ヒロインは樹、ヤンデレっぽくなります。本編とは一切関係ありません。
樹ちゃんがこんなことするわけねぇだろ!!や、ちょっと無理っす....という方は次の本編へお願いします。
下から本文です。樹スキーが増えることを願いつつ...
私にはお兄さんがいる。
「あつー...」
「ですねー...」
中学二年生のその人の名前は古雪椿さん。お姉ちゃんである犬吠埼風の作った『勇者部』に所属する人で、お姉ちゃんが家に連れてきてから関係を持った。
夏休み、今は互いの宿題を片付けている。お姉ちゃんは新しく入ってきた勇者部の二人と一緒にプールの補習らしい。女子だけ日数が足りなかったとか。
『樹をお願いできる?』
『任せろ。絶対昼は作らせない』
私は料理が下手なので、勉強会もかねて椿さんが料理を作ってくれた。
「椿さんってお姉ちゃんと同じくらい女子力高いですよね」
「男子に言うな」
カルボナーラをちゃちゃっと作り上げた椿さんは、料理もさることながら勉強も良くできる。お姉ちゃんも成績は悪くはないけど、椿さんには敵わないみたい。
小学六年の計算で分からないところを聞くと、すぐに解説が返ってくる。教えかたもうまいし、私自身で解けるようになるギリギリのヒントまでしか出さない。
その心配りが、私の心を掻き立てる。
(椿さん...)
私が椿さんを名前で呼ぶようになったのは__________もっと言うなら好きになったのは、去年の年末だった。
車と事故になるところを、身を呈して救ってくれたのだ。
『樹!?樹!!大丈夫か!?』
今でもその顔を覚えていて、嬉しくて、大好きだった。
誰にも渡したくないくらい__________
「......」
「椿さん?」
「...すー」
気づいたら、椿さんが寝ていた。自分のノートにびっしり文字を書いていたけど、私でも分かる問題だから解説できるよう解いといてくれたのだ。
(朝忙しいから午後はいつも寝てるってお姉ちゃん言ってたっけ...)
「風邪ひいちゃいますよー...」
自分の目の前で無防備な姿を晒してくれるくらい信用してくれていることに喜びながら、布団を被せようとして__________手を止めた。
暑い夏。天下の扇風機先生がいるとはいえ暑いので私達は半袖。
その半袖から出た腕が、少し汗ばんでいた。
(______っ)
知覚した瞬間、血が沸騰したようになる。
「つ、椿さん、起きてください」
このままでは止まらない。ここで起きてくれなきゃ______
「...それはうどん......」
でも、椿さんは起きなかった。
(あぁ...)
ダメなことなんてわかってる。お姉ちゃんも椿さんのこと満更でもなさそうなことも。
「...少しだけなら」
でも、目の前の魅力に耐えられなかった。
腕を少し触る。湿った感触すら愛おしく感動しながら、そのままつつっと指をずらす。
(...)
てかてか光るそれを______私は口に入れた。
しょっぱさと、味わったことのない何か。口の中をそれだけが支配して、私は赤ちゃんみたいに指を吸った。
「んっ...はぁ」
一度枷を外してしまえば、もう止まらない。
「...もう一度だけ...」
あと一回、あと一回と椿さんの汗を指に擦り付ける。なめた指はふやけて、私の心も溶かされていく。
「んにゃ...やめろよ、銀ー......」
「!!」
指が無意識に止まった。
「...銀?」
寝言の文脈からして恐らく人の名前。聞いたことのない名前だけど、私は目の前が暗くなった。
(椿さん誰ですかその銀って人ですかそれともただの色ですか椿さんとどんな関係なんですか私より大切なんですか__________)
ふと、首元が目に入った。
(......)
先日、ドラマで見たこと。お姉ちゃんは『これは重いわね...』なんて言って見てたけど、私はその時椿さんとのことを考えていた。
「椿さんが悪いんです。勉強会なのに寝ちゃうから...だから、お仕置きです」
私は言い訳のために片手で持っていた布団を捨て、椿さんの首に口を近づけた。
(......好き)
そして、そのまま食いついた。勿論歯を立てているわけじゃない。気づかれたくないから。
「んっ...」
でも、さっきのが霞むほど濃厚な汗と耳に聞こえる近過ぎる椿さんの吐息が、私の気持ちを無茶苦茶にさせた。
(...おいしぃ)
舌を首に当てて、椿さんと一つになった錯覚にあう。
扇風機の音と、ちゅぱちゅぱと鳴る音だけが部屋を満たした。
(椿さん...独り占め)
舐める度に心が揺れる。もっと私の存在を感じて欲しい。私をみてほしい。
ドラマでやっていたように、ちゅーっと吸った。昇天しそうなどす黒い感情が脳を満たす。
「ふぁー...」
(キスマークつけちゃった...これで私のモノ。好き、好き。大好きです。椿さん)
私の欲は止まることを知らない__________
次は何をしようかな?
読みきった方、ありがとうございました。