感謝してるのは当然なんですが、マンネリというかただの作業な感じがして...前の方が良かったという方いれば教えてください。どちらにしても語彙力豊富な返信をしたい(多分キツイ)今回はいつもより時間かけたつもりなんですが...どうだろう。
前置きはこのくらいにして、下から本文です。 短編『それぞれの道』を見ておくことをおすすめします。
「そーれ。みかんの配給だぞー」
「やったぁ!!」
投げられてくるみかんを上手にキャッチしてこたつに入る。別にお腹はすかないけど何か食べることは楽しい。
「やっぱ剥いてやるから返して」
「自分で剥くよ」
「ユウ。お前は俺のテクニックを忘れたのか?」
気づけば、彼の手には皮が剥けているみかんがあった。それも二つ。
「あ、そうだったね」
「中学の頃にはもう習得したからな。速く綺麗に剥くコツ」
「その速度は流石に人間やめてると思うけどなー...」
「みかん好きは誰でも出来る」とみかん愛好者のハードルを上げてから、一つを私の方に置いてくれる。
みかんについてる白いのが好きじゃないのを知っているので、置かれるそれはオレンジ色が強い。一方彼が口に運んでるみかんは白いのが大体残ってる。
「うん。好き」
「ん?」
「ちゃんと私のことを考えてくれてて嬉しいなって」
「もう知り尽くしてるしなぁ...栄養多いから食べてほしいんだが、この話何回もしたしな」
いつの間にか二個目のみかんに手を出している彼を見て、私は頬をつっつく。意外とぷにぷにした感触が返ってきて楽しい。
「やーめーてー」
「だって楽しいもん。やることもないし、大体そっちもやってくること多いじゃん」
「今お前のぶんもやってるんだが...ほら、口開けろ」
「あーん」
「はい」
開けた口に入ってくるみかんの一房を彼の指ごと頂戴する。
「俺の指は食べ物じゃねーぞ」
「んちゅ...ぷはぁ。ご馳走さま。次お願いします」
「次は食いちぎったりしないよね...?」
みかん一個ぶん全部食べさせてもらって、彼の指もふやけさせるくらいにはなめた。
「随分性格変わったよな」
「案外こっちが私の本性かもよ?」
「あんま嬉しくないけど、そうじゃなかったら俺が変えたってことだし...やだなぁ」
「嫌い?」
「まさか。愛してます」
「私もだよ」
対面に座っていたのを移動して彼の隣に座る。こたつの中で足を絡ませて、頭は彼の肩に乗っけて、持っていたみかんを奪ってちぎって口に運ぶ。
「あーん」
「ん...んんっ...」
「ほら、やっぱりやるじゃん」
「ただのお返しです」
指を吸われて無理やり引っこ抜き、次のみかんを食べさせてあげる。これを繰り返すうちに私の指もふにゃふにゃになった。
「お揃いだ~」
「可愛い奴」
彼から唇が触れるだけのキスをされて、私は受け入れた。さっきまで食べてたみかんの味がする。
「もっと......」
「はいはい」
何回か繰り返して、最後は長めに時間を取って__________ゆっくり離した時には、透明な糸が私達を繋いでいた。
「ん...もっとする?」
「今はいいや。拭いて...にしても、本当こたつ頼んでよかったな。精神的に気楽になる。大赦様々」
「だねー」
二人して伸びきる。食べ物はともかく、まさか本当にこたつまで用意してくれるとは思わなかった。
「神託にちょっと混ぜれば良いだけなんて...」
「お供え物は我ながらナイスアイデアだったわ。これならユウのファッションショーも出来るし、好きな飯もくえるし、娯楽も増える」
「ファッションショー...」
「俺もやるから」
嬉しそうにしている姿を見れば、私は何か言うこともない。私も可愛く見てもらいたいし、彼に似合う服を見たい。
「後どのくらいいれるかなんて分からんがさ」
「うん。その時までずっと一緒にいるからね...ツバキ君!!」
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「...ん!椿君!」
「んぁ...あれ?ユウ?」
「ほら起きて。もう夜だよ」
「嘘...ホントじゃん。何時間寝てたんだ俺」
眠っていた頭を覚醒させて、記憶を引き出す。ユウのお願いで彼女を抱きしめて、その後ベッドで寝転がり______
(それで、寝ちゃったのか...)
「いや悪いな。長い間占領してただろ」
「ううん。頼んだのは私だし、嫌じゃないから...寝顔よく見れたし」
「?」
「なんでもない!それより何処か食べに行かない?」
「分かった。乗ってくか?」
「その方が早いよね?」
「まぁな。じゃあ準備して入口で待っててくれ。バイク取ってくる」
コートを手早く羽織ってバイクを目指す。
(にしても...)
ユウに起こされる直前、何か夢のようなものを見ていた気が__________
(ユウ、友奈...高嶋、高嶋友奈?ん??)
拭いきれない違和感があるものの、その正体まで辿り着けない。結局俺は、それを気にして運転を疎かにしないよう気をつけることしか出来なかった。
(......いや。まさかな)