次回はもうできてるので早いはずです。
東郷1、2と関係性は全く無いのでこのままどうぞ。
古雪椿。どこにでもいる小学五年生。自慢は同級生の男子よりちょっと運動と勉強ができることと、隣の家が馬鹿みたいにでかいお陰で走り回る場所に困らないこと。
隣の家______鷲尾家は、この四国で知らない者はいない神樹様を祀る組織、大赦のお偉いさんらしい。
挨拶に行った時に見たのは中を回り切ることができないほどの敷地で、和風の水汲み場みたいな場所もあった。
その手入れが行き届いた屋敷の外、外周を回るだけでも、結構な運動になるのだ。
今日も今日とて、誰でもない架空の鬼から逃げるように走り回って、そろそろ帰ってお風呂でも入ろうかなと思っていた時。
『...?』
人がいた。大きな玄関の門に、自分より小さい女の子。ランドセルを背負い、おしゃれな制服はぴしっと着こなされている。
俺は、靡く黒髪から覗かせた横顔を見て____________
『...可愛いな』
誰にでもなく、呟いた。
これが、俺とあの子のファーストコンタクト。
たった二年もない付き合いとなる、始まりの瞬間だった。
「おい椿!!」
「っ、なんだよ」
我に返ると、そこにはそれなりの付き合いになってきた友人、倉橋裕翔がいた。
「なんだよじゃないぞ。もう学校終わりなんだが?」
「...そっか」
机を片付け始めてるクラスメイトに謝って、自分の席を立ち上がる。責任持って机を前のスペースに運んでから荷物を背負い、教室を出た。
「また明日」
「またなー」
「まーたボケっとして」
「...いいだろ、別に」
隣で歩く裕翔を流しながら、窓の外を眺める。
あの時も、こんな心地の良い日だった。走った時丁度よい風が頬を撫でる感触があり、雲はあるものの青空が広がっている。日常風景を切り取るならこれ以上にないくらいの景色。
「こんなボケっとしてるやつが、学年で成績もスポーツも良いなんて...」
「悪かったなこんなで」
「くそっ、後輩まで取られる」
「いや後輩は後輩でお前のものでもないだろ。同級生もだけど」
この讃州中学は、というより全学校そうだが、俺達は中学二年生になり、後輩ができた。といっても、部活に参加してるわけじゃない俺にはあまり縁のない話ではある。
「可愛い子がいたんだよ!赤髪の子と、黒髪の子!まぁ一人は車椅子の方が目立ってたけど」
「へー」
確かこの学校はバリアフリーが他校より進んでいるなんて話を聞いたことがある。それが目当てなら、その子からすればありがたいのだろう。
「でもそれ以上に、アレがね...」
「アレ?」
「またまた、お前も好きだろ〜?」
「...俺がいつ好きだと言った」
「またまたまた、よく目で追ってるじゃないですかいだい!?」
ジェスチャーで分かってしまったことを悔やみ、げんこつをかます。
(黒髪、それに...胸、ねぇ)
目で追うことは、否定しきれない自分がいる。だがそれは、あの子の姿が年齢不相応であったからであって____________
(小学生であれはないでしょ。なんなら中学生でも滅多に...)
