古雪椿は勇者である   作:メレク

76 / 336
この作品友奈スキーの方かなりいらっしゃるみたいなので、少し緊張...まぁ、楽しんでいただければ。


アフターストーリー 友奈

今時の結婚式は、神社で行われる和風な物と、大昔の別の国から取り入れたと言われる洋風なものと、二つある。

 

片方は着物。片方はドレス。花嫁を飾る装束はどちらも美しく、見るものを魅了する。

 

ならなぜ、俺がタキシードを着て、教会の一室で待機しているかと言えば__________

 

『椿先輩...私、ウェディングドレスが良いです』

 

友奈がそう言ったから。ただそれだけだ。

 

 

 

 

 

恋人になった俺と友奈は平和過ぎるほど順調に交際を続けた。遊園地デート、カラオケデート、バイクでドライブデート。

 

そんな俺が指輪と婚姻届を渡したのは、そう昔のことじゃない。

 

『結城友奈さん。俺と結婚してください』

『先輩...本当に、私でいいんですか?』

『...友奈以外、選べない』

『...嬉しいですっ!!喜んで!!』

 

花開くような笑顔を、これからもっと増やしたい__________俺の隣を歩んで欲しい。

 

 

 

 

 

「準備、できましたでしょうか?」

「あ、はい」

 

物思いに耽っていると、扉が叩かれたので外に出た。

 

「似合ってるじゃないか!」

「ありがとうございます」

 

少し大柄なこの方は友奈のお父さん。俺達が結婚することにすぐ賛成し、『友奈を守るしっかりした子じゃなきゃならん!』と武術も教えてくれた。

 

「友奈から聞かされ続けていたからねぇ...まだ嫁に出すのは早いと思っていたけど、君なら信じられる」

「...ありがとうございます」

 

俺は頭を下げることしか出来ない。大切な娘を貰う立場なのだから。

 

「お父さん。椿先輩」

「友奈...っ!」

「おぉ...」

 

声をかけてきたのは、純白のドレスに身を包んだ友奈だった。

 

「...どうですか?」

「......綺麗だ」

「んっ...ありがとうございます」

 

(あぁ。本当に...)

 

試着の時も見せて貰えなかったため、このドレスを着ることしか分かってなかった。綺麗だとは思っていた。でも__________想像を遥かに越え、俺は魅了される。

 

「友奈、いつまで椿君に敬語を使っているんだ?」

「へ?だって先輩だもの」

「もう家族になるんだから、先輩も後輩もないだろう」

「あ...」

「気づいてなかったのか...友奈らしいけど」

「あははー...椿さん?」

「っ」

 

いつからだろう。友奈の顔一つ一つに心が動くようになったのは。

 

「そろそろお時間です」

「私と友奈が先にいくからね」

「...はい」

 

いつからだろう。友奈の声で体が反応するようになったのは。

 

「古雪椿さん。貴方は、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、これを愛し、これを敬い、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

「結城友奈さん。貴女は健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、これを愛し、これを敬い、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」

 

(あぁ。そうだ)

 

誓いの言葉を終え、指輪を交換し、彼女のベールを捲る。薄化粧した友奈の顔が間近にある。

 

「友奈...」

「椿さん...」

 

誓いのキスの場所は、予め話して決めていた。愛情の意を現す__________

 

(俺は初めから、彼女が好きだったのだ)

 

『......』

 

彼女の唇と俺の唇が繋がって、俺達の影は一つになった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。