるようなことありませんでした?」
「えーと...昨日まで高校のテストだったわね。皆で椿に教わろうの会開いてたわ」
「あーそれがメインですね...椿のやつ、ストレス溜まったときたまにあぁなるんですよ」
昔一緒に見てたアニメのキャラに似ている気がする。確か名前は______グラハ、なんとか。
「ストレス言うなら他にもっとありそうだけどね...去年とか」
「詳しい出現条件不明ですからね...本人もその日の記憶無くしてますし。アタシと一緒だった時は一日代わりをしてたので」
「聞いてる限りじゃまるでゲームのキャラね」
「逆に言えば、これで確実にストレス発散が分かるんでいいんですけど」
なにかと椿は小さいことを抱え込む事が多い。勇者部に入ってからは悩んだら相談の精神かアタシが一緒だったからかあまりなかった。というか本当にヤバい時に限ってこれが発動しなかった。
(平和的にストレス貯めた時が多いかなぁ...もう自分の発言が意味不明だけど)
初めて見たのは小学校四年の時。アタシが軽い愚痴をこぼした次の日、ああなってた。愚痴の内容だった相手をこてんぱんに口撃してた。
そう思うとアタシの為に_____と考えて嬉しくもなるが、面倒かどうかは別問題。
「じゃあアタシ今作ったこれ届けてきますね」
「あ、あぁ行ってらっしゃい」
「私も行く~」
扉を閉める前に園子が滑り込んできた。
「園子いいの?アタシから言うのもおかしいけど今の椿珍しいから小説のネタになるよ?」
「ミノさんが離れる時点でなんとなく嫌な予感がしたから~」
「おーおー賢いな~」
頭を撫でると、「えへへ~」とにやける。可愛い。
「それに、つっきーのイメージ壊したくないからね...」
「あぁ。それは分かる」
「聞くなら部室に盗聴器もあるから、それで大丈夫~」
「それなら疲れることなくちゃんと聞けるな...って、冗談やめろよ園子。部室に盗聴器とか」
「......」
「...あの。冗談ですよね?園子さん?あれ?」
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「こんなにも依頼書が...私が来た甲斐があったというもの!」
ヘンテコ椿は銀から話を聞いた風曰く、一日で終わるらしい。のだが__________
「何々、悩み相談...女の子に好かれるには」
「あ、それなら私がタロットで...」
「必要なし!自力でなんとかしろ!!」
「えぇ...」
なんというか、普段の椿を見てる身としてはどう対応していいか分からなかった。
「夏凜!他の依頼はないのか!?」
「あるわよ。はい」
「んん...花壇の世話か。任せろ!」
嵐の様に去っていく椿に、私達は息をついた。
「なんか、どっと疲れるわね...」
「椿先輩じゃないみたい...」
「それほどまでに疲れてたんですね...」
(普段の椿がどうして好きなのか分かった気がするわ...っ!?べべ別に私はあいつのこと好きとかじゃなくて!?)
「ただいま戻った!」
「ってはや!?」
「なに、土壌をほぐすだけの単純な活動だ。造作もない」
「はぁ...」
「夏凛!次の依頼だ!!」
「あー...風、他のはない?」
「ないわね。今日は終了よ」
「なんと...では君達勇者部の話を聞こう。何か悩みはないか?」
あんた自身が悩みの種だとか、話して意味あるのとか言いたくはなったが、こうして疲れてるモードでも他人を気遣うのは椿らしい。
(ここは...)
「じゃあ椿、私が個人的に受けてる剣道部の依頼、手伝ってくれる?」
「了解した!任せたまえ!」
周りから「離してくれてありがとう...!」と言いそうな嬉しそうな目線を向けられて、私も気分がよかった。
のは、さっきまでで。
「今日の私は!阿修羅すら凌駕する存在だ!!」
「純粋なる勝負を!」
「待ちかねたぞ!!少年!!」
なんだが、私の中の椿が音を立てて崩れていくようだった。
木刀を日々振る椿と剣道部男子の実力はほぼ互角で、普段より凄いと思う。
(ある種の自己防衛機能だから、強くなるのかしら...)
純粋に興味があった。普段砂浜で椿と戦えば、勝率は約七割。普段とどれだけ違うのか試すくらいは許してくれるだろう。
「椿、私ともやらない?」
「夏凛?いいだろう。私達は戦う運命にある...」
「それはどうなの...一番戦ってる相手かもしれないけど」
「やはり私と君は運命の赤い糸で結ばれていたようだ」
「はぁ!?ば、ばかなこと言ってないではやくやるわよ!」
「この気持ち...まさしく愛だ!!!」
「はわぁ!?!?」
まともな剣道を出来たか聞かれれば、言うまでもない。
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「おはよう風」
「お、おはよう椿...」
下駄箱で挨拶すると、どこか変な風に返された。
「どうした?体調悪いのか?」
「なななんでもないの。なんでも...」
「はぁ」
「...椿こそ、いつも通り?」
「俺?俺はいつも通りだぞ。昨日の記憶はぼやけてんだがなー...授業も普通に受けてた筈でノートもとってあるのに聞いた覚えがなくて」
「疲れてたのよ。無理しないでね。絶対」
「おう。ありがと」
「絶対よ。悩んだら相談。部長命令だから」
「もう部長じゃないだろ」
「...また愛してるとか連呼されたらたまったもんじゃないのよ」
「?」
「とにかく!いいわね!?」
やたら念を押され、高校では変な視線を感じ、放課後には勇者部皆から肩を揉まれたり膝枕されたりした。
何を聞いても顔を赤くして背ける五人と、目を輝かせながら小説を進める園子と、呆れ顔の銀。
結局なにも分からず、ただ恥ずかしかった。
(俺が一体何をしたって言うんだ...?)
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