「ありがとう。友奈ちゃん」
その時、俺の体は止まった。
「ん、おいどうしたー?」
黒髪、背丈、声。
その姿を、俺は知っている。覚えている。
「気にしないで、東郷さん」
「おーい、椿?」
「あ、すみません、道を塞いでしまって」
「い、いやー、寧ろこっちが邪魔だから...お、おい椿」
「大丈夫ですか?鞄が」
「...あの、もしもし?」
車椅子が俺の手前で止まる。心配そうな顔が、俺を覗き込んでくる。
その目は、前髪に隠れながらも、光を消すことなく____________
「な、まえ」
「えっ」
「君の、名前を、教えてくれないか」
「えっと...東郷美森といいます」
「東郷...」
「初め、まして?」
そう言った東郷は、困惑した俺を見て、明らかに困っている。
そう、鷲尾須美の顔がしていた。
−−−−−−−−−−−−−−−−
「古雪?」
「はい。ご存知ですか?」
勇者部の部室で、部長であり一学年上の風先輩に聞いてみた。
さっき廊下で出会い、そのまま去って行ってしまった人物。私のことをまるで幽霊でも出たかのような扱いだった。
「まぁうちの学年ではそこそこ人気かなー。イケメン...と聞かれるとちょっと悩むけど、成績は良いし教えるのは上手い。運動神経も良くて体育祭は大活躍。なんか家も豪勢だとかなんとか」
「そうなんですか」
「そうよー。競争率高いから頑張らないと」
「えっと、そういうつもりで聞いた訳では無いのですが...」
「えー!つまんないなーもう」
明らかに態度が落ち込んだ風先輩を端に見ながら、お茶を淹れる。車椅子だとお茶を淹れるには少し机が高い。『今度新しいの買うから、それまで我慢して』と言われれば、寧ろありがたい話だ。
(...でも、『初めまして』って返してくれたものね)
私の記憶のない期間、あの人と会ったことがあるのかもしれない。そう感じたのは、男性なのに全く警戒をしなかった私自身が証拠となっていた。
しかし、だったら私の言葉に反発するはずだ。初めましてではないし、何か言ってくるはず。
「東郷さんごめん、ちょっと来てくれるかなー!」
「今行くわ、友奈ちゃん」
何か引っかかるけど、何も分からない。そんな違和感は、友奈ちゃんと過ごせばすぐに消えて。『古雪さん』のことに私が気づくのは、一年以上後のことになる。
そう、なってしまった。
−−−−−−−−−−−−−−−−
『改めまして、鷲尾須美と言います。よろしくお願いします』
鷲尾須美は、堅物な真面目さん。という印象が強かった。ザ、和風少女という感じで、あまり同級生にいないタイプ。
学校も違ったし、最初の頃は関わりもなかった。単に養子として増えた隣の家の人。というくらい。
変わったきっかけはなんだっただろうか。悔しそうにテスト用紙を握りしめてた彼女に声をかけて解き方を教えた時か、鷲尾家の掃除を手伝った時か。
『古雪さん、ぼさっとしないでください!』
鷲尾さん______須美は、何かと声をかけてくるようになった。帰り道が一緒になれば並んで帰り、家に帰れば大きな玄関前で少し話したり。
『この戦艦大和は西暦時代の日本の立役者と言っても過言ではないんです!!!何故なら____________』
『古雪さん、勉強を教えてもらってもいいですか?』
『これが、げーむ...?』
彼女は、その雰囲気と性格で人との壁を作りがちだが、一度近いと判断した相手には気を許しやすいのだろう。気づけば家で遊んだり、屋敷に招いてくれることも増えた。
気安く接していいか聞くために紙を広げて読み出すとは思わなかったが。
『古雪さん!西洋の食べ物を食べるなとは言いませんが、是非和食を!!』
『300年以上前の日本は素晴らしく______』
幼馴染、と言うには付き合い始めたのも期間も適してないだろう。一歳差の仲の良いお兄さん、くらいの気持ちだったのかもしれない。
俺にとって妹のようではなかったのは、最初からか、途中からかは分からないが。
『私、親友ができました』
学年が一つ上がり、神樹様から受ける大事なお役目についたらしい彼女は、一緒に行動する仲間が好きになれたらしい。
一緒にいれることは少し減ったし、お役目とはいえ擦り傷や切り傷を放置しているのは如何なものかというか、どんなお役目なのだとツッコミたくなるところではあるが、本人が言いづらそうにしていたため何も聞かず。
だから、そのまま進むと思っていた。何事もなく平和にいくのだと。
鷲尾須美がもういないと悟ったのは、それから少し後のことだった。
いきなり元の家に帰ったと両親は言って、取り付く島もなく。かといって二人から漏れている感情が、ただ戻っただけではないことを語っていた。
何より、あの子が何も言わず去るとは思えない。自力でやれることは全てやった。大赦を調べ、あの子が通っていた学校を調べ、あの子がよく行く場所を調べた。
結果は、まるで遠い過去の人の話をしているかのように、存在していたという痕跡しかない。
きっと、俺はその時自覚したのだろう。自分の初恋に。
(そうだよな。間違いないんだ)
その心が言っていた。東郷美森は鷲尾須美であると。
かれこれ一年半くらい。大赦を調べてから二年くらい経った今、再び色々調べたがこれといった証拠は出ない。だが、俺の心だけがずっとずっと煩い。
俺と東郷さんの付き合いはほとんどない。俺がたまに、一方的に勇者部の手伝いと称して近づき、少し話すくらい。
姉妹はいなくて、親友は結城友奈。車椅子は昔の事故の影響。
それ以外は大赦を調べるのに培われた追跡能力なんかをフルに使い、それでも変なところはほとんどない。
(いやこれじゃストーカーじゃねぇか...)
唯一関係しているんじゃないかと言えば、彼女は事故の影響で約二年分の記憶がないらしい。その期間は、俺と須美が過ごしてきた期間とほとんど合致する。
しかし、そんな都合よく記憶を消せるなら、お役目を与えていた大赦は神樹様を祀る神聖な組織ではなく、悪の秘密結社だ。
(調べれば調べるほど、『分からない何かを隠してる』ってことだけはわかるのは、確かに秘密結社っぽいが...)
ただの中学生が張り込みとかでできる限界。しかも元のアイデアは小学生の須美だ。
堅物で真面目、しかし優しさと思いやりを持ち合わせて、努力のベクトルがたまに破天荒な方に傾く友達思いの女の子。
(だが、だけど、こうも似るか?性格から容姿から)
悩んで、調べて、悩んで。
そうして中三の夏休み明け。俺はついに、彼女の家に来ていた。
(...行くか、行くか〜?)
アポなどない。住所は共有された訳ではなく一方的に知ってるだけ。休日なら誰にも聞かれずに確かめられる。
(訴えられてもおかしくねー...)
だが、これ以上は俺の心がはち切れそうになる。そうならもっと行動したいし、違うなら違うという決定的な証拠が欲しい。
(未練たらたら、最悪ストーカー先輩...犯罪者)
それでも俺は、インターホンを押した。
「やってやるよ。この野郎」
返事はなかった。
(...心折れそう)
時刻は朝早め。規則正しい生活をしてる彼女ならもう起きてると踏んでのものだし、両親も出てこないのは少し違和感がある。
気配までは分からない。ただ何に違和感を感じているのか_________
(...ぁ)
扉の隙間に手を通す。スライド式のそこをずらせば、スッと扉が動いた。
単純な鍵忘れなら声をかければいい。しっかり閉めれば外からは気づかれない。
(......何か、証拠があれば)
それでも俺は、悩んだ末に家の中へ入っていった。
(誰も、いない。音もない)
和の家はどうしようもなくあの子のことを思い出させ、本能で踏み出させようとする足を音を立てないようにしろという理性で抑え込む。引き返せという理性はそれでも何かを得たいという衝動が飲み込む。
(ここは、違う。ここはキッチン)
一つ一つ見てない箇所を潰し、新たに部屋を探す。そうして、そうして、繰り返して____________
「何やってるんだッッ!!!!」
気づけば彼女の目の前にいた。
「ふ、古雪さん!?どうして家に!というか腕が」
「うるさいッ!!!何やってるんだって聞いてる!!!」
彼女は今、何をしていたか。
「何で自分にナイフ向けてるんだッ!!」
「わ、私のことより」
「答えろ東郷!!!!」
「っ...実験、です。私が死なないことを証明する」
「そんなわけないだろ!!!バカかお前はッ!!!!」
「ッ!本当です!私達は死なない、死ねないんですっ!!」
東郷のまっすぐな目が、俺を射抜く。
「薬を飲んでも飛び降りても死ねなかった!私達は生かされてるんです!神樹様に!!」
「バカ言え!!ふざけるなよ!!そんなわけねぇだろ!!!」
死ねないなら、死なせないなら、何で須美は戻ってこないのだ。
「あなたはっ、何も知らないから!」
「知るかよそんなこと!!お前そんなことやって、俺に言えても家族や結城に言えるのかよ!!」
「ゆ、友奈ちゃんは...言えます。だって友奈ちゃんも同じだから」
「冗談も大概にしろ!!」
「うぐっ」
東郷に掴みかかる。視界がぐらつく中で、俺が言えることを必死に考える。彼女が自殺なんかしなくていい話を、言葉を、何でもいい。何か言えれば。
(...そうか)
「...古雪さん?」
「嫌だ」
嫌だ、嫌だ。
「嫌だ」
この子がいなくなるなんて。
「お前が須美でなくたっていい。そんなことはもうどうでもいい。俺はただ、いなくなってほしくないだけなんだ」
つい目で追っていた。色んな意味で緊張しながら声をかけた。何かしたいと思った。
「ただ、それだけなんだ...」
それこそ、はじめは見た目だけだった。でも今は違う。
何がそうさせたのか、何が俺を動かしてるのか、説明はできない。俺自身にも分からない。
でも、今だけは____________
「東郷、た、のむ。死ぬのだけはダメだから...だから......」
「!古雪さん、古雪さん!」
何もしてないのに東郷に倒れ込む。さらししか巻かれていない彼女にぶつかっても、彼女は怒るどころか心配そうな声をあげる。
先程まで自分で命を絶とうとしていた人間がそんな声をあげるのだから、ほっと一息ついてしまう。温かさと柔らかさを直に感じて今までにない心地よさが俺を襲ってくる。
「やっぱ、いいもんだわな...」
そうして俺は、眠るようにゆっくりと目を閉じた。
次に目覚めた時、知らない天井で、何故か右腕がギプスで固められていた。
これだけでも驚くことではあるのだが、もっとヤバいことがある。
「椿さん、食欲ありませんか?」
「あ、えっと、いや」
「もしかして、お口に合いませんでした?この二年で味覚も変わっているかもしれません」
「そんなことは...ないけど」
「うーん......では食欲以外だとすると、病室が慣れませんか?」
「いや、個室だし別に...」
それは、須美とも東郷とも考えられないくらいグイグイ攻めてくる彼女がいたことだった。
「......そういうことでしたか。少し恥ずかしいですが、椿さんになら」
「え、何」
「揉みますか?私の胸」
「揉まないよ!?」
−−−−−−−−−−−−−−−−
東郷美森は、鷲尾須美だった。それを完全に思い出すのはまた少し後のことになるけど、聞かされたのはあの時______そのっちに会いに行った時だった。
この世界は紛い物で、私達は騙されてて、お役目は皆を苦しめるもの。
でも、あの順序だったからこそ、尚更私の心に響いたのだろう。
『何やってるんだッッ!!!!』
彼が私の目の前に来たことは。
あらゆる自殺法を試していた私。やっぱり勇者は生かされていて、神様にとっての駒でしかない。その事実は当然勇者だけのもので、一般男性の腕に包丁が刺さって痛くないわけがない。
「ふ、古雪さん!?どうして家に!というか腕が」
「うるさいッ!!!何やってるんだって聞いてる!!!」
顕になった胸元を見られている、不法侵入されている。そんな動揺と一緒に出た声は、それを上回る怒声でかき消された。
『何で自分にナイフ向けてるんだッ!!』
『わ、私のことより』
『答えろ東郷!!!!』
彼の鋭い目が、私を射抜く。
『っ...実験、です。私が死なないことを証明する』
『そんなわけないだろ!!!バカかお前はッ!!!!』
『ッ!本当です!私達は死なない、死ねないんです!薬を飲んでも飛び降りても死ねなかった!私達は生かされてるんです!神樹様に!!』
それは、ただの事実。
「バカ言え!!ふざけるなよ!!そんなわけねぇだろ!!!」
でも、その事実を彼が知るわけがなかった。
『あなたはっ、何も知らないから!』
『知るかよそんなこと!!お前そんなことやって、俺に言えても家族や結城に言えるのかよ!!』
『ゆ、友奈ちゃんは...言えます。だって友奈ちゃんも同じだから』
『冗談も大概にしろ!!』
『うぐっ』
胸元を掴まれる。死なないのに、息は苦しい。
それと、息以外の何かも。
(...どうして、ただの後輩に、そんなに)
『...古雪さん?』
『嫌だ。嫌だ』
突然緩まった腕に、赤い血が伝い続ける。
『お前が須美でなくたっていい。そんなことはもうどうでもいい。俺はただ、いなくなってほしくないだけなんだ』
(っ!?)
どうしてその名前を今。思い返せば辻褄が合うことばかりだけど、あの時は頭が働かなかった。
『ただ、それだけなんだ...東郷、た、のむ。死ぬのだけはダメだから...だから......』
『!古雪さん、古雪さん!』
私に倒れ込んできた彼は、未だ血を流し続けている。こんな問答をしている場合ではないのだということに気づけたのは、あまりにも時間が経ちすぎていた。
そのくらいしっかりしていたのだ。彼が。意志を持って訴えてきて、私にそれは響いていて。
『やっぱ、いいもんだわな...』
『何を言ってるんですか貴方は!!!』
『なにって、そりゃ、俺の好きな...』
あれから、時間が過ぎた。
全てを知った私は、友奈ちゃんを、皆をこれ以上苦しめ続けないために。彼にこれ以上言われないように、全てを諦め逃げ出す道を選んだ。
結果として友奈ちゃんの説得を受けた私は自分の決断を更に押し曲げ、満開の後遺症も治り、私の大切な記憶を取り戻す事ができた。
どう感謝すればいいのか、どう償えばいいのか、答えは未だに出ない。
だけど、ずっと片隅にあった想いが表面に浮かんできた時、どうしようもなく心が苦しくなってしまった。
『一緒に遊ばない?これ最近流行りのゲーム!』
養子という家族である他人がいる生活で一人慣れずにいた私に声をかけてくれた。
『本が好きなのか...この量は凄いな。え?読んじゃいけない本もあるの?大赦関係?』
『習字?流石に和のもの...お、おぉ。やるよ。そんな目を輝かせなくても』
『長門?戦艦?何百年前の...やめて揺らさないで頭がががが』
私の趣味も理解し、入ってきてくれた。
『友達作り?いや須美なら別に...まぁ変な空回り方はしそうか。いやそんな目するなよ。自覚があるから聞いてきたんだろ?一緒に考えるから』
察しが良くて、気を使ってくれて、優しくて、かっこよくて、気づけば惹かれていて。
『え〜、これがわっしーの恋人〜?』
『こ、恋人じゃ』
『もっと軍人みたいな人かと思いましたよアタシは。須美のことだから』
『ち、ちがっ!』
私の好きな人は、ずっと私を好きだった。ただその事実に気づいてしまったから。
「椿、さん」
海の先に見える壁は、半円に抉られている。
(...私の、罪の証)
あれが見える限り、私の償いは消えない。
だけど、今は。今だけは。
彼に何を返そう、彼に何を言おう。彼にどう感謝を、償いを、私の気持ちを伝えよう。
電車に揺られながら、私はそれだけを考えていた。
『なにって、そりゃ、俺の好きな...』
(あの言葉の続き、聞かせて貰いますからね。鷲尾須美として...東郷美森として)